第18話「びっくり大スター」(1981年6月6日)
悪の組織が、ちびっ子たちのアイドル……各スポーツ界のスター選手にちょっかいを出すと言うのは昔の戦隊シリーズでは定番のプロットであるが、この18話はまさにそういうエピソードである。
もっとも、ブラックマグマは既に第7話「野獣バッターと涙」で似たようなことをやってるんだけどね。
作戦の前に、ヘルサターンとゼロガールズたちは、新開発の特殊樹脂を使った新型のダークQの実験を行う。そのダークQは、サンバルカンのバルカンアイ(透視)を使っても本物の人間にしか見えないのである。
その上で、ヘルサターンは機械生命体カメラモンガーを誕生させ、作戦を開始する。
具体的には、

グラウンドでランニングをしているプロ野球の安原選手にカメラを手にした女性が声をかける。
無論、ゼロワンの変装である。
ゼロワン「安原さん、60勝投手になりたくない?」
安原「60勝? そうなれればいいんですがね」
ゼロワン「うっふ、打っては打率5割、ホームラン80本、君はたちまちスーパースターになるわっ」

安原「ははっ、まさか」
ゼロワンの言葉を冗談と受け取って朗らかな笑いを浮かべる安原選手。
めちゃくちゃ人の良さそうな安原選手を演じるのは、デスギラーの高橋利道さん。

ゼロワン「本気よ、見て」
安原「?」
安原が怪訝な顔で振り向くと、グラウンドの真ん中に忽然とカメラモンガーが出現する。
カメラモンガー「ハイ、ポーズ!」
安原「うわぁーっ!」

逃げる暇もあればこそ、カメラモンガーの特殊レンズで撮影された安原は、写真の中に……2次元の世界に閉じ込められてしまう。
続いて、プロボクサーの流隼人(JACの益田哲夫)をゼロツーとカメラモンガーが捕獲。

そして皆さんお待ちかねの水着ギャル、水泳の小田選手も、カメラモンガーの餌食となる。

アジトに戻ったカメラモンガーは、彼らを封じ込めた写真を転写して、三体の新型ダークQを彼らそっくりの姿に仕立て上げる。
その後、ダークQの凄まじい身体能力によって、三選手は圧倒的な成績をマークしていく。
安原は160キロのボールを投げて連夜のパーフェクトゲーム、しかもバッターとしても4打席連続ホームランと言う離れ業を演じて見せる。
流は5連続、1ラウンドKO勝ちを収め、小田聖子は100メートルと200メートルの自由形で男子のタイムさえ上回る新記録を叩き出す。
紙面には連日のように三人の華々しい活躍を伝える記事が躍る。
サンバルカンも、彼らの活躍に無邪気に拍手を送っていたが、

嵐山「全くスーパースターの花盛りだな。160キロのスピードボールを投げたり1ラウンド連続KOを続けたり……俺にはどうも納得できねんだなぁ」
朝夫「じゃ、ブラックマグマ?」
嵐山「そうとは限らねえけどよぉ、でもまぁ、疑ってみる必要はありそうだな」
と言う訳で、念の為、サンバルカンは安原たちの調査に乗り出す。
だが、こんな展開を予想しての新型ダークQなので、サンバルカンの透視能力でも見抜けない。
若い三人は「やっぱり天才なんすよ」と、あっさり調査を打ち切ろうとするが、老練な嵐山は「バルカンアイで透視できないからってメカ人間でないとは限らん。本人に近付き捜査するんだ!」と引き続き調べるよう指示する。

今度は、ロードワーク中の流の前に、朝夫を追い掛け回している龍介と欣也の扮した不良(?)が現れて、その反応を見守ることにする。
……
いくら1981年でも、さすがにこれはないんじゃない?
龍介「どかんかい」
欣也「そいつはうちから金借りてかえさねえんだ」
龍介「どけっ」

流は龍介の攻撃をかわすと、その体が宙に舞うほどの凄まじいアッパーを放つ。
欣也もどてっぱらに左フックを喰らい、一瞬気絶するほどのダメージを受ける。
やはり、流の正体はメカ人間なのか……?
でも、人間だとしても、ハードパンチャーが素手で殴ったら、それくらいの騒ぎにはなりそうだけどね。
この辺の描写はいまひとつ振り切れてない感じがする。

その流の練習風景をカメラマンに化けて観察している美佐が、赤毛のアンみたいで可愛いのである!!
龍介たちは美佐と協力して、流の正体をじっくり調べようとするが、そこへ
何を血迷ったのか、カメラモンガーが真っ正面から襲い掛かってくるのである。
これじゃあ、わざわざデスダークが関与していると教えるようなもので、新型ダークQを起用した意味がないではないか!!
とにかく、サンバルカンとカメラモンガーの小競り合いになる。
しかも、その戦いの最中、カメラモンガーの、被写体を写真に封印する特殊能力までサンバルカンに知られてしまう。
三人の報告を受けた嵐山は「機械の優秀性を実証する為だろう」と、今回のヘルサターンの目的を推察する。
こういう、ちょっと他の悪の組織では見られない非営利的な作戦が、ブラックマグマの特徴と言えるのだが、それが同時に、今回のストーリーの中盤以降の盛り上がりの欠如に結果していると思う。
彼らがやってることは、単に人間に成り済ましてスポーツの世界で(まっとうに)大活躍しているだけなので、それを止める側にもいまいち緊迫感が湧いてこないのだ。
その後、再びマンツーマンで安原たちのマークするサンバルカンであったが、新型ダークQは、ゼロガールズたちの手助けもあって、なかなか尻尾を掴ませない。

ちなみに、朝夫がマークしている小田選手のシャワーシーンなんてのが出てくるが、ふざけたことにきっちり水着を着てシャワーを浴びるという、女優にあるまじき所業に及んでいる。
もっとも、

その女性が、実はゼロフォーだったと言う、ちょっと嬉しいオチが待っている。
ゼロフォー、かなりのムチムチボディであることが判明する。
で、色々あって、結局最後は美佐が三人の正体を偶然目にし、ブラックマグマ苦心の作戦もおじゃんとなるのだった。どっとはらい。
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