第40話「バビロス号SOS」(1984年12月28日)
今回、紹介するのは、個人的にちょっと思い出深いエピソードである。何故なら、管理人は数年前にDVDメディアで初めて「シャイダー」を見たのが、その際、最初に見たのが、この40話だったからだ。
オンエアからうん十年ぶりに見て……それも、当時はあまり熱心には見ていなかったので、ほとんどまっさらな状態で鑑賞することが出来たので、ある意味、この40話が自分にとってのファーストインプレッションとなったと言ってもいいだろう。
で、その時の印象をはっきり覚えているが、
「思っていたより面白いな」と言うものだった。
何度か書いたことがあるが、当時、自分の「シャイダー」に対する評価は異様に低く、単に次の41話に塚田きよみさんが出ているから見ようと思っただけだったのだが、良い意味で裏切られた訳である。で、それからしばらくして、じゃあ、他の巻も見てみようと言うことになったのだ。
しかし、最初に見たのがこの40話じゃなくて、個人的にはワーストの39話とかだったら、それっきり他の回は見ようとすらしなかった可能性もあるので、どんな作品であれ、最初にどのエピソードを見るかは割と重要である。
前置きが長くなった。
冒頭、不思議宮殿で、メンバー全員による月に一度のお楽しみ映画鑑賞会(銀河鉄道999とか)ではなく、過去の自分たちのやられ映像(と言うかシャイダーの活躍)をスクリーンに映し出して観察し、シャイダーとアニーに対する対策会議が開かれている。
ギャルたちも自由闊達に意見を述べている。
つーか、これって前にもやりませんでしたっけ、上原さん?
ま、とにかく、今回の討論は「バビロス号さえなければ……」と言う嘆きにも似た恨み節に着地点を見出してお開きとなり、村さ来での二次会へと雪崩れ込む(込むかっ)。
基本的な方針は一決したが、どうやってバビロス号を沈めるのか、それが問題であった。
ヘスラー「バビロス号は難攻不落の要塞だ。我がフーマの全空軍をもってしてもとても……」 ポー「私に良い考えがございます」
前線指揮官のヘスラーですら、「わてらでは到底太刀打ちできまへんえ」と妙に自信たっぷりに弱音を吐く始末で、そもそも簡単にバビロス号を落とせるぐらいなら、過去39連敗もする筈がないのだ。
しかし、これも前に似たよう台詞を聞いたことがあって、同じようなツッコミを入れた記憶もあるが、たかが新米宇宙刑事に配備されたメカ一台に、全銀河征服を目論むフーマの全空軍が束になってもかなわないと言うのは明らかに変である。
だったら、銀河連邦警察がバビロス号を量産してすべての宇宙刑事に与えてやれば、フーマの野望などあっという間に粉砕されてしまうだろう。
それはさておき、クビライは不思議獣テロテロの卵を生み出し、神官ポーに与え、「テロテロ作戦」が実行にされることとなる。

クビライ「テロテロ作戦で見事バビロス号を葬ってみよ」
ポー「かしこまりました」

クビライの言葉に、一斉にぺこりと頭を下げるギャルとミラクラーたち。
なんか、朝礼で校長先生の長話を聞いている女子高生と男子高生に見える……。
ヘスラーは体育教師、ポーは教頭先生である。

タイトル表示後、アニーが都内をパトロールしていると、急に前方から自転車に乗った二人の子供が飛び出してきたので、慌ててハンドルを切ってよける。
塀すれすれのところで停まったRX-7の窓を、その子供たちがガンガン叩いて、
男の子「怪我はないかー」
女の子「怪我はないか」
アニー「びっくりしたぁ、いきなり飛び出してくるんだもの」
男の子「わりぃ、わりぃ」
女の子「ごめんね」

女の子「これあげる。お詫びのしるしよ」
アニー「いいわよ、大事なものでしょ」
女の子「大事なものだからあげる」
男の子「ユキのベッドはぬいぐるみだらけなんだ、ひとつぐらいどうってことないんだ」
女の子「どうってことないんだ」
可愛いが何処となく奇妙な言葉遣い子供たちにうさぎのぬいぐるみをプレゼントされるアニー。
子供たちと別れると、嬉しそうにそれを助手席に座らせて車を発進させる。
ちなみにこの女の子を演じているのは、のちに「スケバン刑事1」の子供時代のサキ、「スケバン刑事3」の翔を演じることになる林美穂さんである。
彼らのやりとりをヘスラーとギャルたちがビルの屋上から見下ろしていたが、アニーの車が走り去ったのを見届けると、くるっと振り返り、いつの間にか背後に立っていたあの子供たちをねぎらう。
ヘスラー「うまくいったぞ、よくやった」

