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「スクール☆ウォーズ」 第11話「死と友情と」



 第11話「死と友情と」(1984年12月15日)

 かつて、109対0と言う惨敗を喫した相模一高との練習試合が近々行われることになり、そのリベンジを果たす為、いつも以上に熱心に練習に励んでいる川浜高校ラグビー部の面々。

 だが、それを見守る滝沢の心には、常に、本人も知らないイソップの脳腫瘍の一件が暗い影を落としていた。

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 校長「元気そうに見えるが病魔はじわじわと彼を蝕んでるんだね」
 滝沢「ええ、医者は近いうちに手術すると言ってましたが、腫瘍の出来てる位置が摘出困難な位置だそうで……成功するかどうかはやってみないとわからないと言うんです」
 校長「部員たちには手術のことは話しても、それほど危険だとは言ってないんだろう?」
 滝沢「試合を控えた今話しても、選手たちの気持ちを乱すだけですし……」

 医者や両親以外で、イソップの病気のことを知っているのは滝沢と校長だけであった。

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 と、練習中、光男が滝沢のところへやってきて、しばらく姉・夕子が家を留守にすることになったので、代わりに自分が店を手伝わなくてはならなくなったので5時で早引けさせて欲しいと頼む。無論、滝沢は快く承知する。

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 次のシーンでは早速、新楽で、慣れない接客をしてパニくっている光男の姿が映し出される。

 ……なんで、学生服の上に白衣を着る?

 あと、いつもは客なんざひとりもいないのに、こういう時だけテーブルが埋まっているのがいかにもわざらしい。

 光男「はい、レバニラお待たせー」
 客「俺はタンメンだよ」
 光男「おめえに食わせるタンメンはねえ!」

 嘘はさておき、光男があたふたしていると、

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 玉川「あーあー、みじめー」
 大木「森田さんよ、俺たちも手伝うぜ!」

 大木を先頭に、部員たちがドシャアアアーッ! と言う効果音が聞こえてきそうな感じで入ってくる。

 光男「お前たち……」

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 こうして、部員たちが交代で店を手伝うと言う、友情のうるわしさと助け合いの尊さを描いたシーンとなる。

 ……

 だから、なんで学生服の上に白衣着るんだよ……。

 しかし、正直なところ、今まで新楽ってそんなに人手が要りそうなほど繁盛してなかったと思うんだけどね。

 こういう時、間違っても、

 大木「俺たちも手伝うぜ!」
 光男「いや、今日は誰も客来ないから別に良いよ……」
 大木「あ、そうですか。……じゃあチャーシューメン下さい」

 などと、彼らの思いやりが無になるような展開にはならないのがドラマなのである。

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 大木が、出前の手伝いをしていると、清美たちが見掛けて駆け寄る。

 明子「先輩、ナニやってんの」
 清美「あっ! わぁかった! とうとう、ねー」
 大木「とうとう、なんだよ?」
 清美「なんかやらかして退学になってそんでラーメン屋さんに誘われたんだろ!」

 風邪気味なのか、少し鼻声で話しかけつつ、大木の腕をポンと叩く清美が可愛いのである!

 大木「バカヤロウ、ぶっ飛ばすぞ」
 大木は一喝すると、さっさと自転車で行ってしまう。

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 明子「先輩、頑張ってね」
 清美「ふぁいとぉーっ!」

 それに続いて、

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 滝沢「イソップ、こぼれ球を拾うコツなどないんだ、何事もそうだが、自信を持つことだ、そして、必死になってボールに喰らいついていく執念だ。いいか、しっかりとボールを見て、拾うんだぞ」
 イソップ「はいっ」

 何の説明もないが、夜のグラウンドで、滝沢がマンツーマンでイソップを指導する、と言うシーンになる。

 滝沢としては、余命いくばくもない少年の為に、せめて自分にやれるだけのことはしてやろうという気持ちなのだろうが、なんでこんな夜中にやらなくちゃいけないのだろう? 第一、ろくに照明設備もないグラウンドで練習しても、あまり意味はないと思うのだが。

