第3話「ホテル腹上死を演出する始末屋」(1983年8月12日)
サブタイトルで既にネタバレしちゃってる気がするのだが……。
冒頭、ホテルで仕事をしていた西山と言う年輩の弁護士のところへ、馴染みのホステスの女性が押し掛けてくる。
西山は親子ほども年の離れたホステスに迫られて戸惑うが、据え膳喰わぬは……と言うことで、そのまま押し切られしまう。
で、

その女性のシャワーシーンも、もったいぶらずにドンと見せてくれるのが、80年代のドラマのトレビアンなところなのである。
しかも、この女優さん、平瀬りえさんと言うのだが、同時期の「宇宙刑事ギャバン」や「星雲仮面マシンマン」にもゲスト出演されてるんだよね。
ただし、そちらではおっぱいは掘り出してはおられない(当たり前だっつの)。

さらに、美乳を惜しげもなく露出しながら、シャワー室から西山の前に出てくる。

この、普通の格好した男性の目の前に、すっぽんぽんの若い女性が立っている……と言う設定だけで、ご飯が何杯でも食べられる気がするのである(ただの変態だ)。
西山は股間を膨らませつつ、入れ替わりにシャワー室へ消える。
と、女はバスタオルを巻くと、すぐに部屋のドアを開けて、怪しげな男(毎度おなじみ川辺久造さん)を引き入れる。あらかじめ、打ち合わせがしてあったのだろう。
んで、男は、用意していたアイテムを使って西山の入っているバスタブに高圧電流を流して、あっという間に西山を感電死させる。
その後、女は慌てた様子をつくろい、フロントに、ベッドでパッコンしてたら西山センセが急に亡くなっちゃったんですぅ、てへっ! と電話する。
こうして西山弁護士は相手のおっぱいすら揉んでないのに、いわゆる腹上死に見せかけられて殺されると言う悲運に遭うのだった。合掌。
……えー、以上でレビューは終わりにして、あとは「信長の野望」をやってもいいのだが、そう言う訳にも行かないので続ける。
その後、チャンプは釣堀で園山と落ち合い、仕事の依頼を受ける。
そして、旅行会社の奥に作られた秘密の会議室にみんなを集め、スライドを使って仕事の説明をする。

チャンプ「西山雅弘……経済界じゃちょっと名の通った弁護士や」
ET「そう言えば、今朝の死亡告知蘭に……」
チャンプ「そう、表向きは心臓発作ちゅうことになっとるが、実際は腹上死や」
最初に映し出されたのは、あの気の毒な死に方をした西山弁護士であった。

マリア「腹上死?」
チャンプ「そ、ホテルのフロントがすっ飛んで行ったら、若い女が素っ裸で茫然として立ってたそうやから間違いないやろ」

チャンプの言葉に、生真面目な熱血漢・ヌンチャクがバンと机を叩いて立ち上がる。
ヌンチャク「いい年をして不名誉な死に方だ!」
チャンプ「いや、ワシはそうは思わんなぁ。若い女の肉体の上で極楽往生ができたら、ワシゃ最高に名誉ある死に方や思う、な、礼子ちゃん?」
ヌンチャク「あんたのような大人がいるから世の中が乱れるんだよ!」
ET「まぁ、それはともかく仕事が先決だ。続けてくれ」
チョメチョメには、是非その名誉ある死に方をさせてやりたかったものだ……。
さて、チャンプは西山が、大手外食チェーンの社長で、三ヶ月前に亡くなった大須賀と言う男の顧問弁護士をしていたこと、大須賀には妻も子供もなく、弟、妹、甥の三人が相続権を持っていること、などを説明する。
当然、相続権を巡って親族の間で激しい確執があり、その調停を西山がしていたらしい。
ET「すると三人のいずれかが、西山を腹上死と見せかけて殺した」
ヌンチャク「まさかそいつを俺たちに洗い出せって言うんじゃないでしょうね」
チャンプ「話は最後まで聞けよ、それやったら警察に任せたらええがな」
チャンプは別の資料を取り出して、マリアに見せる。
それは、事故や自殺などで亡くなった人たちの切り抜き記事だった。

チャンプ「死んだ連中はいずれも資産家の係累や、しかも一様に遺産相続の争いにからんどる」
マリア「一体どういうことなの?」
チャンプ「ひょっとすると事件の背後に、プロの始末屋が暗躍しとるのかもしれんな」
マリア「始末屋?」
チャンプ「そう、特定の相続人に有利にことが運ぶよう、裏工作をする」
ET「まるで死臭を嗅ぎ付けて群がるハイエナだな」
チャンプ「そーそーそー、今度はそのハイエナ退治や」
彼らはまず、今回の西山弁護士の事件に焦点を絞って調査を開始する。

