第3話「私を食べないで」(1971年10月17日)
このドラマの面白さはひとえにメインライターの辻真先氏の才筆にあることは論を俟たないが、担当話数は少ないものの、市川森一氏の存在も大きかったと思う。
で、この3話が市川氏の担当した最初の回となる。
朝、ひかるが子供たちと一緒に登校していると、上空に見慣れた型の宇宙船が飛んでいるのに気付く。
ひかる(アルファ星の円盤だわ、私の星の円盤が今頃どうして地球へ? 私を連れ戻しに来たのかしら)
ひかる、心配になって、人目につかない場所で指輪に息を吹きかけて瞬間移動する。

だが、急いでいたせいか、学校の校庭の木の上に移動してしまう。
本当は下宿のバルのところへ移動するつもりだったのだろうか?

ひかる「あら、へんなところ出ちゃった!」
驚いて幹に足を絡ませるひかる。

山部「あ、月先生、そんなところで何してるんですか?」
その下で掃除をしていた用務員の山部、気配に気付いてひかるを真下から見上げる格好になる。
当然、ミニスカのひかるの見えてはいけないところが見えてしまい、
ひかる「きゃっ、エッチ! ああーっ!」 思わずスカートの裾を両手で押さえると、悲鳴を上げながら落下してしまう。

山部「あっ、ああ……」
ひかる「おはようございます」
山部、美味しそうなひかるの体をお姫様抱っこの要領でなんとか受け止め、至近距離で顔を合わせる。
……
管理人はこの時ほど、奥村公延さんになりたいと思ったことはない! 
ひかる、そそくさと足を下ろし、校舎の方へ。
山部「おはようございます……」
山部、ぼーっとした顔でひかるを見送り、陶然と木の幹に抱き付く。
ストーリーはまだ一切動き出していないのだが、管理人的にはこのシーンだけで早くもお腹いっぱいの感じである。
こういう爽やかなお色気(と言うほどでもないのだが)が、今となっては実に新鮮に映り、甘酸っぱいトキメキさえ覚えるが、8話以降は意図的にか、この手のシーンがほとんど見られなくなるのが残念である。
それにしても、菊さん、女性ながらよくあんなところに立てるものだ。運動能力が高い上に度胸がある。今回の終盤ではちょっとしたアクションも披露しているから、シリーズ途中でプロデューサーが
「よし、変身ヒーローものにしよう」などとトチ狂ったことを言い出したのも、彼女のたぐいまれなアクションヒロイン適性あってのことだったのかもしれない。

校庭では、ツトムと言う5年D組の生徒が、色んな草花を採集した本を、自慢げに他の子供たちに見せていた。
太一「すげえなー、よく集めたな」
ハルコ「ツトムさん、凄いわ!」
愛しのハルコちゃんにまで誉められて、人生のピークを迎えるツトムであったが、

正夫「へーっ、そんなものが凄いかよー!」
輪の外からタツノオトシゴの大声がして、みんな一斉にその方を見る。
振り向いたハルコちゃん(右下)が可愛いので貼ったのだが、今回は彼女の出番はほとんどなく、このカットくらいしか貼るべきものがないのが口惜しい。

正夫が大きな標本の箱を掲げて見せびらかすと、現金なもので子供たちはあっという間にツトムのそばから離れ、正夫の標本に群がる。
正夫「凄いだろう、へっ、ざまーみろ」
子供たちの頭越しに、ひとりぼっちになったツトムを馬鹿にする正夫。
こういう子供の残酷さも、しれっと描かれているのがこのドラマのトレビアンなところである。

ツトム「生き物をそんな目に遭わせて何が面白いんだ、野蛮人!」
正夫「へーっ、草や葉っぱだっていきもんだぞ」
ツトム「草や葉っぱが痛がるかよ、お前、今に昆虫のバチが当たるぞ! この人殺し!」
正夫「ばーか、虫は人間じゃねえや」
ツトム「虫殺し!」
ツトム、なかなか気の強いところがあって、ガキ大将の正夫相手にも一歩も引かず、その所業を真っ向から非難し、激しく罵る。

正夫「虫殺しだと、チクショウ!」
喧嘩っ早い正夫、カッとなってツトムを地面に押し倒し、右拳を振り上げるが、

横から伸びた手がその手首を掴み、制止する。
無論、ひかるであった。

ひかる「おやめなさい!」
ひかる、基本的にあまり子供たちのいざこざに介入しない先生なのだが、目の前で暴力が振るわれるのを黙って見過ごすほど甘くはない。
強情なツトムであったが、そこで手で顔を覆っておんおん泣き出してしまう。

