第32話「ドキッ骨ぬき人間」(1982年9月18日)
冒頭、とある鮮魚店の前に仕入れのトラックが止まり、従業員たちが忙しく発泡スチロールの箱に入った魚介類を荷台から下ろして店先に並べていく。

と、その中に紛れ込んでいた一匹のやどかりがみるみる巨大化して怪物の姿に変わる。今回の怪人、ヤドカリモズーである。
マズルカ「モズー、実験開始だ」
モズー「がってん、ぐにゃぐにゃ骨抜きガースッ!」
すかさずマズルカが現われて命じると、モズーは殻の突起の穴からガスを噴射して、従業員たちの体に浴びせ、どう言う仕組みなのか不明だが、彼らの骨をそっくり抜き取ってしまう。

マズルカ「モズーっ!」
モズー「ぐにょぐにょ、骨抜きガース!」
彼らは近くにいた通行人にも次々とガスを浴びせ、骨抜き人間にしていく。
つまり、タコのように全身がぐにゃぐにゃになって立つことも出来ず、地面に転がって手足をふらふら動かしていると言う状態になってしまうのだ。
……ま、ほんとに骨格を全て抜き取ったら、その時点で
死ぬと思うんですけどね。
それにしても、お世辞にもスタイルが良いとは言えないが、マズルカのハイレグってよく見たら割とイケるよね。ぐふふ。(註・管理人はかなり欲求不満である)

デスマルク「ふぇーっふぇっふぁっはっはっはっ……大っ成功じゃ」
そんな哀れな人たちの姿を肴にグラスに入れたドライアイスを飲んで、すこぶる上機嫌のデスマルク大元帥。
デスギラー「ヤドカリモズーにやられた人間どもは体ばかりかぐにゃぐにゃの意気地なしにされてしまいます」
デスマルク「後はこのデスダークの思いのままに支配してやるのじゃ!」
……と言う訳で、今回の作戦は、全ての人間を骨抜き人間に変えちゃおうぜ! と言う、いかにもデスダークらしい幼稚かつ単純明快な内容だった。
ヤドカリモズーはとある公園に現われ、次々と母親や子供たちを骨抜き人間にして行く。

なんとかヤドカリモズーから逃れて公園から出ようとする太郎とはるみと言う二人の子供だったが、

その前に立ち塞がったのが、毎年
「絶対、結婚式に招待したくない親戚ランキング」の上位を独占しているデスギラーとマズルカのコンビであった。
デスギラー「逃がさん! モズー、こやつらもやってしまえ」
モズー「がってん」
ここで、背後に現われたモズーから逃げようとして走る途中、前のめりに転んだはるみのパンツが丸見えになると言う真性ロリコン戦士が狂喜するカットがありますが、怖くて貼れません。

結局はるみはガスを浴びて骨抜き人間にされてしまい、ぐにゃぐにゃと手足を揺らして苦しむ。
ここも、子役が一生懸命演技をしている姿が可愛らしく、また、地面に寝転がってバタバタ体を動かして、パンツが丸見えになると言う真性ロリコン戦士が……(以下略)
モズーは更に太郎少年も毒牙にかけようとするが、ここで漸くゴーグルファイブが駆けつける。
マズルカ「小癪な、片付けておしまい!」 デスギラー(……えっ、俺に言ってるの?) 反射的に前に出掛けたデスギラー将軍であったが、マズルカの命令が戦闘員に向けられたものだと気付き、なんとかその場に踏み止まるのであった(註・嘘です)。
戦闘員を蹴散らした5人はモズーと戦うが、形勢不利と見たモズーはさっさと逃げ出してしまい、レッドがひとりでそれを追いかける展開となる。
そしてモズーが逃げ込んだのが、油壺マリンパークの通用口であった。

