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「乳姉妹」 第2回「母の告白は嘘?」

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 第2回「母の告白は嘘?」(1985年4月23日)

 このドラマ、「不良少女」「スクールウォーズ」などと比べても、最初からどばっと大量のキャラクターが登場し、かつ、ややこしい人間関係が展開されるので、それを考慮してか、2回目は冒頭でかなりの時間を割いて前回のあらすじが説明されている。

 前回のラスト、実の娘・千鶴子とばったり出会ったショックから、発作を起こして倒れた静子だったが、その病気が末期の乳がんだと判明する。

 序盤でいきなり「難病」が放り込まれると言う、だいぶ攻めたシナリオである。

 しかし、これはあの(どの?)大映ドラマである。末期の乳がんなどと言うありきたりの病気で主要キャラクターが早々に死ぬ筈もなく、静子はこの後、千鶴子としのぶの幸せを祈って崖から投身自殺を試みるが、何故か死なず、その後も最終回まで元気に登場し続けることになる。

 先のことになるが、投身自殺をはかった静子を診た医者は、

 「なんであんた生きてんの?」
 と、医者にあるまじき叫び声を上げたと言う(註・言いません)。

 とにかく、悲壮な覚悟を決めた静子は、診察を受けた後、しのぶと耐子にあらかじめ用意していた一通の封書を渡し、すぐ東京の大丸剛造の屋敷を訪ねなさいと言い残し、そのまま姿を消す。

 
 一方、真鶴の別荘で、雅人たちと優雅にテニスをしている千鶴子。だが、いかにも屈託ありげな顔で、プレーにも身が入らない。

 雅人「どうしたの、見てばっかりいてさ、一緒にやろうよ。……君はいつもと違うね。何か悩み事があるんだったら僕に話してごらん」
 千鶴子「悩みなんてある筈ないわ。なにかあったら雅人兄さんに真っ先に話します」

 と、近くからペットの響きが聞こえてくる。

 
 千鶴子が不思議そうにペットの聞こえてくる方を見下ろすと、

 
 朝男、いや、路男が岩の上に立ち、海に向かって魂のペットを吹き鳴らしていた。

 これぞまさにザッツ大映ドラマと言う絵である。

 だが、千鶴子は(気の毒に……)と思っただけで、路男の演奏を最後まで聞こうとせず、すぐ東京に帰ると言い出す。

 
 雅人「何か気に入らないことでもあったのかい」
 千鶴子「お兄様、決して気まぐれで言ってるんじゃないの。私、何か不吉な予感がするんです!」

 伊藤かずえさんのこの口の形、好っきやわ~。

 しかし、「気まぐれ」と、「不吉な予感」じゃあ、五十歩百歩だけどね。

 
 路男は、千鶴子たちの存在など知らず、無心にペットを吹き続けていた。

 で、それをお行儀よく聞いている暴走族と言う、ヤな光景。

 
 路男「一年前、俺は二十歳になったのをしおに、渡り鳥連合の頭を降りた。このペット一本に命を燃やすつもりだったが、俺の荒れた血はペットだけじゃおさまりがつかねえ」

 路男、唐突に、大丸剛造に喧嘩を売ると宣言し、かつての仲間を驚かせる。


 族A「会長、ムチャだ!」
 族B「敵がでかすぎるぜ!」

 左側の人は、「スクールウォーズ」で不良やってた人ですね。右側もだっけ?

 更生したと思ってたら、まだこんなことやってたとは……。

 ここにもし滝沢がいたら、

 「バキヤロウ! 復讐なんて馬鹿なことはやめて、あのラグビーボールを追いかけるんだ! いいか、人生=ラグビーだ。ラグビーさえやっときゃなんとかなるから!」

 などと訳の分からないことを口走りながら路男をぶん殴ってドラマが終わりそうである。

 路男「ムチャは承知の上だ。大丸コンツェルンを敵に回して勝てると思うほど俺もあまかねえ。踏み潰されるのがオチだろう。それでも俺はやる。どんなことをしてでも大丸の屋台骨を揺るがしてやる。お前ら、それでも俺のカンバックを認めるって言うのか?」
 族A「おもしれえ! これが俺の返事だぁ!」

