「光戦隊マスクマン」は、「スーパー戦隊シリーズ」第11弾、1987~88年にかけて放送された作品である。
今回、いきなりこんな中途半端な回を紹介しようと思ったのには理由がある。
ずばり、この21話と22話に、伝説の美少女・田山真美子さんがゲスト出演されているからである!
よって、田山さんの画像を貼ることをまず第一の目標としてレビューしてみました。
第21話「霧の谷の黒い影」(1987年7月18日)
まず、本編の前に軽くOPタイトルバック、およびキャストなどについて触れておく。
最初に、ナレーション(武田広)「人の体には未知の力が秘められている。鍛えれば鍛えるほど、それは無限の力を発揮する!」と共に、筋肉バキバキの男性のシルエットが映し出され、巨大な氷の塊を気功のようなパワーで木っ端微塵に破壊するイメージショット。

その砕けた氷の上に、5人のメンバーの躍動する姿が重なり、ついで「光戦隊マスクマン!」のコール。
OP・EDテーマを歌うのは、影山ヒロノブさん。

リーダーのレッドマスクことタケル。
うむ、信じがたいほど地味な顔である。
当時は、あくまで子供たちが見て楽しむものだったからね、特撮は。
イケメンなんかお呼びではないのだ。

サブリーダーのブラックマスクことケンタ。
うむ、信じがたいほど地味な顔である。
当時は……(以下略)
しかし、ツートップがこんな取りとめのないマスクでは、(マスクマンだけに)さすがにちょっとまずいんじゃないかと危惧したが、

ブルーマスクことアキラ。
三人目に、ちょっと爽やかな面立ちの少年っぽいメンバーが登場してホッとする。
この広田さんは、実際に武術の達人だったことからスカウトされたらしい。
今回のメンバーは、みんな何かの格闘技のエキスパートと言う設定なのだ。

4人目は、イエローマスクことハルカさん。
永田さん、OPでは派手なアクションを披露されているが、別にJACの人ではないらしい。

5人目は奇麗どころ担当の、ピンクマスクことモモコさん。
中国拳法の達人と言う設定の前田賀奈子さんは「スケバン刑事2」にゲスト出演した時にも色っぽいチャイナドレス姿を披露されていた。

トリを務めるのは、光戦隊の創設者である姿長官(谷隼人)である。
このキャスティングは良いのだが、
谷さん、浮いちゃダメーッ! ……ま、そう言う時代だったんだね(と、軽く流しておく)。
前作「ライブマン」のOPのコロンのムーンウォークと並んで、戦隊シリーズの歴史上、なかったことになっているカットである。
さて、本編であるが、

アキラ「駄目だ、光戦隊もおしまいだ」
ケンタ「何言ってんだ!」
アキラ「だってグレートファイブなしでどうやって戦えってんだよ!」
モモコ「ごめんなさい」
タケル「誰のせいでもない、それだけチューブが上手だったってことだ」
のっけから、光戦隊の皆さんは本部の一室でひどく落胆しておられた。
どうやら、前回、巨大ロボであるグレートファイブを、敵である地底帝国チューブによって地底深く落とされてしまったらしいのだ。そして、その原因はモモコにあるらしい。

ハルカ「こんな大事な時に、長官ったら一体何処へ?」
東「長官!」
モニターを見ていた東(あずま)と言う女性オペレーターが、その姿長官が公園にいるのを見て、思わず声を上げる。
それにしても、みんな個性的なファッションしてるよね。いかにも80年代後半と言う感じで。

由美「いやです! あなたは鬼です!」
その姿長官をいきなりビンタして罵る美少女こそ、田山真美子さん演じる山形由美なるキャラであった。

由美「お父さんを殺したロボットを蘇らせようなんて!」
姿長官、てっきり、「ねえ君、お小遣い欲しくない?」などと話しかけて、手ひどく拒否されたのかと思いきや、そうではなかった。

