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「超電子バイオマン」 第21話「守れバイオベース」



 第21話「守れバイオベース」(1984年6月23日)

 公園に突如現われた巨漢のカメラマン。

 彼は若い女性に手当たり次第に声を掛けてモデルになってくれないかと頼むが、その変態的な姿を見た女性たちはみんな怖がって逃げてしまう。

 
 仕方なく、ブランコに乗っていた小学生たちにも声を掛け、晴れて変態の仲間入りを果たす。

 女の子たちは嬉しそうに悲鳴を上げながら脱兎のごとく逃げていく。

 
 もじゃもじゃのカツラを掴んで地面に叩きつけ、

 モンスター「えいっ、どーして僕ちゃん撮らせてくれないのぉっ!」

 悔しそうに身をよじらせて叫ぶ。

 そう、それは人間の格好をしたモンスターであった。

 
 しばらく後、ロケット研究所に入っていく一台の車があった。

 ……

 色々と突っ込みたいところがあるのだが、本筋とは関係ないので話を先へ進めよう。

 
 柳「ロケット研究所の工藤所長ですね」
 工藤「おお、あなたは有名な写真家の柳さんじゃありませんか」

 車から降りて建物に入りかけた工藤所長に、これまたもじゃもじゃ頭のカメラマンが声を掛ける。

 だが、モンスターの異相と違い、それが著名なカメラマンだったので相手の反応もだいぶ違う。

 
 柳「いかがでしょう、よろしかったらモデルになっていただけませんでしょうか?」

 で、柳カメラマンの顔が、割とアラーキー風だったので不覚にもちょっと笑ってしまった管理人であった。

 柳と言うのも、荒木から来ているのだろう。

 
 工藤「え、私が? はっはは、こりゃ光栄ですな。じゃあ早速脱ぎましょうか?」
 柳「いや、ヌードじゃないんで……」

 ロマンスグレーの知的な風貌の工藤所長、実は正真正銘のバカだった。

 ……嘘である。

 
 玄関から少し離れたところに立たせ、モデルの顎の角度など手振りで指図するアラーキーならぬヤナーギー。

 で、その仕草がいかにもプロのカメラマンみたいで上手いのだ。

 だが、それはただのカメラではなく、撮られた途端、催眠状態に陥ってしまう特殊なカメラだった。

 さらに、撮影された画像は直ちにモンスターたちの待機しているアジトのメカに転送され、表面に顔写真を貼ったチップのようなものが排出される。

 モンスター「工藤所長、ロケット研究所を爆破しろ」

 モンスターがチップに向かって命じると、工藤所長は意思のないロボットのように唯々諾々と、柳が渡した爆弾を手に建物の中へ消えて行く。

 これを偶然と言うのは憚られるが、そこから走り出した柳の車が、ひかるの運転する車とニアミスを起こしてしまう。

 
 ひかる「何よ! 危ないじゃない!」

 運転席から身を乗り出すようにして文句を言うひかる。

 柳は謝罪もせず、急いでその場から走り去る。

 ひかる「あれは、写真家の柳……」

 
 ひかるが車を目で追い掛けていると、近くで轟音が鳴り響き、ロケット研究所が大爆発を起こす。

 現場に居合わせたひかるだが、柳が事件に関与しているとは夢にも思わない。まさか、柳ほどの著名人がそんなことをする筈がないという先入観である。

 もっとも、ギアは何か狙いがあってロケット研究所を破壊させた訳ではなく、単なる催眠カメラの実験に過ぎなかった。

 ネオグラードでは、同じく催眠カメラをボディに内蔵したカメラカンスを前に、メイスンとファラがその威力に目を見張っていた。

 ドクターマン「その写真に与えられた命令には絶対に従わなくてはならん」
 メイスン「はっ、そして写真家の柳を送ったのは成功でした」

 
 メイスン「あのような有名な写真家なら誰でも喜んでモデルになります」

 
 ファラ「ふっ」

 ファラ、思い出しように笑うと、

 ファラ「モンスターにカメラを向けられたら私だって逃げ出してしまうわ」
 メイスン「うっはっはっはっはっ……」

 ファラの軽口に、メイスンも思わず笑い声を立てる。

 
 ドクターマン「……おまいら、ほんとは人間だろ?」
 ファラ&メイスン「はうっ!」

 ……と言うのは嘘だが、ファラたちのあまりに人間臭いやりとりを、ドクターマンが一切意に介していないのは事実である。

 それだけ、ドクターマンの作ったメカが優秀だと言う証拠であろう。

 その後も、ヤナーギーによって催眠カメラのテストが続けられ、被験者となった人間たちによって様々な破壊活動が行われ、街は大混乱に陥る。

 それだけ念入りに実験する必要があるのか疑問だし、そもそも、それで十分ひとつの成果になっていると思うのだが……。

 とあるコンビナートでも、催眠カメラの餌食になった所員によって、施設が爆破される。

 
 転んで逃げ遅れた少女がいたが、そこへひかるとジュンが駆けつけ、助け起こしてやる。

 ひかる「大丈夫?」
 ジュン「さ、早く」

 この時、ひかるが特撮ヒロインらしくミニスカを履いてくれていたら……と、管理人は切に思う。

 キュロットスカートと言うのは、核兵器と並んで、人類が作り出したもっとも忌まわしい三大発明のひとつと言われている。

 ちなみに残るひとつは「こちら側のどこからでも切れます」と書かれたラーメンの調味油の小袋である。

 切れんのじゃ……。

 
 ひかる(あ、あの人は確か写真家の柳……あの時も……)

