第6話「ハンマークラゲ出現!放て、V3の必殺わざ!!」(1973年3月24日)
少し間が開きましたが、読者様からのリクエストにお答えしてお送りする「お前には主体性と言うものがないんか?」シリーズの第二弾です。
前回、デストロンの怪人マシンガンスネークは、画期的な新エネルギー理論を築き上げた村山博士や、その助手・西崎道子、その息子・ツトム、その友人・守などを割と行き当たりばったりに襲ったり襲わなかったりして、博士を殺害、道子を拉致し、さらに守に重傷を負わせるが、最後は我らがV3によって倒される。
しかし、マシンガンスネークが撃破されると同時に、新たな怪人ハンマークラゲが出現した……と言うところから第6話がスタートするのです。
……なんで、ハンマークラゲは、マシンガンスネークと力を合わせてV3をやっつけようとしなかったのだろう?
先生は、君たちのそう言うところが嫌いです(誰だよ)
V3、新たな敵ハンマークラゲから、ツトムや守を守ろうと彼なりに努力する。

↑酔い潰れている ↑ひとりだけ正気を保っている ↑泥酔している
なんか、コスプレ大会の後の飲み会(荒れた)の帰りみたいであるが、守青年はマシンガンスネークに撃たれて意識を失っているのである。
V3はハンマークラゲと戦うが、今は守青年を病院に連れて行くのが先だと、途中で退却する。

首領「村山博士が死んだ今、エネルギーの秘密を解けるのはその女しかいない。我々に協力させるにはその子供を連れてくることだ」
怪人「分かりました」
村山博士が死んだのは不可抗力みたいな口調で言う首領であるが、肝心要の博士の命を特に意味もなく奪ったのは部下であるマシンガンスネークだと言うことは一刻も早く忘れたい様子。
今更だが、なんで最初に博士を襲撃した時に、博士自身を拉致しなかったのだろう?
さて、病院に運び込まれ、緊急手術を受けている守青年の身を案じて、ツトムがひとり、病院の廊下で心配そうに立ったり座ったりを繰り返している。

と、早くもツトムを攫いに戦闘員が侵入して近付こうとするが、ちょうど向こうの廊下から志郎がやってきたので慌てて身を隠す。
それにしても、よくそんな格好で誰にも見付からずにここまで入り込めたものだ。
イーサン・ハントばりのプロフェッショナルな潜入技術……と言いたいところだが、普通の人間の格好で来れば良いだけの話である。

志郎「ツトム君」
ツトム「誰?」
志郎「はははっ、風見志郎、仮面ライダーV3の友達だ。彼に頼まれてね」
ツトム「ほんとですかー」
志郎「ああ、守君、手術してるんだろ?」
志郎、守の家族のことをツトムに尋ねるが、ツトムによると守青年の両親は既に交通事故で他界しており、定時制高校に通いながら働いている守の姉・節子しかいないのだと言う。
志郎「そうか……」
志郎自身、デストロンによって両親と妹を殺されており、守青年と似たような境遇なのだ。
幸い、手術は無事成功し、守は命を取り留める。

医者「お大事に……」
それだけ言ってスーッとはけていくこの医者、なんかすげー頼りなさそうである。
でも、ちゃんと守の命を救ったのだから、この手の番組に出てくる医者としては上出来であろう。

それと入れ違いに、守の唯一の家族だと言う姉・節子が姿を見せる。
節子「守! どうしたのよ、守?」
立花「あのー、まだ麻酔が覚めてませんから」
志郎「守君のお姉さんですね」

