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「太陽戦隊サンバルカン」 第46話「女隊長のマル秘作戦」



 第46話「女隊長のマル秘作戦」(1981年12月26日)

 ※正確には、サブタイトルの「マル秘」は、○の中に秘の字と言う表記である。

 
 冒頭、地球平和守備隊の静止衛星を載せたトラックが数台、荒野を走っている。

 丘の上からそれを見ていたアマゾンキラーとゼロガールズたち、まずは上空からヘリに攻撃させる。

 護衛のジープを蹴散らしてトラックの荷台の扉を開けると、あらかじめ中に隠れていたサンバルカンが反撃してくる。

 ヘリも、イーグルのバルカンスティック一発で撃墜される。

 
 アマゾンキラー「ああっ」

 アマゾンキラー、あえなく退却を命じるが、

 
 ふと見れば、反対側の丘の上にイナズマギンガーが腕組みして立っていて、彼らの戦いを文字通り高みの見物しているではないか。

 アマゾンキラー「奴は、なにをしにここへ?」
 イナズマギンガー「じっくりと見せて貰ったぜ」

 
 シャーク「しかし、誰だろう、情報をくれたものは?」
 イーグル「ブラックマグマの中に誰か裏切り者がいるということだ」

 首尾よくブラックマグマの奇襲を撃退したサンバルカンだったが、彼らは、何者かの情報をもとに待ち伏せしていたことが分かる。

 ブラックマグマでも、ヘルサターン総統が裏切り者をあぶり出そうとしていた。

 ヘドリアン「今回の裏切り行為は絶対に許せん。なにしろあの静止衛星は北極を監視する為に打ち上げられるもの、ブラックマグマの動きが筒抜けになる恐れがある」
 アマゾンキラー「裏切り者は名乗り出た方が良いですよ。調べればすぐ分かることです」

 無論、ゼロガールズたちはヘルサターンに絶対に忠誠を誓っており、彼らの目は自然とよそもののイナズマギンガーに向けられる。

 
 シノワナモンガー「そう言えば、こやつは丘の上で見物としゃれおった。我々に手を貸そうともせずにな」
 ヘドリアン「裏切りおったな、裏切り者は早速死刑じゃ」

 今回の怪人シノワナモンガー(なんちゅう名前だ……)の尻馬に乗って、ヘドリアン女王が性急に処刑を命じるが、

 
 イナズマギンガー「ちょっと待ってくれ、俺にはなにがなんだかさっぱりわかんねえ」

 例によってアメリカンな仕草で否定するイナズマギンガー。

 ヘドリアン「白々しい、即刻死刑の準備を致せ!!」

 なにが何でもイナズマギンガーを裏切り者にしたいように映るヘドリアン女王の態度に、ヘルサターンも不審を抱き、

 ヘルサターン「まあ、待て、裏切ったという証拠でもあるのか」
 ヘドリアン「銀河宇宙のならず者じゃ、この男ならやりかねん」

 ヘルサターン、とりあえず、戦いを傍観していた罪でイナズマギンガーを地下牢へ押し込めると言う沙汰を下す。

 イナズマギンガー「ここには妖怪狐や人化かし狸がうろうろしてるようだな。気を付けたほうがいいぜ」
 ヘドリアン「それは誰のことじゃ?」
 イナズマギンガー「さあてね、はははははっ」
 ヘドリアン「うーん、無礼な、二度と地下牢から出られないからそう思え」

 ヘドリアン、自らスイッチを入れてイナズマギンガーの足元の落とし穴を開け、地下牢へ直行させる。

 
 ヘドリアン「ああ言う危険人物は即刻死刑にすべきじゃ、機械帝国のためにならぬわ」
 ヘルサターン「ヘドリアン女王、どうしてそんなにあの男を殺したがるのだ?」
 ヘドリアン「どういうことじゃ?」
 ヘルサターン「イナズマギンガーを罠に陥れ、抹殺しようとしたものがいたらどうする?」
 ヘドリアン「ふっははっ、そんなものがいる訳ないではないか」
 ヘルサターン「それはどうかな、イナズマギンガーも申していたろう、ここには妖怪狐や人化かし狸がうろうろしているってな、ふはははは……」

 ヘドリアンたちの魂胆を見透かしたようなことを言い、嘲笑しながら退席するヘルサターン。

 
 ヘドリアン「おのれ、ヘルサターン!」
 アマゾンキラー「女王様、今しばらくのご辛抱です。もうすぐ機械帝国は女王様のもの!!」

 割と大きな声で、とんでもないことを言うアマゾンキラー。

 そう、彼らはかねてよりブラックマグマ乗っ取りを画策しており、今回の情報を流したのも彼らの仕業であった。その罪を目障りなイナズマギンガーに着せ、ヘルサターンに粛清させようと言う陰湿な企みであった。