 そのイソップは健気にも大木たちと同じく、交代で店を手伝っていたが、他の出前のついでにと、自宅へ母親の昼食を内緒で届けに行こうとしたことから、再びドラマは激しく動き始めることになる。

 なお、下田の台詞から、イソップが翌日に脳腫瘍の手術を受けることになっていることが分かるのだが、だったらそんなことしてちゃダメだろう。包茎手術じゃあるまいし、脳腫瘍の手術は、日帰りじゃ無理だと思うんですが……。

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 とにかく、イソップがうきうきした気分で不意に自宅へ帰ってくると、間の悪いことに、母親が祈祷師の老婆を招いてご祈祷をして貰っている最中だった。

 祈祷師「ご安心下さい、息子さんは助かるとのお告げがございました」
 母親「ほんとですか、お医者様は脳腫瘍の出来た場所が悪くて手術の成功率は低いと言ってましたが……」

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 そのやりとりで、イソップはたちまち全てを悟ってしまう。

 母親「浩!」
 イソップ「母さんの嘘つき、大した病気じゃないって言ってさー、僕、脳腫瘍なんだね、僕、死ぬんだね」

 イソップは断然手術を受けることを拒否すると宣言し、自殺をほのめかすような台詞を吐いて家を飛び出す。

 母親「浩ぃ……」
 祈祷師「あらあら大変ですねえ、それで祈祷料のほうですが……」
 母親「うっせえ!」(ゲシッ)

 OP後、

 光男が滝沢に自宅アパートへ招かれて足を踏み入れると、意外にも、そこには愛しの圭子が立っていた。

 圭子は父親から会ったこともない青年実業家との結婚を迫られて、遂に親戚の家を飛び出したのだと言う。

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 圭子「先生、ぶしつけなお願いですけど、ここにおいて頂けませんか。他に行くあてもなくて」
 節子「圭子さんは、しばらくの間、うちに居させて貰えたら、身の振り方を決めるって……構わないでしょ」

 圭子のためにお茶を入れる節子。

 二人が顔を合わすのはこれが初めてだったと思うが、伊藤さんと岡田さん、「不良少女~」では、直接的な関わりは薄いが、同じ男性(トミー)を愛した女性として微妙な位置関係にある役を演じてるんだよね。

 滝沢は妻の問い掛けには答えず、「ひょっとして君のお父さんは富田義道さんじゃないのか」と尋ねる。

 圭子「そうです」
 光男「富田義道って、銀行やコンピューター会社を経営している、あの大財閥の?」

 滝沢、最初は家に帰るよう勧めていたが、圭子に「しばらく家庭の味を味わいたいんですぅ」と上目遣いにねだられたので、結局しばらく置いてやることにする。

 ついで、滝沢は、明日イソップの手術があるから、「成功を祈ってしばらく酒を断つ!」と妻に宣言する。

 節子「……ええっと、それってつまり、明日の手術が終わるまで禁酒するってこと?」
 滝沢「そうだ!」
 節子「……」

 その心がけは立派だけど、せめてもうちょっと早くから実施すべきだったんじゃないかな、と。

 あるいは、イソップが手術を受け、退院するまで……と言うつもりだったのかもしれない。

 もっとも、翌日、両親が学校を訪ね、イソップが失踪したことを滝沢に話し、手術どころではなくなってしまうのだが。

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 父親「警察にも届けたんですが、いまだに行方が……だいたい、お前がいかんのだ、得体の知れない女行者なんか呼ぶからこんなことに」
 母親「浩を助ける為なら、どんな神様にでも縋りたいって言ったのはあなたじゃありませんか」

