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「イナズマン」 第21話「渡五郎 イナズマン死す!?」 前編

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 第21話「渡五郎 イナズマン死す!?」(1974年2月26日)大原福美

 タイトルにあるように、主人公が一時的に死んでしまうと言うショッキングなストーリー。

 山奥の小さな村、鬼ノ村で、150年に一度しか咲かない「逆さ竹」の花が咲いたということで、村人たちが恐慌状態に陥っている。その花が咲くと、必ず何か不吉なことが起きること言い伝えられていたからである。

 その後、駐在員が各家を見回って、誰もいないと首を傾げるシーンが挿入されるが、これは、村人たちが全員新人類帝国に殺されたことを意味しているのだろうか。あるいは、凶事の到来を恐れて一時村から逃げ出したのだろうか。

 
 鬼ノ村の近くの牧場に、五郎の乗ったライジンゴーがやってくる。

 牛(なんじゃこいつは……)
 牛(なんじゃこいつは……)
 牛(なんじゃこいつは……)
 牛(なんじゃこいつは……)

 モーモーさんたちは、びっくりして車から離れる。

 
 五郎「あ、すいません、鬼ノ村へ行くにはどう行けばいいですか」
 ユカ「鬼ノ村? 鬼ノ村へ行くのはおやめなさい。逆さ竹の花が咲いたようですよ」
 五郎「その花が見たいんです」
 ユカ「ええっ」
 五郎「どうしたんです?」

 
 ユカ「いいえ……お父さん!」

 そこで働いていた娘ユカを演じるのは、この少し後に始まった「我ら青春!」に出ていた大原福美さん。なかなか可愛い。

 そして、娘に呼ばれて現われた父親・大造を演じるのは、キリヤマ隊長こと中山昭二さん!

 
 大造「鬼ノ村へ?」
 五郎「どうしても行きたいんです」
 大造「そうですか。だったらこの先道がないんでね、車置いて、その林抜けてったらいいですよ」

 大造、あまり気が進まないようだったが、道は教えてくれる。

 だがその途中、大造の言うとおり、逆さ竹の藪があって、毒々しい赤い花が咲いていた。

 五郎がそれに近付くと、花弁から大量の花粉が噴き出し、ひるんだところに細い竹で作ったような矢が飛んできて腕に突き刺さる。

 
 そして、竹やぶの中から、タケバンバラと言う、竹の形をした怪人が現われる。

 怪人「ふふふふ、渡五郎、お前は死ぬ。その矢竹の毒で間もなく死ぬのだ」

 五郎、怪人の言葉が終わらぬうちにその場にばったり倒れて意識を失ってしまう。

 さっさとトドメを刺せば良いのにと思うのだが、何故かタケちゃんはパッと姿を消してしまう。

 早くも今回の作戦のゆくてに、不吉な暗雲が立ち込めているような気がする……。

 
 五郎が次に目を覚ますと、見知らぬ一室のベッドに横たえられていた。さきほどの大造たちに助けられ、担ぎ込まれたらしい。

 五郎「助けてくれたんですね」
 大造「ユカが見付けたんです。あと1分でも遅ければ危なかった」
 五郎「ありがとう」
 大造「ボーカルの妻のトシです」
 トシ「相当頑丈なお体ですのね、あれだけの毒が回れば普通の人なら即死です」
 大造「毒矢のようでしたが」
 五郎「タケバンバラにやられたんです。鬼ノ村の蒸発事件も新人類の仕業に違いありません」
 大造「新……人類?」

 
 「くぅ~」とでも言ってるような顔のユカ。

 トシ「解毒の煎じ薬です。どうぞ、たくさん飲んでください」
 五郎「いただきます」

 
 大造「ふ……」

 疑うことなくトシから渡された液体を口にする五郎を、なんとなく底意のありそうな微笑で見詰める大造。

 飲み干した五郎、急に苦しそうな顔になってグラスを落とし、再びベッドに倒れる。

 
 大造「薬のせいです。ゆっくりお休みなさい」
 五郎(全身から力が抜けていく……)

 ネタばらししてしまうと、大造たちは全員、新人類帝国なのだが、なんでわざわざ瀕死の五郎を助けて介抱したり、煎じ薬を飲ませたりしたのだろう?

 彼らはあくまで人間で、人質をとられているとかの理由で心ならずも新人類帝国に加担している……と言うのなら、そのアンビヴァレンツな態度も理解できるのだが。

 夜、隣室から男たちの話し声が聞こえるので、不審に思った五郎がベッドから出て覗き見ると、

 
 戦闘員「これからどう言う手段を使いましょう」
 怪人「まあ待て、ふっふっふっふっ」
 戦闘員「奴の心臓の強さには呆れます。この際、心臓をぐさりとトドメを刺しては?」
 怪人「奴は骨抜きも同然、慌てることはない」