節子「何があったんですか」
志郎「安心してください、幸い傷は急所を外れてるそうです。守君はデストロンにやられたんです」
節子「デストロン?」
立花「そうなんです、信じられないかも知れないが、デストロンと言う恐ろしい悪の組織が存在してるんです!」
志郎「守君は彼らの改造人間に撃たれたんですよ」
志郎たちは口々にありのままを節子に告げるが、
節子「嘘です、悪の組織だの、改造人間だのと、そんなこと誰が信じられますか。事故なのね? あなたが事故を起こして守に怪我をさせたんでしょう? 私たちが孤児(みなしご)だからってバカにして、いい加減な話を作って誤魔化すつもりなんですか?」 節子は彼らの話を頭から嘘だと決め付け、更には志郎が事故を起こして弟をそんな目に遭わせたのだと言い出して、志郎を責め立てる。その台詞から、彼女は今までも二親のいないことで世間から理不尽な仕打ちを受けてきて、やや被害妄想気味になっていることが窺えるのだが、この辺の描写は、いかにもリアルで鋭い。

純子「あなた分かってないわ、この志郎さんはね、ご両親や妹さんをデストロンに殺され、それで……」
志郎「純子さん!」 医者に話を聞きに行こうと行きかけた節子に、純子が我慢できなくなって懸命に訴えかけるが、途中で志郎が厳しく制止する。
志郎「やめたまえ」
純子「……」
守青年を命懸けでデストロンの魔手から助けたのに、あろうことかその家族から犯人呼ばわりされる……それは志郎にとっては何よりも悲しい状況であった。
もっとも、その苦境はすぐに解消されてしまう。他ならぬ、デストロン自身の手によって。
事情はこうだ。病室を出て、担当医に会いに院内を歩いていた節子を、河合弦司扮するニセ医者が呼びかけ、別室へ連れて行く。
ここで、ニセ医者が
「弟さんはどうやらあの志郎とか言う若者に当て逃げされたようですね」みたいなことを吹聴して、ますます志郎を心理的・社会的に苦しい立場に追い込んでいたら、デストロンもなかなかやるじゃないかと誉めてやったところなのだが、

ニセ医者は節子の目の前でハンマークラゲになって、デストロンの存在を志郎に代わって証明してやり、「命が惜しくば、ツトムを連れて来い」と脅しをかけるのだった。チーン。

節子はまた病室に取って返して、適当なことを言ってツトムを連れて行こうとするが、ちょうどその時、守が意識を取り戻してぼんやりと目を開ける。
節子「守、守!」
守「お姉ちゃん!」
節子「守ぅっ!」
ツトム「守さん、このお兄さん、V3のお友達なんだって、自分の血を守さんに輸血してくれたんだ」
節子「輸血? あなたが守に輸血を?」
志郎「……」
節子は驚いて志郎の顔を見る。志郎は少し照れ臭そうに黙って微笑んでいる。
純子さんはさっき、志郎が守に輸血したのだと言いたかったのだろう。だが、それを言うと自分のしたことを誇るようなことになるので、志郎がやめさせたのかも知れない。
節子「許して下さい、私、誤解していたんです。デストロンがこの世に実在するんだと知らずに、私……」
自分の勘違いを悟り、節子は卒然と志郎に謝罪する。
……でも、節子は単に「命が惜しくば……」と脅されて、ツトムを連れて来いと言われていただけなのだから、志郎がイイ人だと分かったからって、改心するのはちょっとおかしいんだけどね。
これが、「志郎にこの毒薬を飲ませて来い」みたいな命令だったら、話は分かるのだが。
節子は志郎に何もかも打ち明けるが、それと同時に壁を突き破ってハンマークラゲが襲い掛かってくる。
志郎は自分がハンマークラゲを引きとめている間に、おやっさんたちを病院から逃がす。

だが、病院から出て来たおやっさんたちを、戦闘員たちが待ち伏せして、執拗に追いかけてくる。
ここから始まる一連の追跡シーンは、「V3」のみならず、昭和ライダーシリーズを通しても屈指の長さではないかと思う。また、それと並行して、逃げる志郎と追うハンマークラゲの追跡も描かれる。

おやっさんは、自分がおぶってきたまだ動けない守青年を純子と節子に預け、志郎の代わりに、戦闘員を相手に奮闘する。
このシーンから判断すると、おおむね、
「おやっさんの戦闘力」=「世界征服を狙うデストロンの戦闘員」×3 と言うことになる。
……
そろそろ社長さん(首領)は、社是をもっと身の丈に合った、ささやかな目標(立花スポーツショップ倒産とか)に変更すべきじゃないかとコンサルティングしたくなる。