 部下の一人は返事のかわりにバイクのエンジンをふかし、他の仲間もそれに倣うのだった。

 それにしても、松村さんの演じる役って、「会長」とか「社長」とか呼ばれることが多いよね。

 
 路男「よーしっ! 俺はこの海に誓うぜ、大丸剛造、大丸千鶴子、俺は必ずあんたたちを俺の足元に土下座させて、のたうちまわらせてやる!」

 バイクのエンジン音に負けない大声で吠える路男。

 剛造「え、土下座して、のたうちまわるの?」
 千鶴子「なんだか難しそう~」

 じゃなくて、ここでOPです。

 OP後、早くもしのぶたちは剛造の屋敷を訪ね、母親から託された手紙を応対に出た則子に差し出していた。

 
 則子からその手紙を受け取った剛造は、早速開封して目を通す。

 静子の声「(前略)私は18年前、あなたのお嬢様に乳を含ませた真鶴の漁師の妻でございます……」

 剛造「ああ、あの時の人だ。ほら、千鶴子にお乳を与えてくれた人だよ」
 則子「ああ、あの時の……」(知らんけど)

 なにしろ18年前のことなので、剛造は松本静子と言う字面を見ても思い出せなかったが、「乳を含ませた」の一言で鮮明に記憶を呼び戻す。

 それにしても、静子の文面では、千鶴子におっぱいをあげたのが夫の井川比佐志みたいにも取れるので、その図を想像してちょっと気持ち悪くなった管理人であった。

 とにかく、千鶴子に乳をくれた人と知って、剛造、むしろ微笑ましい気持ちにさせられたが、それに続く一文が、剛造の足元を根底から覆すほどの衝撃を伴って剛造の目に火箭のように飛び込んできた。

 静子の声「千鶴子様と私の娘・しのぶが18年前にすり替わっていたと言うことなのでございますぅ!」

 静子の手紙はそれ以上詳しい説明はせず、秘密を共有する夫・龍作を見付け出して、じかに会って説明・謝罪したい、それまで、しのぶと耐子を預かって欲しいと言う文章で結ばれていた。

 無論、それを読んだだけで、剛造が「則子ぉ、千鶴子は私たちの実の娘じゃなかったんだってさ、こいつは大笑いだ、ハッハッハッ」と、アメリカ人のように納得する筈もなく、

 剛造「馬鹿な、何をいっとるんだ!」
 則子「あなた……」

 
 剛造「私たちの娘が、千鶴子が……そんな馬鹿なことが信じられるか! なんて卑しい女だ。18年前、千鶴子の誘拐騒ぎの時にはあの女の亭主に十分過ぎるほどの礼金を与えた筈だ。そのうまみが今でも忘れられなくてあの亭主とぐるになってこんな馬鹿げたことを! なんて日だ!」

 もとい、「なんて女だ!」と、その場にいない静子のことを口を極めて罵倒する。

 ちなみに、高橋さんと岩本さん、「不良少女」では、夫婦の役だったんだけどね。そして同じく伊藤かずえさんと言うワケありの娘を持っていた点も同じである。

 剛造、死期(約50年後)を悟った静子の心からの訴えも、金目当ての出鱈目だと決め付け、しのぶたちとも会わず、追い返すよう則子に命じる。

 ま、仮に金目当てだったら、わざわざ18年も待ってからそんなこと言ってこないだろうけどね。

 
 そう言ったものの、気になった剛造、2階から階段の踊り場まで下り、玄関を開けて出て行こうとしていたしのぶたちを見るが、一瞬目にしたしのぶの顔に、まごうことなき亡き妻の面影を見出し、「似ている……」と、我知らずつぶやく。

 
 剛造「待ちなさい! 松本しのぶさんだね」
 しのぶ「はい」
 剛造「帰ったらお母さんに伝えなさい、馬鹿なことを考えてはいけないとね」
 しのぶ「……」

 思わず階段を下りて声を掛けるが、口から出たのはそんな事務的な言葉だった。

 剛造の言葉の意味は分からなかったが、初めて会う剛造の気迫に押されて、思わず怯えたようにあとずさる純朴な姉妹。

 ちょうどそこへ、雅人の車で帰ってきた千鶴子が入ってきて、

 
 二人には目もくれず、剛造に甘えるように抱きつく。

 剛造「どうしたんだ、明日まで真鶴の別荘にいるんじゃなかったのか」
 千鶴子「ええ、そのつもりだったんだけど……私の為に命を亡くされたお母様のことばかり思い出されて……お父様にお母様の思い出を聞きたくなってしまったの……」

