第44話「爆発!マグマ爆弾」(1983年12月3日)
冒頭、ショベルカーが雑草の生えた空き地を掘り起こしている。

……と、思いきや、それはショベルコングと言うメカシンカの巨大な右手の仕業だった。
ショベルコングは、地下にある電話ケーブルを掘り出し、引き裂いていたのだ。
ショベルコング「俺様の怪力にかかったら、地下の電話ケーブルなどこの通り、飴も同然!」

なんか地味な画面だなぁとぼんやり見ていたら、左からいきなりキメラ様のヒップと太ももがぷるるんと降臨されたので、一瞬にして目が醒める。
キメラ「自慢はそれくらいにして、早く次の場所へ急げ!」
その後もジャシンカによる破壊活動が続けられ、当然のことながらあちこちで電話線が寸断され、電話が一切通じず、家庭もオフィスも大混乱に陥る。
ダイナマンは直ちにその調査に乗り出し、事故現場のひとつを訪れる。

レイ「電話ケーブルばかり狙うなんて何か魂胆がありそうね」
北斗「うん、ジャシンカの仕業に間違いないな」
いや、魂胆も何も、電話ケーブルが寸断されたせいで社会機能がほとんど麻痺しているのだから、それで十分ひとつの目的は達せられていると思うのだが。
あと、これだけでジャシンカの仕業だと決め付けるのもどうかと思うが。
ついでに、後ろで聞いている竜の顔がちょっと面白い。
5人が別の事故現場に行くと、

白髪白髯、眼帯をつけ、杖を突いた仙人のような老人が忽然と彼らの前に現われる。
老人「ひっひっひっ、これぐらいはまだまだ序の口じゃ……」

老人「災いの元はもっと北の方角じゃ、ひゃーっひゃっひゃっ」
謎の老人は、それだけ言うと、また忽然と山の中へ消えてしまう。
この顔を良く見れば、これがあの人だと分かってしまうのだが、声も別人が当てているし、OPクレジットに名前が出るなどと言うヘマはしていないので、咄嗟には見抜けない。
北斗は4人と別れ、ひとりで老人の言う北の方角、火ノ神山に向かうことになるのだが、ストーリー上の都合とは言え、いささか不自然である。他の4人に、何か差し迫った用事がある訳でもないのだから。
謎の老人の言ったとおり、ジャシンカの真の狙いは火ノ神山の真下にある洞窟の奥深くで密かに進められていた。

ショベルコング「ようし、大事に扱えよ」
地底から噴き出したマグマが小さなプールのようになっていて、その上に銀色のボールがいくつも置かれ、それを白衣を着た戦闘員が器具を使って慎重に取り出して並べていた。
ショベルコング「見ろ、俺様が作るマグマ爆弾はこれまでの爆弾とは一味違うぞ」
キメラ「マグマエネルギーを爆弾に封じ込めるとは、考えたものね」
ショベルコング、マグマエネルギーを蓄えたボールのひとつを作業中の戦闘員にぶつける。あわれ、何の落ち度もない戦闘員は、あっという間に溶けてなくなってしまう。
ジャシンカも、ショッカー以来の「悪の組織」の悪しき伝統を受け継いでいるようだ。
……しかし、39話ではジャシンカ一族の人口の少なさを嘆いて、それを克服する為の作戦を指揮していたキメラなのに、目前でそんな行為を見逃していいの?
続いて、カー将軍のプレゼンによる、実施予定の映像が流れる。

結構高いビルの屋上の端にショベルコングが立ち、

戦闘員から受け取ったマグマ爆弾を次々と放り投げる。
その絶大な威力で、コンビナートやビルを次々と爆破していく。
しかし、なかなか怖い撮影だよね、これ。一応、命綱はつけてるんだろうけど。

カー「ショベルコングが掘り起こす、あのマグマエネルギーを利用したマグマ爆弾の威力は絶大、奴があれを投げて暴れまわれば、まさに天下無敵!」
珍しく、歌舞伎役者のような見得を切って自信たっぷりに宣言するカー将軍。
でも、だったら、さっきの場面で、戦闘員ごと秘密基地が吹っ飛んでないとおかしいと思うのだが?
それと、マグマ爆弾と、電話ケーブル切断の関係は……?