 校長は「夫婦喧嘩をしている場合じゃない」と、いさかいに割って入り、手の空いている教師たちにも協力を呼びかけ、学校挙げてイソップの行方を捜すことになる。

 滝沢も、こうなっては仕方ないと、イソップの病気のことを部員たちに告げる。

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 滝沢「大木、イソップの行く先に心当たりはないのか」
 大木「さあなぁ、そう言われてもよー」
 滝沢「考えるんだ、イソップの身になってな。お前だったら、死ぬ前に何処へ行く?」
 大木「わっかんねえよ! 俺、人ぶっ殺したいと思ってもよー、死にてえなんて思ったことねえからよー

 滝沢に問われて、大木は大真面目な顔で答える。

 いかにも大木らしい、と言うより朝男らしい台詞でちょっと笑える。

 それでも、大木はイソップが絵を描いたり見たりするのが好きだったと必死で思い出す。そこで、部員たちは手分けをしてイソップが行きそうな画廊や美術館、公園を片っ端から訪ね回って捜索する。

 しかし、イソップの姿は何処にも見当たらず、手掛かりすら得られない。

 翌日の早朝、多摩川の河原に少年の自殺死体が漂着したとの聞き捨てならないニュースを知った滝沢、光男、大木の三人は、自転車をこいで現場へ急行する。

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 そこは、「不良少女~」でもちょくちょく出て来た橋の下で、三人が到着した頃には、パトカーや野次馬が集まって、そこそこ賑わっていた。

 滝沢は恐る恐るその水死体の顔を見るが、無論、大映ドラマで重要キャラクターがこんなにあっさり死ぬ筈がなく、それは別人であった。

 イソップではなかったと知って、大木たちはホッと息をつくのだが、イソップじゃなくても、同世代の少年が自殺したことには変わりない訳で、せめて死体に手を合わせるシーンが欲しかったところだ。

 ちなみに同じ大映ドラマの「赤い絆」でも、似たようなシーンがあったな。

 その日も引き続き、大木たちによる懸命の捜索が続けられる。

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 大木「ちょっと聞きてえんだけどよー、この子見たことねえかな」
 男「……」
 大木「ちょっと待てよ!」

 大木、イソップの写真を見ようともせず、無言で行き過ぎようとする男の服を掴んで引き戻す。

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 男「なんだよー」
 大木「俺は押し売りでもアンケート調査でもねえんだ、写真ぐらい見ていけよ」
 女「誰かお巡りさん呼んで!」
 大木「何言ってんだよ」
 男「やめろよーお前よーいい加減によー」

 極めて非協力的なカップルに、極めて紳士的に協力をお願いする大木であったが、

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 警官「お前、ワルの大木だな?」
 大木「ちょっと待てって、俺、何もしてねえってー」
 警官「言い訳は署で聞く」
 大木「おい、ちょっとお前ら何とか言え!」

 こうして、警官たちに無事連行されていくのでありました。チーン。

 しかし、こうして画像を並べて見ると、完全なギャグ漫画だね。

 ついでに、大木、以前、(母親に心配かけるような)バカな真似は二度としないとか、節子に対して約束してなかったっけ? まぁ、今回はイソップの命に関わることだから、しょうがないんだけどね。

 その夜、一体何度目だという感じだが、滝沢に引き取られて、大木が警察署から放免されて出てくる。

 二人で繁華街を歩いていると、大木が急に立ち止まって、前方にいる、いかにも楽しげな人々を暗い眼差しで見詰める。

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 滝沢「どうした?」
 大木「先生よ、どうして日本はこう平和なんだよ? イソップが死ぬかも知れねえってのによ、どうしてみんなこう、幸せそうなツラしてられんだよ?」

 そりゃ、まあ、その人たちはイソップのことなんか知らないからねえ……。

 それくらいの台詞なら、ちょっと気の利いた男なら誰だって吐けると思うが、それに続けて、

 大木「チキショウ、ぶっ飛ばしてやる!」
 と、無関係の幸せそうな人たちを本気で殴りに行こうとするのが、朝男の、いや、大木のタダモノではないところである。ついでに、さっき言った節子との約束を、大木が120パーセント忘却していることはほぼ間違いない。

