第20話「不思議ソング」(1984年7月20日)
冒頭、クビライが不思議獣シギシギを誕生させる。
シギシギの体からは紫色の美しい花が無数に生えている。

ヘスラー「これが不思議ソングフラワーか」
踊るシギシギにあわせて、ギャルたちがゆるやかに体を動かしている。
序盤ではちょくちょく見られたギャルたちの「地引網踊り」であるが、飽きたのか、最近はとんと見掛けなくなってしまった。今回の踊りも、片膝を床につけず、突っ立ったままと言う手抜きダンスである。
まぁ、ギャル5の魅惑の胸元が映っているので良しとしよう。
ポー「この不思議ソングフラワーの花粉を吸い込んだものはたちまち不思議ソング病に冒されてしまいます」
クビライ「不思議ソングフラワーを街中にばらまけ、人間社会をバラバラにして機能を麻痺させてしまうのだ」
アニーがひとりでパトロール中、珍獣ヤーダに近くの小学校へ行ってみろと誘われる。

フーマの罠を警戒しつつ、その小学校の校庭へ入り込むアニー。見れば、屋上で子供たちが輪になって踊っているではないか。
校舎のそばの花壇には既に不思議ソングフラワーが咲き誇り、金粉のような花粉を撒き散らしていた。

アニーは校庭を横切ると、校舎の壁の出っ張りを足掛かりにしながら、ヒョイヒョイとジャンプを繰り返す。
相変わらず刺激的なアングル……。

特に二回目のジャンプのポーズは、いくらなんでもエロ過ぎだろうと思う(じゃあ貼るなよ)。
とにかく超人的な跳躍力で、あっという間に屋上へ到達するアニー。

が、そっと覗き込むと、いつの間にか子供たちは静かに座って写生をしていた。
子供たちがモデルにしている花こそ、あの不思議ソングフラワーであった。

怪訝な顔をするアニーであったが、次の瞬間、子供たちの絵が一斉に画板から離れて舞い上がったかと思うと、アニーの体に張り付く。

子供たちの方を見れば、再び輪になって踊り出しており、踊っているうちに顔に隈取のようなものが浮かび上がる。
なお、子供たちの中にはレギュラー子役5人も混じっている。学年の違う秋本姉妹が一緒にいるのはおかしいのだが。

やがて、子供たちは、何処からともなく聞こえてくる「不思議ソング」の歌詞に操られているように、喚声を上げながら身動きの取れないアニーに襲い掛かり、その体をゴロゴロと転がす。

更にそのまま、アニーの体を屋上から放り投げる。
だが、横合いから飛んで来た青い光の球がその体を空中でキャッチし、一緒に屋上に着地する。
シャイダー「大丈夫か、アニー、シャイダースコープ!」
シャイダーの目には、子供たちの輪の中にいるシギシギや珍獣たちの姿が見えた。
シャイダーとアニーが攻撃すると、シギシギたちはすぐに退却する。

彼らのいる校舎と隣接する建物の上には、ヘスラーとギャルたちがいて余裕の表情で彼らの困惑ぶりを見物していた。
こうして並ぶと、ギャル5の脚の細さが際立ってますねえ。

シギシギたちはいなくなるが、先生と子供たちの顔はそのままだった。
先生「呆れたわねえ、授業中に歌ったり踊ったり……だからおちこぼれになるのよ、あんたたち」
良一「おちこぼれとはなんだよ!」
恵子「教え方が悪いのよ、先生の」
と、カメラを意識した立ち位置で、急に先生と良一たちが喧嘩を始める。
先生「私に逆らう気?」
先生は、良一たちの顔を平手打ちする。
先生と子供たちが取っ組み合いを始めたのを見て、いつの間にか人間の姿に戻っていた大ちゃんとアニーが慌てて止めに入る。
アニー「やめてください、先生と生徒がいがみ合い傷付け合って、そんなことで教育が成り立つんですか?」
大「いや、アニー、そう言うことじゃなくて……」(註・言ってません)