それはともかく、問題の火ノ神山のふもとで、カンバスを立てて山の絵を描いているミツコと言う少女がいた。その背後にあの老人が現われ、興味深げに絵を覗き込む。
老人「うまいもんじゃなぁ、はっはっはっ」
老人はそう言ってミツコの頭を撫でてやろうとするが、ミツコは気味悪がって避ける。

老人が山に向かって行った後、北斗が爽やかに走ってきて、「お嬢さ~ん!」
ミツコ「私、お嬢さんじゃありません。ミツコ、みんなミッチャンって呼んでるわ」
北斗「そうか、そいつは済まなかった」
相手が違うと、ミツコの応対もえらい違うのだった。
良い子のみんな、お年寄りは大切にしような! 管理人との約束だぜ! ミツコから怪しい老人が火ノ神山に登って行ったと聞いた北斗、自分もそれに続くが、

その途中、行く手の峰の上にキメラとショベルコングが現われる。
うぬ、木の葉っぱが邪魔で大事なところが見えぬ……。
北斗「やっぱり貴様らか、こんな山の中で何をしている?」

キメラ「お前こそ、良くもこんな山の中まで……」

キメラ「ショベルコング、やっておしまい!」
ショベルコング「はい、ドロンジョ様!」
キメラ「誰がドロンジョだ!」 念の為、嘘です。

北斗「ダイナレッド!」
ショベルコング「コングフラッシュ!」
北斗、すぐに変身ポーズを取るが、一瞬早く、ショベルコングの左目が激しく光り、ダイナブレスの回路を焼き切ってしまう。
すかさず巨大な岩を投げ落とすショベルコング。

よける間もなく、それを頭に受けて斜面を転がり落ちていく北斗。
ま、普通、死にますけどね……。
だが、北斗は軽い怪我を負っただけで生きていた。
山の中で、さっきのミツコに出会う。幸い、ミツコの父親は診療所の医者だというので、ミツコは薬や包帯を取りに診療所へ行こうとするが、途中、キメラたちに見付かり、あえなく捕まってしまう。
ミツコの悲鳴を聞いて、再び北斗が山を登っていくと、ミツコを人質にしたキメラたちが高所から北斗を見下ろしていた。

キメラ「この火ノ神山まで嗅ぎ付けてきたのはさすがだけれど、この子を助けたくば大人しくしろ!」
北斗、一度戦闘員に
うっかり抵抗してから、
キメラ「この子がどうなってもいいの?」
北斗(あ、そうだった……)
キメラ「もうっ、馬鹿ばっかりなんだからっ!」
念の為、嘘です(一度うっかり抵抗したのはほんとですが)。

北斗(残念だ、こんな時に変身が出来ないなんて……)
無念の思いで戦闘員に取り押さえられる北斗だったが、不意に空中を杖が飛んできて、ミツコを捕まえていた戦闘員たちを蹴散らし、続いて杖を投げた本人も、空中を飛んで岩場に着地する。

言うまでもなく、さっきの怪老人であった。
こうしてアップになると、もう(視聴者には)分かっちゃうよね。

キメラ「貴様、何をしている」
老人「お前さんたちこそ、こんな可愛いお嬢さんにひどい真似はしちゃいかんなー」
キメラ「……」
悔しそうに口を結ぶキメラ、さすがにその正体が○○○だとは気付かない。
北斗もジャンプして、ミツコのそばに着地する。
キメラは仕方なく、その場は退散する。

老人「もう大丈夫じゃよ」
北斗「すんでのところ、ありがとう」
老人「なんのなんの、こんな可愛いお嬢ちゃんが無事でよかったな、なぁ」(と言って頭を撫でる)
ミツコ「気安く触んな、ロリコン」 老人「……」
北斗「……」
良い子のみんな、お年寄りは大切にしような! 管理人との約束だぜ! 二人が一礼して老人の前から立ち去ろうとした時、老人がいきなり杖を振り上げて襲い掛かってくる。
もっとも、すぐに竜たちが駆けつけたので、老人はすぐにジャンプして何処かへ行ってしまう。
竜「弾、無事か、新しいブレスレット」
北斗「みんな、この子を頼む、俺はあいつを追う」
竜、持参していたダイナブレスを北斗に手渡すのだが、何故彼らは北斗のブレスレットが壊れていると知っていたのだろう。確かに、その前に夢野司令が、北斗との連絡が取れなくなって心配するシーンがあるのだが、それだけでブレスレットが壊れているとは分からないだろう。
あるいは「ゴーグルファイブ」のように、ダイナマンの司令部には各メンバーの状態がリアルタイムで分かるモニターでも設置されているのだろうか?
CM後、山の中を老人とは思えぬ速さで疾走する謎の老人。
北斗はダイナレッドに変身すると、空を飛んでその前方に着地する。

老人は衣装を脱ぐと、あっさりその正体を明かす。
言うまでもなく、それはダークナイトの仮の姿だったのだ。無論、老人の時の声も、飯田道郎さんが吹き替えていたのである。
ダークナイト「地獄の闇からやって来た。闇の使者、ダークナイト!」
ダイナレッド「今日こそは貴様の正体を暴いてやる」

ダークナイト「むぁて、慌てるな、あれを見ろ。あの洞窟がジャシンカ一味のアジトなのだ」

ダークナイトに示された方を見たレッド、ダークナイトの言葉が真実であると見抜く。
何故なら……、
その洞窟の入り口には、ジャシンカの戦闘員が、これ見よがしに立っていたからである! 
レッド「ねえ、ジャシンカって馬鹿なの?」
ダークナイト「たぶん」
じゃなくて、
ダークナイト「奴らはあの工場で恐ろしい爆弾を作っている。急がないと手遅れになるぞ!」
ダークナイトはそれだけ言うと、剣をかざして閃光と共に姿を消す。
レッド「ダークナイト! 奴は一体何者なんだ?」
その後、マグマ爆弾をトラックで運ぼうとするキメラたちと、ダイナマンたちとの間で激しいチェイス&バトルが繰り広げられる。