 千鶴子、そう言うと、初めて二人の存在に気付いて視線を向ける。千鶴子の射すくめるような目に、ますます小さくなるしのぶ。

 千鶴子の言う「お母様」こそ、自分の実の母親とも知らず……。

 それにしても、このドラマの(千鶴子としのぶの出生の秘密にまつわる)人間関係はちょっと複雑過ぎるよね。自分も一回見ただけでは良く把握できなかったほどだ。

 仲良く2階へ上がっていく剛造と千鶴子をなんとなく目で追っていると、後ろから雅人が入ってくる。

 
 雅人「ああ、しのぶさんに耐子さんでしたね」
 しのぶ「雅人さん、母がお世話になりました。ありがとうございました」
 耐子「私たち、お母さんから大丸様に手紙を届けるように言われてきたんです」
 雅人「手紙を?」
 耐子「ええ、それなのに失礼しちゃうわ。これじゃまるで玄関払いじゃないの!」
 しのぶ「耐ちゃん!」

 話の分かりそうな雅人に、鬱憤をぶちまける耐子。

 しのぶは耐子をなだめると、そのまま真鶴へ帰っていく。

 書斎では、早速剛造が、千鶴子の生母(と言うことになっている)・慶子の、ひとつだけ残してあった写真を千鶴子に見せていた。剛造が取り出した写真立ての中では、

 
 かなり若作りした北林早苗さんが微笑んでいた。

 千鶴子「お父様、お母様のこともっと詳しく話してください」
 剛造「私たちはある人の紹介で知り合ったんだが、私は慶子を一目見て、好きになってしまった」

 ここから剛造の、若き日の回想タイムとなります。

 
 剛造の声「慶子は聡明な光を湛えた美しい人だった。私が思い描いた妻のイメージにぴったりの女性だった」

 若作りした北林さんと、カツラをつけた高橋さんの、うれし恥ずかし恋愛時代。

 こら、そこ、笑うんじゃない!

 
 若作りした北林さんと、カツラをつけた高橋さんの、うれし恥ずかし銀婚式、いや、結婚式。

 高橋さん、まさかこの年になってドラマで結婚式を挙げることになるとは思ってもなかっただろうなぁ。

 当時、55歳だもんね。

 若作りした北林さんと、カツラをつけた高橋さんの、キャピキャピした新婚生活が描かれる。

 結婚から、13年後、慶子はなかなか子供が生まれないのを気に病み、ノイローゼ気味になっていた。そこで、剛造は、前回も誕生パーティーに来ていた姪の和子夫婦から、養子を貰うことにした。それが、まだむつきにくるまれた雅人だったのだ。

 慶子は、雅人をヤケクソに可愛がるが、その数年後、諦めていた子供を宿す。

 慶子は、妊娠が分かると即座に雅人を家から追い出し(註・追い出してません)、剛造と喜びをわかちあう。なお、慶子からそのことを告げられた時の、

 
 慶子「わたくし、赤ちゃんが出来ましたの
 剛造「ええーっ?」

 と言う剛造の叫び声が、悲鳴のように聞こえるのは管理人だけだろうか?

 ま、こんな厚化粧した奥さんからそんなこと言われたらちょっと引くよね。

 それにしても剛造、まだ (自主規制) してたのか、さすが大丸コンツェルンの総帥である。

 
 剛造「その時の慶子の誇らしげな顔は私は生涯忘れることはないだろう……出来れば忘れたいんだが……勿論私も嬉しかった。だがその喜びもつかの間だった。慶子が妊娠中毒症を起こして倒れてしまったんだ」

 無理に産むと母体の安全が保証できないと言われ、剛造は慶子に子供を諦めるように言うが、慶子は頑として産むと言う。

 「あなたの子が産めるのなら死んでもいい」と言う、いかにも大映ドラマらしい台詞に折れて、剛造は慶子の健康の為に、空気のいい真鶴の別荘に彼女を行かせたのだが、それがそもそものドラマの発端となってしまった訳である。

 だが、慶子の体調は一向に回復せず、あの運命の嵐の夜、2週間も早く慶子が産気づき、やむなくその土地の個人病院で出産が行われた。そして、難産の末、千鶴子を産んだ直後、慶子ははかない人生を終えたのだった。

