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「好き!すき!!魔女先生」 第7話「魔女テスト」 その3


 第7話「魔女テスト」(1971年11月14日)
 の続きです。

 きよに案内された正夫が、中庭の竹やぶの中を通って、離れの玄関に辿り着く。ひかるは、授業の時よりおしとやかに、にこやかに正夫を招じ入れる。

 
 正夫「へー、なんにもねえとこに住んでんだな、よっぽど月給安いんだね」
 ひかる「はぁー、その通りよ」

 初めてひかるの部屋に入った正夫だが、一目見渡すなり無遠慮な声を上げる。

 ひかるも別に怒らず、溜息をついて同意してみせる。

 正夫「俺のおやじに頼んで月給上げてやろうか?」
 バル「なんたる下衆なガキ、あんな子が育つようでは地球も先が見えておる!」

 正夫の生意気な言葉を壁越しに聞いたバル、ひどく憤慨する。

 
 ひかる「それで、わざわざ来てくれた用件は?」

 ひかるは、いちいちその程度のことで心を乱したりはせず、あくまでにこやかに問い掛ける。

 それにしても、若くて綺麗な担任の女性教師の家に、夜、ひとりで上がり込むなんて、小学校高学年男子にとっては、夢のようなシチュエーションだよね。

 だが、正夫の話を聞いたひかるは、にわかに表情を険しくさせる。

 
 ひかる「校長先生があたしのことを?」
 正夫「うん、魔女だって言ってるよ」
 ひかる「まぁ、どうしてそんな風に仰るのかしら」
 正夫「昼間の鉄橋の時だよ、校長の奴ね、先生が魔法使うところ見たって言うんだよ」

 昼間、校長が正夫の家に、竜村理事長を訪ねて来た時の様子が回想される。

 あえて画像は貼らないが、正夫の父親で、竜村名誉理事長を演じるのは「寅さん」でお馴染みの太宰久雄さん。もっとも、当時はまだ「寅さん」も、第8作が封切られる前で、ごく初期の頃だけどね。

 校長の話を聞いただけでは、理事長も信じなかったが、ひかるが魔女だと言う証拠を掴んだら、学校から追放すると言う密約が、二人の間で交わされたと正夫は言う。

 正夫やハルコも、薄々ひかるが魔女、あるいは超能力者だと気付いているようだが、2話のラストで、仮にそうだとしても気にしないことにしており、だから、わざわざそのことをひかるに知らせに来てくれたのだ。

 
 翌朝、マイカーを点検しながら、何やら教頭と謀議を凝らしている校長。

 教頭「すると、月先生をペテンにかけようと仰るので?」
 校長「ペテンとはなんです。私は学園50年の伝統を守る為、恥を忍んで一世一代の演技をやろうと言うんですぞ」

 校長、ひかると一緒にドライブをして、ブレーキが利かなくなったと嘘を言って、ひかるに魔力で車を停めさせようと言う人の悪い作戦を立てていた。

 やがて子供たちが登校して来る。用務員の山部は、箒を持って校門の前に立ちながら、親しく子供たちと言葉を交わしている。

 
 山部「おはようございます」
 ひかる「おはようございます」
 山部「いつもニコニコ顔で、大変結構ですねえ」
 ひかる「そうですか、私きっとのんびりできてるんだわ」

 
 山部「しかしながらですね、なお一層ベストの先生になって頂くために、不肖がアドバイスをするならばですね……」

 山部、そう言ってひかるにぐっと顔を近付けたので、ひかるも思わず体を反らして距離を保つ。

 
 教頭「月先生!」
 ひかる「あ、おはようございます」
 教頭「あはは、おはよう、おはよう」

 そこへ教頭が割り込んできて、ぺしっと音が聞こえるほど強く、山部の額を叩いて、

 
 そのまま後ろへ押しやってしまう。

 牧冬吉さんと奥村公延さん、芸達者同士のベテランの掛け合いが、実に楽しいのだ。

 教頭「あ、校長先生がお呼びになっていらっしゃいますよ」
 ひかる「校長先生が?」

 トンビに油揚げをさらわれた格好になった山部、教頭の後ろ姿に向かって、「ヘあっ!」と、初代ウルトラマンのような呪いの鼻息を漏らす。

 
 道々、その山部のことが初めて劇中で話題にされる。

 教頭「あの小遣いはロンドンで皿洗いをしとったのが自慢でしてね。当学園一番の古強者ですわ」
 ひかる「まあ、あの、校長先生よりも?」
 教頭「それがね、さすがの校長もあの小遣いには頭が上がらんのですよ」
 ひかる「まあ」
 教頭「愉快ですな、あっはっはっはっ」