大川「この水槽には5、60種類の肴が泳いでいます。回遊魚と言います」
人間の姿に戻った赤間が建物の中に入り込むと、ちょうど大川と言う警備員が入場者を相手に解説をしているところだった。
で、その大川誠一郎を演じているのが、「帰ってきたウルトラマン」のレギュラーだった三井恒さんなのである。どうでもいいことだが、管理人、今回このDVDをチェックする前に、ちょうど「新マン」のDVDを見ていたので、この顔が出た瞬間、ちょっと笑ってしまった。
それにしても、なんで警備員が客前で解説してるんだろう?
で、大川は偶然にも赤間の知り合いであり、さっきの太郎少年の父親でもあったのだ。

赤間「大川さん!」
大川「いやー、赤間君、久しぶりだね」
赤間「警察をお辞めになったと伺ってはいたんですが」
大川「うん、ここで警備をしてるんだが、なかなか楽しいよ」
大川は赤間との再会を喜び、中を案内しようと赤間を促してその場を離れる。
一方、他の4人は骨抜きにされた町の人たちの救助・治療に当たっていた。

コンボイたちがスクリーンでその様子を見ていると、黒田と青山が駆け込んでくる。
青山「駄目だ、骨抜きにされた人たちを元に戻す方法は医者にも分からないそうだ」
黒田「奴の毒ガスの秘密を分析するしかないな」
そのヤドカリモズーは、小さなヤドカリに変身して水族館の水槽の中に隠れていたのだが、赤間たちがいなくなったのを見届けると、元の姿に戻って水槽から出てくる。

モズー「こらぁ良い隠れ場所があったもんだ、あっは、仲間も一杯いるしよー」
嬉しさのあまりその場で小躍りして歩き出すモズーであったが、その前方に赤間が颯爽と現われる。

赤間「待て、ヤドカリモズー、騙されないぞ」
さすが赤間、水槽をチラッと見た時から既にモズーの存在に気付いていたのだ。
赤間はレッドに変身して戦うが、そこへ駆けつけた大川が加勢しようと果敢にモズーの体にしがみつく。だが、モズーの骨抜きガスから大川を守ろうとした僅かな隙に、レッドは再びモズーを取り逃がしてしまう。

その後、大川は水族館の館長からこっぴどく叱られる。
館長「君が余計なことをするから犯人にも逃げられてしまったんじゃないのかね?」
大川「申し訳ありません、つい警察官だった頃の癖が出てしまって」
館長「水族館ひとつ満足に警備できんとは、全く役に立たん男だ」 大川「申し訳ありません、以後気をつけます」
そこまで言うか普通? と言う血も涙もない罵声を浴びせる、意味もなくハードボイルドな水族館の館長。
こんな水族館、行きたくねえなぁ。
だいたい、戦いの場にはレッドと大川しかいなかったのだから、なんでそんなことが館長の耳に入る事態になったのだろう? モズーが侵入したと言っても別に実害は出ていないのだから、大川も赤間もわざわざそんなことを報告するとも思えず、また館長もそこまで激怒することもないと思うのだが。
ここは、その場にいた客のひとりが巻き添えになり、骨抜き人間にされた……と言う展開にしておけば、館長の腹立ちも納得しやすいものになっていただろう。

アナウンサー「油壺の水族館を襲ったヤドカリモズーの事件ですが、逃がしたのは警備員のミスではないかといわれています」
おまけに、この手の事件が実名(?)付きでニュースとなって流れ、しかも何故か大川の責任まで指摘される異例の事態となる。
これも、モズーは水族館を襲ったのではなく逃げ込んだだけだし、ミスと言うのならむしろレッドのミスと言うべきで、公平さを欠く報道であった。ま、そうしないと話が盛り上がらないからなんだけどね。