 看護婦「奥様、女の子でございます」
 慶子「女の子……? チッ」

 これが慶子の最後の言葉であった。

 ……嘘である。

 
 剛造の話を聞いていた千鶴子の目から、熱い涙が滝のように溢れ、若作りした北林早苗さんの上に零れ落ちる。

 剛造「私が東京から医師団を連れて駆けつけたときには慶子はもうこの世の人ではなかった。だが、慶子の死に顔は安らかで美しかった」
 千鶴子「お母様、お母様がかわいそう! 私の為に命を亡くされたお母様……」

 
 初めて聞く母の壮絶な最期に、千鶴子は泣きながら剛造にむしゃぶりつく。

 剛造「千鶴子、お前はその慶子の祈りの中から生まれた娘なんだよ」
 千鶴子「ええ、そうですとも、私はお母様の祈り中から生まれたんですわ」

 
 剛造「千鶴子……」

 だが、娘の体を抱きながら、剛造の目の隅に、丸めてゴミ箱に捨てた、さっきの手紙が映る。

 「この子が、自分の実の娘ではないかも知れない」と言う、漠然とした不安に襲われる剛造であった。

 一方、全ての鍵を握っている静子は、六本木の盛り場をうろついていた。前回、龍作が落としていった「サウナ フレッシュ」と書かれたマッチを手掛かりに、龍作の行方を探しているのだ。

 で、マッチに書かれた住所付近で、静子の前に現われたのが、偶然にも、岡田奈々さん演じる優子だった。もっとも、そのサウナは、彼女が経営している「火の国」と同じ雑居ビルにあったので、ここで優子に会ったこと自体はさほど珍しいことではない。

 
 優子「どうなさいました?」
 静子「いえ、なんでもないんです」

 静子が十八番の発作を起こしているの見て、優子が声を掛ける。

 そのまま行きかけた静子だが、思い出したようにマッチを見せて、その店を知らないかと尋ねる。

 
 とりあえず、岡田さんの画像を貼っておこう。

 
 ちなみに、ビルにはこんな手書き風のプレートが出ているのだが、4階の「サウナ フレッシュ」の、あまりフレッシュになれそうにもない字体と、3階の「キャンパス7」の、パの○が、上に飛び出している点に注目して頂きたい。

 「スクールウォーズ」でもしばしば見られたけど、こう言うのを担当している人、あまり字がうまくないらしい。

 
 親切極まりない管理人は、その部分のアップの画像も添付しておくのだった。

 なんか、○がどこかに旅立とうとしている……。

 ……え、どうでもいいから話を進めろ? わかりました。

 龍作はその店のボイラー係みたいな仕事をしていたので、割と簡単に会うことが出来た。

 静子が、何もかも剛造に打ち明けるつもりだと言うと、18年前の秘密をネタに剛造をゆすろうとしている龍作は目の色を変えて反対する。

 
 静子「しのぶをいつまでも苦労させとくわけにはいかないんだよぉ! 私たちにはしのぶを幸せにしてやる義務があるはずだよ」

 静子、一緒に剛造に詫びてくれと頼むが、龍作がそんなことを聞き入れる筈もない。しかも、どうやら龍作は静子も知らない18年前の事件に関する秘密を抱いているらしい。

 龍作「いいか、静子、余計なことはするな、これは俺の金蔓なんだからよ」
 静子「はぁ、まだそんなこと言ってんのかい……でも、そんな野心的なあなたが好き!
 龍作「だろ?」

 途中から嘘である。

 ちなみに大映ドラマの「赤い絆」では、逆に井川比佐志さんが、高橋さんにゆすられるというか、復讐される立場だったんだけどね。

 それはともかく、何度頼んでも、龍作は静子の言葉に従おうとしない。

 が、もう長くない命とノッチ、いや、デンジャラスになっている静子は、いきなり刃物で龍作の腹をえぐる。

 
 刺した瞬間の、静子の物凄い目付き。

 
 龍作「くっ、バカヤロウ、なんてこと……」
 静子「殺してやる。しのぶの幸せの為に、あんたなんて……」

 でかいことを言う割りに、からっきし意気地のない龍作、ひたすら静子から逃げ惑うばかりだったが、そこへ優子が駆けつけ、必死に静子を止める。

 その隙に、龍作は命からがら逃げ出し、静子もまた発作を起こして倒れてしまう。

 切れ切れに剛造に会わせて欲しいと言う静子を前に、思い余った優子は、剛造の戦友である若山牧師のいる紅葉坂教会へ連れて行く。

 
 若山「わかりました、大丸には私から連絡しよう」

 
 それまで、奥の部屋で休んでいるようにと静子を促す若山。

 それにしても、優子さん、ちょっと髪の毛(カツラ)のボリュームがあり過ぎませんこと?

