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「新ハングマン」 第8話「代議士の自殺を演出する兄弟秘書」

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 第8話「代議士の自殺を演出する兄弟秘書」(1983年9月16日)

 小鳥が囀り、まばゆい朝日が木々の間から差し込む山の中を歩いていた二人の登山者が、その場にそぐわないものを発見する。

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 そう、排気ガスを引き込んで密閉した車の中で冷たくなっている男女の変死体であった。

 ここでサブタイトルが表示されるが、正直、今回のストーリーと内容が合ってないような気がするし、ネタバレにもなっているので、どうも感心しない。

 せめて「タクシー運転手とホステスの心中を演出する兄弟秘書」にしておくべきだったろう。

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 それはさておき、早くもチャンプと園山のいつもの取引のシーンとなるのだが、今回は浅草は浅草寺の境内で、チャンプが鳩の体をむんずと掴んで、しきりにその顔に豆をぶつけている。

 今なら動物虐待とかでたちまち炎上しそうなシーンだが、

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 チャンプ「あんまり変わりまへんな」
 園山「なにが」
 チャンプ「いや、鳩が豆鉄砲食った顔ちゅうのは、どんな顔かなと思いまして」

 と言う、とぼけたオチになる。

 園山「君、私の話を聞いてたのかね」
 チャンプ「聞いてまっせ、それで報酬は?」
 園山「300万」
 チャンプ「そりゃ殺生や」

 チャンプ、提示された金額に不満を抱くが、とりあえず300万を受け取ってから、

 チャンプ「ここまで来て吉原によらんちゅう手はおまへんやろ。ナインティーンのモモエちゃん、女子大の現役のパリパリだっせ」

 と、紳士の園山をこともあろうにトルコに誘う。

 園山「小出君、私は仕事で来てるんだよ。見損なって貰っては困る」
 チャンプ「そうでっか、ほな、わても諦めますわ」

 園山はにべもなく断り、チャンプもそれ以上粘らずに二人はあっさり別れるが、

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 その後、園山は吉原のトルコ街に足を踏み入れ、ナインティーンと言う店の中をこっそり窺っていた。

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 チャンプ「モモエちゃんの予約券ありまっせ。どないだす、園やん、100万円上乗せして貰えまっか?」
 園山「分かった」

 だが、チャンプもそれをお見通しで、気がつけば園山の背後にぴったりくっついていた。

 意外とスケベな園山は100万円と引き換えに予約券を受け取る。

 クソ高い予約券だ。

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 おずおずと入店した園山を捕まえて奥に引き擦り込むトルコ嬢たちを見て、「お手伝いのおばさんかいな」と、冷厳な事実をつぶやくチャンプ。

 拉致されていく園山の顔は、あたかも「話が違うー!」と叫んでいるようであった。

 チャンプは園山の絶叫を尻目に、「わい、モモエちゃん」と、自分でモモエちゃんを指名するのであった。

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 そんな薄汚い男の欲望が渦巻く場所とは対照的な、都心の小さな有料プールに美しい背中を全開しながら降り立ったのは、

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 マリア「ET!」

 他でもない、セクシー水着着用のマリアであった。

 しかし、この胸はちょっとヤバイですね……。

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 ET「おう」
 マリア「チャンプが仕事取って来たわよ」

 残念ながら、マリアの水着姿はこれだけ。えーん。

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 4人がアジトに集合したところで、チャンプが事件についての説明を行う。

 チャンプ「この男は民友クラブの代議士で日景和夫、テレビタレントから父親の地盤を引き継いで代議士になった男だ。政治的手腕には欠けるかも知れんが、その代わり悪いことはしない」
 ET「主婦層に人気があって、前の選挙ではトップ当選だった筈だ」
 マリア「政治家にしては珍しく身辺の綺麗な人よね」

 その日景代議士の運転手・水原が三日前、事務所の金庫から5000万を持ち逃げし、昨日、奥多摩山中で心中死体となって発見されたと言う。つまり、冒頭に出て来たあの死体である。

 相手は、銀座の高級クラブ・サニーのホステス、松井清子だと言う。

 ヌンチャク「盗んだ金はどうなりました」
 チャンプ「自宅のポストに2200万円投げ込んであった」
 マリア「半端な金額ね」
 チャンプ「住宅ローンの残金と一致するんだ。残りはほとんど手付かずのまんまや」

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 ついで、チャンプは、事件を受けての代議士側の記者会見の模様を収めたビデオテープを再生する。