 滝沢「おい、八つ当たりしてどうなるんだ? みんな知らないだけなんだ」
 大木「でも、なんか割り切れねえよ。俺や汚職政治家がよー、死病に取り憑かれるんだったら当たり前だって気がするけどよ、なんでイソップみてえな、イソップみてえな良い奴がよー」

 大木、不良らしからぬブンガク的な表現で自分の思いをぶちまけ、(おあつらえむきに)足元にあった一斗缶をチキショウ、チキショウと叫びながら蹴り飛ばす。

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 しかも、直後、貧血でも起したように体をふらつかせ、滝沢に優しく抱き止められる事態となる。

 大木「ちょっとめまいがしてよー」
 滝沢「おい、大丈夫か」

 そこで滝沢は、近くの休憩所に大木を運び込む……ようなことはせず、自宅へ連れ帰って医者を呼ぶ。

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 医者「ムチャですな、睡眠不足に加えて何も食っておらんのでは倒れるのは当たり前ですよ。ま、当分絶対安静」
 節子「はい、どうもありがとうございました」

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 だが、大木は「何が絶対安静だ」と、医者が出て行った途端、布団から起き上がる。

 圭子「まだ寝てなさい」
 大木「大丈夫だよ。厄介かけたな……先生は?」
 圭子「あなたをここへ運び込んで、すぐ出て行ったわ。イソップ君を探すって」

 以前、ちょっと顔を会わせたことはあるが、大木と圭子がこうやってがっちり絡むのも、これが初めてのことであった。

 なんだかんだで、やっぱりこの二人こそ、80年代の大映ドラマを象徴するゴールデンカップルであろう。

 大木は、節子が用意してくれたおかゆを見て、「うまそうだなぁ」とテーブルについて茶碗とさじを手に取るが、急に動きを止める。

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 圭子「どうしたの、熱いうちのほうが良いわよ」

 今更だけど、岡田奈々さん奇麗だね。

 大木はイソップも今頃腹を空かせているだろうと思い、結局おかゆには手をつけず、再びイソップを探しに出掛ける。圭子も、もう止めようとはせず、一緒についていく。

 しかし、依然としてイソップの行方は分からず、そのうち、相模一高との練習試合の日がやってくる。

 大木は当然、試合よりイソップの捜索を優先させるべきだと主張するが、

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 光男「相模一高のスケジュールはぎっしりだ、今日の試合を降りちまったら、いつ対戦できるか分かんないんだぞ」
 玉川「大木、行き帰りの時間を含めて試合は3時間もあれば終わるんだ、イソップはそれから探そうじゃないか」

 他の選手たちは予定通り、念願の相模一高との試合を行おうと言う。

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 大木「バキヤロウ! その3時間の間にイソップが死んじまうことだってあるんだ! いやー、今のこの時だって、あいつはひとりぼっちで苦しみぬいてるに違いねえんだよ! 暢気に試合なんかやってられっかよぉっ!」

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 と、ここで、今まで数々の失言を重ねてきた星が「あいつ、なんでこんな時に病気になんかよー」と、またしても不用意な一言を漏らす。

 大木「てめえ、それじゃあ、イソップが好き好んで病気になったって言うのかよー! ええ、この野郎!」

 激昂した大木は、星の襟首を掴んで殴りかかろうとする。

 番組の途中ですが、ここで星くんに、管理人から、「失言大王」の称号が贈られます。パチパチパチ。

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 滝沢「やめんかっ」

 二人を引き離した滝沢に、スッと加代が立ち上がって「先生の意見を聞かせてください」と真っ向から問い掛ける。部員たち全員が見詰める中、

 滝沢「みんな、俺たちは打倒相模一高を目標に心を合わせてきた。その思いはイソップも同じだ。しかしイソップのいない今、たとえ一高に勝ったとしても、喜びを分かち合うメンバーがひとりでも欠けていては、意味はない。俺は涙を飲んで、一高に試合の辞退を申し入れたい」