 必要以上に顔を近付けて、恋人と内緒話でも楽しむように笑い声を立てる教頭。

 なんだかんだで、東西学園の男どもは、みんなひかるに夢中なのだった。当然だけどね。

 しかし、教頭、「校長も頭が上がらない」と言うのだが、全編通して、そう思われるようなシーンは見当たらないんだけどね。

 
 そこへ校長が車でやってきて、

 校長「あなたにお願いがありましてな」
 ひかる「はぁ?」
 校長「大したことじゃない、授業の始まるまで、ほんの10分」

 
 ひかる「はあ」

 怪訝な顔をするひかる。風で程よく髪が乱れているのが、とても可愛いのである。

 実は、8話からパーマをかけた髪型になるので、こうやって髪を下ろしたひかるが見れるのは、今回が最後になってしまうのだ。

 個人的にはストレートの方が好みだったが……。

 次のシーンでは、校長が、助手席にひかる乗せて学校の周りをドライブしている。

 
 ひかる「何かと思ったら、ドライブのお付き合いだなんて」
 校長「けしからん、教頭先生は私の腕を信用できんと抜かしおった。こう見えても無事故で通してるんですからね」
 ひかる「まあ」
 校長「もっとも免許証を取ったのは一週間前ですがね」
 ひかる「ええ?」

 自慢話の最後に、そんなことを聞かされてドキッとするひかる。

 
 頃合を見計らって、校長がブレーキが利かなくなったと言う芝居を始める。

 さらに、わざと蛇行運転をして見せて、ひかるを文字通り揺すぶる。

 校長「月先生、停めてください、何とか……」

 だが、事前に正夫から聞いていたので、ひかるは引っ掛からない。

 
 ひかる(私をテストするつもりね、その手は食いません!)

 
 落ち着いて、右足を伸ばして、ブレーキの上に乗せている校長の足を踏んで、強引に停めてしまう。

 ちなみに、ひかるの靴の甲には、三日月の飾りが付いているのだ。芸が細かい。

 
 ひかる「助かりましたわ、先生」
 校長「なるほど、こりゃ面目ない。はは、深く踏めば良かったんですな」

 白々しいことを言って誤魔化す校長。

 
 校長(全然、テストにも何にもならん)

 
 ひかる(そう簡単にバレてたまるもんですか)

 なんとなく、「狐と狸の化かし合い」の様相を呈してきた。

 ひかる「さ、もう行かないと、時間ですわ」

 始業時間が迫ってきたので、校長も仕方なく真っ直ぐ学校へ戻ろうとするが、

 
 当時は、それが普通だったのか、舗装道路の上に、大きな石やコンクリート片がいくつも転がっていた。

 そのひとつを乗り越した際、激しく車体が揺れ動く。その直後、

 校長「お! ああ……あ! こりゃほんもんだぁ!」
 ひかる「えーっ!」

 校長が芝居とは思えぬ緊迫した悲鳴を上げる。そう、当時の車はそんなにやわだったのか、今のショックでほんとにブレーキが壊れてしまったのだ。

 それでも、他の車をよけながら、なんとか走り続ける校長。免許とりたてにしてはなかなかのドライビングテクニックと言えよう。

 ひかる、咄嗟にリングを使おうとするが、校長に見られては……と、躊躇する。

 
 その後、踏み切りを突っ切って、ぎりぎりで小田急ロマンスカーをかわすと言う芸当を演じる。

 これはどっちも俳優本人が乗ってるのかなぁ?

 
 やがて車は、通学路にもなっている下り坂に差し掛かる。

 ちょうど正夫と太一が一緒に登校しているところだったが、暴走車に気付いて道に飛び出してくる。

 正夫「おい、あの車、変だぞ!」

 暴走車を見て、その前に出てくるお前の方がよっぽど変だよ!