 記者「水原運転手はどういう人間だったんですか」
 日景「私に人を見る目がなかったのかもしれませんが、ま、仕事熱心な真面目な男でした」

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 富山「代議士はあの、水原のことを信じてましたから……金庫の金が消えて水原が行方不明になってもまだ水原の犯行だと信じなかったくらいですから」

 代議士の言葉を引き取るようにしてテキパキと説明しているのは、第一秘書の富山浩で、演じているのは若過ぎるにもほどがあるだろうと言う、橋爪功さん。

 日景は何も知らなかったと言うが、富山は水原と清子の関係は以前から知っていて、「妻子を泣かせるようなことはするな」と、水原に忠告したこともあったと証言する。

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 富山「ところで、5000万と言うお金が無事手元に戻りまして、代議士のたっての希望で、このお金は恵まれない子供たちの為に寄付いたします」
 チャンプ「なるほどな。さすが影の演出家と言われるだけのことはあるわい、うまいこと日景を立てとるわ」

 今の短い会見だけを見ても、第一秘書の富山あってこその日景代議士と言うことが歴然としていた。

 ヌンチャク「ゴッドはこれの何処を調べろって言うんですか。金を持ち逃げした運転手がホステスと逃げた、しかし逃げ切れずに心中した。それだけの事件じゃないですか」
 ET「二人は心中ではない。ゴッドはそう睨んでるんだ。心中に見せかけて二人を殺さなければならない理由がある」
 マリア「運転手と一流ホステス、これも妙な組み合わせね」

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 ヌンチャク「単純なことを難しく考える。インテリの悪い癖ですよ」
 チャンプ「インテリて、俺か」
 ヌンチャク「所詮、男と女じゃないですか。そんなカップル、いくらでもいますよ」

 いつになく突き放すように断言するヌンチャク。醒めた顔で、事件への興味も感じていないようだった。

 実際、この段階で、それがありきたりの心中ではないと言う証拠はないのだが……。

 それでも既に金は受け取っているので、調べるだけは調べてみようと言うことになり、チャンプとヌンチャクがホステスを、ETとマリアが水原の身辺を洗うことになる。

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 ETは、結城と言ういつもの週刊誌記者を名乗って、葬式の準備に追われている未亡人に面会する。

 夫人「何もお話しすることございません。どうぞお引取り下さい」
 ET「奥さんはほんとに御主人があんなことをしたと思っているんですか。我々は公平な立場から取材して記事を書きたいんです。奥さんにも言い分があろうかと思うんです」

 ETとマリアに懇望されて、未亡人もようやく重い口を開いてくれるが、水原の性格として、とてもあんなことをするとは思えない、水原は心中に見せかけて殺されたのだと言う意見が聞けただけで、犯人の見当も、具体的な手掛かりもなにひとつ得られなかった。

 空しく水原家を後にした二人だったが、前の道で水原の息子のオサムが心中事件のことで子供たちにいじめられているのを見かけ、子供たちを追い払う。

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 オサム「お父さんの悪口言いやがって、絶対に許してやらないからな、畜生、バカヤロウ! うう……」
 ET「泣くな、男の子だろう。お前が強くなきゃ、母さん、困るじゃないか」

 マリア、藁にもすがる思いで事件の前、何か変わったことがなかったとオサムに聞くと、水原がオサムの持っていた漫画雑誌を破り取っていたことが分かる。

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 二人は本屋にオサムを連れて行き、それと同じ雑誌を見せて、どのページを破ったのか確かめようとする。

 で、その雑誌がしぶく「少年チャンピオン」で、表紙には「プラレス3四郎」とか「大甲子園」などと言うタイトルが見える。

 そうか、「大甲子園」って、もう連載してたのか……。

 そう言えば、管理人が初めて買った古本は、「大甲子園」の8巻(表紙なし)だったなぁ(知るか)。

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 そして、問題のページが、これまた懐かし過ぎて死にそうになるスパイセットだったりするのである。

 二人は水原が盗聴器を探していたのではないかと考え、電気店を当たって、水原が確かに盗聴器を購入していた事実を突き止める。

 一方、ヌンチャクは清子の勤めていたサニーにボーイとして潜り込み、先輩ボーイに極めて愛想良く接して歓心を買い、情報を聞き出そうとする。

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 ヌンチャク「しっかしほんとですかー、運転手とホステスですよ」
 先輩「だって俺見たんだよ、二人が深刻な顔して話し合ってんの」
 ヌンチャク「何話してたんすかね」
 先輩「金でも盗む相談手してたんじゃないのか」
 ヌンチャク「まさかー」
 先輩「おい、ちょっと耳貸せ」