 一応は、試合を中止すべきだと自分の意見を述べるが、最終的な結論は、多数決によって決めたいと述べる。

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 で、挙手によって決を採ったところ、試合に反対したのは大木と加代の二人だけと言う結果になる。

 滝沢はいかにも気が進まない様子であったが、自分で言い出したことなので、相模一高に行くことを許すしかなかった。

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 大木「先生、あんたも行くのかよ」
 滝沢「監督の俺が行かん訳にはいかんだろう」
 大木「くだらねえよ! 多数決なんてクソ喰らえだ!」

 気持ちの良いタンカを切ると、大木はひとりでもイソップを探し続けるのだと言って、部室を飛び出す。

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 だが、光男たちが相模一高に乗り込んで、控え室でいざユニフォームに着替えようとした時、

 光男「やっぱりダメだ……こいつを見たら、デザインしてくれたイソップのツラがちらつきやがってよー、ボールに集中できそうにねえよ」

 光男がこんなことを言い出すのであった。

 星「何を言ってるんです、試合をやろうって一番頑張ったのは森田さんじゃないですか」
 光男「けどよー、俺たちはこれを着てプレーするんだぜ。お互いにそいつを眺めてプレーして、イソップのことを忘れることができんのかよー!」

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 光男の激しい言葉に、他の部員たちは(そう言うことは川浜の部室にいる時に言えっての)と思ったが、何しろ相手は怖いもの知らずの留年組なので、口に出しては何も言わずに目を逸らして俯くのだった。

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 星「でも、今更試合やめるなんて言ったら、先生がなんて言うか」
 光男「……」
 滝沢「いや、良く言ってくれた。お前たちはラグビーをする機械じゃない、人間なんだ。仲間の不幸が気に掛かるのは当然だ、実はな、俺はお前たちが試合よりもイソップを選んでくれることを待ってた!」

 星の不安そうな声に応じるように、滝沢が控え室にやってきて、自分の本音を打ち明ける。

 いかにもドラマ! と言う演出だが、滝沢が廊下の角で、登場するタイミングを計っていた姿を想像するとつい微笑まれてくるのである。

 滝沢「俺は仲間思いのお前たちを監督として誇りに思う。残念だが、試合は辞退しよう」

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 そして滝沢は、勝又監督に事情を説明し、試合の辞退を申し出る。

 滝沢「申し訳ありません、こんな直前になって」
 勝又「何故もっと早く言ってくれないんですか、あなたって人は!」
 滝沢「全て私の責任です、本当に申し訳ありません」

 勝又が当然のように色をなして怒るのを見て、滝沢は深々と頭を下げる。

 だが、

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 勝又「何を言ってるんですか、私が怒ってるのはあなたが水臭いからですよ」
 滝沢「は?」
 勝又「うちには150人以上の部員がいる。そのイソップって子を探すには人数が多い方がいいでしょう。何故一言協力しろと言ってくれないんですか、私たちは同じラガーマンじゃないですか」
 滝沢「勝又さん……」

 そう、勝又は直前のキャンセルに腹を立てているのではなく、言ってくれれば自分たちも喜んで力になれたのに……と、滝沢の他人行儀の態度を責めていたのだった。

 いやー、管理人、このシーン(と言うか台詞)大好きなんだよねー。

 10話の、おなかペコペコの大木に、滝沢がそっと弁当を渡してやるシーンと同じくらい好きだ。

 こうして、グラウンドでは敵味方である川浜と相模一高の選手たちががっちりスクラムを組んで、イソップを探してあちこちを訪ね歩くという感動的なシーンが展開される。

 その甲斐あって、ようやくイソップらしき少年が校外の森の方へ歩いていく姿を目撃したと言う情報が得られた為、全員で森の中へ入り、イソップの名を口々に呼びながら探し回る。