奇しくも、その後の理科の授業は、草花に関するものだった。
ひかる「皆さんの周りにある草や木や花は、他の動物たちや人間と同じようにみんなちゃんと水や空気を吸って生きてるんです」
と、自分の持論を否定されたようなひかるの説明に、ツトムは思わず「嘘だっ」と叫ぶ。

ひかる「嘘じゃないのよ、花はね、昼間は炭酸ガスを吸って酸素を吐いて、夜は酸素を吸って炭酸ガスを吐いて生きているのよ」
正夫「先生、草や葉っぱを切ると痛がりますよね」
ひかる「勿論、痛がるわよ。だから花は可愛がって上げなくちゃ」

正夫「おい、先生だって痛がるって言ったぞ、ざまーみろ」
正夫、世にも憎たらしそうな顔でツトムに追い討ちをかける。
ツトム「嘘だ、絶対、嘘だ!」
ツトム、そう叫ぶといきなり教室を飛び出してしまう。

ツトム「木や花が痛がるもんか、やい、痛いなら痛いって言ってみろ」
ツトム、校庭の花壇のところに行くと、手当たり次第にそこに生えている草花を引き抜いては地面に叩き付けたり、投げ散らしたりするのだった。
植物が痛覚や感情を持っているというのは、植物採集だけが生き甲斐のツトムにとってはアイデンティティーの崩壊に等しい価値観の転換なので、こんな奇矯な行動に走ってしまったのだろう。

ツトム「草や花が痛がって死ぬもんか。嘘に決まってる……」
教頭「おーい、こらこら何しとるんだ、授業中だろ」
ツトム「植物が痛がったりするんですか? そんな筈ないよね、月先生は嘘言ったんだ」
屋上に上がって泣いていたツトムを教頭が見付け、注意する。
ツトムは教頭に対しても自分の持論を主張するが、ひかるの名前を出したので話がややこしくなる。
教頭「月先生、あんたの教育は間違ってますぞ!」 ひかる「……」
とまあ、こう言うことになるのだ。
路線変更までは、教育方針に関して、ひかるが、校長や教頭たちと衝突するのはちょくちょく見られるパターンとなっている。

教頭「林田ツトムと言う生徒は、他の学科はまるでダメ、植物採集だけが得意と言う生徒なんです」
校長「教頭先生の仰ることはごもっともです」
旗野「しかし、月先生が言ったことも間違ってるとは思われません!」
校長「それもごもっともです」
教頭「校長、真実はひとつですぞ!」
校長「ごもっとも」
当のひかるより、付き添いの旗野先生のほうが熱くなっていた。

そのやりとりを窓から盗み聞きした正夫たちは、ツトムのところへ行き集団で因縁を付ける。
正夫「おい、お前のお陰でな、かぐや姫先生しごかれてるぞ」
太一「お前が教頭先生に変なこと言ったんだろう?」
進「裏切り者」
ツトム「し、知らねえや」
ツトム、進の体を突き飛ばして走り去るが、ちょうどその時、彼らの頭上をあの円盤が飛んでいくのが見えた。

正夫「あーっ! 空飛ぶ円盤だ」
進「ほんとだ」
太一「あー、どぉこぉー?」
マルタンボウとあだ名される太一は、ぼんやりしていて見逃してしまう。

正夫たちはツトムどころではなくなり、泡を食って校長室へ駆け込む。
進「空飛ぶ円盤が現われたんです」
ひかる「えっ」
旗野「なにぃ、空飛ぶ円盤?」
校長「馬鹿なことを言うのはおやめなさい」
教頭「君たちは先生をからかいに来たのかね」

旗野「さあ、出て出て……」
無論、そんな話を大人たちが真に受ける筈もなく、旗野先生に促されて部屋を出て行く。
だが、ひとりだけ円盤と聞いて顔色を変えたものがいた。ひかるである。

子供たちが出て行った後、校長たちがさっきの話を蒸し返すが、ひかるは上の空で、前傾姿勢で窓の向こうの空ばかり見上げている。
菊さんの芝居が上手いが、同時に妙に可愛く見える。
校長「どうしました?」
ひかる「あ、あの、私、ちょっと見て参ります、その、空飛ぶ円盤を……」
ひかるは、正夫たちと一緒に屋上から空を見ていたが、再び円盤が頭上を横切る。進が、わざわざ家から持ってきたのか、ポラロイドカメラで写真に収める。
当時、既にポラロイドカメラがあったのかと少し意外な気がする。ただし、モノクロである。