と、二人の姿は、腹ペコのガーキとヤーダに変わる。
そう、あの子供たちは珍獣が化けていたものだったのだ。
ぬいぐるみを手にバビロス号に戻ってきたアニーだが、その途端に警報ブザーが異物に反応して鳴り出す。

アニーは即座にセンサーボックスにぬいぐるみを入れ、分析を行う。
アニー「炭素質の生命体反応……卵! 卵が縫い込めてある」
アニー、レーザーセンサーガンを抜いてセンサーボックスの蓋を開け、即座に卵を処分しようとするが、

卵はあっという間に孵化して、テロテロの幼体が飛び出し、アニーの手首にまとわりつく。
なんとか振り落として撃ち殺そうとするが、なにしろ標的が小さくて動きが素早いので狙いが定まらないうちにバビロス号の奥深くに潜り込んでしまう。
……
なんか、これって、「宇宙刑事シャリバン」の21話「密室の牙・リリィはミステリーがお好き」と同じような気がするんですが、上原先生!
あと、そんなに易々と異物を送り込むことが可能なら、わざわざ不思議獣の卵じゃなくとも、超強力な時限爆弾でも仕込んでおいた方が簡単だったんじゃないの?

薄暗いバビロスの機械室を、銃を握り締めて探索するアニーが可愛いのです!
「エイリアン」のようにドキドキするシーンになる筈なのだが、

襲ってくるのがこんなのでは、いまひとつ恐怖感が盛り上がらない。
一方、フーマはそれと並行して大ちゃんに対する罠も用意していた。
同じくパトロール中の大ちゃん、マンションの前で人だかりができているのを見て、何事かと行ってみる。

大「小次郎さん!」
小次郎「おお、大ちゃん、大変だよ。11階の親子がギャングに監禁されてんだ。その上、犯人グループは10億円分の金塊と」
陽子「脱走用のヘリコプターを要求しているそうよ」
野次馬の中に小次郎さんたちもいて、口早に大ちゃんに状況を説明する。
良一「一時間以内に準備しないと人質を殺すってよ」
恵子「かわいそう」

ルミ「スーパーマン呼ぼうよ」
ワタル「宇宙刑事
でも良い」
思わず
「『でも』ってなんだよ、『でも』ってぇーっ?」とワタルの胸倉を掴みたい衝動に駆られる大ちゃんであった。

信「シャイダーは何処にいるんだろう?」(棒読み)
さっきも言ったように、事実上、初めて見たエピソードだったのだが、管理人、このシーンを見て、「ギャバン」の陽一役・藤原進氏が、「シャイダー」にもレギュラーとして出演していたことを初めて知ったのである。
同時に、「ギャバン」から2年近く経つというのに、藤原進氏の演技力が
まったく上達していないことも知ったのである。
大ちゃん、「大変だね、じゃ、僕は用事があるんで……」と行きかけたが、ギャングが特殊な銃を使っているのを見て、これは警察の手に負えないと自ら人質の救出に乗り出すことになる。
考えたら、これこそ「刑事」としての本来の職務なんだけどね。

さて、再びバビロス号のアニー。
引き続き、銃を手に緊張の面持ちで船内を探索していた。
しかし、そのことを大ちゃんに一切報告しないと言うのはいささか手抜かりのように思える。やはり後で自戒しているようにまだ宇宙刑事としては未熟で、怪物を仕留めることで頭がいっぱいいっぱいになっていて、そんな余裕もなかったのだろうか。

ま、それはそれとして、レオタードのような制服に包まれたアニーのヒップが、歩くたびに左右に躍動するのがしっかり見えて、絶景なのである!
射撃練習場でようやくテロテロを発見してビームを撃つアニーだったが、テロテロはレーザービームのエネルギーを糧として成長する性質があり、逆に一気に成体まで成長してしまう。

大人になったテロテロに殴られて、吹っ飛ばされるアニー……のお尻。

アニー(フーマの不思議獣! ぬいぐるみに仕組まれていた。フーマの罠だ!)
あまりに綺麗なのでつい二枚も貼ってしまった。
テロテロはバビロス号の中枢部に入り込み、プラズマブルーエネルギー発生装置のコントロール基盤をめちゃくちゃに破壊してしまう。
つまり、これで大ちゃんがシャイダーに焼結できなくなり、笑顔が素敵なだけの
役立たず好青年に成り下がってしまった訳である。
アニーも、なんとか食い止めようとするが力及ばず、テロテロに殴り倒されて失神してしまう。