 先輩、人差し指を動かして、ヌンチャクをそばに来させると、

 先輩「良いか、誰にも言うなよ、俺見たんだよ、清子が盗聴器仕掛けてるの」

 と、意外な事実を耳打ちする。

 先輩ボーイは、清子が、富山兄弟とママ(富山浩の女)がいる事務所のドアに盗聴器を仕掛けているのを目撃し、さらに水原が外の車の中でそれをモニターしていたことを知り、しかもそのことを富山たちにバラしてしまったのだと言う。

 それにしても、この先輩ボーイ、その気になれば金蔓になりそうな特ダネを、ほいほい新入りのボーイに話しちゃって良いの?

 てっきり、ヌンチャクを手招きして、「良いか、あんまりそのことに首を突っ込むんじゃねえぞ」と、釘を刺すのかと思ったが……。ま、要するにお人好しなのだろう。

 ちなみに先輩を演じているのは美女シリーズでもお馴染み、天知プロの岡部正純さん。

 ヌンチャクは早速その重大な情報をチャンプに知らせる。

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 ヌンチャク「水原さんとホステスはその翌日に姿を消してます」
 チャンプ「二人は何かをさぐっとった、それが富山にバレた」

 ちょうど彼らの前で、富山兄弟が店に入っていく。

 チャンプは客を装って彼らのそばに陣取り、ヌンチャクも彼らのテーブルに盗聴器を仕掛ける。

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 なお、富山のぼんくらの弟を、ゾル大佐こそ宮口二郎さんが演じている。

 いきなり前に座ったホステスのスカートをめくって、いかにも好色そう……と思いきや、それがそうでもなかったことが後に分かる。

 やがて、チャンプとホステスの女の子が、ついで富山浩とママが、ほぼ同時に店から出てきて、その後をマリアが尾行する。

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 ヌンチャクは、一人で店から出て来た弟をつけるが、彼はショーウィンドウの女物のマネキンの前で立ち止まり、うっとりした眼差しを注いでいた。

 翌日、アジトに集まってそれぞれの情報を共有しているET、マリア、ヌンチャク。

 ET「富山とサニーのママは真っ直ぐマンションに帰ったんだな」
 マリア「ええ、別に変わった様子はなかったわ」
 ヌンチャク「弟のほうも自分のマンションに帰りました」

 と、一人だけ遅れてチャンプが顔を出す。

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 ヌンチャク「お疲れさん、どうでした」
 チャンプ「それがお前、毛深こうて、しつこくて……いや、まあ、そんなんどうでもええわな、おい、ホステスの松井清子が何で盗聴なんかする気になったか分かったぞ。富山兄弟が誰かを殺そうとしとるんや」

 チャンプ、ホステスの一人と仲良くなって店外デートとしゃれこみ、彼女とチョメチョメする傍ら、きっちり重要な情報を聞き出してきた。

 マリア「誰を?」
 チャンプ「そりゃ分からん。仲のええホステスにそーっと打ち明けよったそうや」

 どうやら水原と清子はそんな浮ついた関係ではなく、二人で協力して富山兄弟の陰謀を調べていたが、それが発覚して逆に彼らに口を封じられたと言うのが事件の真相らしかった。

 ヌンチャク「しかし、誰を殺そうとしてるんですかね」
 ET「富山に接近する手はないかな」
 ヌンチャク「盗聴した限りでは、後釜の運転手を探してるようなことを言ってました」
 ET「それだ」
 チャンプ「しかし、どうやって潜り込む気や」
 ヌンチャク「俺の勘に狂いがなければ、ありますよ」

 ヌンチャク、なにか成算ありげに微笑む。

 ここから、「ハングマン」シリーズの中でもかなりインパクトのあるシーンとなる。

 みんな、覚悟はいいかな?

 女装倶楽部・エリザベスと言う看板のかかった建物に、人目を忍んで入っていく富山誠。
 それを車の中から見ていたヌンチャクは、男っぽい格好をしたマリアをその中へ送り出す。

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 そして、次のカットでは、お化粧中の、おかっぱ頭のカツラをつけた誠の姿が……。

 そう、誠は正真正銘の女装マニアだったのだ!

