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「ウルトラセブン」傑作選 第26話「超兵器R1号」



 第26話「超兵器R1号」(1968年3月31日放送)

 冷戦時代真っ只中に、核兵器開発競争の愚かさを描いた名作である。

 ウルトラ警備隊本部で、惑星間長距離ミサイル「R1号」の発射実験が行われようとしていた。開発したのは前野博士と瀬川博士。

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 その設計図を前に、感嘆の声を上げる警備隊のメンバー。

 ダン「新型水爆の8000個の爆発力だって?」
 フルハシ「これで地球の防衛は完璧だな。地球を侵略しようとする惑星なんかボタン一つで木っ端微塵だぁ」

 しかし、相手の正体や本拠地が分かっていればそれも可能かもしれないが、大抵の場合、そうじゃないからなぁ。

 フルハシ「我々はボタンの上に手を掛けて、侵略する奴を待っておればいいんだ」
 と、フルハシはわざとらしいほどに好戦的だったが、

 アンヌは「それよりも地球に超兵器があることを知らせるのよ。使わなくても超兵器があるだけで平和が守れるんだわ」と、まだしも穏当な発言をする。

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 ダンひとりだけ、眉間に皺を寄せて考え込んでいた。

 アンヌ「どうしたのダン?」

 ダンはその後、フルハシに「地球を守るためなら何をしてもいいんですか」と真正面から問い質す。

 フルハシ「宇宙からの侵略から地球を守るために超兵器が必要なんだ」
 ダン「侵略者は超兵器に対抗して、もっと強力な破壊兵器を作りますよ」
 フルハシ「我々はそれよりも強力な兵器を作ればいいじゃないか」

 ダン「……それは、血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ」

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 さて、実験の前に、タケナカ参謀(佐原健二)に報告をしている開発責任者二人。
 前野博士を演じるのは、美人女優の田村奈巳さんです。ぐー、めっちゃ可愛い。

 タケナカ「驚くなよ、R2号は1号の10数倍の威力があるそうだ」
 キリヤマ隊長「え、それじゃあ地球なんか」
 タケナカ「二つ三つ消し飛ぶだろうな」
 前野「もう地球は安全です」

 全然安全じゃないと思いますが……

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 で、その実験用ミサイルの標的として、地球に影響もなく、生物も住んでいないギエロン星を6ヶ月もかけて選び出したと誇らしげに話す前野博士。

 そうです、貼りたいだけです。

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 そしていよいよ発射されるR1号。

 ただ、この最中に爆発でも起こしたら、日本はほぼ全滅すると思うが、まあ、仮にアクシデントがあっても核爆発にはならないように設計されているのだろう。

 R1号は宇宙へ飛び出し、ギエロン星と言う、いかにも怪獣が出てきそうな惑星を完全に消滅させる。実験の成功を喜ぶタケナカたちだが、その直後、ギエロン星のあった方角から何か巨大な物体が接近していると言う報告が入り、笑顔が凍り付く。

 ウルトラホーク1号で迎え撃つが、爆破のショックで変異したギエロン星獣には勝てず、怪獣は地球へ降り立つ。

 6ヶ月もかけて生物のいない完璧な実験場として選んだのに、しっかり生物がいたのですっかり凹む前野博士でありました。

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 怪獣は原爆ドームを思わせるような廃墟に立ち、頭を左右に揺らして、なんとなく可愛らしい仕草を見せる。

 ダンたちが再度ウルトラホークで攻撃すると、意外にも怪獣はあっさりと死んでしまう。

 R1号でも死ななかったのに変ねえと誰もが思うのだが、案の定、翌朝には甦って更に強力になってしまうギエロン星獣。しかも今度は黄色い放射性ガスを撒き散らして地上を汚染しながら東京へ向かう。

 自分たちの作った核兵器の放射能で被害を受けると言う、皮肉な状況になる。
 ……今の日本みたいだな。

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 タケナカ参謀や博士たちはみな反省しきりだったが、

 瀬川「この危機を救うものは超兵器R2号だけです。私はR2号の破壊力に賭けて見たい」
 突然、めちゃくちゃなことを言い出すのだった。

 前野「いや、あの、怪獣と一緒に我々も消滅しちゃわない?」
 と、突っ込みたくてしょうがない前野博士であった。

 ウルトラ警備隊は怪獣を食い止めようとウルトラホークで攻撃するが、今度はまったく通用しない。

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 無論、最後はダンがセブンに変身し、怪獣と戦う。

 ただ、怪獣はとても強く、セブンの攻撃をほとんど受け付けない。セブンは渾身の力で怪獣の腕をひきちぎり、アイスラッガーを手に持って咽喉を切り裂いてトドメを刺す。

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 核兵器の犠牲になったギエロン星獣の死も、丁寧に描かれている。

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 前野「タケナカ参謀、あたくしはどうしても、あの怪獣を憎むことは出来ません」

 そりゃそうだろう。

 前野「本当はギエロン星に住む平和な生物だったのかもしれません」

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 キリヤマが放射性ガスを吸ったダンの容態について知らせに来る。

 キリヤマ「多量の放射能を浴びておりましたので、消毒して、メディカルセンターで休ませてあります」
 当時でも、放射能に対する認識ってこんなもんだったのだろうか?