ひかる(アルファ星の円盤に間違いないわ)
正夫「先生、これ新聞社に持って行こうか……」
ひかる「ダメーッ!」 正夫の言葉に、ひかるが突然、素っ頓狂な声を張り上げる。

ひかる「ね、円盤のことは4人だけの秘密にしてちょうだい、ね、誰にも言わないって約束して、ね、ね、いいわね?」
正夫「うん」
ひかるにこれだけ熱心に頼まれたら、誰だってイヤとは言えないのである。
ひかる「こうしちゃいられない、今日はもうみんな帰っていいわ」
ひかる、写真を手にさっさと学校をあとにする。

正夫「おい、帰っていいだってよ!」
進「ブラボー!」
午後の授業が吹っ飛んだので、子供たちは大喜びするが、
教頭「校長先生、大変でございます。月ひかる先生が授業を放棄して帰りました」
校長「ブーッ!」
報告を受けた校長は思わず飲みかけたお茶を教頭の顔に吹き出す。
回を追うに連れてひかるもだんだん本物の先生らしくなっていくが、この辺はまだかなりいい加減である。

ひかる、空を飛んで下宿近くの竹薮の中の小道に降り立つと、スプリンターのように駆け抜ける。
前髪が垂れて可愛く見えて、おまけに下着も見えると言う、一粒で二度美味しい画像である。
ひかるは下宿に帰ると、雨戸を閉め切って邪魔が入らないようにしてから、バルのいる隠れ部屋に入る。

ひかる「パル、起きて! ね、大変なんだったら!」
基本的にいつも暇を持て余しているバル、気持ち良さそうに眠っていたが、

ひかるに揺り起こされ、その勢いでベッドから転げ落ちてしまう。

バル「あ、いて……いい夢見とったのになんじゃ、もう夕方か?」
ひかる「寝惚けて何言ってんのよ、まだ昼過ぎよ」
バル「なに、昼過ぎだと?」

バル「まだ昼過ぎなのになんでのこのこ帰って来た? さてはさぼってきたな、この横着者」

ひかる「違うんだったらぁ」

バル「先生の癖して学校をさぼってくるとは何事だ、ええー? おらぁ許さんぞこの不良教師め」
ひかるの声に耳を貸そうともせず、白い眉毛を上下に動かしながら一方的にひかるを叱るパル。
膨れっ面で横を向くひかるが可愛いのである!
どうってことのないやりとりなのだが、管理人が心の底からしみじみと「このドラマって面白いなぁ」と感じたのは、実はこのシーンだったりする(他にもあるけどね)。

ひかる「わけも聞かずに怒鳴り散らすのはやめてちょうだい」
バル「じゃあさっさとわけを言いなさい」
ひかる「アルファ星の円盤が迎えに来たのよ」
バル「おっ、そりゃ本当か」
ひかる「写真があるわ」
バルも、それを見て、アルファ星の宇宙船だと確信し、興奮気味の声を上げる。

バル「おおーっ、なつかしや、まさしく我らが星の円盤! 迎えに来てくれたとはうれしや……そうと決まったら早速帰り支度をせねば」
バルも、円盤が彼らを迎えに来たのだと早合点するが、その反応はひかると対照的で、心から嬉しそうにいそいそと帰り支度に心を馳せる。
これも回を追うごとに変わっていくのだが、バルは、元々地球のような文明の遅れた星に配属されたのがイヤでイヤで堪らず、一刻も早く帰りたがっていたのだ。