鉄橋の下で、純子さんたちは戦闘員に追いつかれる。
ミニスカの純子さんの体が揺れ動いて、なんとなくパンツが見えるんじゃないかなー、でも、純子さんはガードが固いから無理だろうなぁと思いつつキャプしていたが、

ほんの一瞬ですが、純白のパンツがチラッとお顔を出していらっしゃったのです!
いやぁ、今まで全然気付かなかったのは迂闊だった。
興奮のあまり、つい、パンツに対してまで敬語を使ってしまった。
で、そこへ志郎が駆けつけ、再びおやっさんたちを逃がす。しかし、しつこくハンマークラゲが追いかけてくるので、またおやっさんたちと離れてしまう。

嬉しいことに、土手の上を逃げて行く純子さんのスカートの中が再び暴露される。
……と言っても、これはその気になればなんとなく見えるような気がしなくもない、と言う程度で、パン チラと認定するのは難しい。
視力が6.0くらいあればはっきりするのだろうが。
でも、パンツが見えても見えなくても、ミニスカの美女がキャアキャア言いながら逃げているのをコマ送りしながらキャプすると言うのは、実に希望に満ちた楽しいものなのです。

さて、志郎とハンちゃんの追いかけっこはまだ続き、志郎は川辺に浮かんだボートの上で追いつかれ、頭を水面に押し付けられてたっぷり川の水を飲まされる。
ハンマークラゲが休む間もなく攻撃してくるので、志郎もなかなか変身できないのだ。
しかし、このまま延々変身させないでいると、首領より怖いスポンサーにこっぴどく怒られるので、ほどよいところでハンマークラゲは動きを止め、志郎に変身ポーズを取る余裕を与える。
CM後、戦闘員をぶちのめしていたおやっさん、ツトムがデストロンの車に押し込められているのを見て、

走り出した車のトランクリッドにしがみつくように飛び乗り、

気付いた運転手が振り落とそうと蛇行運転しても、必死に耐える。
無論、ロングショットではスタントマンが演じているのだが、アップの時でも、低速ながら車はちゃんと走っているので、おやっさんとしてはかつてないほどの高度なアクションシーンと言えるのではないだろうか。
しかし、このままではいずれ振り落とされるのは目に見えているので、

おやっさんは発信機を取り出すと、口で先端を噛んでそのアンテナを引き出し、

それを車体に取り付けてから、ほどよいところで振り落とされると言う、トム・クルーズばりの高度なアクションを披露する。
……でも考えたら、小林昭二さん、当時、まだ
42才なんだよね。
現在のトム・クルーズより全然若いのだと考えると、凄く変な感じがする。
一方、V3はハンマークラゲと戦っていたが、ハンマークラゲの任務はあくまでツトムを拉致することなので、いつの間にかV3の前から姿を消す。

そこへおやっさんがやってきて、「ツトム君が攫われた、O(オー)シグナルのサイクルを俺の発信機の波長に合わせてくれ」と頼む。
「O(オー)シグナル」と言うのは26の秘密のひとつで、元々は改造人間探知装置らしい。
V3がベルトのスイッチを操作すると、額のランプが発信機のサイクルを捉えて点滅し始める。
V3「西に60度」
立花「うん、頼むぞ!」
V3はハリケーンを呼んであの車を追跡する。
その後、おやっさんは
「西に60度ってどういうコト?」と、考え込んだと言う。
「西北西、6キロ」とかなら分かるんだけどね。

とにかくその車が向かった先はアジトではなく、とある工事現場であった。
怪人「まだ我々に協力しないのか」
道子「断ります、それは村山博士が一生かけて研究された貴重なものです。あなた方のような恐ろしい人たちがもしこのエネルギーを手に入れたか、それこそ
キチガイに刃物です!」
怪人「黙れ!
再放送できなくなるでしょおがっ!」
恐怖のNGワードを口走る道子さんを、怪人は慌てて黙らせる。
怪人「それならば仕方ない、あれを見ろ!」