マグマ爆弾ごとトラックを破壊されたキメラ、既に作戦は失敗したと思われるのだが、何故か戦闘員たちをせかして、有名な鎖場(鎖を伝って這い登る険しい斜面)を登らせている。
そして、これも有名な妙義山の石門のひとつ、第四石門に到達する。

で、例によってストーリー的には何の意味もない、キメラ様の画像を多量に貼ってしまう管理人であった。
いや、やっぱりこの股間の切れ込みは、ちょっと堪らないものがあるのですね。
思うに、キメラのハイレグがこんなにエロいのは、単なるハイレグではなく、その上にスカートのような鎧をつけているから、カメラアングルやキメラの動きによって股間部分がちらちら見えたり見えなかったりする、そこが良いんだよね。
だからして、全裸の女性より、半裸の女性の方がエロいのである!(さっきから何を言うとるんだ私は?)

だが、石門を抜けたところで、空からダイナマンが降ってきて、5人が同じ動きをしながら、
レッド「ショベルコング、ダイナマンがいる限り、東京じゅうを火の海にはさせないぞ!」
レッドが、カッコよく啖呵を切る。
それを、ぼーっと見ているキメラ様の後ろ姿が何気にツボである。

ラス殺陣は、妙義山のあちこちの峰に散らばっての、スペクタクルな構図で行われる。
やっぱり、場所が場所だけにみんなの動きもやや控え目なのだが、

春田さんのダイナブラックだけは、

ブラック「クロスカッター! とりゃあああーっ!」
高くて狭い足場で、切れ味鋭い後方回転を披露している。
いやぁ、見てる方が怖くなっちゃうアクションである。
ショベルコング、山を降りてからやっとマグマ爆弾を二発ほど投げているが、その威力はいつものメカシンカの起こす爆発と大差なく、あっさり倒されてしまう。
……で、結局、電話ケーブルの切断はなんだったの? 途中で何か説明があるかと思ったら、案の定、何もなかった。
と言うか、戦闘員一名を消滅させただけのマグマ爆弾作戦より、社会に多大な混乱を巻き起こした電話ケーブル切断作戦の方がよっぽど成功していると思うのだが?

事件解決後、平和になった火ノ神山で、再び絵筆を取っているミツコ。ただし、今度は山の絵ではなく、北斗をモデルにした人物像である。
耕作「うまいもんだなぁ」
竜「本人より良いね」
耕作「ねーねー、お兄ちゃんにも描いてくれるかい」
ミツコ「ええ、その代わり、ご褒美くれる?」
耕作「ご褒美って」

ミツコ「山はお友達が少なくて寂しいの、また、みんなで遊びに来てね」
北斗「勿論、お安い御用さ」
関係ないが、この画像の竜が、妙に男前である。
北斗「なかなか良く描けてるな、二枚目でしょ」
竜「うーん、どうでもいいよ」 がやがやとみんなが喋る中、さりげなくきつい返しをする竜であった。
ラスト、みんなミツコに絵を描いてもらおうと、カンバスの前に競うように立って、ひとりひとりお澄ましポーズを取るのだが、

耳を掴んで首を傾げるレイがとても可愛いのである!
……と言う訳で、終わってみればジャシンカの作戦の粗雑さが際立つだけのエピソードであった。
それにしても、今回のダークナイト、一体何を考えていたのか、その正体を知っている我々の目からしても首を傾げてしまうような行動が目立った。
一応、ラス殺陣で、ショベルコングについて「口ほどにもない奴だ」と吐き捨てているので、やはり、ダイナマンとジャシンカを噛み合わせようとしていたのだろうか? それにしては、ダイナマンへの肩入れに偏り過ぎているように思えた。
その行動は、ほとんど正義のヒーローと変わりなく、ひょっとして、そのうち夢野司令と共に本部に現われて、
夢野「諸君、今日から君たちの行動隊長となるダークナイトだ。ひとつ仲良くやってくれ」
ダークナイト「よろしく頼むぜ」
みたいな、「ジャッカー電撃隊」におけるビッグワンのような立ち位置に収まるのではないかと危ぶまれるほどであった。
それは、
「僕らが主役の筈だったのに、途中から登場したビッグワンに番組を乗っ取られて、子分にされちゃった事件」と呼ばれ(註・呼ばれてへん、呼ばれてへん)、歴代のスーパー戦隊メンバーの間で忌むべき出来事として語り継がれている悪夢の再来と言えるだろう。
無論、実際にはそんなことにはならなかったのだが。
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