ひかる「私はまだ帰らないわよ」
バル「帰らない? その心は?」
ひかる「だって、折角生徒たちとも仲良くなれたばかりなのに……」

バル「姫は初めての旅だからおセンチになっとるのだ。しかし、よく聞けよ、俺も今まで色んな星を旅して廻ったが、こんな住みにくい星は滅多にあるもんじゃないぞ。子供は揃って我儘だし、大人は間抜けばかり……俺はもうこんな星には一日だっていたくはない。ともに我らが星へ帰ろうじゃないか、姫よ」
バルは熱心に説くが、ひかるは「イヤよ!」と断固として反対する。
ひかる「私、この地球の子供たちが好きなの……子供たちの為だったら、なんだってやってやりたい気持ちになってるのよ」
バル「ふん、姫のそんな優しい心も地球のガキどもにはわかりゃせんのだよ」
それにしても、「魔女先生」の台詞の多いこと。この場面だけで、「仮面ライダー」まるごと1話分の台詞がありそうだ。
ちなみに、バルの言葉で、ひかるの平和監視員としての任務が、この地球が初めてだったことが分かる。
しかし、生まれた星から出たこともないのに、いきなり平和監視員に抜擢されると言うのは、若干無茶のような気もするが……。
それに、少し後にひかるはその優秀さを認められて上級監視員(アンドロ仮面)に推挙されるのだが、これも、平和監視員として最初の任務も完遂していないのに昇級すると言うのも、不自然な気がする。
同じ頃、ひかるに相談しにツトムが下宿のそばまで来ていたのだが、(多分、ひかるが早退したので心配になった様子を見に来た)旗野先生が、ひかるに「誰も近付けさせないで欲しい」と頼まれていた竹取夫妻にナギナタで追い払われるのを見て、諦めて引き揚げようとするが、竹やぶの中で、珍しい花を目に留める。

ツトム「なんて綺麗な花だ……いけない、花は生き物だから取っちゃいけないんだ……でも、殺さなければいいんだ」
ツトム、反射的に花を摘もうとするが、ひかるに言われた言葉を思い出し、自制する。
それでもどうしても欲しくなったツトムは、根っこを掘り返してまるごと自宅に持ち帰る。
ツトム、その花を鉢に移し替え、植物図鑑と首っ引きで何という花なのか調べていたが、植物図鑑には載っておらず、分からないままだった。
だが、花が大きな花弁で迷い込んできた蝶をパクッと食べてしまったことから、食虫植物だと言うことが分かる。

一方、バルは通信機で、かの宇宙船と連絡を取ろうとしていた。
バル「シーキュー、C調、シーキュー、シーキュウに応答せよ」
声「こちらアルファ星、宇宙パトロール船ナンバー3」
ひかる「通じたわ」
全編通して、機械的なアルファ星人の声はナレーターの天地総子さんが演じている。昔のカツオみたいな声である。

バル「こちらバルじゃ、出迎えご苦労」
声「我々はお前たちを迎えに来たのではない」
バル「なぬっ」
ひかる「じゃ、何しに来たの?」
声「我々のレーダーがピラズモンの反応をキャッチした。恐らくお前たちの宇宙船の中にピラズモンの種が紛れ込んでいたのだろう。我々はピラズモンを回収に来たのだ」
バル「迎えに来たんじゃないの?」
バル、当てが外れてがっかりする。

ひかる「ピラズモンって、なんなのそれ?」
声「ピラズモンは恐ろしい人食い植物だ」
ひかる「人食い植物?」
ひかる、連れ戻しに来たのではないと分かって安堵するが、同時に「人食い植物」と聞いて不安に駆られる。
竹やぶへ行き、宇宙船が着陸したあたりを探し回るが、それらしい植物は生えていない。
そう、言うまでもなく、ツトムが持ち帰った花こそ、ピラズモンだったのだ。
そうとは知らないツトム、愛情込めて育てていたが、

餌となる昆虫を採りに出掛けている間に、窓から帰ってきたペットの白猫がピラズモンに食われてしまう。

ツトム、近くの山で昆虫を採ろうとするが、慣れていないのでなかなか捕まらない。
それにしても、家のすぐ近くにこれだけ豊かな自然があったとは……昔の子供は贅沢だよね。

ツトムは、同じく昆虫採集していた正夫と会い、食虫植物を見せてやるから昆虫を集めるのを手伝って欲しいと頼む。
しかし、こいつさっき正夫のことを「虫殺し」とか散々罵倒していたくせに、今度は嬉々として昆虫を餌として集めようとしている……。
首尾よく大量の昆虫を集めたものの、自宅に戻ってみると既にピラズモンは鉢植えから出て、何処かへ行ってしまったあとだった。
正夫は植物が勝手に歩き回るなどとは信じず、機嫌を損じてツトムを嘘つき呼ばわりして帰ってしまう。

ツトム「俺、嘘なんかつかないのにな……あっ、あいつ、猫食っちまいやがった!」
ツトム、しょんぼりと辺りを見回していたが、机の上に飼い猫の首輪が落ちているのを見て愕然とする。

その夜、正夫が自室で漫画雑誌を読んでいると、窓の外に何か気配を感じ、そちらを見遣ると、
巨大な植物のお化けが立っていた。 そう、ピラズモンが一気にここまで成長したのである。