 
 校長「おっ、子供がいる! お、おい、どくんだーっ!」
 ひかる(もうバレても仕方がないわ……)

 ひかる、腹を括って窓から顔と左手を出し、ムーンライトリングを発動させる。

 車は猛スピードで太一と正夫に突っ込んで行き、校長は思わずハンドルを手放して顔を覆ってしまうが、ムーンライトリングのお陰で、ぎりぎりの位置で停止する。

 
 ひかるが車から降りて、前部を見ると、太一が両手で車を受け止めた格好で踏ん張っていた。

 太一「先生、早く石持ってきて!」
 ひかる「い、石?」

 ひかる、急いで手近にあった大きな石を持ち上げ、それをタイヤに噛ませる。無論、既に車は完全に停止しているのだが、太一は自分の怪力で支えているつもりなのだ。

 ひかる「もう大丈夫よ。放しても良いわ」

 
 校長も、青ざめた顔で降りて来て、太一が無傷なのを見て、全身で安堵の息をつく。

 校長「ありがとう、お陰で助かったよ」
 正夫「お前の馬鹿力にも呆れたもんだよな」
 太一「へへっ、俺、夢中だったんだもん」
 ひかる「でもお陰で命拾いしたわ」
 太一「車に撥ねられるのを覚悟でよー、車停めたんだぜ、すげー度胸じゃねえか」

 ひかるも、ことさらに太一に感謝して、車が本当に太一の怪力で停まったかのように装う。

 
 だが、感謝した後、校長は厳しい顔になり、

 校長「しかし二度とこんなことをしてはいけません。他の子が真似したら死んでしまう!」

 これは、視聴者の子供へのメッセージかなぁ。

 同時期の「仮面ライダー」で、高いところから飛び降りるのは危ないから子供は真似しちゃ駄目だぞ! と、藤岡弘さんが番組の中で注意してた時代だからね。

 校長「月先生、何も聞かんで下さい、このとおり」

 ついで、校長はひかるに対して深々と頭を下げて謝罪する。

 ひかる「はあ?」
 校長「年甲斐もなく馬鹿げたことを信じていました。全ては私の目の狂い、気の迷いでした」

 校長、太一が車を停めなければ、自分はひかるもろとも激突死していた……だが、ひかるは最後まで不思議な力は発揮しようとなかった。すなわち、ひかるには魔法など使えないのだと確信し、その疑いを潔く捨て去るのだった。

 
 それを聞いて、こっそり目を見交わすひかると正夫。

 「校長に疑われずに済んで良かったね」と言っているのだが、正夫が、ひかるが超能力で車を停めたことまで知っていたのかどうかは、はっきりしない。

 ひかるの秘密を守る為に、調子を合わせて太一が停めたと決め付けたとも考えられるが、さすがに子供の正夫が、そこまで敏速に立ち回れるかどうか、やや疑わしい。

 太一の怪力を称賛する声には真実味が溢れているから、そこまでは気付かなかった可能性が高い。

 ラスト、再び跳び箱の授業風景。

 
 ハルコ「だけど竜村君、ほんとに先生が魔女だったら?」
 正夫「魔法使いだったら面白いね、伝統よりよっぽどフィーリングがあんじゃない」

 
 ハルコ「丸木君の番よ」
 正夫「あいつならだいじょぶ、俺がばっちりコーチしてやったからよ」

 それにしても、ほんとハルコちゃんは可愛い。

 今回、そこそこ出番もあったのに、OPクレジットに名前がないというのは納得行かない。台詞のなかった進の名前はあるのに。

 正夫が自信満々に請け負うが、ろくに跳び箱の指導を受けていない太一は結局いつものように失敗し、みっともなく転げ落ちてしまうのだった。

 
 ハルコ「やっぱり駄目ねえ!」
 正夫「……」

 面目丸潰れと言うように帽子で顔を隠す正夫が笑える。

 それでも、根性だけはある太一、もう一度やると宣言して飛ぶが、またしても失敗し、

 
 ひかる「はぁーっ、うふふ」

 それを見て、溜息をつきつつ、つい笑ってしまうひかるのアップで、終わりです。

 以上、30分の特撮ドラマを、実に100枚近くの画像を使ってレビューしちゃいました。

 以前も書いたが、「魔女先生」は、特撮と言ってもアクションシーンや巨大ロボットバトルシーンがある訳ではないので、その分、ドラマが異様に充実しており、普通の特撮の2倍は中身が濃いのである。

 管理人は今、心地よい疲労感と、満足感を味わっている。


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コメント

太一のバカ力も思わぬ場面で役に立ったようですね😅

Re:「好き!すき!!魔女先生」 第7話「魔女テスト」 その3(08/15)  

(今のところは)根っからの悪人が出てこないファンタジー溢れる佳作シリーズですよね。
路線変更したスタッフ無能?