 そして、大木がイソップの着ていた白衣を見付けたことから、イソップが森の中にいることはほぼ確実となる。

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 大木「あいつ、死に場所探してこの森彷徨ってるに違いねえよ」

 大木は泣き出しそうな不安を湛えて、周囲を見回す。

 その後も大木たちによる必死の捜索が続けられるが、徐々に日が落ちてきて、下手をするとイソップを探している彼ら自身が迷いそうな状況になってくる。

 そんなところへ、加代と圭子がやってくる。彼らはラグビーボールを持参していた。

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 光男「俺たちはラグビーどころじゃないんだぞ」
 圭子「光男さん、先生、私、イソップ君の心の中を考えてみたんです」

 圭子は、自分もかつて死のうと考えたことがある人間だから、イソップの気持ちも少しは分かるのだと前置きしてから、2年前のある出来事について語り出す。

 それは、自分の母親が、父親の7番目の愛人の世話をしている……みたいな、どうでもいい話だった。

 さすがにたまりかねた大木が、「いい加減にしてくれ! 今悠長に回想シーンやってる場合じゃねえだろう!」と、思わず回想シーンをストップさせる。

 で、その後、色々喋った挙句、圭子は「自分のことを考えてくれる仲間がひとりでもいることを知れば人間は強くなれるんです」と、結ぶ。

 つまり、イソップがラグビーボールを目にして、自分のことを心配してくれる仲間のことを思い出し、死ぬのを思いとどまってくれるのではないかと言うのだ。

 滝沢はその意見に賛成し、「このボールをイソップの目に付きそうなところに置いて行こう」とこともなげに言うのだが、「イソップの目に付きそうなところ」が分かれば世話はないと思うんだけどね。

 おまけに、日が暮れれば森は真っ暗なベールに閉ざされる。

 そんな状況で、イソップがそのボールに気付くことは万が一にもなさそうだったが、

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 月明かりの下、枝にロープを引っ掛けて首吊り自殺しようとしてたイソップは、あっさりそれを発見するのだった。

 ……

 だろうと思ったよ!

 ついでに、ボールと一緒に残した仲間たちからのメッセージも、月明かりでばっちり読めてしまうのであった。

 イソップはそのボールをいとおしそうに抱き締め、顔中を涙でぐしゃぐしゃにする。

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 その後、そこで死ぬのをやめて部室に戻ってきて、いつものようにボールを学生服の袖で磨いていると、パッと明かりがついて……と言うことは、明かりもつけずにそんなことしてたの?

 いくら月が出てるといっても、さすがに無理だと思うのだが。

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 とにかく、パッと明かりがついてトラップにかかった獲物を前にするように、滝沢たち主要メンバーがどっと雪崩れ込んでくる。

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 滝沢「イソップ、よく帰ってきたな」
 イソップ「……」
 勝又「奥寺くん、私は相模一高の監督の勝又だ。滝沢さんに聞いたんだが、君はラグビー部の縁の下の力持ちだそうだね。そう言う君を含めた川浜高校でないと、私は対戦する気がしない」
 一同(ちょっと何言ってるか分からない)

 この勝又の台詞は要らなかったんじゃないかなぁ。

 大木「この野郎、心配かけやがってよ」
 イソップ「心配して貰ってもなんともなりません」
 大木「なにぃ」
 イソップ「同情して貰っても、死ぬのは大木君でも先生でもない、僕なんだ。僕はラグビーに最後の別れを告げに来ただけなんです!」

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 イソップはそう叫んで部屋を飛び出し、階段を駆け上がって一気に屋上へ上がり、更にもっと高い場所へはしごで上がる。