 タケナカ「超兵器R2号が完成したら、地球の平和は絶対に守れると思うかね」
 キリヤマ「そう言えば、ダンがしきりにうわごとを言ったんです、『血を吐きながら続けるマラソン』だと……」
 前野「ダン隊員がそんなことを……参謀、人間はそんなマラソンを続けるほど愚かな生物なのでしょうか?」

 タケナカ「俺に聞かれてもなぁ……」(註・言ってません)

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 ダンが医務室で、車輪の中を永久に走り回っているリスを暗い面持ちで見ていると、タケナカたちがやってくる。

 ダン「参謀、お願いがあります」
 タケナカ「よし、わかった」
 ダン「まだ何も言ってません!」
 タケナカ「いや何も言わなくていい。私はいまから委員会に出席するが、R2号の開発を直ちに中止するよう提案してみよう」
 ダン「え?」
 前野「私も何とかして他の委員たちを説得してみます」
 ダン「お願いします!」

 こうして少なくともR2号に関するダンの懸念は消えたが、無心に走り続けるリスを見詰めるダンの表情は、依然として晴れないのだった……。

 と言う訳で、田村奈巳さんがおめめパッチリでとても可愛い……じゃなくて、軍拡競争の愚かさ、恐ろしさを特撮ドラマの中で見事に描いたエピソードでした。

 ……もっとも、すぐ後の28話では、「ニトログリセリンの数百倍」などという新型爆弾を開発するんだけどね。進歩ねえな。


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コメント

東日本大震災の直後、放送が中止されたそうです。
この話は緊迫感があり、演出も良くて好きです。

ところで、「総天然色ウルトラQ」の放送が私の地区で開始したのですが
今日放送予定の第4話「マンモスフラワー」が飛ばされ(ビルの倒壊シーンがあるため?)
第5話「ペギラが来た!」が放送され観ました。
田村奈巳さんが南極基地越冬隊員役で出演されてました。
「Q」の主役=万城目淳=佐原健二さんとの共演です。
役柄のせいか?ちょっとキツい印象ですが、とてもお綺麗です。
この人は知的な雰囲気がたまりませんね。
田村さんは「Q」「マン」「セブン」「怪奇」すべてにご出演されてました。

Re:田村奈巳さん(11/22)  

影の王子さん
>ところで、「総天然色ウルトラQ」の放送が私の地区で開始したのですが
>今日放送予定の第4話「マンモスフラワー」が飛ばされ(ビルの倒壊シーンがあるため?)

毎度のことですね……
私のところも多少揺れましたが。

>役柄のせいか?ちょっとキツい印象ですが、とてもお綺麗です。
>この人は知的な雰囲気がたまりませんね。

いかにも、お姉様!と言う感じですね。

それにしても「総天然色ウルトラQ」、凄く自然な着色で、その技術に驚かされます。今のところレビューの予定はないですが。

はじめまして(^-^)!  

こんなに穏やかで平和な性格だったモロボシダンがウルトラマンレオでMACの隊長になった途端、鬼隊長になってレオ=おゝとりゲンを徹底的に痛め付けてシゴキをするようになるのですから、正直信じられないです(>_<)…。勿論、モロボシダンがなぜおゝとりゲンに厳しいのかは私も充分に理解してますし、物語の中ではモロボシダンもおゝとりゲンもお互いの事を理解し合いながらの上での事だと解ってはいるんですが…。

Re:はじめまして(^-^)!(11/22)  

バラやん様
はじめまして。訪問&コメントありがとうございます。

>こんなに穏やかで平和な性格だったモロボシダンがウルトラマンレオでMACの隊長になった途端、鬼隊長になってレオ=おゝとりゲンを徹底的に痛め付けてシゴキをするようになるのですから、正直信じられないです(&gt;_&lt;)…。

確かに、ほとんど別人のような鬼軍曹ぶりですよね。彼の上司だったキリヤマは、厳しいところもあるけど温厚な人だったのに……ダンは誰を手本にしてたんでしょうね。

Re:「ウルトラセブン」傑作選 第26話「超兵器R1号」(11/22)  

ダンの“血を吐きながら続けるマラソンですよ”のセリフが今でも頭に
焼き付いています。当時の時代を反映していますね。時代背景もしっかりと写した素晴らしい作品です

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第26話「超兵器R1号」(11/22)  

ふて猫様
>ダンの“血を吐きながら続けるマラソンですよ”のセリフが今でも頭に
>焼き付いています。当時の時代を反映していますね。時代背景もしっかりと写した素晴らしい作品です

そうですね。今でも核戦争の危機が遠のいた訳ではないんですけどね。それにしても、改めて見ると田村奈巳さんが奇麗です。

Re:「ウルトラセブン」傑作選 第26話「超兵器R1号」(11/22)  

先程、再放送を視ましたが、ギエロン星獣には同情を禁じ終えないですね😓どうみても被害者だと思いますね。それでも闘うセブンに拍手ですね

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第26話「超兵器R1号」(11/22)  

ふて猫様
>先程、再放送を視ましたが、ギエロン星獣には同情を禁じ終えないですね😓どうみても被害者だと思いますね。

そうですよね。こういう重いテーマの作品もあるのがセブンのすばらしい所ですね。

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