大ちゃん、先生の顔を見て「その顔の隈取は?」と驚く。
この先生、なかなか美人なのだが、すっぴんで大きく映されないままフェードアウトなのが惜しい。
と、なかなか気付いて貰えなくてそろそろ泣きそうになっていたヘスラーが、「はっはっはっはっ」と大きな笑い声を立てて大ちゃんたちの注意を引こうとする。
ヘスラー「そやつらは全員不思議ソング病患者なのだ」
ギャル1「不思議ソング病患者は理性を失い、動物本能の持つ攻撃的な性格が剥き出しになる」
ヘスラー「今に日本中を不思議ソング病患者で蔓延させて見せる!」
宣戦布告すると、ヘスラーたちは一戦も交えずに姿を消す。
しかし、作戦の内容をペラペラ敵に教えてしまうとは、フーマもショッカーを始めとする過去の悪の組織の悪いところを引き摺っているようだ。特に、早々に不思議ソング病のことを告げてしまったのは、致命的なミスと言えるだろう。彼らは特効薬(後述)が既に開発されているのを知らなかったのだろうか?

それはさておき、バビロスに戻った二人は、コム長官に不思議ソング病について教えて貰う。
マリーン「調べていたら過去に二つの惑星が不思議ソング病で滅びているわ」
コム長官「……」(じっとマリーンの胸の谷間を凝視している)
マリーン「ちょっと、やだぁ、そんなにじろじろ見ないで下さい~
」
コム長官「はっはっはっ、良いじゃないか、減るもんじゃなし」
大「……」
じゃなくて、マリーンの持っているカンペを見ているのである。
謹厳なコム長官がそんなセクハラまがいのことをする筈がなかろう(じゃあ書くなよ)。
コム長官「不思議ソング病は恐ろしい伝染病だ。歌い踊っているうちに、自分の衝動が抑え切れなくなる。その為に人間関係に亀裂が生じる。闘争本能が剥き出しになった世界の行き着く先は、戦争しかない!」

大「長官、妙なことがあるんです、俺もアニーも平気なんです、不思議ソングフラワーに強いんです」
コム長官「それは君たちの体内に免疫が出来ているからだ」
大ちゃんたちはうっかりしていたが、宇宙刑事の訓練学校時代、既に混合ワクチンを接種していたのだ。
コム長官「特効薬ミラキニーネの開発にも成功している。これより直ちにデータを電送する。ただし培養までに2週間はかかるぞ。それまでに不思議ソングフラワーを撲滅し、不思議獣を倒すんだ」
大ちゃんは城東大学の高村教授にそのデータを託し、ミラキニーネの培養を依頼する。

大ちゃん、海辺の道路を走っていると、ビーチから不思議ソングが聞こえてくる。
果たして、十数人の海水浴客が不思議ソングフラワーを手に輪になって踊っていた。当然、顔には伝染していることを示す隈取が出来ていた。
大「この花はダメなんです、みんなも捨てて下さい」
すぐに彼らのところへ駆け寄り、不思議ソングフラワーを捨てさせようとする。

夫婦と悶着になるが、踊っていた他の客もどっと押し寄せて、

みんなで大ちゃんをフクロ叩きにする。
彼らはすぐ新たな不思議ソングフラワーを取ろうと、繁茂している場所へ向かって走り出す。

大「それは不思議ソングフラワーなんだ、フーマが地球人をダメにする為に、ばら撒いた花なんだ!」
必死で彼らを止めようとするが、誰も彼の言葉に耳を貸さない。
やむを得ず、手榴弾のようなものを投げて、そこに生えている不思議ソングフラワーを全滅させる。
しかし、花がなくなっても彼らの病気が治る訳ではなく、

