第17話「怪談!お化けの谷」(1981年5月30日)
冒頭、ゼロガールズがヘドリアンに報告している。

ゼロワン「ヘドロガスを掘り当てました」
へドリアン「なにぃ、見付けたのか、何処じゃ、何処で見付けたのじゃ?」
ゼロツー「戦国谷でございます」
へドリアン「戦国谷……この世にヘドロガスが残っていたとは……本当にヘドロガスに間違いあるまいな?」
ゼロワン「ガスモンガーがサンプルとして吸い込んでまいりました。お試しください」
へドリアン「ほーほぉー、どれどれ」

と、ガスモンガーがすぐに現れ、採取してきたヘドロガスを放出する。
へドリアン「ほーっ、この香り、まさしくヘドロガス、懐かしいヘドロガスじゃ」
凄まじい悪臭を発するヘドロガスをまともに吸い込んで、恍惚とした表情を浮かべるヘドリアン女王。

だが、そう言う面ではノーマルなヘルサターンやゼロガールズは、いかにも不快そうに顔を背けたり、鼻をつまんだりしている。
ヘルサターン「ええい、やめい、堪らんわい」
とうとう耐え切れなくなって咳き込み始めたヘルサターンがガスを止めるよう命じる。
へドリアン「夢のようじゃ、もう二度と嗅ぐことはないと思っていたヘドロガス……」
ヘルサターン「ぶほぉっ、げぇーふっ」(聞いてない)
ヘドリアン「おのれ、見ていろ、再びこの世をヘドロガス渦巻く死の世界にしてやる! あーっははははっ」
ひとり天を睨んで呪いの言葉を吐く、やる気マンマンのヘドリアン女王だったが、ゼロガールズたちはひどい悪臭でそれどころではないのだった。
その時、偶然(じゃないと思いますが……)にも、バルシャークこと鮫島欣也が、地球平和守備隊の倉田隊員と共に、その戦国谷に特訓の為に訪れていた。
その入り口で、幽霊が出たと騒いで逃げてきた村人二人と出くわすが、欣也と倉田は気にせず、谷の中へ降りていく。
だが、日頃から大の蛇嫌いと公言している倉田が、巨大な蛇に遭遇し、恐慌状態になってめちゃくちゃに山の中を逃げていく。
欣也も慌てて追いかけるが、倉田が越えた山の向こうで爆発音が響き、欣也が駆けつけた時には、衣服の破片が落ちているだけで、倉田の姿は何処にも見えなかった。
サンバルカンの三人と美佐は、そのことを伝えに倉田の自宅を訪れる。
倉田の妹・綾子「え、じゃあ、兄は戦国谷で死んだって言うんですか」
欣也「いいえ、まだ確認していないのでそうとは……」
マモル「兄ちゃんを返せ!」
会話に割り込むようにして、少年の声が飛んでくる。見れば、

マモル「人殺しーっ!」
いかにも性格の悪そうなお子様が立って、欣也を睨み付けていた。倉田の弟のマモルである。
欣也にむしゃぶりついて「帰れ帰れ」と罵るマモルを、姉の綾子が、「マモル、やめなさい」と叫んで引き離す。

その後、サファリで、欣也を除くいつものメンバーが揃い、和やかに談笑していた。
さすがに、隊員が死んだと思われている状況で、ケタケタ笑うのはどうかと思うが……
そこへいつもの子供たちが竹とんぼを飛ばしつつ、登場。
男の子「竹とんぼ作ったぞ」
嵐山「おー、こりゃうめーもんだ」
男の子「鮫島さんは?」
嵐山「う、あ、ちょっとお仕事だ」
まり「竹とんぼ飛ばそうって約束したのにさー」
どうでもいいことだが、管理人はまりちゃん(右端の子)の顔が好きである。
姿の見えない欣也は、当然のごとく、再び戦国谷へ足を踏み入れていた。倉田隊員の生死をその目で確かめる為に。
と、頭上を飛んでいたカラスがいきなり墜落し、そのまま強酸性ガスでも浴びたように腐り、白骨化するのを目にし、容易ならぬ事態が進行中であることを確信する。

欣也がふと視線を向けると、そこにマモルが立っていた。
マモルも、兄に花束を捧げる為、単身、山に入っていたのだ。
欣也「マモル君!」

マモル「……」
欣也を見たマモルは、挨拶もせず、唇の片端にあざけるような笑いを浮かべる。
欣也(いっぺん殺したろか……) その子供らしからぬ悪相に、思わず殺意を誘われる欣也であったが(管理人の妄想です)、その時、崖の上を白い髪を振り乱した老婆が、ポップコーンのようにぴょんぴょん飛び跳ねるのを目にしたので、マモルを連れて一旦その場から退散する。
欣也はアパートまでマモルを送り、綾子にくれぐれもマモルを戦国谷へ行かせないよう言いつける。