一方、とある広告会社で仕事中の女性デザイナーが、たまたま新聞の西山の死亡記事を目にして、驚きに打たれていた。
順子「西山先生が……」
メインゲストである水沢順子(字は適当)を演じるのは、1作目にもゲスト出演している立枝歩さん。

同じ頃、大須賀の広壮な屋敷では、相続権を持つ三人と、あの始末屋の男・森口が額を集めてなにやらよからぬ相談をしていた。

森口「西山弁護士の事務所を物色していたら、やっと見付かりましたよ、これが認知請求の書類です。間一髪でした、もし書類が裁判所に提出されていたら、大須賀善三氏の財産は全てこの娘の手に……」
妹「水沢順子?」
森口「ある広告会社の専属デザイナー、母親の初枝は去年亡くなっています」
大須賀の弟役は、エエモンからワルモンまで幅広く演じられている幸田宗丸さん。

甥「それにしても伯父貴に隠し子がいたとは!」
妹「私たち、すっかり兄さんに騙されてたんだわ」
そして妹役は、「怪奇大作戦」の永久欠番「狂鬼人間」でおなじみ、姫ゆり子さん。
甥「森口さん、お陰で助かりましたよ」
森口「いや、まだ安心は出来ませんよ。この娘は大須賀善三氏のれっきとした直系卑属、つまり第一順位の相続人なんです。しかも彼女に認知請求の意思があれば、父親の死後3年はそれが認められることになってるんです。彼女が生きている限り、善三氏の財産はあなたがたの手には渡らんでしょう。ふふふ、どうやら私の仕事がひとつ増えたようですな」
彼らは始末屋・森口に頼んで、大須賀の隠し子である順子の認知請求を阻む為に、西山を心臓麻痺に見せかけて抹殺させたのだった。
そして今度は、相続人である順子自身を消さねばならないと始末屋は言い出す。
森口「毒を喰らわば皿まで、ですよ」
弟「しかし、これ以上人殺しを重ねることは」
森口「今更奇麗事はよしましょうや。私たちは一蓮托生の仲なんですから……死刑台に昇る時は一緒ですよ」
弟はなおもためらっていたが、妹や甥はやる気マンマンで、結局2億円で順子殺しを依頼することになる。
一方、ETは偶然のチャンスを掴んで、順子の存在を知り、彼女と会って話を聞くことができた。

順子「私、ついこないだまで、母が大須賀さんの2号だったなんてこと全然知らなかったんです。初めてそれを知ったのは三ヶ月前でした。突然私のアパートに西山弁護士が訪ねて来て……」
西山によると、死の直前、大須賀が急に順子のことを認知したいと言い出したのだという。
順子「あまりにも突然のことだったので、私、なんて返事をしていいのか」
ET「で、認知請求をしようと決心したのは?」
順子「自分なりに色々考えてみたんです。仕事のこと、結婚のこと、将来のこと……でも、あれこれ考えてるうちにそんな打算なんて消えてしまって、何故か急に父親が恋しくなってきたんです。母の手にひとつで育てられてきた私に実は父親がいたんだと思うと、むしょうに懐かしいような、恋しいようなそんな気がしてきて……でも、西山先生が急にお亡くなりになってしまったので私いったいどうしたら良いのか……」
ET「なるほど、そう言う事情があったんですか」
名高さんと立枝さん、なんとなくお似合いのカップルのように見える。あいにく、劇中ではそんな展開にはならないけど。
ETは、西山が自然死に見せかけて殺された可能性について言及し、順子にしばらく何処かへ身を隠した方が良いと勧める。順子もETの人柄を信じ、それに従うことにする。

マリアが、自宅マンションで趣味のエアロビをしていると、ETから順子をしばらく匿って欲しいと電話がかかってくる。
マリアの早乙女さん、スタイルは良いんだけど、このシーンはなんとなく笑ってしまう。
垢抜けないこのレオタードが良くないのかな。
さて、ET、チャンプ、ヌンチャクはアジトで改めて話し合い、事件の全体像をほぼ正確に描く。
ただし、さすがに始末屋の素性については皆目分からないので、チャンプが、西山が昇天した時に一緒にいた「悶絶ギャル」こと中西リエなる女性のマンションを訪ねて、その糸口を掴もうとする。