夫1「お前もあれくらい水着が似合えばな」
妻1「なによ、あんただって胴長短足じゃないの! せいやっ!」
今度は家族同士で醜いいがみ合いが始まる。

妻2「あーあー、どうせ泳ぐんだったらハワイやエーゲ海に行きたいもんだわね。もっとあんたの給料じゃ無理でしょうけど!」
夫2「悪かったな、やりくりひとつ出来ないくせに」
妻2「やりくりできる給料なわけ?」
今の大ちゃんにはその様子を茫然と見ているしかなかった。
大(不思議ソング病がここまで蔓延している……対策を急がないと)
このシーン、出来ればギャルたちにも水着姿で参加して欲しかったところです。

ビーチでの騒動に続いて、町内の盆踊り大会のシーン。
この櫓と言い、エキストラの数と言い、金がかかってるなぁ。

輪になって踊っている中には、陽子や良一たち、そして小次郎さんの姿もあった。
浴衣姿の陽子がキュートです。
ところが、流れていた「東京音頭」がいつの間にか「不思議ソング」にスイッチする。
陽子たちはそのまま踊り続けていたが、

何故か、小次郎さんだけ、「ちょっとぉ、レコード間違ってんじゃないか? おいちょっと、ミュージック間違っちぇんぞ! おいっ」と騒ぎ出す。

陽子「何をガタガタ言ってるの、文句を言う前に私のバイト料アップしたらどうなの?」
良一「そうだよ、UFOばっかり追いかけてないで商売も真面目にやれよ!」 小次郎「なんだ良一、その目は?」
だが、不思議ソング病にかかった陽子たちは、小次郎さんを取り囲んで集中砲火を始める。
しかし、陽一の一言、不思議ソング病が言わせたこととは言え、ガツンと来るよね。

彼らの様子を櫓の上から冷徹な目で観察しているのは、浴衣姿のギャルたちであった。
ギャル3「花粉を吸ってる筈なのに」
ギャル2「隈取も出来てないわ」
ギャル5「特異体質よ、きっと!」
ヘスラー「生かしておけん!」 いや、別に殺さなくてもいいと思うんですが……。
やがてアニーがその近くを通りがかり、流れている不思議ソングに気付く。
アニー「シャイダー、盆踊りしてるわ、不思議ソングで」
大「えっ、不思議ソングで盆踊り?」 大ちゃんのこの台詞、韻を踏んでるみたいで妙に可笑しい。

二人は盆踊り会場へ急行し、陽子たちにどつき回されていた小次郎さんを助ける。
大「みんな不思議ソング病に冒されている。早く逃げたほうが良い」
小次郎「ありがとう、大ちゃん!」

大「正体見せろ、フーマ!」
大ちゃんが怒鳴ると、櫓の上で踊っていたヘスラーがくわっと目を見開き、

ギャルたちも一斉に踊りをやめて大ちゃんを睨む。

そして一番上で太鼓を叩いていた男(山田一善)は、シギシギの姿に変わり、

ギャルたちはそれぞれの浴衣のたもとを掴む仕草をして(実際は触っていない)、

体を一回転させ、

浴衣を一気に脱ぎ捨て、
下着姿に……なるんだったら大変喜ばしい限りであるが、

当然、本来の衣装に変わる。

ヘスラー「シャイダー、これはまだ序の口だ。明日からもっと楽しみなことが起こる!」
今回も一戦も交えず、ヘスラーたちは一瞬で姿を消してしまう。

CM後、私邸前でインタビューを受けている日本の首相。
リポーター「総理、国際会議に出席するにあたり、総理の抱負と言ったものをお聞きしたいのですが……やはり今までどおり積極的に平和外交を推し進める……これが第一目的でしょうか」
首相「とんでもない、私は喧嘩外交で行こうと思ってます」
リポーター「ええっ」
首相「現代は人間が科学に負けています。私は人間が人間らしさを取り戻すには戦争が一番だと思います。考えて見給え、原始人は武器を手にしたことで他の動物たちを制覇したんだよ。現代人は戦争をし、殺し合わなきゃ……」
突然、とんでもないことを言い出す首相に、リポーターも二の句が告げない。
首相「そして血を燃やすんだよ、かぁーっ! とねぇ」 鬼のような形相になって雄叫びを上げる。その顔に、例の隈取が浮かび上がり、

