第31話「ブルー!大突撃!」(1982年9月11日)
久しぶりの「ゴーグルファイブ」のお時間です。今回も例によって一度スルーしたものを、読者の方のリクエストに応じて急遽レビューしたものであります。
冒頭、密林を切り開いて作られたような細い道を、たくさんの子供たちが戦闘員に連行されている。

その入り口を見るに、何処かの遊園地のアトラクションのひとつを利用して撮影していると思われる。
いたるところで恐ろしげな蛇が身をくねらせている洞窟は、これまた蛇のアルコール漬け標本が立ち並ぶ薄気味悪い部屋に通じていた。

デスギラー「ふっふっ」
マズルカ「お前たちの中から暗黒科学に向いた能力のあるものを選び出す。今からその試験を行う」
そこで待ち受けていたのは、対ゴーグルファイブ30連敗中とは到底思えない清新さで今日も元気に悪事にいそしむデスギラーとマズルカの、
「絶対法事で会いたくない親戚」ランキングの上位独占コンビであった。

デスギラー「合格したものは、デスダークの科学者として大切に育てられる。だが、落第したものには死があるのみだ!」
子供たち「ええ~」
デスギラーの過酷な宣言に、子供たちは恐怖の表情を浮かべて思わず後ずさりする。
それにしても、久しぶりに貼ったけど、やっぱりデスギラーって谷村新司にしか見えん。

マズルカ「受験番号1番!」
誰も願書出した覚えがないのに、勝手に受験番号まで振っている、図々しいにもほどがあるデスダークの皆さん。1番の子供は、問答無用で電気椅子のような測定器に座らされ、コンピューターがたちどころにその脳を分析して能力値を弾き出す。だが、
戦闘員「悪魔の指数2、悪の計算能力0、悪の創作力1」
マズルカ「もういい!
100点満点だと言うのに、1桁ではないか!」
デスギラー「ええい、落第だ!」
……と言う、惨憺たる結果に終わり、彼らの計画に、早くも暗雲が立ち込めるのだった。
そして彼らが真面目な分だけ、管理人は笑いが込み上げてくるのを抑えるのに苦労させられるのだった。
タイトル表示後、一転して、原っぱで子供たちが野球をしていると言う、今となってはなかなかお目にかかれないシーンに飛ぶ。
野球と言っても試合ではなく、草野球のチームの練習なのか、リーダー格の少年の指示で本格的なノックが行われている。
その中の浩太と言う少年はひときわヘタクソで、何度もミスをした挙句、「もういいよ、お前なんかあっちへ行けよ!」とリーダー格の少年に言われてしまう。
浩太「そんなこと言わないで仲間に入れてくれよ」
リーダー「それならこのボールを取って来い!」
リーダー、浩太を追い払う為か、ボールを思いっきり場外へ投げて命じる。
ボールはそのまま車の行き交う車道を転がり、ボールしか目に入らない浩太は他のことを顧慮する余裕もなく、そのボールを追って車道へ飛び出してしまう。
そこへトラックが突っ込んできて、あわや事故死……と言うところだったが、たまたま近くにいたゴーグルブルーこと青山が浩太を抱きかかえて荷台に着地し、九死に一生を得る。

青山はそのまま荷台の枠を支えにして道路に飛び降りる。
管理人、思わず「石井茂樹さんってアクションが出来る人だったのか!」と驚きかけたが、よーく顔を見たら、どうも別人のような気が……。

青山「さ、大丈夫か? 駄目じゃないか、急に飛び出したりしちゃあ」
浩太「うん」
青山、荷台にしがみつくように座っている浩太の体を下ろしてやると、軽く注意する。
小動物的な可愛らしさの浩太、不意に顔に手を当てて盛大に泣き出す。

浩太「えーん、えーん」
青山「こらこら、男の子だろ、泣くなよ」
浩太「うん」
ずいぶん簡単に泣きやんだよ! 青山が浩太を連れて原っぱに戻ると、子供たちが試合をしているところだった。ちょうど飛んできた打球を空中でキャッチし、さらに前方回転しながら華麗に着地する青山(のスタント)。