 元々運動能力が極端に低く、しかも恐らく数日間ろくに食事もとっていないイソップにしてはちょっと元気が良過ぎる気もするが……。

 イソップ「先生、来ないで下さい。来たら僕、飛び降ります!」
 滝沢「何言ってるんだ、お父さんもお母さんも心配してる。戻って手術受けるんだ!」
 イソップ「やだ! 手術を受けたって、頭こじ開けられて、脳味噌引っ掻き回されて僕は死ぬだけなんだーっ!」
 加代「何言ってんのよ、手術受けなければ分からないのよー」
 大木「他の連中もお前が帰ってくるの祈ってんだぞ!」
 勝又「みんな君を探していたんだ。試合も何も投げ出してだ、男なら勇気を出せ!」

 みんなそろそろ帰りたくなったので、何とかイソップを説得して思い止まらせようとする。

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 イソップ「同情して貰っても何にもなりません! 死ぬのは僕なんだ。先生、僕、先生が見守ってくださってたら、死ねそうです。今から飛び降ります」
 滝沢「バカヤロウ! 死にたい奴は死ねーっ!」
 勝又(イキナリ何を言い出すんだ、この馬面は……)

 ここで、滝沢が急に激しくイソップを罵り出す。

 あえてイソップを発奮させて、生存本能を呼び戻させようと言う滝沢の賭けであった。

 ナレーターは「イソップが飛び降りれば、責任を取り、滝沢も共に飛び降りて死ぬ覚悟であった」と言うのだが、教師が後追い自殺したら、周りがえらい迷惑するっちゅうねん。

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 滝沢「何を愚図愚図している、最後の最後まで諦めないのがラガーマンだ。手術ひとつ受けられない意気地なしは、さっさと飛び降りろ! 死んでしまえーっ!

 いや、さすがにそれは言い過ぎでは?

 滝沢の意図を察しつつ、大木たちが明らかに引いている。

 滝沢「どうした、お前みたいな弱虫はたとえレギュラーになったとしても一本のトライもあげることはできないぞ。死にたければ死ね!」
 加代「先生、ひどい、もう止めて!」

 が、イソップはそのまま空中に身を躍らせようとする。そりゃまあ、そうだよね。

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 「やべえ、このままでは自殺幇助になってしまう」と焦った滝沢は、「最後にこれを見ろ!」と、イソップのデザインしたユニフォームを掴んで、イソップに向けて差し出す。

 滝沢「こいつをデザインした時、お前、どういう思いを込めた? どんなことがあっても戦おう、そう言う願いだろう。だから俺たちはこいつを採用したんだ。ところが本人のお前がそれを裏切ろうとしている。俺たちを裏切るのは構わんが、お前は自分で自分を裏切ろうとしてるんだ! お前なんか、お前なんか惨めなドブネズミだぁーっ!

 作戦変更と思いきや、最後の最後に物凄い罵声を放り込んでくる滝沢。

 しかし、言うに事欠いて「ドブネズミ」て……。

 ここまで来ると、生存本能を呼び戻すもへったくれもない次元に来てると思うが。

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 それでも効き目があったのか、イソップは、やがてその場に力なくしゃがみ込む。

 滝沢はすかさずはしごをのぼって、イソップの体に抱きつき、安全を確保する。

 滝沢「イソップ!」
 イソップ「先生ーっ!」

 イソップは滝沢の体にしがみついて子供のように泣きじゃくっていたが、「先生、俺、手術受ける」ときっぱり宣言するのだった。

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 加代「大木君、良かったわね」
 光男「おい、お前嬉しくないのかよ」
 大木「奴が助かりゃ、俺は用はねえよ。俺はべたべたするのは好きじゃねえんだ」

 こんな場合でも、ストイックな自分のスタイルを崩さない大木、最高です!