 
 アマゾンキラー、地下牢のイナズマギンガーのところへ行き、その真意をただす。

 アマゾンキラー「クーデターを起こす日はいつですか?」
 イナズマギンガー「お前こそなにを企んでるんだ?」
 アマゾンキラー「銀河連邦警察の独房を難なく破ったあなたがそんな子供騙しの枷を嵌められて大人しくしている理由が分かりません。あなたは何の目的でこの機械帝国に……?」
 イナズマギンガー「ここは天国だ。何の心配もなく寝転がっていられるんだからなぁ」
 アマゾンキラー「……」

 さて、平和守備隊のロケット基地では、ブラックマグマから守り抜いた静止衛星の打ち上げ時刻が刻々と迫っていた。

 サンバルカンが周辺を警護、嵐山親子も司令室へ張り付き、結果的に、サファリを助八がひとりで切り盛りするという事態になる。

 
 助八「みんな、留守番頼むね、ちょっと出前行ってくるから」
 次郎「いいよ、マスター、休みなの?」
 助八「そうなんだよ」
 ルミ「お姉ちゃんも?」
 助八「ああ、親子でサボってさぁ、まったく忙しいのに……」

 一方、ブラックマグマもロケット発射の知らせを受け、ヘルサターンはアマゾンキラーにその阻止を命じ、ついでにイナズマギンガーを解放して協力させようとするが、アマゾンキラーは頑なに拒否する。

 アマゾンキラー「いいえ、イナズマギンガーの力を借りなくてもロケットの打ち上げは阻止できます」
 ヘルサターン「もし阻止できなかった場合はどうする、アマゾンキラー?」
 アマゾンキラー「……」
 ヘルサターン「大見得を切っておいて、もし失敗したらどうする、と聞いておるのだ」
 アマゾンキラー「もし失敗したら、私を銀河宇宙へ追放なさっても構いません!!」

 いつになく粘着質に失敗した場合の責任の取り方を尋ねるヘルサターンに、アマゾンキラーもきっぱりと断言する。

 しかし、宇宙へ追放ってのがあまりピンと来ないので、ここは処刑されても構いませんで良かったと思う。

 
 アマゾンキラー(ヘルサターンは私を追放したがっている。失敗する訳には行かない)

 ジープで打ち上げ基地へ向かう途中、心の中で密かに決意を固めるアマゾンキラーであった。

 とりあえず、ゼロスリーが戦闘員と一緒に侵入を図るが、強力な防御システムによって撃退される。

 
 負傷して機械が剥き出しになった腕を、ゼロフォーに修理されているゼロスリー。

 ゼロガールズって、人間ではなく機械人間なんだということを改めて教えてくれるシーンである。

 アマゾンキラー「警備は思った以上に厳重だ。いたるところにセンサー付きレーザー砲が装備されている」

 CM後、

 
 打ち上げ基地の正面ゲートの近くで、白髪の老婆を数人の暴走族が追い掛け回していた。

 朝夫が駆けつけ、気を失った老婆をメディカルセンターへ運ばせるが、それはアマゾンキラーの苦心の変装だった。

 
 首尾よく基地の中に入り込んだアマゾンキラー、たちまち本性を現してナイフを振り回し、警備兵たちを次々血祭りに上げる。

 
 さらに、コンクリートの壁を体当たりで突き破り、一気に嵐山長官と美佐に迫る。

 アマゾンキラー「ブラックマグマ行動隊長、アマゾンキラー参上」
 嵐山「貴様ぁ」

 アマゾンキラー、打ち上げのコントロール装置を破壊し、風のように去る。

 そして、まったく存在意義のなかったシノワナモンガーとサンバルカンのラス殺陣になる。

 サンバルカンはシノワナモンガーには勝ったものの、その間にアマゾンキラーに仕掛けられた爆弾によって、ロケットを爆破されてしまう。

 怪人は倒されたものの、世にも稀な、「悪の組織」の完全勝利であった。

 次回以降、ブラックマグマ内部の権力闘争はますます激化していくのだった。

 ……あ、ギャグをひとつも入れられなかった。不覚。
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コメント

ゼロワンのような一服の清涼剤もいないブラックマグマの組織の中では、暑苦しい(重苦しい)空気になるのも当然ですね😅これでは、益々悪循環になると思うのですがね😖

Re:「太陽戦隊サンバルカン」 第47話「女隊長のマル秘作戦」(09/11)  