Re:「好き!すき!!魔女先生」 第7話「魔女テスト」 その3(08/15)  

出演者、皆近過ぎ(`´)(笑)
本当、こんな担任の先生だったら、学校へ行くのが
楽しみで仕方ないですよね?

Re[1]:「好き!すき!!魔女先生」 第7話「魔女テスト」 その3(08/15)  

ふて猫様

ちゃんと伏線が張られてるんですよね。

Re[1]:「好き!すき!!魔女先生」 第7話「魔女テスト」 その3(08/15)  

影の王子様

ほんと、こんな面白いのに路線変更なんて、バカとしか言いようがありません。金の卵を産むガチョウを殺した農夫以上の。

Re[1]:「好き!すき!!魔女先生」 第7話「魔女テスト」 その3(08/15)  

ピコちゃん様

ほんと、理想的な先生ですよね。

甘いだけじゃなくて、怒る時はしっかり怒ってくれるし。

Re:「好き!すき!!魔女先生」 第7話「魔女テスト」 その3(08/15)  

ひかる先生が魔法使いなのかと疑い、それを暴こうと卑劣な罠(?)を仕掛ける校長先生!前の記事でのコメントでも述べた「魔女っ子チックル」では、チックルの相棒・チーコの妹であるヒナちゃん(声は駒沢トヨ子さん)が、特に番組初期はチックルをここに観る校長先生よろしく魔法使いではないのかと強く疑い続け、それを暴こうと色々な画策をしていました。
そればかりか、魔法でチーコとは双子の姉妹としてチーコの家に転がり込んだチックルは、それが元でヒナちゃんに姉として認めてもらえず、その名も「おねえさんはいじめっ子」と言うお話では魔法の限りを尽くしてヒナちゃんを恫喝(!)し姉として認めさせようとしますが悉く失敗。万策尽きたかと落ち込むチックルが、その時目にしたのが凶暴な野良犬に襲われていたヒナちゃん!それに対し何とチックルは魔法に頼らず野良犬を撃退すると言うひかる先生でもうかつに真似出来そうもない荒業を披露し見事ヒナちゃんに姉として認めてもらう事が出来ました!しかしその後、チックルを素直に慕うようになったヒナちゃんはかわいかったですが、校長先生の場合はちょっと・・・・とも思えてしまいます(笑)。

Re:「好き!すき!!魔女先生」 第7話「魔女テスト」 その3(08/15)  

そして一週間前に免許をとったばかりだと語る校長先生とは反対に「キューティーハニ」でのアルフォンヌ先生(声はつかせのりこさん)は、何と10年前に取った免許をたまたま発見!!その免許でポチ校長とハニーを同乗させ
「それじゃ、10年ぶりの運転なんですのっ?!」
と目を白黒させるポチ校長に対し
「そうなんですの!まったくポチ校長先生も運の悪い方ですわね、おほほほほ!!」
と応えたためポチ校長にその場で殴り倒されていました!!
また、ロマンスカーとの衝突事故を間一髪で回避した校長先生を観ていると「トムとジェリー」の「お好みサンド」と言うお話で、ジェリーの所為によって建設中のビルの鉄骨を樽乗りで疾走するはめになったトムが、杭打機の巨大ハンマーの犠牲になりかけたのを、首の皮一枚のタイミングで回避した際(血の気が引き全身真っ白になるトム!)にも匹敵するスリリングさがあります!もっともトムは樽に乗ったままドッグショーの会場に突入してしまい、犬たちに痛めつけられる事となりますが・・・(笑)!!

Re[1]:「好き!すき!!魔女先生」 第7話「魔女テスト」 その3(08/15)  

笑太郎様

博覧強記ですね。

Re[2]:「好き!すき!!魔女先生」 第7話「魔女テスト」 その3(08/15)  

zura1980さんへ

ご返信ありがとうございます。
いや~っ、管理人さんには負けますよ(笑)!!

Re[3]:「好き!すき!!魔女先生」 第7話「魔女テスト」 その3(08/15)  

笑太郎様

滅相もないです。私は正真正銘のアホですから。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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