 もっともその後、ひとりになると「バカヤロウ……」とむせび泣くのであるが。

 だが、この程度の盛り上がりで、一度狙いをつけた大映スタッフの魔手からイソップ逃れられるとは到底思えない……。

 その後、イソップの手術が行われ、その父親も部員たちに「手術は成功しまひた」と報告し、部員たちは歓喜に包まれる。

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 そんな中でも、例によって大木は騒いだりすることなく、瞳を閉じて何かに祈りを捧げるような顔になり、深く息を吐いて静かに喜びを噛み締めるのだった。

 しかし……、

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 滝沢と二人きりになった父親は、「浩の命はあと半年、いや長くて1年なんです……」と衝撃的な事実を告げる。

 滝沢「じゃあ手術は失敗だったんですか?」
 父親「失敗と言うより、腫瘍の場所が医者の想像以上に悪くて、全く手がつけられなかったので、そのまま閉じてしまったんです」

 何度も言ってるけど、この手のドラマに出てくる医者って、ほんと役に立たない。立ったためしがない。

 「頭蓋骨開いてみたけど、手がつけられないので、そのまま閉じちゃった、てへっ」だって。

 今すぐ、医師免許返上して来い!

 「余命半年か。だったら、あんなに頑張って説得しなくても良かったなぁ」と、滝沢が思いつつ(註・断じて思ってません!)、学校の帰りに大木たちと新楽に立ち寄ると、意外にもそこで圭子が働いているではないか。

 部員たちの代わりに、圭子が住み込みでこの店を手伝うことになったのだと言う。

 光男は、愛する女の子と同じ屋根の下で暮らせるのかと欲望に目をギラギラ輝かせるが、

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 下田「言っとくけどな、圭子さんにはお前の部屋を明け渡して貰う。お前は今夜から俺の部屋に移ってくる。夜中になんかしようったって、俺が寝ないで見張ってるからな」

 と、義兄に釘を差されるのだった。

 それにしても、伊藤かずえさんのこの可愛らしさ! 「不良少女~」のモナリザとはまるで別人だね。

 ラスト、その店に圭子の父親である富田義道がやってきたところで、12話へ続く。
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コメント

森田光男の家の中の中華料理店にて下田夕子が暫く出掛けて留守なので森田光男は夕方5時で店を手伝うために帰らなければなりません。川浜高校ラグビー部部員全員森田光男の店を手伝った喜びも束の間、イソップこと奥寺浩の母が自宅に祈祷師を呼び寄せました。イソップは家出したかと思ったら首吊り自殺未遂に終わりました。川浜高校は相模一高との試合を中止してイソップの行方を探す方が最優先なのだから、スカート捲り等の回想シーン等と悠長な事を言ってられません。イソップはラグビー部に戻ったかと思ったら屋上に行って飛び降り自殺未遂騒動を起こしました。滝沢賢治がイソップを咎めるとイソップは腰を抜かし滝沢賢治は屋上に駆け上がってイソップを抱きしめます。イソップは泣きながら翌朝脳腫瘍の手術を受ける事を誓います。イソップは相模一高の協力を受けて無事手術成功おめでとうございます。イソップは手術終了後謝罪しました。川浜高校は相模一高に勝つために猛練習に取り組む方が最優先なのだから、スカート捲り等の回想シーン等と悠長な事を言ってられません。最後まで諦めない執着心が必要です。途中で諦めた人の所に愛は来ません。イソップは試合に出れるように早く元気になって猛練習に取り組む方が最優先なのだから、スカート捲り等の回想シーン等と悠長な事を言ってられません。

Re: タイトルなし

このドラマ、やっぱりイソップが死ぬまでが一番面白いですよね。

此処がピーク

他の方が仰る通りこの作品はイソップが死ぬまでがピークでしたね😅何だか清美とマスター(辰兄い)は取って付けた感じになるのは、小生の錯覚でしょうか?

Re: 此処がピーク

後半は急につまらなくなりますもんね。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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