そのカッコよさに野球少年たちがわらわらと集まって、青山を尊敬の眼差しで見上げる。
青山「なぁ、君たち、意地悪しないで浩太君も仲間に入れてやれよ」
リーダー「だって、こいつぅ、弱虫だから駄目なんだよぉ」
それを聞くと、青山、口を「ウパッ」と言う風に開いて、
青山「実は俺も小さい頃、泣き虫で弱虫だったんだ。でもな、トレーニングしたからこんな風に強くなれたんだぞ」
リーダー「えー、ほんと?」
浩太「じゃあ僕も」
青山「なれる、なれる、俺の名前は青山三郎、さ、みんなで一緒に野球やろうぜ」
青山は子供たちを促すが、ちょうどそこでゴーグルブレスが緊急事態発生のシグナルを鳴らした為、青山はすぐ未来科学研究所へ戻る。
一旦集合した5人は、子供たちの集団失踪事件を調査すべく、街へ散らばって聞き込みを開始する。

と、公園にいた子供たちの集団の前に、今回の怪人ガラガラヘビモズーが現われ、子供たちを催眠音波で操り人形にする。
彼らはそうやって子供たちをバスに乗せては、次々と場所を変えて子供たちを攫っていたのだ。
だが、学習塾の前で子供たちを掻き集めていたところを青山に見付かり、青山とガラガラヘビモズーとのバトルになる。青山はゴーグルブルーに変身、ほどなく他の4人も駆けつけるが、ガラガラヘビモズーは「ガラガラ超音波」「ガラガラ金縛り」「ガラガラガス」「メカ蛇攻撃」など、呆れるほど多彩な攻撃を次々と繰り出して翻弄し、5人に反撃すら許さない。

そのままやってたら勝てたんじゃないかと思われるが、その時、ビルの上にデスマルク大元帥の侍女ベラとベスが現われ、右手を掲げてガラガラヘビモズーに空を見るよう喚起する。
それにしても、ベスとベラの女優さん、こんな衣装じゃあ演じててもちっとも楽しくなかっただろうなぁ。

デスマルク元帥「ガラガラヘビモズー、直ちに基地へ戻れ」
と、空にデスマルク大元帥の姿が浮かび上がり、突然の帰還命令を下す。
ガラガラヘビモズー「ええい、いま一息のところを……まぁいい、いつでもゴーグルファイブなど倒せるわ! ゴーグルファイブ、それまで命は預かるぞ」
ガラガラヘビモズー、悔しがるがデスマルクの命令に逆らうことは出来ないので、そんな捨て台詞を吐いてパッと姿を消す。

レッド「おのれ、ガラガラヘビモズーめ」
ブラック「恐ろしい奴だ」
ブルー「レッド、何とかしてガラガラ金縛りを破る方法を考えないと奴は倒せないぜ」
レッド「ああ」
強化スーツをまとうと、若干背が縮む青山であった。
ガラガラヘビモズー、大言壮語も馬鹿には出来ない実力の持ち主であったが、

デスギラー「お前の攫ってきた子供たちは、使い物にならん!」
ガラガラヘビモズー「はうっ」
急いでデストピアに戻ったところ、いきなりデスギラー将軍に頭をしばかれる。
ガラガラヘビモズー「申し訳ございません」
デスギラー「いいか、もっともっと多くの子供たちを集めるんだ!」
……って、わざわざそれ言う為だけに呼び戻したのかよっ! なんで味方が有利に戦いを進めている最中に、それを中断させて呼び戻すかね? むしろここはデスギラーたちも加勢すれば、一挙に宿敵ゴーグルファイブを粉砕できる絶好のチャンスだったのではないか?
それはデストピアにとって、箸にも棒にもかからないガキどもをせっせと集めることより、遥かに有益なことだったと思うのだが。
上司たちに叱られたガラガラヘビモズーは、ますます躍起になって子供たちを集めていた。遂には(どう考えても暗黒科学者の素質がなさそうな)あの野球少年たちも連れ去ろうとする。またしても青山がその場に行き合わせ、彼らを助け出そうとするが、浩太を人質に取られてしまった為、やむなく一旦退却する。