 と、最後に施設から出て来たのが、先日、ひかると車がぶつかりそうになった柳カメラマンであった。

 ひかるはジュンを置き去りにして急いで柳を追いかける。

 車でその場を離れようとしていたところを捕まえ、

 
 ひかる「あの、写真家の柳さんでしょ?」

 やむなく柳も車から降りる。

 てっきり、ひかる、二度も爆破事件の現場にいたことから、柳カメラマンの関与を疑っているのだと思ったのだが、

 
 柳「僕の助手に?」
 ひかる「はい、私、先生の写真に憧れていたんです。なんでもしますから、どうか先生の助手にして下さい! お願いします!」

 何故かひかる、柳の助手になりたいと熱烈にアピールするのだった。

 ……

 なんかおかしな展開である。柳のことを探ろうと、その助手に志願したとも考えられるが、まだそこまで柳のことを疑う材料はないし……。

 単に、柳のファンだったとしたら、わざわざロケット研究所の爆破事件のことまで回想する必要はないし。

 結局、ひかるも、有名人がそんなことをする筈がないという思い込みに囚われていたと言うことか。

 ちなみにナレーションであっさりばらされてしまうが、このヤナーギーは本物ではなく、メカクローンが化けているだけなのである。

 
 柳「そうだ、僕のモデルにならないかい?」

 柳は、助手にするともしないとも明答せず、とりあえず、いつものように写真を撮ろうとする。

 ひかる、やはり単なるミーハーだったのか、嬉しそうにカメラに向かってポーズを取る。

 
 アクアイガー「なかなか可愛いっすねえ」
 モンスター「うう~可愛い……バカッ、あいつは敵だ!」
 アクアイガー「あやっ」

 モニター越しに見ていたモンスターとアクアイガーも、その可愛らしさに思わずうっとりする。

 
 ドクターマン「……おまいらも、ほんとは人間だろ?」
 モンスター&アクアイガー「はうっ!」

 最近、「ひょっとして、ワシの部下って全員、人間がメイクしたり、被り物したりしてるだけなのでわ?」と言う恐ろしい疑惑に苛まれているドクターマンであった。

 ……嘘である。

 
 ひかる「うふっ」
 柳「はい、OK、グー! いいねー、はい笑ってー」

 適当なことを言いながらシャッターを切り、まんまとひかるにも催眠パルスを浴びせることに成功する。

 ひかる、演技ではなく本当に催眠状態になってしまう。

 偶然のことだが、はっきり言って、ギアにとってこれ以上はないというチャンスだったと思う。

 本当に賢く、冷酷な「悪の組織」なら、まずはひかるをネオグラードに連れて行き、バイオベースの位置を聞きだした上で、脱がすなり、○○○するなり、処刑するなり、完全に洗脳するなり、バッタ型の改造人間にするなり、やりたい放題のことをしていただろう。

 だが、ギアにとって不幸なことに、作戦を指揮していたのが頭が悪くてお人好しのモンスターだったので、そのまま何の保険(ひかるの体内に爆弾を仕掛けておくとか)もかけず、ひかるにバイオベースまで案内させようとするのだった。

