第31話「大東京シビレ音頭」(1981年9月12日)

高層ビル群の上空に、雷雲に乗ってカミナリモンガーが現われ、電球のような二本の角から「シビレビーム」なるビームを手当たり次第に撒き散らして、人々を感電させる。

電気でビリビリしびれている通行人のエキストラの皆さん。
左端のおじいさん、なんか昔の無声映画から抜け出してきたような雰囲気で、なんとも言えない味がある。

アマゾンキラー「もっともっとおやり!」
ビルの屋上からカミナリモンガーに指示を出すアマゾンキラーとゼロガールズたち。
こうして並ぶと、ゼロフォーの太ももがいかにも美味しそうですね。
カミナリモンガーのシビレビームは通行人だけでなく、建物に当たれば屋内の電化製品も次々とショートさせ、社会に大混乱を引き起こす。
さらにへドリアン女王は、第一発電所のメイン送電線にシビレビームを流して、東京中の人間を痺れさせようと画策していた。
へドリアン女王「アマゾンキラー、例の作戦の手立ては出来ておるのじゃろうな」
アマゾンキラー「第一発電所のコンピューター主任技師、小林勇吉を利用します」

助八「ふーん、じゃあ修君の理想の父ちゃんはサンバルカンみたいな人なの」
修「うん、だってさ、勇気があって逞しくてそれに僕ら子供たちの味方だもん。それに比べて俺の父ちゃんと来たら……」
欣也「修君のお父さんは第一発電所のコンピューターの主任技師だよね」
エミ「東京中の電気を守るのがお仕事なんですって。凄いじゃないー」
修「つまんないったらありゃしないよ、仕事ばかり忙しくってさ、ちっとも遊んでくれないんだもん」
その勇吉の息子・修が、サファリで父親についての不満をぶちまけていた。
欣也「そんなこと言って……それとも修君は仕事を一生懸命しないお父さんでも良いのかい?」
修「そんなのやだけどさぁ……でもぉ」
その時、突然、窓の外で雷鳴が轟き、

助八「ひぇーっ、怖い、怖い!」
どさくさ紛れに助八が美佐に抱き付くと言う暴挙に出る。
子供たちはその臆病ぶりを指差して囃し立てる。
助八「いや、はは、なんたってね、子供の頃からね、苦手なのが地震、雷、火事、
歌丸、かーちゃんだ……うぎゃーっ!」
助八があれこれ言い訳していると、またまた雷が落ちてくる。

再びどさくさ紛れに美佐に抱き付こうとしたが、今度はシーシーに邪魔され、そのだいそれた野望も潰える。
助八「いたっ、あいたっ、鼻噛まれちゃった」
その後、嵐山長官は、娘の神聖なパイオツを汚した助八を八つ裂きにしてカレーの鍋に入れてじっくりことこと煮込みつつ(註・煮込んでません)、サンバルカンに最近の不審な連続落雷事件についての調査を命じる。

問題の勇吉(住吉道博)、落雷事件のニュースを見ながらネクタイを締めている。
その日、修は父親と一緒に釣堀に行く約束をしていたのだが、案の定、その事件に絡んで父親は休日出勤しなければならなくなり、約束は反故になる。
修、あまりの悔しさに、たも網を足でめちゃくちゃに踏みつける。
勇吉、修をサファリに連れて行き、仲の良い美佐に面倒を見てくれるよう頼む。

だが、美佐に修を預けて発電所に向かう途中、無事、ゼロガールズに捕獲される。
勇吉「なんだ、お前たちは」
ゼロフォー「おとなしくしろ」
勇吉「おとなしくします」
その後もシビレモンガーの跳梁跋扈は続き、ビルは破壊されるわ、人々はしびれるわで、てんやわんやの大騒動が繰り広げられる。
ヘドリアン女王「うわー、愉快じゃ、愉快じゃ。しびれパニック! カミナリモンガーよ、サンバルカンをシビレビームで動けなくしてやれ! うーっはははははっ!」 そして、唐突に、腕も足も剥き出しの豹柄スタイルのへドリアン女王が、太鼓を叩きながらひとりで踊り狂うと言う、「サンバルカン」の中でも最強の爆笑シーンに雪崩れ込む。
管理人、初めて見たときは死ぬほど笑った。
曽我さん、意外と手足がほっそりしていて、こういう格好すると急に貫禄がなくなって、足元がスースーするような印象(どんなだ?)になる。しかも、大きなヘルメットはそのままなので、頭と首から下とのバランスが崩れて、なんとも言えない珍妙なスタイルが出来上がる。
さすがに女傑・曽我さんもちょっと恥ずかしそうで、このシビレ音頭は1シーンしか出て来ない。
正直、今回はこのシーンを貼る為だけにレビューしているようなもので、それがなければスルー確定の凡作なのである。
その後、カミナリモンガーとシャークとの一騎打ちとなるが、