 いやぁ、最初見た時は、「ゾル大佐が女装してる!」と、その衝撃に笑うどころではなかった。

 そう言えば、ゾル大佐も初登場時には、同じようなことしてたなぁ。

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 と、その隣に同じく女装マニアと言う設定のマリアが腰掛ける。

 誠「あら、こんにちは」
 マリア「どうも、はじめまして」
 誠「まぁ、綺麗なお化粧ね、若い人って羨ましいわ」

 マリアもせいぜい、美川憲一みたいな声を作って応じているが、はっきり言って、どっからどう見てもほんとの女にしか見えず、誰もそれを疑問に思わないのは不自然である。

 この場合、ヌンチャクかETあたりがやるのが妥当なのだが、あいにく、二人には別の役割があてがわれているので、不自然でもマリアがやるしかないのである。まさかチャンプに女装させる訳にも行かないし。

 ま、チョメチョメとゾル大佐の女装ツーショット、それはそれは物凄い絵になっていたとは思うが。

 マリア、さりげなくタバコに火をつけながら、ライターに仕込んだ隠しカメラで誠の女装姿を盗 撮する。

 ほんとの女装クラブと言うのが、具体的にどんなことをするのか管理人もまったく不案内だが、

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 ドラマでは、女装した人たちがサロンに集まって、音楽に合わせて仲良く踊ったりするという、実にほのぼのとした光景が繰り広げられている。

 で、誠が幸せそうな表情で手を叩いている姿を見て、なんとなく涙ぐんでしまう管理人であった。

 女装マニアは、いわゆるLGBTとは少し違うと思うが、とにかくおおっぴらにできない趣味を持つ日陰の人たちが、こうして誰気兼ねなく趣味に没頭できる安息の場を得ていることは、決して悪いことではないと思うし、このいかにも安らぎに満ちて人の良さそうな宮口さんの笑顔が素敵だからでもある。

 それに、劇中でも、特に女装マニアを馬鹿にしたり差別したりしている雰囲気がないのも、当時の感覚としては素晴らしいと思う。もっとも、この直後、誠はそのことをネタに脅迫されてしまうのだが。

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 口笛を吹きながら出て来た誠に、サングラスをかけたヌンチャクが話しかける。

 ヌンチャク「買って貰いたいものがあるんですけどね、富山さん」
 誠「何を売りたいって言うんだね」
 ヌンチャク「季節外れのお化けの写真ですよ」

 ヌンチャクが突きつけたのは、マリアが撮ったばかりの誠の女装姿の一部始終であった。

 誠「き、君ぃ!」
 ヌンチャク「こいつを世間に公表したら、面白いことになるんじゃないですか。代議士秘書の密やかな悦楽」
 誠「や、やめろ! やめてくれ。いったい、いくら払ったら……」

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 ヌンチャク「1000万でどうです」
 誠「無茶だよぉ、そんな金、私にはないよ」
 ヌンチャク「あ、そう、しょうがねえな」
 誠「ね、ね、ね、君、頼むからさ、その写真……」
 ET「どうしたんすか?」

 誠がヌンチャクに縋り付くように頼んでいると、背後からETが何食わぬ顔で割って入る。

 誠「いや、あの、なんでもないんですよ」
 ET「しかし、顔色が蒼褪めてんじゃないですか」
 ヌンチャク「関係ねえ奴は引っ込んでろよ!」

 ETは、素早くその写真を取り上げ、しげしげと眺める。

 ET「なるほどー、ぼうや、他人の趣味を覗くなんてのは良くねえなぁ」
 ヌンチャク「てめえ、この野郎!」

 ETは、写真をビリビリに破り捨てると、激怒するヌンチャクを二、三発ぶん殴って黙らせる。

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 ET「さ、行きましょうか」
 誠「はい」
 ET「お送りしますよ」
 誠「はいっ」

 誠、まるで可憐な乙女が痴漢に襲われているところを助けられたような顔付きで、ETの腕に縋るようにしてその場を離れる。

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 誠「結城君とか言ったね、仕事なにやってんの」
 ET「失業中でぶらぶらしてます。富山さんの顔の広いところで俺に合った仕事がありませんかね」

 そう、こうやってETが誠の感謝と信頼を得て、自然と日景代議士の運転手の仕事が回ってくるように画策する、実に巧妙な計画だったのだ。

 単に、女装のことをネタにして誠の口を割らせたほうが手っ取り早い気もするが、こちらの方がドラマとして格段に面白いことは言うまでもない。

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 ETに恩義を感じている誠は、直ちに兄にそのことを相談する。