言葉だけではなく、いきなり「とりゃーっ!」と、手当たり次第に周りの人間たちを殴ったり蹴飛ばしたりする首相の姿に、管理人は大爆笑。
その様子を遠巻きに見ている大ちゃんとアニー。
良く見れば、首相の胸ポケットにはあの不思議ソングフラワーが飾られていた。

国連での会議の模様。
ただし、これは「サンバルカン」の1話の使い回しか。

続いて、会議の席で文字通り大暴れして他国の元首に取り押さえられる首相の姿が映し出される。
そんなの、会議に送り出しちゃダメだろ……。 ちなみに首相を取り押さえている黒人は、当事の特撮番組でちょくちょく見掛けるウイリー・ドーシーさん。
その結果、国際情勢は一挙に悪化し、核戦争勃発の危機にまで及ぶ。
……まぁ、日本の首相が国際会議で暴れたからって、核戦争にはならないと思いますが。
大ちゃんとアニーは、シギシギをおびき出して倒すしか手はないと、ある作戦に出る。
それはまだ培養に一週間はかかるミラキニーネが完成したと嘘のニュースを新聞に流すことだった。

クビライ「地球全体にもうすぐ火がつく。特効薬を潰せ」
ヘスラー「はっ、行くぞ!」

ギャルたち「はーっ!」
ヘスラーの掛け声に一斉に振り向くと、当然、最後尾のギャル5が一番手前に映るので貼りました。
嬉しいことに、次のシーンでは、

浴衣に続いて、白衣をまとった研究員と言うギャルたちのコスプレが炸裂するのである。
城東大学の研究室へ潜り込んでいるのだ。
ギャル5の髪型が可愛過ぎる……。
不思議ソング病患者であろうか、ストレッチャーで研究室へ運ばれていく二人の患者に付き添う形で、次々とギャルやシギシギ(人間態)が集まってくる演出が管理人は好きである。

普段より明らかに女子が多いのに、高村教授は何の疑問も持たず、出来たばかりのミラキニーネを患者に投与しようとする。
と、注射を打とうとした手をシギシギが掴み、ガスを噴射して教授たちを眠らせる。

シギシギ「これが特効薬だ」
ギャル1「これさえ手に入れれば作戦は思い通り」
言い忘れたが、シギシギを演じる山田一善さんは、「シャリバン」で海坊主をやってました。
瓶を手に微笑むギャルたちであったが、何処からか「それはニセモノだっ」と声が響く。
続いて、シーツをはぐって大ちゃんとアニーが登場する。そう、大ちゃんは患者に成り済まして彼らが来るのを待ち構えていたのだ。
ただ、大ちゃんが続けて「本物は別の場所に移してある」と言うのは、ちょっと矛盾しているような……。まだ培養に一週間はかかるんじゃなかったの?
それはともかく、その後は建物の外へ出ていつもの戦闘シーンになる。
しかし、前半でギャルたちが見せたように、今度もテレポーテーションみたいにパッと消えれば良いと思うのだが、何故かここではそれを使わないのは不思議である。

いつものように、なるべく戦いに加わらないようスカートをふわふわさせているギャル5に注目!

ギャルたちの間を駆け抜けながら「焼結」し、

コンバットスーツをまとってヘスラーの頭上を飛び越して建物の屋上に着地する。
ここから、いつもの戦闘ルーティンとなり、最後はシギシギが無事に倒されて事件解決。
ラスト、

不思議獣が死んだから不思議ソングフラワーも消えて、人々の病気も一瞬で治った、などと「仮面ライダー」のような
横着をせずに、ちゃんとミラキニーネを接種されて子供たちが治ったり、大ちゃんがミラキニーネを散布して不思議ソングフラワーを枯らしたりする様子が描かれているのが立派である。
……と言う訳で、場面転換も多く、ギャルたちのコスプレも堪能できる、文句なしの力作であった。
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