 
 と、そこへ突然現われたのが、路男であった。

 別に偶然ではない。偶然ではないのである!

  
 優子「路男……」
 路男「お別れに来ました」
 優子「路男、渡り鳥連合にカンバックしたって噂は本当なんだね? お前はペットを捨てる気かい?」
 路男「……」
 優子「お前は自分の中のわけの分からない血の疼きをペットに叩きつけるんだと言ってた、その言葉を忘れたのかい?」

 今、偶然じゃないと言ったけど、なんで路男は優子がここにいると分かったのだろう?

 路男は若山とは懇意にしているので、ここに足を運ぶこと自体は珍しいことではないんだけどね。

 
 優子「お前は何をするつもりなの? 路男、昔に戻ってお前は何をするつもりなの?」
 路男「……お世話になりました」

 
 優子「待ちな、路男、お前は私の死んだ弟にそっくりなんだよ。私の弟はね、一流のトランペット奏者になるのが夢だった。だけどその夢を果たせぬまま死んでしまった。路男、お前には一流のトランペット奏者になって欲しいの……」
 路男「……」

 優子、言葉を尽くして懸命に路男を引き止めようとするが、路男は挨拶の言葉以外は一切口にせず、教会を出て行く。

 しかしまぁ、こんなこと言いたくないけど、岡田さんにこう言う役は似合わないよね。岡田さんが「お前」とか言うと、違和感バリバリである。

 ちなみに優子の語る死んだ弟のエピソードは、かなり後になってしっかりドラマに生かされる伏線となっていて、これにはちょっと感心させられた。

 
 優子「先生、どうして路男を止めてくれないの?」
 若山「今、路男の体の中を吹き荒れている嵐は、たとえキリストさんでも止めることはできんだろう」

 優子は見てるだけの若山の態度を責めるが、若山は牧師にあるまじき言い草で応じる。

 しかし、先生とか呼ばれると、ますます若山が「不良少女」の園長先生に見えてくる。

 そう言えば、第6話で笙子が脱走した時にも、同じようなこと↓言ってたな。

 園長「今、笙子君の体の中を春の嵐が吹き荒れている。その嵐が収まらない限り、ここへは戻ってこんよ」

 ま、書いてるの同じ人(江連卓)だからね。

 また、若山は路男が何をしようとしているのか知っているが、路男の懺悔としてそれを聞いているので、殺されてもそれを口外することは出来ないと抜かす。

 優子「それじゃあ先生は、路男が不幸になるのを黙ってみてろと言うの? それが神の御心だと言うんですか?」
 若山「そうだっ! それが神の御心だ」

 言い切ったで、オイ!

 若山「神は時として、途轍もない残酷な試練を人間に与える。その試練に負けて滅びようと神様は知らんぷりだ!」
 優子「そんな……」
 若山「神は自ら助けるものを助ける、だよ」

 こう言う台詞を聞くと、管理人はますます無神論に肩入れしたくなるのである。

 しかし、牧師と言うからにはプロテスタントなんだろうが、懺悔がどーのこーのと言うのは、カトリックや正教会だけだと思うんだけどね……。

 
 若山から電話を貰った剛造は、すぐに腹心の部下・手島を連れて教会にやってくる。手島を演じる大石吾朗さんは、大映ドラマの常連で、「赤い絆」では、井川比佐志の部下だったのが、途中で高橋昌也に乗り換えると言う役だった。

 静子「大丸様」
 剛造「ああ、その節はどうも……若山がどうしてもって言うんでやってきましたが、私はあなたの手紙など露ほども信じていません。仕事が控えているんで手短に願いますよ」

 若山は、カーテンで仕切られた懺悔室に、二人を案内する。

 静子「18年前、私は真鶴の漁師・龍作の女房として貧しい日々を送っておりました……」

 静子はまずそう切り出して、18年前の自分たちの生活について一通り語った後、同じ時期に大きなお腹を抱えていた自分と慶子が、いつとはなく親しく口を利き合う仲になっていたと言う。