 富山「お前が人探してくるって珍しいな」
 誠「水原の代わりが必要だと思ったから」
 富山「その男に何か弱みでも握られてるのか」
 誠「いやぁ、とんでもない、なんなら、断ったって良いんだよ」

 兄にそう言われると、拗ねたように口を尖らせる誠。しっかりものの兄の浩は、こうして幼い頃から甘えん坊で頼りない弟の面倒を見てきてやったのだろうと考えると、彼らの悪事は別にして、その兄弟愛に胸が少し熱くなるのであった。

 さすがに抜け目のない富山は、確認の為、ETから聞いた番号に電話をするよう弟に命じる。

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 が、無論、ETもその辺は抜かりなく、電車の踏み切りの効果音をバックに流しつつ、その電話を取る。

 ET「もしもし、結城ですが……あ、富山さん、いえ、あのう、線路のそばなもんですから……え、明日ですか? はい、分かりました、どうも」

 富山兄弟は、地図で結城の所書きと見比べていたが、確かに、その住所は線路のすぐそばだった。

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 誠「あいつが言ったように線路のそばだよ」
 富山「よし」
 誠「兄さんも少し人を信じたほうが良いよ」
 富山「お前は人を信用し過ぎるんだよ。選挙の公示まであと5日だ。念を入れ過ぎるってことはないんだから」

 そう言う役柄なので、宮口さんも子供っぽい喋り方をしているが、実は、年齢では、橋爪さんより宮口さんの方が上だったりする。ま、ほぼタメだけどね。

 翌日、事務所を訪れたETは、首尾よく運転手の職を得る。

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 富山「先生、今日の予定なんですけど、11時から後援会婦人部との懇談会がございます。テーマは物価問題について話して頂きます。要点はここに書いておきました」
 日景「あ、そう」
 富山「続いて12時から……」

 ETの目の前で、富山はその日のスケジュールなどをテキパキと日景に説明する。

 それを見ても、日景はまるっきり富山の操り人形で、喋る内容から着るものまで、唯々諾々と富山の指示通りに動いていることが明白であった。

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 ETは表向き、真面目にドライバーの仕事をしつつ、富山兄弟の車に発信機を仕掛け、彼らが北村総業なる会社へ赴き、社長から大金を受け取ったり、富山自身の選挙ポスターを手にしているところを目撃する。

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 ヌンチャク「富山も立候補するつもりなんですか?」
 チャンプ「何処の選挙区からや。今時分から選挙運動したところで手遅れやないか。それに第一、新人の入り込める地盤がないがな」
 ヌンチャク「だけど、政商と言われている北村が一枚絡んでんでしょう。奴は無意味な投資はしませんよ」
 ET「いや、地盤はある」
 チャンプ「まさか、ET?」

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 ET「そのまさかだ。富山は日景代議士を殺して、その地盤を引き継ぐつもりだ。ホステスの清子が聞いた殺人計画の対象は、日景代議士だ」

 そう、富山兄弟は他ならぬ日景代議士を抹殺しようと考えていたのだ。

 これはなかなか面白い真相だと思うのだが、サブタイトルで最初からほぼネタばらしされているのが惜しい。

 だが、彼らがどうやって日景を殺そうとしているのか、そこまでは分からない。そこで、ハングマンは、手分けをして富山兄弟の動向を探りつつ、日景代議士の身辺警護を行うことにする。

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 色々あって、遂に彼らは日景殺しを決行する。それは、三浦海岸沿いの道を走行予定のETと日景の乗る車に細工をしてブレーキが利かないようにして、事故死に見せ掛けて殺すというものだった。

 なにしろそこはカーブの多い山道で、ETもなんとか対向車を避けていたが、最後は崖から飛び出し、そのまま海へ沈んでしまう。

 二人の死体こそ上がらなかったが、警察はETの運転ミスによる事故死として片付ける。

 ね、サブタイトルには「自殺を演出」と書いてあるから、ちょっと矛盾するでしょ?