 隣室で、タケバンバラと戦闘員たちが密談を交わしているではないか。

 そう、ここは新人類の巣窟だったのである。

 
 五郎、すぐ家を出てライジンゴーのエンジンを掛けようとするが、何故か一向に掛からない。

 その背後にユカがすっと現われ、にこやかに話しかける。

 ユカ「故障ですか?」
 五郎「う……よるなっ」

 
 大造「何処へいらっしゃるんですか? その体じゃまだ無理ですよ」

 逃げようとした五郎の前に、今度は大造が現われ、これまた不気味な笑みを浮かべつつ近付き、ユカと協力して五郎をロープで縛り上げ、もう一度さっきの部屋に連れて行く。

 
 ユカ「これは赤い雪を混ぜて作ったお薬よ。これを飲めば生きたまま死ねるわ」

 親子三人がかりで五郎の体を押さえつけ、ユカが恐ろしいことを言いながら五郎の口に無理矢理赤い液体を注ぎ込む。

 赤い雪というのは、逆さ竹の花から吹き出る赤い花粉のような物質のことである。

 
 一方、東京では、サトコたちがいつまで経っても帰らない五郎の身を案じていた。

 サトコ「いくらなんでもこんな時間まで連絡がないのおかしいわ」
 カツミ「やっぱり何かあったのかな」

 結局、みんなで鬼ノ村へ行こうということになるが、

 
 豪作「よし、俺も行こう、すーっ、あ、カオルちゃん、おぬし、ここで連絡ば待っとるんじゃ」
 カオル「え、私が残るの?」

 カオル、久しぶりに出れたと思ったのに、ひとりだけ東京に残れと言われて不満そうであったが、

 サトコ「カオルさん、そうして、みんなが行ってしまっては連絡のとりようがないわ」
 カオル「わかったわ」

 と言う訳で、残念ながらカオルはロケに参加してくれないのである。

 
 翌朝、鬼ノ村では、既に棺の中の人となった五郎が、物悲しい教会の鐘の音が流れる中、ささやかな葬列を組まれて埋葬地へと運ばれていた。

 無論、村人はすべて蒸発しているので、参列しているのはすべて新人類帝国の一味である。

 
 棺の小窓から、献花に埋もれた五郎の青白い顔が見えるが、恐ろしいのは、ユカが「生きたまま死ねる」と言ったとおり、五郎は仮死状態にあるが、五感や意識だけははっきりしていることなのだ。

 五郎(俺を生きたまま埋葬するつもりだ。だがどうにもならない。俺の体は死体同様にされてしまっている……)

 四角く切り取られた五郎の視界を、青い空と、冬枯れの木々が通り過ぎていく。

 普通の人間なら絶望的だが、こう言う時こそ、ミュータントである五郎、18話でも使っていたテレパシーを使って、同じく特殊能力を持つサトコたちに助けを求めればいいと思うのだが……。

 仮死状態にあると、超能力も使えなくなるのだろうか。

 
 同じ頃、交通手段は不明だが(多分、ロケバス)、サトコたちも大造たちの牧場に辿り着き、放置されているライジンゴーを発見していた。

 豪作「何故このようなところにライジンゴーが」
 サトコ「おかしいわね」

 と、教会の鐘の音が彼女たちにも聞こえてくる。

 まさかと思ってその方へ行ってみると、

 
 果たして、村外れの墓地で、いましも五郎の葬儀&埋葬が行われている最中だった。

 五郎をこんな目に遭わせた張本人である大造一家も白々しく穴の底に安置された棺の中に花を投げ込むが、それをはっきり見ながら、五郎にはどうすることも出来ないのが、視聴者としても実にもどかしい。

 
 豪作「待ったーっ、五郎……」
 大造「渡さんのお身内の方ですか」
 豪作「はあ」
 大造「私、野路と申しますが、このたびはどうも……」
 豪作「死んだつですか、五郎は? 五郎ーっ!」

 まさかと思っていたことが現実になって、豪作たちもしばし茫然となる。

 サトコたちは、まるで悪い夢でも見ているとしか思えなかった。

 関係ないが、超ロングの赤いワンピースを着たユカが可愛いのである!

 豪作、念の為、五郎の体を触ってみるが、体は氷のように冷たく、心臓も動いていない。

 
 豪作「五郎は本当に死んだんじゃ」
 カツミ「五郎さんが死ぬ訳ないよ、絶対に死ぬもんか」
 
 五郎(そうだ、薬草で仮死状態にされてるだけだ、心臓は止まっても、俺の意識は明確なんだ! サトコ、カツミ、豪作、助けてくれ!)

 それに答えるように五郎が文字通り必死の叫びを上げるが、無論、豪作たちには全く聞こえない。

 大造「肩の傷からばい菌が入ったらしく、医者を呼んだ時には手遅れでした」

 五郎(嘘だ、騙されるな!!)
 サトコ(五郎さん、ちょっ、うるさい! 今、説明聞いてるところだから)
 五郎(あ、ごめん、ごめん……って、おい、サトコ、本当は聞こえてんだろっ?)
 サトコ(あーら、なんのことかしら?)
 五郎(殺す!)