 一方、ジュンは突然いなくなったひかるの行方を探していたが、バイオベース付近で、モンスターたちと一緒にジープに乗っているひかるを発見する。

 
 ひかる「この道を左……」

 ひかる、無表情のまま、人間方向指示器と化して彼らをバイオベースに案内しているのだ。

 なんか、ひかるが手前のメカクローンの秘孔を突いているようにも見える……。

 ジュン「何故ひかるが?」

 訳が分からなかったが、とりあえず仲間に連絡してから、バイクで追いかけて攻撃を仕掛ける。

 ジュン「ひかる、逃げるのよ」
 ひかる「……」
 ジュン「どうしたの、ひかる? ひかる!」

 ジュンがひかるに呼びかけるが、ひかるはとろんとした目付きで見返すだけで、何の反応もない。

 モンスター「何を言っても無駄だ。桂木ひかるはぼくちゃんのモンだもんねえ。ひかるちゃん、矢吹ジュンをやれ!」

 モンスターは悠々とひかるの顔写真が貼られたチップに口付けして(ウゲッ)命令する。

 完全に操り人形と化しているひかるは、躊躇なくジュンの首に両手を伸ばして殺しに掛かる。

 
 ジュンをジープから突き落とした後、自身も飛び降りるひかる。

 ここでも、ひかるが特撮ヒロインらしくミニスカを履いてくれていたら……と、管理人は心の底から残念に思う。

 
 ひかるは、モンスターから渡された巨大な斧を振り上げ、ジュン目掛けて叩きつける。

 ……しかし、モンスターの馬鹿力だからこそ使いこなせる筈の巨大な斧を、ひかるがその白い細腕で軽々と振り回してしまうと、モンスターの株が急落しそうな気がするのだが。

 ジュン「ひかる、何するの、ひかる!」
 ひかる「……」
 ジュン「正気じゃない」

 斧をかわし、その肩を掴んで呼びかけるジュン、漸くひかるがまともでないことに気付く。

 モンスター「ひかるちゃんは僕の言うとおり」

 そこへやっとレッドたちが駆けつける。モンスターはそれを見るや、ひかるを連れてさっさと退却する。

 CM後、いよいよ調整が完了したカメラカンスが、ドクターマンからバイオベース破壊の任務を帯びてポッドで発射される。

 一方、なおもひかるを道案内にバイオベースに接近していたモンスターたちの前に、強い決意を込めてジュンが立ちはだかる。

 
 ひかる「ああーっ!」

 問答無用で放たれたアーチェリーの矢は、正確にひかるの心臓を射抜く。

 ジュン「ひかる、許して、バイオベースを守るにはこれしかなかったの!」

 ジュン、バイオベースの秘密を守る為、涙を飲んで仲間を射殺したのだ。

 
 モンスター「ひどい、ひどい、ぼくの可愛いひかるちゃん!」

 思わず悪のモンスターが悲痛な声を上げるほど、酷薄な行為だった。

 ちなみに、手前に映っているのは、パン チラ欠乏症にかかっている人にはひかるのスカートから覗く足に見えるかもしれないが、そうではなく、袖の間から見えるひかるの右腕とワキである。

 と、再びヤナーギーがジュンの背後に現われ、今度はジュンに催眠光線を浴びせようとする。

 だが、ジュンが催眠術に掛かる前に、横から飛んできたビームによって催眠カメラが破壊される。

 言うまでもなく、ビームを撃ったのはレッドたちであった。

 
 同時に、死んだ筈のひかるが怪訝な顔で起き上がる。

 モンスター「生きていたのか、ひかるちゃん」
 ひかる「何よ、馴れ馴れしい」
 ジュン「モンスター、これよ!」

 ひかるの胸を貫いた筈の矢は、先端が吸盤のようになっている特別な矢だった。

 
 ジュン「ひかるを催眠に掛けた方法を知るために打った大芝居だったけど、こう上手く引っ掛かるとはね」
 モンスター「おのれぇ~」

 と言うことで、すべてジュンの芝居だったのだが、ひとつ大きな疑問が残る。

 完全な催眠状態にあるひかるが、そんなおもちゃのような矢を打たれたところで、ショックを受けて死んだようになる筈がないからである。

 これが「大戦隊ゴーグルファイブ」26話の黒田のように、最初から術に掛かったふりをしていたのなら、ジュンと呼吸を合わせて芝居を打つことも可能だったろうが。

 
 ジュン「バイオマンの誓いは固いのよ」
 ひかる「その通りよ」

 
 ひかる「女だからって、ばっかにしないでよ!」

 大きなゼスチュアとアクセントをつけた台詞回しが実に可愛らしいひかる。

 管理人、この作品のレビューを書くようになってから、初めてひかるの……牧野美千子さんの真の魅力に気付かされた思いがしている。

 その後、いつものラス殺陣から、真打ちのカメラカンスとの戦いになるが、あれだけ入念に実験を重ねた癖に、カメラカンス本体の催眠カメラはバイオマンには利かず、あえなくスーパーメーザーの餌食になるのだった。

 結局、実験の方が本番より遥かに多大な成果を挙げたという変な作戦であった。

 前述したように、ギアにとっては千載一遇のチャンスを逃したとも言える。

 
 ひかる「ええー、ジュンが私を弓で?」
 ジュン「ごっめーん、仕方がなかったのよ。でも大丈夫、うっでには自信があったんだから」
 ひかる「おーこわー」

 戦いの後、なごやかに話しながら歩いている5人。

 ひかる、催眠状態にあった間の記憶はすっかり抜け落ちているらしい。

 しかし、ひかるが「怖い」と言ったって、吸盤の矢だし、ジュンが「腕に自信がある」と言っても、どうせ吸盤の矢なんだから、あまり意味のない自信である。

 これが、たとえば、ひかるがいつも胸に付けている金属製のペンダントを狙って本物の矢を打つ……と言うような設定だったら、まだ理解できるんだけどね。

 とにかく、なかなか面白いが、最後の最後に「吸盤」がすべてをぶち壊してしまってしまったような、惜しいエピソードであった。
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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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