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 ちなみに、そのニュースを見てほくそえんでいる富山兄弟、サニーのママ、そして北村総業の社長であったが、その社長が、「宇宙刑事シャイダー」の喧嘩上等総理大臣でお馴染み、入江正徳さんだったので、つい吹いてしまった管理人であった。

 その後、マリアとヌンチャクは、再び女装クラブを訪れた誠をエレベーターの中で拉致し、

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 事件の発端となった水原と清子の偽装心中事件と同じような山林の中へ連れて行き、、車の中に閉じ込めて、排気ガスを少しだけ送り込んでやる。

 誠「助けてくれよ、俺が何をしたって言うんだよ、助けてくれ、げほっげほっ」
 チャンプ「水原運転手、ホステスの松井清子、二人ともそうやって苦しんだんだ」
 誠「許してくれ、頼む、ごろさないでぐれよ~」
 チャンプ「助かる方法がひとつだけある。言うこと聞くか」
 誠「聞くよ、何でも聞くよ。だから殺さないでくれ~」

 ゾル大佐の名が泣くと言うものだが、誠はハングマンが拍子抜けするくらい、あっさり降参してしまう。

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 ET「もうそれぐらいでいいだろう」
 誠「……あ、うわっ、うわーっ!」

 と、フロントガラスの向こうに広がる霧の中から、ゆっくりと近付いてきたものがある。死んだ筈のETだった。無論、彼らは富山兄弟の動向を把握しており、彼らの殺人計画も事前に承知して何らかの対策を立てていたのだ。

 ET「幽霊じゃありませんよ。富山さん」

 以下、やっとハンギングの時間となる。

 まず、とあるホテルで行われる富山の立候補表明のパーティーに、チャンプが勝手にホテル側のサービスと言って司会進行を買って出る。

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 チャンプ「これより、富山浩先生のご挨拶でございます」
 富山「えー、本来、ここに立つのは私ではございません。日景先生であります。私のような若輩が立つ場所ではございません」

 壁に掛かった「政治は弱者の為にある」と言う垂れ幕が、なかなか切れ味の鋭いギャグである。

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 富山「しかし、残念なことに……失礼しました。えー、まことに残念なことに日景先生は今日、ここへは来られません」

 話しながら、つい亡き日景代議士のことを思い出したか、言葉が詰まり、天を仰いで涙を拭く富山の名演技に、チャンプも思わず貰い泣きをするのだった。

 その後もあれこれもっともらしい御託を並べて、挨拶を締め括った富山であったが、チャンプの「ただいまから記者会見に移らせて頂きます」と言う言葉を合図に、パッと明かりが消え、会場が闇に包まれる。

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 ざわつく場内の闇を貫いてスポットライトが壇上を照らし、その中に、死んだ筈の日陰代議士が厳かに現れる。

 一瞬呆気に取られる高山であったが、すぐに日景代議士に駆け寄り、「ご無事だったんですね。ああ、皆さん、落ち着いて下さい、帰ってきたんですよ、これは奇跡です。私は立候補、辞退致します」と、混乱しつつも、白々しい猿芝居を続けて、その場を取り繕うとする。

 それにしても、やっぱり橋爪さんは上手いよね。

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 が、続いてスクリーンに、ハングマンたちが密かに撮影していた彼らの悪巧みが音声付で映写され、富山兄弟の悪事がマスコミの前で暴かれていく。

 富山「三浦のドライブインで休憩するから、その隙にブレーキ、利かなくしておけ」
 誠「兄さん、いよいよやるのか」
 富山「ああ、日景が死ねば、あいつの地盤引き継いで……」

 映像には、車に細工する誠の姿もばっちり映っていて、もう言い逃れは出来ない。

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 なおも往生際悪く、「これは作り話だ。私は何も知らん!」などと叫ぶ富山だったが、最後は、水原と松井清子の偽装心中事件についても告白している誠の大写しとなり、ジ・エンド。

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 告発映像が消えた後、スポットライトの中に茫然と立っている富山は、まるで自分もこの場から消え去りたいといわんばかりの惨めな醜態を晒すのだった。

 逆に、奇跡的な生還を果たした日景は、マスコミからの祝福を浴びて満面の笑みを浮かべる。

 自分たちの仕事を見届けたハングマンが、それぞれ散っていく姿を映しつつ、終わりとなる。

 と言う訳で、今回もなかなか凝ったストーリーとハンギングが楽しめる力作であったが、おっぱい方面がマリアの水着姿だけだったと言うのが、ちょっと寂しかった。

 そう言えば、今回はあれほど盛大に行われていたチャンプのセクハラも一切なかったが、ひょっとして、何処からかクレームが来たのだろうか?
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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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