庭に繋がれていた番犬のシェパードが激しく吠え立てる。
この映像、確か「仮面ライダー」の53話で使われていたと思うが、

こっちではちゃんと、別の角度からの映像があってピラズモンも映り込んでいる。
……と言うことは、「魔女先生」が「仮面ライダー」の映像を借りたのではなく、その逆だったらしい。
もっとも、この犬の映像、「仮面ライダー」のもっと前のエピソードで見た(おぼろげな)記憶があるので、いまひとつはっきりしない。私の記憶違いだろうか。
やがて、バルの探知機でピラズモンの居場所を知ったひかるが正夫のうちへやってくる。
だが、既にピラズモンは、番犬を食い殺し、別の場所へ移動していた。
で、ちょっと分かりにくいのだが、ツトムがひかるの下宿の中庭で、ピラズモンに襲われているのである。
恐らく、ピラズモンを探しに最初に発見した竹やぶへ行き、そこで襲われて下宿の方へ逃げ込んだのだろう。
あるいは、もう一度ひかるに相談しに来て、たまたまピラズモンと遭遇したとか?
ピラズモンは、育ててくれた恩人であるツトムまで見境なく食い殺そうとするが、

ひかる「お待ち!」
中庭を見下ろす母屋のひさしの上に、颯爽とひかるが現われる。
ひかる「ツトム君! ラーッ!」
ひかる、ツトムが恐怖のあまりに気絶するのを見て、ひさしから一回転して着地する。
管理人、今回レビューの為にチェックして初めて気付いたのだが、ひかるはアンドロ仮面になる前から、「ラーッ!」と叫んでいたんだね。
もっとも、正確には「(アンド)ローッ!」と叫んでいるらしいのだが、何度聞いても「ラーッ!」としか聞こえないのでこう書く。

ツトムの身を守りながら、ピラズモンと対峙するひかる。

ひかる「う、う……、くはっ」
太いツタを首に巻かれ、苦しむが、豪快な右足蹴りを放って振りほどき、前転して距離を取って向き直る。

ひかる「うわっ!」
ピラズモンの攻撃をかわそうとして、再び下着がチラチラする。
路線変更後の本格的なアクションほどではないが、それでも菊さんのたちまわりはサマになっている。
これを見ると、あるいはもっと早い段階から、プロデューサーは、変身ヒーローモノへの路線変更を画策していたのではないかと考えたくなる。

バル「姫、子供のことは心配するな、早くリングを使うのじゃ」
ひかる「うん!」

ひかる「ムーンライトパワー!」
ひかる、隠し部屋から出て来たバルが、ツトムの体を抱きかかえたのを見て、切り札のムーンライトパワーを発動させる。

小さなボーリングの球のようなオレンジ色の光球を作り出し、それをピラズモンの貪欲な口の中に放り込んでやると、ピラズモンは爆発を起こして倒れ、消滅する。

ひかる「ふーっ!」
そんな宇宙怪物と戦ったのは無論初めての経験であったろう、ひかるは大きく息を吐き出し、

ひかる「うふっ」
それからホッとしたような笑みを浮かべる。

ここで部屋の方に振り向いた時のひかるの横顔が綺麗だったので貼って見ました。
(なんという中身のないレビューだろう)

ひかる「やったわバル!」
ツトム「あ、先生! ……ああっ、バケモン!」
ツトム、ひかるの声に目覚めるが、自分を抱きかかえている異形の生物を見て再び気絶してしまう。
バル「バケモン? 全く近頃の人間のガキは扱いにくいわい。ほれっ」

ひかる「ツトム君? ツトム君! ……うっふふっ」
バルからツトムを受け取り、他愛なく眠っているツトムの額に、自分の額をつけて微笑むひかるが可愛いのである!
菊さん、ほんとに自分の子供たちのように子役たちに接していたのではないかなぁと思えるシーンである。
まぁ、子供と言うにはちょっと大き過ぎるから、弟か、甥かな?
どっちにしても、この番組で菊さんと共演できた子役は三国一の幸せ者である。
以上、舐めるようにレビュー、と言うより賞玩した管理人であったが、実はシリーズ中ではあまり面白くない部類に入るエピソードなのである。
サブタイトルと内容が合ってないような気がするし、前半と後半がまるで別のドラマのようなちぐはぐな印象を受けた。
実際のシナリオは、もっと市川さんらしい奥の深いストーリー(植物に感情はあるのか、ないのか、みたいな哲学的な……)だったのに、途中から無理矢理「仮面ライダー」っぽいものに変更されてしまったのではないかと邪推したくなるほどであった。
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