タケル「長官、誰ですか、あの子?」
姿「山形博士のひとり娘、由美さんだ。実はグレートファイブに代わる巨大ロボがあるかもしれないんだ」
姿長官によると、彼が光戦隊を結成した時の協力者こそ、由美の父・山形博士であったと言う。
その際、姿長官のグレートファイブ、山形博士のギャラクシーロボが最終選考に残り、結局、グレートファイブが光戦隊のロボットとして採用されたそうなのだ。
もっとも、二人は人も羨む親友同士だったので、山形博士は自分のロボットが落選しても一切悔しがることなく、心から姿長官を祝福する。

その一方で、山形博士は独自にギャラクシーロボの開発を進め、ある日、わかりやすく青い不精ひげを生やして姿長官のところへやってきて、心を持ったロボットを完成させたと嬉しそうに報告し、そのまま試運転に出て行ったのだが、それが姿長官が生きている山形博士を見た最後となってしまった。

その後、何があったのか不明だが、湖のほとりで倒れている博士の死体を、姿長官と由美が発見する。

姿「山形!」
由美「お父さん!」
父親の変わり果てた姿に取り縋り、泣き叫ぶ由美。
回想シーン終わり。
姿「ギャラクシーロボは山形を殺し、行方不明になってしまったんだ」
アキラ「そんな恐ろしいロボット、どうしても探し出さなきゃいけないんですか?」
姿「グレートファイブなしでは戦えん。ギャラクシーロボに賭けるしかないんだ」
だが、そのことは早くも地底帝国チューブの情報網に捉えられ、地帝王ゼーバは前線指揮官である王子イガムにそれを阻止すべく出撃を命じる。

姿長官が、湖のほとりの山形博士の墓を訪れて、山形博士の霊に話しかけていると、花束を持った由美が険しい顔付きで現れる。

由美「帰って下さい、お父さんを殺したロボットのことなんか二度と聞きたくありません!」
姿「由美さん、君のお父さんは、心を持ったロボットを作ったと私に言ったんだ。心を持ったロボットが山形を殺す訳はないんだ。私はそう信じてる。きっと何か起こったに違いなんだ。このままでは山形は浮かばれん。君と私、二人だけでもお父さんが作ったロボットを信じたいんだ! その為にもギャラクシーロボの復活を許して欲しいんだ」
姿長官、先程はああ言ったものの、自身はギャラクシーロボが山形を殺したとは考えていなかったのだ。

姿長官の誠意溢れる言葉に、由美も少し表情を和らげ、その顔を見上げる。

姿「……」
管理人はエスパーではないが、この時、谷隼人さんが
「なに、この子、めっちゃ可愛いやん!」と心の中で唸っていたことは容易に想像できる。
何故なら、田山真美子さんは
「めっちゃ可愛い」からである。
とにかく、姿長官の気持ちが通じたのか、由美は無言で小さく頷いて、姿長官の願いを受け入れる。

由美「ここへ来るとお父さんの声が聞こえてくるような気がするんです。あの谷間の方から……」
姿「声が……」
姿長官は、湖の向こうの濃い緑に覆われた山に目を向ける。
と、その時、彼らの周囲で小さな爆発が起き、今回の怪人キメンドグラーや戦闘員、イガムたちが現れる。
イガム「お前が光戦隊長官、姿か?」
姿「いいえ、人違いです」
……嘘はともかく、イガム王子と姿長官が顔を合わせるのはこれが初めてらしい。
すぐにマスクマンの5人が駆けつけ、二人を守りつつチューブと戦う。

キメンドグラーは、指先からビームを発し、マスクマンもそれぞれ印を結んでオーラパワーを放出させて対抗する。
だが、オーラパワーの波動は何かに吸い寄せられるように軌道を大きく変えて、湖を越えて山の谷間に流れ込む。

そのオーラパワーを受けて、谷間に、巨大な人型のシルエットが浮かび上がる。
結局、イガム王子がキメンドグラーに加勢した為、マスクマンは押し切られて変身も解けてしまう。
だが、イガムがとどめを刺そうとした時、ゴジラでも出たような地響きがして、山の向こうからギャラクシーロボがその威容を見せ付けて近付いてくる。
ギャラクシーロボはひとしきり暴れていたが、やがてバランスを崩して姿長官たちに覆い被さるようにしてうつ伏せに倒れてしまう。