一方で欣也は、カラスが白骨化したことを嵐山に報告する。
嵐山「それはヘドロガスかも知れんな。ヘドリアン女王の夢はヘドロガス渦巻く死の世界を作ることにあった。ブラックマグマの力を利用してそれを実現しようとしたのかも知れん」
龍介「戦国谷で何かたくらんでるな」
欣也「お化けで人を恐れさせ、近付けない為に違いない」
と、そこへ、美佐がやってきて、マモルが再び戦国谷へ向かったとの情報を伝える。
嵐山「
不本意だが太陽戦隊、出動せよ!」
三人「はいっ」
次のシーンでは早くも強化スーツをまとった三人がそれぞれのマシンに乗って戦国谷へ向かっている。
「サンバルカン」って、生身の俳優の出番が他の戦隊と比べて特に少ないような気がするのだが、今回も、これ以降、ずーっと強化スーツ姿の三人しか出てこないのである。
「デンジマン」は魅力的な俳優たちの掛け合いが大きな楽しみの一つだったので、「サンバルカン」はそういう面で明らかに劣っていると思う。

さて、何しに行ったのかいまひとつ定かではないのだが、戦国谷へ踏み込んだマモルの前に、古式ゆかしい人魂や、唐傘お化けなどの、日本古来の幽霊たちが現れる。
今、この手の表現ってさすがに絶滅したよね。

更に、今度はもっと実体感のある四体のお化けが出てきて、不気味な笑い声を立てながらマモルに近付いてくる。
80年代前半の戦隊ヒーローでは、たいてい年に一、二回くらい、この手のキャラクターが同じような演出で出てくるのがパターンである。
ちなみに左から、ろくろ首、ぬらりひょん、鬼婆、牛鬼(?)となっております。
そして、

その中でも特に身軽な鬼婆を演じているのが、JACの逸材、春田純一さんなのであります!!
しかし、この人が次回作でヒーローの一人を演じることになるとは、この時誰が予想できただろう?
さんざんおどかされた挙句、マモルは何処かへ連れ去られる(どうでもいい)
続いてやってきたサンバルカンにも、四体のお化けが襲い掛かり、激しいバトルになる。
鬼婆の春田さんも良いが、

ぬらりひょんに追われるパンサーが、

そのまま松の木を駆け上がって、

突っ込んできたぬらりひょんの背後に着地するアクションが実に見事である。
さすが、パンサー役はこの人ならではと言われた伊藤久二康さんだね。
長丁場の戦いの末、三人は、お化けたちの正体がダークQであることを突き止める。
だが、二人と離れて戦っていたシャークは、ガスモンガーの出すヘドロガスをまともに浴びてしまい、鬼婆に殴られて崖から転落してしまう。

谷底で気を失っていたシャークを助けたのは、意外にも鬼婆の姿をした倉田隊員であった。
シャーク「お前、生きていたのか」
倉田「鮫島さん、聞いてください、聞いてください!」
倉田はあの時、運良く手榴弾の爆発に巻き込まれずに済み、命は助かったが、ヘドロガスのせいで髪が白くなってしまったと言う。そして、ゼロガールズやお化けたちが洞窟の中のアジトへ出入りしているのを見て、鬼婆の姿に変装してアジトの内部に潜入しようとしていたのだ。
ただし、さっきシャークと戦っていたのは本物のお化け(ダークQ)で、倉田はまだ実際にはアジトに潜入した訳ではないらしいのが、このシナリオの欠点である。
やっぱり、最初から倉田が鬼婆に化けていたと言う設定のほうが面白いからね。
その後、四人はアジトへ潜入し、サンバルカンが敵の目をひきつけている隙に、倉田がマモルを助け出す。
そしていつもの戦闘ルーティンとなり、ヘドリアン女王のよこしまな野望は粉砕されるのであった。

シャーク「マモル君、兄さんはね、死んだふりをして敵の様子を探ってたんだ」
マモル「僕もそう思う、兄さんは凄い!」
兄が無事に戻ってきたことで、マモルもすっかり機嫌を直すのだった(どうでもいい)
しかし、最後のシーンでも三人が強化スーツ姿のままと言うのは、ちょっと寂しい。
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