シャークが飛び蹴りをしようとしたところ、シビレビームの直撃を食らい、

シャーク「足が痺れるっ……」
右足を激しく負傷してしまう。
……ま、これだけ見ると、法事で良く見かける光景になってしまうのだが。
カミナリモンガー、シャークにトドメを刺そうとするが、そこへイーグルとパンサーが救援に駆けつけた為、アマゾンキラーはすぐにカミナリモンガーを退却させる。
嵐山「どうだ? なんとかバル強化服が守ってくれたな。神経をやられてる。痛むか?」
欣也「あっ、いえ……だいじょぶです」
太陽戦隊本部へ戻った欣也を、美佐ではなく嵐山が手当てしている。
口ではそう言いながら、欣也の顔は苦痛に歪んでいた。
飛羽「エレキを使うとなると……長官、発電所が狙われる恐れが!」
朝夫「ヒョーッ! 東京中の人間がシビレエレキに感電させられちまう」
嵐山「しかし、火力、水力、原子力を合わせると東京に送電している発電所の数だけでも優に200は超えるぞ」
飛羽「とにかく全ての発電所をチェックしてみます」

と言うわけで、三人は手分けして該当する発電所に電話して、異常がないか確認するという地道な作業に取り掛かる。
……って、まあ、これくらいのことなら、別にサンバルカン自らやらなくても、平和守備隊の隊員にでもやらせれば済むことだと思うんだけどね。
しかも、口頭で確認するだけだから、

飛羽「第一発電所ですか、そちらの様子は?」
戦闘員「変わったことは何もありません。安心して下さい」
などと言う風に簡単に誤魔化されてしまう。
やっぱり卑しくもスーパーヒーローなのだから、労を惜しまず、一つ一つの発電所に直接出向いてその目でチェックすべきではなかったか?
もっとも、ゼロガールズに捕まっていた所員が抵抗して、「やめろーっ!」と叫んだ為、飛羽に疑惑を抱かせることにはなるのだが……。
しかし、必要のないヒラ所員まで生かしておくなど、ブラックマグマも悪の組織としては仕事が甘い。

勇吉「たとえ殺されたって、誰がお前たちなんかに……」
一方、拉致された勇吉は、アマゾンキラーに厳しく尋問されていた。

アマゾンキラー「ふんっ!」
アマゾンキラー、物凄い顔で勇吉をぶん殴る。
彼らは発電所の元栓(線?)の場所を、勇吉から聞き出そうとしているのだ。
で、お約束として、アマゾンキラーは修もさらってきて、「息子の命が惜しかったら……」と、脅迫する。
勇吉、ちらっと部屋の一方の壁にある電源主幹と書かれたパネルに目をやってから、アマゾンキラーの要求を飲むと答える。
解放された修はすぐ父親に抱きつくが、

修「父ちゃんの意気地なし! こいつらはサンバルカンの敵じゃないか。なんで言うことなんか聞くんだよ、そんな父ちゃんなんか嫌いだ! うーうーうー」
と、喜ぶどころか逆に父親をなじっては、盛大に泣き喚くのだった。
勇吉(帰りがけにダムに捨てていったろか、このガキ……)(註・管理人の妄想です)

勇吉(これに触れさせれば奴のエネルギーを吸い取れる)
勇吉「これだ」
アマゾンキラー「カミナリモンガー、街中にたっぷりとシビレビームを送ってやるのだ」
モンガー「心得た」
勇吉の企みとも知らず、カミナリモンガーは電源主幹のレバーに触る。

モンガー「どおっ、吸い取られる、う、苦しい……」
勇吉の目論みは図に当たり、どういう仕組みになっているのか不明だが、カミナリモンガーは逆に体内の電気を奪い取られそうになる。
その隙に、勇吉は息子の手を引いてその場から逃げ出す。
勇吉「ここから先はお前ひとりで逃げろ。父ちゃんは元線を切る。そうすれば東京中の人たちが助かるんだ」
修「父ちゃん!」
修、父親の本当の姿を知って、今度は愛情を込めて抱きつく。
その後、いろいろあって、最後は例によってサンバルカンとモンガーたちとの決戦となる。

ロケ地がダムと言うことで、その施設を利用した立体的なアクションが展開される。
特に、この狭い胸壁の上でパンサーが回転するのが、何気に凄いのである。
サンバルカンは危なげなくカミナリモンガーを撃破し、巨大ロボット戦もつつがなく終える。
……終わってみれば、シャークの足の怪我はストーリー上、何の意味もないのだった。チーン。
事件解決後、修は仕事に打ち込む父親を尊敬の目で見るようになり、三人に頼んで発電所まで見学に来るほどであった。
修「僕、見直しちゃったんだ、父ちゃんのこと。サンバルカンもかっこいいけど、僕の父ちゃんも負けてなんかいないよね」
欣也「ああ、修君のお父さんはひとりでこの発電所を守ったんだからな」
特に盛り上がりもないまま、終わりです。
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