だが、チャンプが部屋に踏み込んだ時には、既にリエはあられもない格好で死んでいた。

ET「消された?」
チャンプ「そう、自殺に見せかけて口を封じやがった」
ET「どうも俺たちは後手を踏んでるようだな」
チャンプ「敵は思ったより手強いな」
ETは、マリアを囮にして敵をおびき出そうと言う作戦を考える。
……しかし、少なくとも劇中では、森口が、事件を嗅ぎ回っている連中がいるなんてことに気付くシーンはなかったので、こんなに急いで共犯者を始末してしまうと言うのはいささか腑に落ちない。
森口には他にも部下がいるようだし、なんでリエだけさっさと殺してしまったのか?
それはともかく、続いて、マリアが得意のコンピューターの腕を駆使して、順子に化けると言うシーンになる。

ディスプレーの横に置いた順子の写真を参考に、

輪郭線を映し出す。

それを元にCGで順子の顔を再現し、

肌の色とか、事細かに表示させつつ、それをお手本にマリアがメイクする訳である。
……
突っ込みたくてしょうがないところがたくさんあるが、突っ込んだら負けだと言う気がする。

マリア「これでどう?」
ET「うん、感じは似てるけど目のところがちょっとな」
マリア(サングラスをかけて)「じゃあこれだったら?」
ET「うん、それだったらまぁいいだろう」
チャンプ「研究の余地はあるね、まだ、しかしまぁ上手く引っ掛かってくれるといいがね」
ETたちは不満そうであったが、その辺で妥協する。
ここまでやるんだったら、いっそのこと立枝さん自身が演じる……つまり、「美女シリーズ」の天知茂先生方式でやっても良かったんじゃないかと思う。GODをその天知先生が演じているのだから、マニアックなくすぐりにもなるしね。
で、マリアがわざと目立つように街中を歩くと、すぐに森口の部下たちが引っ掛かって、彼女を拉致しようとする。ETたちはマリアを拉致させてそれを尾行し、親玉に辿り着こうとしていたのだが、趣旨をよく理解していなかったヌンチャクが早まって飛び出してきてマリアを助けてしまった為、計画は失敗する。
ETとチャンプはヌンチャクを叱り飛ばすが、優しいマリアはヌンチャクを慰め、一緒に食事しようと自宅へ連れて行く。
ET「男には厳しさってもんが必要なんだ!」
チャンプ「なぁ、ET、わしらもいかへんか」
ET「そうだな、マリアの手料理ってのも良いもんだな」
だが、4人がマリアのマンションに行ったところ、順子の姿が消えていた。
順子は、同じ会社に勤める今村と言う恋人と食事の約束をしていたことを思い出し、書置きを残してとあるレストランに行っていたのだ。

順子から事情を聞いた今村は、ETたちも財産を狙っている悪人なのではないかと疑いを差し挟み、順子を説得して自分のアパートへ連れて行こうとする。
が、森口たちも今村の動きをマークしていて、二人がレストランから出てきたところをあっさり捕まえる。

彼らは工事現場のプレハブ小屋に二人を縛り付け、灯油をまいて焼き殺そうとするが、念の為、マリアが順子の服に発信機を取り付けていたので、寸前でハングマンたちが駆けつけ、二人を救出する。
後は改めて書くこともないが、ハングマンは森口が(順子が死んだと思って)依頼人たちから金を受け取る現場を押さえ、

いつものようにハンギングを行う。
今回は、1話や2話と違って、悪人たちを縛り上げて罪を白状しないと殺すぞ! と脅すと言うワンパターンな内容だった。
で、森口が口を割ったところで周囲の壁が開き、彼らは公園の噴水の中に座らされていたと言うオチになる。
何事かと、野次馬が集まってくる。その中には順子と今村の姿もあった。

順子「この人です、私たちを殺そうとしたのはこの人です!」
順子は、森口を指差して大声で叫ぶ。
それが引き金となって、4人は醜い罪のなすり合いを始め、なし崩し的に自分たちの悪行を衆人環視の中で暴露することになる。
野次馬の中に紛れていたETたちは、それを見届けると警官隊と入れ違いに公園を後にするのだった。
なお、今回は、遺産を相続した順子が、今村とは別れて、父親の事業を引き継いでバリバリの女社長になった、と言う辛口の後日談が語られる。

チャンプ「何十億ちゅう財産が転がり込んで来たら男なんか目やないで」
ET「そんなもんかなぁ」
チャンプ「それにしても俺らの成功報酬とはえらい違いやな」
ET「まったくだ」
ハンバーガーを食べながら雑踏の中を歩く二人の姿を映しつつ、終わりです。
最初に書いたように、今回は事件のネタが割れるのが早過ぎて、謎解きの楽しさが全然なかったなぁ。
平瀬りえさんのヌードがなかったら、喜んでスルーしてるところだ。
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