>それはアマゾンキラーの苦心の変装姿だった。
「おまえのようなババアがいるか‼」(byケンシロウ)と言わないサンバルカン・・・
まぁ、「北斗」のは大男でしたが。
これは迂闊でしたね。


Re:「太陽戦隊サンバルカン」 第47話「女隊長のマル秘作戦」(09/11)  

>怪人は倒されたものの、世にも稀な、「悪の組織」の完全勝利であった。

ヘルサターン総統チームとヘドリアン女王チームとの鞘当てが、図らずもサンバルカン側に思わぬ打撃を加える事になりましたね。
以前別記事でも述べた「マジンガーZ」の「強奪された超合金Z」と言うお話でもあしゅら男爵とブロッケン伯爵の鞘当てが光子力研究所からの超合金Z強奪を成功させる結果を招いてしまっていました!
そこでは、まずあしゅら男爵配下の鉄仮面軍団とブロッケン伯爵配下の鉄十字軍団が偽装戦を演じて見せ、ボスが操縦するボスボロットにわざと各々一人ずつ捕虜となります。そして研究所に連行されると見せかけ潜入にまんまと成功!捕虜の二人は噓八百と迫真の演技で甲児たちの警戒心を緩ませた上で名誉の自爆死を遂げ、そこへ空から(これも以前述べた)サンタ型機械獣・サタングロースP10が、地底から穴掘り機械獣・ユーバリンT9(その名の通り炭鉱夫型と言うのがミソ!!)が襲来し、超合金Zはとうとう悪人側の手に落ちてしまいました!
あしゅら男爵とブロッケン伯爵がこれまでの巧妙な計画を立てて行ったのに対し、アマゾンキラーは不心得者たち(これもマシンマンたちの変装だったような?)に負傷させられたお婆さんに変装すると言う実に大雑把な手口で潜入に成功し大立ち回りの末、ロケット爆破に成功するとは、さすがに銀河にその名を轟かせたた女賊だっただけの事はあります!
反対にさやかさんのロボット・アフロダイAのミサイル一発で倒されたユーバリンT9は、機械獣の中でも最弱の部類に入るとも思えますが、地下からの超合金強奪にも大いに貢献しており、サンバルカンに只々成敗されるだけだったシノワナモンガーよりはよっぽど存在感があったと言えるでしょう(笑)!~また長い文章になりスイマセン・・・・~

Re:「太陽戦隊サンバルカン」 第47話「女隊長のマル秘作戦」(09/11)  

>とりあえずゼロスリーが、戦闘員と一緒に侵入を図るが、強力な防御システムのために撃退される。

そして、この場面のゼロスリーを観ていると、「仮面ライダー」のトカゲロンのお話序盤で、原子力研究所を急襲しようとしたもののバリアに跳ね返され
「くっそ~っ、バリアを使うなんて汚ねぇぞーーーーっ(泣)!!」
とばかり逃げ帰る蝙蝠男とさそり男の様です!そのためゼロガールズがその後、ブラックマグマ本部に逃げ帰り
「あのロケット基地のセンサー付きレーザー砲を破壊出来る能力を持つモンガーは存在しないのです!」
と報告するゼロツーかゼロフォーに対し
「馬鹿者っ!それならば直ちにそのレーザー砲を破壊出来るモンガーを造り出せっ(怒)!!!」
とヘルサターン総統がブチギレる処があったら、また違うテイストのお話になったかもしれません(笑)!

Re:「太陽戦隊サンバルカン」 第47話「女隊長のマル秘作戦」(09/11)  

「第46話」が正しいです。

Re:「太陽戦隊サンバルカン」 第47話「女隊長のマル秘作戦」(09/11)  

正しくは「第46話」で、次回の「機械帝国の反乱」が第47話です。

Re[1]:「太陽戦隊サンバルカン」 第47話「女隊長のマル秘作戦」(09/11)  

ふて猫様

ヘルサターンも、周りがあれじゃあんまり楽しくないでしょうね。

Re[1]:「太陽戦隊サンバルカン」 第47話「女隊長のマル秘作戦」(09/11)  

影の王子様

ガールズならともかく、アマゾンキラーが変装してもねえ……

Re[1]:「太陽戦隊サンバルカン」 第47話「女隊長のマル秘作戦」(09/11)  

笑太郎様

バリアに引っ掛かるのはヒーローより悪役の方が多いようですね。

Re[1]:「太陽戦隊サンバルカン」 第47話「女隊長のマル秘作戦」(09/11)  

女の子好き様

わざわざご指摘ありがとうございます。直しておきます。

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