由美「やっぱりお父さんの作ったロボットは殺人ロボットだった……」
落胆する由美であったが、その時、頭上から死んだ筈の山形博士の狼狽した声が響いてくる。
山形の声「うわーっ、なんだこれは、しまった、雷だ。雷を受けてしまった……」
姿「雷だと?」
それは、操縦席の山形の声が録音されていたものが、転倒のショックで自動的に再生され始めたのだ。
それによって、姿長官たちは、ギャラクシーロボが落雷のショックで制御不能になってしまい、操縦席から山形博士が振り落とされて命を落としたことを知るのだった。

山形の声「姿、光戦隊を頼む、そして由美を、娘の由美を頼む!」
由美「父さん! ううーっ」
父親の死の間際の絶叫を聞いて、由美は手で顔を覆って嗚咽する。
姿「山形を失ったギャラクシーロボは怒り狂う狼となってしまったんだ!」
そこへ、チューブの戦闘機がギャラクシーロボに攻撃を仕掛けてくる。

タケル「ようし、このギャラクシーロボで戦うんだ!」

タケルの叫びに、振り仰いだ時の由美が可愛い!(……ので、現在、トップ画像に使わせて貰ってます)

タケルたちはマスクマンに変身し、姿長官と由美はタケルが作ったオーラパワーの縄梯子を使って操縦席から地面に降りる。
例によって、パンツが見えないかなぁとコマ送りする管理人であったが、画面が暗いし、縄梯子が邪魔で良く見えなかった。
まぁ、80年代後半はセーラー服のスカートが悲劇的なまでに長くなってしまっているので、元々あまりパン チラには期待できないのだ。

ギャラクシーロボから降りた二人に、戦闘機が襲い掛かる。

ここ、ちゃんと田山さんと谷さんが演じているのが立派である。
特に田山さんはかなり怖かっただろうなぁ。
ギャラクシーロボ、最初はまともに立つことも出来なかったが、本部に戻った由美が「お願い、ちゃんと動いて!」と念じた為か、なんとか立ち上がる。

レッド「グランドバルカン!」
レッドが機器を操作すると、モニターにパパッとアイコンが表示されて武器が選択されるのが、なかなかカッコイイのである。
しかし、なんで初めて乗るロボットの武器を知ってるのだろうか、コイツは?
とにかく、ギャラクシーロボはグランドバルカンと言う武器で戦闘機を全滅させた後、胸部のバルカン砲でイガムたちを撃ち、キメンドグラーを倒す。
彼らはそのまま、グレートファイブが埋もれている場所へ向かい、グレートファイブを救出しようとする。

由美「ありがとう、マスクマン、お父さんのロボットを蘇らせてくれて……」
モニターに映る亡き父のロボットの勇姿を見て、にっこり微笑む由美が、言うまでもないことだが、めっちゃ可愛いのである!

姿「やっぱり、君のお父さんの作ったロボットは素晴らしいロボットだったんだね!」

(にこやかに)
「触らないで貰えます?」 ……嘘じゃい。
それにしても、ほんと可愛い。
アクションシーンの後と言うことで、髪がぐしゃぐしゃになってるのも堪りません!
しかし、チューブもこのまま手をこまねいてはおらず、キメンドグラーが巨大化して追ってきて、ギャラクシーロボを急襲する……と言う緊迫のシーンで22話へ続く。
EDタイトルバックについては、特に書くことはないのだが、

最後の方に、オーラパワーで作られた紐で
あやとりをするシーンが出てくる……。
第22話「風雲オーラの嵐!」(1987年7月25日)
21話に続く22話であるが、このタイトルは、谷さんが出てた「風雲!たけし城」から来てるのかなぁ?(見たことないが)
さて、ギャラクシーロボ(以下、ギャラロボ)はキメンドグラーの攻撃をかいくぐり、トレーラータイプに変形して、更にスピードを上げてグレートファイブの埋没している地溝へ向かっていた。