 
 その時の映像も出てくるのだが、これじゃあ、ドリフの相撲コントだよね。

 そしてあの嵐の夜、静子は慶子の隣の産室で、無事女の子を産み落とす。慶子も同じく女の子を産み、そのまま亡くなったのは前述のとおりである。

 剛造は乳を欲しがって泣き叫ぶ赤ん坊を抱いておろおろしていたが、自分の赤ん坊に乳を含ませている静子の部屋に入ってきて、

 
 剛造「すいません、空いてる方の乳を吸わせて貰えないでしょうか? 私、重度の母乳マニアでして」
 静子「出てけ!」

 じゃなくて、

 剛造「すいません、この子にお乳を分けてやってくださいませんでしょうか?」
 静子「ええ、喜んで」

 
 静子が慶子の赤ん坊に授乳していると、いかにも飲んだくれ風の龍作が入ってくる。

 龍作「あ、どうも、これの亭主で、松本龍作と申します」
 剛造「松本さん、私、これから妻の葬儀のために東京に戻らなくちゃなりません。それまでどうかこの子にお乳を飲ませてやってもらえませんでしょうか。お礼は十分にさせて頂くつもりでおります」
 龍作「あ、いや、お礼だなんて……なぁ?」
 静子「はい、喜んでお預かりいたします」
 剛造「ありがとうございます!」

 剛造は深々と頭を下げ、常々、慶子が赤ん坊は母乳で育てたいと言っていたと話し、せめてその願いだけ叶えさせてやりたいと涙ながらに語る。

 剛造は東京に帰って慶子の葬儀を済ませ、また、赤ん坊に千鶴子と命名する。

 
 静子「大丸様、私があなたのお嬢様に乳を与えることを引き受けたのが、そもそもの間違いの元だったんでございます! 私は愚かな女です! う、うう……」
 剛造「泣いていたんでは分からん。言いたいことがあるなら早く言いなさい! ぼやぼやしてたら『RUNAWAY』のイントロが始まっちゃうでしょう!」

 コーフンして泣いてばかりでなかなか本題に入ろうとしない静子を剛造がせかす。

 静子「私は、私はとんでもない過ちを犯してしまったんですぅ!」

 
 剛造が帰ってくるというその日、静子は千鶴子の体を洗っていたが、ふと、魔が差して、自分の娘に千鶴子の豪華な産着を着せてみたというのだ。

 つまり、千鶴子としのぶの産着が入れ替わった訳である。

 そこへ龍作が入ってきて、二人の赤ん坊を見るが、何しろまだ生まれたばかりなので産着だけ見て、しのぶのことを千鶴子だと勘違いしてしまう。

 さらに、静子が入れ替わっていることを告げる前に、龍作の飲んでいた熱いお湯が千鶴子の足にかかってしまう。静子は慌てて千鶴子の体を抱いて医者のところへ。

 
 龍作「あぶねえ、あぶねえ、こちらのお嬢様さえ無事ならそれでいいのさ……」

 龍作、それが自分の娘だとも知らず、そう言って、お湯に入れるために静子が外していた「大丸慶子」と言うタグを、しのぶの足に付けてから、自分も部屋を出て行く。

 ここで「RUNAWAY」のイントロが流れ出す。

 剛造「ほらー、言わんこっちゃない!」

 
 と、闇夜の中を、泣き叫ぶ赤ん坊を抱いた女性らしいシルエットが走っていくイメージが挿入される。

 これは、とある女性が、剛造の娘だと思って静子の娘をさらっているところなのである。

 
 剛造「松本さん、あなたは何を話そうとしてるんだ、いったい何を?」
 静子「私はなんて愚かだったんでしょう……貧しさが私を卑しい女にしてたんでございます……ああ、私があの時、千鶴子さんの産着をうちの子に着せたばっかりに……夫が千鶴子さんに火傷さえさせなかったら」
 剛造「私の娘が火傷? で、あなたはその時、千鶴子を抱いて診察室へ走ったんだね? それで、誘拐事件はどう言うことになる? 泣いてちゃ分からん! あの時の誘拐事件は何だったと言うんだ?」

 泣いてばかりでなかなか話の核心を語ろうとしない静子に、視聴者の苛立ちをそっくり代弁するように剛造が吠える。

 
 静子「大丸様…………あ、時間ですね。延長します?」

 と、次の放送までの一週間、視聴者をじらしまくること必定の最高(最悪?)のタイミングで「つづく」のであった。
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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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