で、おかしなことに、テロテロはアニーを殺すどころか、大事そうにお姫様抱っこで持ち上げて、椅子の上に乗せてやり、その顔を覗き込むのだった。
うーん、このテロテロの行動は不可解である。
あくまでバビロス号の破壊が任務なので、あえてアニーにはトドメを刺さなかったのだろうか?
この前に、アニーに抱かれて温められて、それで孵化した、と言うような描写であれば、テロテロがアニーのことを母親のように思って、それで殺そうとしなかったと言う解釈も成り立つのだが。
さて、そんなことが起きているとは知らない大ちゃん、マンションの非常階段を上がって屋上からロープを垂らし、目も眩むような絶壁下りを敢行していた。

繰り返すが、初めてこれを見た管理人、「おお、なかなか凄いことやってるじゃないか」と感嘆したことを覚えている。
オンエアの頃から、「シャイダー」ってアクション俳優が主役じゃないので、アクションについては大したことなかろうと言う思い込みがあったのだが、このアクション一発でそれがあっさり払拭された。
もっとも、スタントがやってることは一目見れば分かるんだけどね。
それにしても凄いよね。
ついで、ギャングのいる部屋の外まで降りてきて、窓ガラスを蹴破って飛び込む定番アクションになる筈だったのだが、

悲しいことにアクション俳優でない大ちゃん本人が演じた為か、何故か最初から窓が開いていて、レースのカーテンを足でふわっと押し退けて侵入すると言う、かなり情けないアクションになっているのがちょっと悲しいのであった。
大ちゃんは不意を衝いてあっさりギャングを倒すが、その正体はやはりミラクラーであった。

大「さあっ、早く!」
大ちゃん、ソファの上にいた三人の親子を逃がそうとして、

自分もその後からリビングを出ようとするが、

ここで不意にお母さんが振り返り、
「あんたは来なくて良いのよ!」と、言わんばかりの勢いで、大ちゃんの体を突き飛ばすのが割とツボである。
大「へぶっ」
戸惑う大ちゃんの目の前で、親子はたちまち珍獣に変わる。
そう、ギャングだけでなく、住人たちもフーマの一味だったのだ。
このシーン、最初に珍獣が子供に化けていたシーンがあったので、ここでも同じことが繰り返されるとは予想しておらず、見ていた自分も綺麗に騙されたことを覚えている。
同時に初めて「シャイダーって意外と面白いやん」と気付いたのである。

で、すかさず第二の罠が発動し、大ちゃんが鉄格子の檻の中に閉じ込められ、さらに左右の壁からたくさんの剣がせり出してくる。
大「焼結! ……どうしたんだ、焼結しない?」
叫んでも何も起きず、パニくる大ちゃん。
「焼結できなければ只の人」と言われてる大ちゃんには、「アニー、どうしたのぉーっ?」と泣きそうな顔で喚くことしか出来ないのだった。
これが烈や電なら、自力でなんとかしてるだろう。

そのアニー、やっと目を覚まし、状況を把握する。
そしてテロテロの攻撃をかいくぐりながら、なんとかサブシステムのスイッチを入れ、プラズマブルーエネルギーを照射する。
大ちゃんは串刺し寸前でシャイダーとなり、檻を突き破って死地を脱する。

シャイダーは急いでバビロス号に戻り、飛行中のバビロス号の翼の上でテロテロと戦ったりする。

おっとその前に、テロテロと戦っていたアニーが、テロテロに組み敷かれそうになったときのポーズがちょっとエロかったので貼ってみました。
その後、なんとかバビロス号からテロテロを追い落としたシャイダーの前に、ヘスラーたちが現われる。
バビロス号の機能が回復しない中での変則的なラス殺陣になるが、別に見所はない……と思っていたのだが、

山の上方に立つシャイダーを、フーマが四方から取り巻いている。
そこで、勢い良くギャル5が画面左から右へ移動するが、

シャイダーのビデオビームガンで巨大な爆発が起きる。
そのあおりを受けて画面右手にはけていく際、
ギャル5の豪快なパン チラが炸裂! 
しかも、かなり滞空時間(?)の長いパン チラであり、思わぬ収穫であった。
この後、戦闘母艦の猛攻による爆発で、シャイダーが飛んだり跳ねたりするが、特にどうでもいいのでカット。
そしてアニーの懸命の修復作業でバビロス号が復旧し、戦闘母艦を撃破、不思議時空に移行することなく、シャイダーがテロテロを倒して事件は解決する。

こうして過去最大のピンチを切り抜けたアニーであったが、その美しい頬に笑みはなかった。
大「アニー」
アニー「シャイダー、フーマの罠に掛かるなんて、私、悔しい!」
自分の不甲斐なさに対する怒りをぶつけるように、射撃練習場の的を撃ち抜くのであった。
ま、罠に掛かったのは大ちゃんも同じなのだが、大ちゃんの方はまったく、これっぽっちも反省している素振りは見えないのであった。どてらい奴だ。
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