しかし、キメンドグラーは頭部を切り離して空を飛翔させてギャラロボを追い越し、地の底に落としたグレートファイブを再び引き揚げる。
そして頭部がグレートファイブをのっとって操り、キメンドグラーの胴体と一緒にギャラロボに猛攻を加える。
結局、5人は耐え切れず、ギャラロボから投げ出されてしまう。

モモコ「長官、済みません、私たちの力が足りなくて」
姿「いや、そんなことはない。私の選んだ戦士に間違いない! 私は、山形と君たちを信じてる」
たった2話分のエピソードの中でも、姿長官はしきりと「○○を信じてる」と言うフレーズを連発している。
なんか、「信じれば夢は叶う」系のお花畑思想と言うか、あぶない宗教っぽくてヤだなぁ。

姿「山形は、心を持ったロボットを作ったと言ったんだ、信じるんだ、山形の言葉を!」
可愛い……。
アキラ「心を持ったロボットって一体どういうことなんだ?」
ケンタ「ギャラクシーロボの心とは山形博士の心、山形博士の願いなんじゃないかな」
タケル「それは平和を願うこと、科学と正義の心で平和を願うこと!」

由美は、タケルの言葉を耳にし、さらに本部の壁に貼ってあるイラストを見て何かを思いついたように目を輝かせる。
由美「これだわ! これだったんだわ!」
由美は、父親の墓参りに行った時、これと同じようなビジョンを見たことがあると説明する。
由美「タケルさんの言葉で分かったんです」
姿「……?」
由美「これに象徴されるのが、お父さんの心、ギャラクシーロボの心だったんです」
姿「……???」
はい、姿長官同様、管理人にも意味が全く分かりません! だが、アキラは分かっちゃったようで、「そうか、ギャラクシーロボにはオーラパワーが秘められているかも知れない」と言い出す。

アキラの言葉に真剣な顔で頷くビバリ、じゃなくて、ハルカ。
ハルカ「そう言えばあの時……」
ハルカは、キメンドグラーと最初に戦った時、彼らのオーラパワーが谷間に隠れていたギャラロボを眠りから覚ましたことを思い出す。
その後、5人は再びギャラロボに乗り込み、敵のいないところに移動して、ロボットに座禅を組ませて瞑想に入り、ギャラロボに秘められたオーラパワーを引き出そうとする。
そのうち、無防備なギャラロボを発見したキメンドグラーが激しい攻撃を開始する。

由美「やめて、マスクマン、もうやめてーっ! 殺されちゃうわ!」

姿「オーラパワー戦士は負けぬ、マスクマンのオーラが必ずギャラクシーロボのオーラを引き出す。その時こそ、科学と正義の心で平和を願うロボットが完成するんだ」
色々あって、遂にマスクマンのオーラパワーが、ギャラロボのオーラパワーと同調し、ギャラロボは漸く完全なロボットに生まれ変わる。
そして、キメンドグラーに操られているグレートファイブも助け出し、キメンドグラーを撃破するのだった。
事件解決後、改めてみんなで山形博士の墓を訪れる。

姿「ありがとう、山形、由美さんのことは心配するな。光戦隊は私とマスクマンに任せてくれ」
由美「みなさん、ありがとう」

姿「……」
管理人には谷隼人さんが今何を考えているか手に取るように分かります。
それにしても田山さん、これっきり登場しないと言うのはいかにも勿体無い。レギュラーとまでは言わないが、準レギュラーとしてちょこちょこ出てくれていたら大変有り難かったのだが。

ラスト、この際だからと、もう一度田山さんにタッチする姿長官でありました。ニンともカンとも。
……と言う訳で、予定より随分長くなってしまいましたが、田山真美子in「光戦隊マスクマン」の臨時レビューでした。
なお、「光戦隊マスクマン」全体のレビューについては、今のところ全く予定はありましぇん!