その後、浩太や野球少年たちを乗せたバスが山の中を走っているのを発見し、

斜面の上から屋根に飛び降りる。
これもスタントだが、実際にはバスの上に着地しているのではなく、その向こうのマットの上に降りているのである。

青山を屋根に乗せたまま、何事もなかったように走り続けるバス。
これなんかも、春田さんの黒田だったら、スタントなしでやれるから、かなり迫力のあるシーンになっていたと思うが……。
やっぱりアクション俳優が主役にならないと、こう言うエピソードは成功しないようだ。
かと言って、(浩太との絆とか)ドラマ的に盛り上がる訳でもないしねえ。

マズルカ「これより、この処刑マシーンで落第したお前たちの死刑を執行する」
あの施設の洞窟内で、マズルカが見込みなしと判定された子供たち(要するに、集めた子供たち全員)を前に、処刑執行を宣告していた。
だったらさっさとやれば良いのに、
マズルカ「これから死刑の方法を見せる。良く見ておくんだ」
子供たち(なんで……?)
これから処刑されようという子供たちの為に、そのデモンストレーションと言う、訳の分からないことを始めるマズルカであった。しかも、その対象に選ばれたのが……、
戦闘員「……え、え、え、なんで俺なの? いや、ちょっ待て、おい! 一旦カメラ止めろ! 小西ぃ!(監督の名前)
」 仲間である筈の戦闘員だったと言う意味不明の展開となる。
しかも、ショッカーが同様のことをたまにやる時のように、「任務に失敗したから」「戦闘員として使い物にならないから」などと言う理由付けは一切なし。

戦闘員「いや、あの、マズルカ様、これは処刑されるフリだけですよね、ね、ね、マズルカ様? マズ……」
マズルカ「処刑開始!」 問答無用で命令が下され、あわれ、不運な戦闘員は電流を流されてあっという間に消滅してしまう。
なお、戦闘員の台詞は、あまりに彼のことを不憫に思った管理人の創作です。
デモンストレーションの後、マズルカはまずガラガラヘビモズーの邪魔をした浩太を選んで椅子に座らせるが、

マズルカ「死刑執行30秒前……死刑執行7秒前……」
と、さっきはいきなり電流流してたのに、今度はわざわざカウントダウン付きで殺そうとする。
一応、必要な電気が溜まるまで時間が必要らしいのだが、だったらなおさらデモンストレーション要らんかったやろ。
で、お約束どおり、その30秒の間に青山が(スタントと交替しつつ)アジト内部に侵入し、寸前で浩太を助け、他の子供たちと一緒に逃がすのだった。
ラス殺陣では、強敵ガラガラヘビモズーをブルーの活躍で撃破、ロボットバトルを経てめでたく事件解決となる。
結局、あの測定器で合格ライン以上の数値を出した子供はひとりもいなかったらしい。……冒頭の、デスギラーたちのやる気マンマンの顔を思い出して、なんとはなく目頭が熱くなったのは私だけではないだろう。
以上、(今回だけではないが)とにかく戦闘シーンが無駄に長い印象を受けた。お陰で、青山以外のメンバーはろくに台詞もないままだった。おまけにストーリーの方も平凡で、まるっきり見所のない凡作に終わっていた。まぁ、だからこそ、一度スルーしたんだけどね。
最後に、ストレス発散じゃないけど、浩太たちが野球しているのを見物しているメンバー、と言うより、桃園ミキの躍動する若さにスポットを当てて画像を貼っておく。

勇ましくバッターボックスに立つ浩太の一振り一振りに、一喜一憂するミキとその他の皆さん。

大きな当たりを放った浩太が一生懸命走塁しているのを応援しているミキとその他の皆さん。

三塁打をかっ飛ばし、塁上に立つ浩太に祝福のVサインを出すミキ。

そして、ヒットで本塁に滑り込んだ浩太に、元気良くセーフのゼスチュアをするミキとその他の皆さん。
やっぱりミキは可愛いのです!
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