赤間「ミスだなんて、ひどいことを言うもんだ」
ニュースを見ていた赤間も、忌々しそうにスイッチを切る。

春男「その警備員さん、赤間さんの知り合いなの?」
赤間「ああ、俺の飼っていた子犬が迷子になったことがあってね、その時お巡りさんだった大川さんが一生懸命手伝って、探し出してくれたんだ」
あかね「優しい人なのね」
まだあどけない春男に問われ、赤間は自分と大川との関係を説明する。
黄島「動物を愛する人に、悪い人はいないよ!」 いると思いますが……。
5人はもう一度ヤドカリモズーの居場所を探し出そうと手分けして捜索に出る。
再び水族館にやってきた赤間は、太郎少年が強く父親を罵って泣いているのに出くわす。上司や世間からも白い目で見られてペコペコ頭を下げている父親の姿を見て、太郎少年の心はズタズタに引き裂かれていた。

赤間「太郎君、モズーが逃げたのはお父さんのせいなんかじゃないさ。それどころか、お父さんは勇敢にモズーに向かって……」
太郎「昔の父ちゃんならあんな奴に絶対負けたりしなかったぞぉ」
赤間「そうか、太郎君は警察官のお父さんが自慢だったんだ」
太郎「だって、あの頃の父ちゃんは凄く頼もしくてイカしてたのに……」
太郎少年、警官だった頃の父親の溌剌とした勤務ぶりを思い浮かべ、溜息をつく。
赤間「太郎君は、どうしてお父さんが警察官を辞めたか知ってるか?」
太郎「逃がしちゃったからだよ、犯人を」
赤間「違う、犯人を追跡中、犯人の車にはねられた少女を助けようとして……そうすることがお父さんは正しいと信じたんだ。子供たちの大好きな水族館を守る仕事は、警察官と同じくらい素晴らしい仕事だと思うけどな」
赤間は、大川が警察官を辞めることになった秘められた経緯まで話して、太郎少年に言い聞かせようとするが、大変聞き分けの良くないお子様でいらっしゃる太郎少年は、「でも、弱虫の父ちゃんなんて好きじゃないっ!」と叫んで、赤間の前から走り去る。
と、青山から連絡が入り、水族館の近くに再びモズーが出現したと知らせる。

ヤドカリモズーの骨抜きガスを浴びて悶え苦しむ子供たち。
この右端の子供の顔が妙に白くて気持ち悪いのである。
5人とモズーとのバトルになるが、戦いの最中、大切な殻が外れて落ちてしまった為、モズーは慌てて退散する。そして、落ちた殻を偶然拾い上げたのが、大川だった。

モズーはあらかじめ目星をつけていた新しい殻を得る為、また油壺マリンパークに舞い戻るが、大川はそこで、元の殻を餌にしてモズーを網で捕まえようとする。
で、色々あって、それは長い長い、永遠に続くのではないかと思われる戦闘シーンを経て、遂にゴーグルファイブがヤドカリモズーを撃破するのだった。
また、モズーの殻に含まれていた骨抜きガスの成分を分析することで、骨抜き人間たちも無事元通りの姿に戻る。そして、勇敢に戦う父親の姿を目の当たりにして、太郎少年も再び父親を尊敬の眼差しで見るようになって万事めでたし、めでたしとなる。

はるみ「ありがとう、おじちゃん!」
元気になったはるみが、プールの清掃をしている大川のところへ来て、明るい笑顔で礼を言う。
なかなか面白い顔してるけど、可愛いよね、この子役。

はるみ「ありがとう、ゴーグルファイブのお兄ちゃんたち」
そして振り向いて、赤間たちにも礼を言う。

赤間「どうだ、太郎君、君のお父さんはちっとも弱虫なんかじゃなかったろう」
太郎「うん、これから僕、父ちゃんの仕事をお手伝いするよ!」
そこへつかつかと館長が来て、「あ、大川君、明日から来なくていいから」と……言いません!

ラストはやっぱりミキのとびきり可愛い笑顔で締めましょう。
それにしても、前にも書いたが「ゴーグルファイブ」って戦闘シーンが長過ぎるよね。
いくら30分枠でも、あれだけ戦闘シーンに時間を費やしたのでは、「ダイナマン」などの25分枠の番組と同じことである。
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