言われて上空を見上げると、建築中の建物の屋上からクレーンが突き出ていて、その先端に息子のツトムが吊り下げられているではないか。
無論、これはダミー人形だが、

ちゃんと実際に子供を吊っているシーンも出てくる。
ハンマークラゲは、その巨大なハンマーを地面に打ち付け、小さな地震を起こす。何度か打ち付ければ、バランスを失ったクレーンが、ツトムごと落下するのは明らかであった。

道子「なんというひどいことを……あなた方は鬼です、悪魔です! おたんちんです!」
怪人「何とでも言え、我々は目的の為には手段を選ばんのだ!」
それでも、研究者としての良心が容易には道子を屈服させなかったが、

研究者である前に一人の母親である道子は、結局、首を縦に振るのだった。
道子「この理論のポイントは……」
V3「待てぇーっ!」
が、その時、V3が美しいシルエットを描いて颯爽と登場する。
ここは、是非、宮内洋さん一流の情熱的なタンカ(親子の絆を断ち切ろうとするデストロン、断じて許さん! みたいな)を切って欲しかったところだが、実際は「勝手な真似はさせん」と、ちょっとパンチに欠ける掛け声であった。
V3、工事現場の足場の上で戦闘員たちをぶちのめした後、屋上に積んである資材の上でハンマークラゲと戦う。考えたら結構危険な撮影だったんじゃないかと思うが、いまいちその迫力が伝わないキャメラなのが残念であった。
ハンマークラゲはかなりの強敵であったが、マシンガンスネーク同様、ハンマーと言う片方の属性だけが強調されているゴリ押しキャラに過ぎず、最後は26の秘密のひとつである「V3スクリューキック」によって倒される。
これがクラゲのようにぶにょぶにょしてキックのダメージを吸収する、みたいな能力があったらもっと粘れたんだろうけどね。

ハンマークラゲの爆発の衝撃で、遂にクレーンが折れてツトムが落ちてくるが、V3がその体を……急にでっかくなってる気がするが……受け止め、事なきを得る。

事件解決後、道子と節子がバス停の前に立って話している。
節子「それで、博士のエネルギー理論はどうなるんですか」
道子「博士が亡くなられたので、完成はしなかったんですよ。でも、いつか、もしツトムが大きくなって研究を続けてくれたら……」
いや、あんたが研究を引き継げば良いのでは?

などと話してるいると、向こうから自転車に乗って純子さんが元気にやってくる。
純子「オッス!」 ……
ロングヘアの美女が、「オッス!」って、
めちゃくちゃ可愛いんですけど!! 前回も書いたけど、昭和ライダーシリーズの最強ライダーガールは、純子さんに決定のようです。

節子「まぁ、純子さん、どうしたの、新聞?」
純子「守君の体が治るまでの代役よ」
節子「で、守は?」
純子「ほらー、あすこ」
純子が指差す方を見ると、空き地でツトムやシゲルたちが野球をしていて、それを腕を包帯で吊った守が見守っている。

純子「はい、新聞」
節子「どうもありがとう」
純子「じゃあね!」
節子に新聞を渡すと、純子さんは再び元気にペダルを漕いで走り出す。
当然、彼女が配達を始めるようになってから、この新聞の部数は激増したと言う……。

ナレ「厳しい社会の風に耐えて、懸命に生きる人々の上に再び平和は蘇った。だが人類の敵、デストロンはまだ滅びてはいないのだ。戦え風見志郎、仮面ライダーV3!」
ツトムたちに声をかけてから、バイクで走って行く志郎の姿にナレーションが被さり、終わりです。
……以上で、リクエストによる「V3」臨時レビューは終わりです。
うーむ、なんだかんだで4時間以上かかってしまった。
でも、やっぱり「V3」は面白い。純子さんがいるので、画像貼るのも楽しいし……。
いずれ、1話からみっちりレビューし直したいと思っている管理人であった。
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