 そう、サトコ、五郎の心の声が聞こえるのに聞こえないふりをしていたのである。

 後述するように、こう見えてサトコはかなりのドSっ子だったのである!

 ……嘘である。そんなシャレにならない意地悪をサトコがする筈がない。

 どうでもいいが、朝の連続テレビ小説「ドSっ子」と言うのがあったら見てみたい(あるかっ)。

 
 悲しそうに五郎の遺体を見下ろして、涙を堪えているサトコが可愛いのである。

 サトコは、五郎を東京に運んで葬式を出したいと言うが、ヨロイ元帥の神父にダメだと言われる。

 五郎(そうだ、強引に東京に連れ帰ってくれ!)

 五郎がどれだけ心の声を張り上げたところで無益であった。

 豪作「しょうがなか、東京さ連れて行けば悲しみが長引くだけだい……のう、サトコしゃん」
 大造「どうなさいますか」
 サトコ「このままお願い致します」

 
 五郎(サトコ! カツミ! 豪作!)

 無表情では、いくら大きな字で叫んだところで迫力がないね。

 五郎(サトコ、ほんとは聞こえてるんだろう? な? 返事をしてくれ)
 サトコ(五郎さん、さようなら、あなたの郵便貯金は私がありがたく使わせて貰うわ)
 五郎(てめえ……)

 ……嘘である。管理人は生まれついての嘘つきなのである。

 やがて豪作たちの啜り泣きの中、棺の上にスコップで土が投じられ、五郎の僅かに残された視界を闇が塗り潰して行く。

 ヒーローが一時死んだものとなる……と言うのは、ままあるパターンだが、これだけリアルに埋葬されたヒーローと言うのは他にいないのではないだろうか。

 後編に続く。


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コメント

確かに仮死状態ではどうにもなりませんね😅
中山昭二さんも出演されていたようですね

Re[1]:「イナズマン」 第21話「渡五郎 イナズマン死す!?」 前編(08/05)  

ふて猫様

五郎にとっては最悪の体験でしたね。

Re:「イナズマン」 第21話「渡五郎 イナズマン死す!?」 前編(08/05)  

仮にこれが、「ダイナマン」のブラック大暴れ編の一つだったとしたらどうでしょう?
発明センターでは、イエローの指導の下、小学生軍団が青竹踏み(これが後に伏線になります!)をがんばっちゃっています。そこへ入る夢野博士からの緊急招集!指令室にブラックを除く4人が集まると、鬼ノ村にジャシンカの動きありとの事。でも夢野博士が
「弱ったな。星川君は伊賀の里のおじじ様のお見舞いに行っている処だ。」
と言い、丁度鬼の村は伊賀の里からの帰路でもあるために無線でブラックに鬼ノ村に立ち寄るよう命じます。
「御意!」
とブラックが鬼ノ村にやってくると、ユカに相当する村娘から逆さ竹の花の事を聞き、竹やぶに潜入するとそこへ真打とばかり現れる(仮称)モウソウチクシンカ!!
「俺は、貴様ら人間どもに青竹踏みにされている竹の進化獣っ!!星川っ、死んでもらおうかっ!!」~前述の青竹踏みに繋がっています(笑)!!~
と日頃人間たちに踏まれているうっ憤を晴らす様にブラックに深手を負わせます!
紆余曲折の末、ブラックが竹やぶで不慮の死を遂げたとの訃報を受けたレッドたち4人が村のお寺に赴くとここに観る五郎よろしく冷たくなったブラックを前に若い庵主様(キメラの変装!!)が読経中。レッドたちが涙ながらにお寺を後にすると正体を現したキメラが、早速火葬の支度を整え、それに先立ち棺桶の中を覗きます。すると何と中身は空っぽで、反対に一枚のメモが。キメラがそれを読んでビックリ!そこには
「忍法死頓の術 ブラック」
との文字が!そこへ敢然と現れるばっちりブラックを入れ5人揃ったダイナマン!!ブラックは、一つのひょうたんを見せつけ
「拙者は、伊賀の里でおじいからこの毒消しの丸薬を貰っていたのでござる。夕べ貴様たちが拙者を助けるふりをして亡き者にしようとしているのを盗み聞きしてあらかじめこいつを飲んでござった。おかげで貴様らの逆さ竹の毒もすっかり中和されてしまったと言う訳でござるよ!!」
とネタを割ります!それに対するキメラの反応は、当然
「ぐやじ~っ!モウソウチクシンカっ、おやりーーーーっ(怒)!!」
です!そしてラス殺陣。モウソウチクシンカは、丸薬を詰めた弾丸をダイナマンに撃ち込まれ無毒化させられた処に更にスーパーダイナマイトを浴び今度は自分がご臨終に・・・!と言うお話になったかもしれませんね(笑)。

Re[1]:「イナズマン」 第21話「渡五郎 イナズマン死す!?」 前編(08/05)  

笑太郎様
長文コメントありがとうございます。

確かに忍者ものでありそうな展開ですね。

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