第17話「カッパ少年の涙」(1982年5月29日)
今回紹介するのも一度スルーしたエピソードである。
冒頭、由緒ありげな山村の旧家・番町家の蔵で、その家の息子サトルが河童の描かれた掛け軸の前に座って、何事か話し掛けている。

サトル「河童ザエもん、お前に良く似た化け物が出るって噂を聞いたんだ。僕、心配で……」
本来なら、河童左衛門と表記すべきだろうが、読みにくいし、こっちの方がサトルの河童に対する愛着が良く伝わるので河童ザエもんとしておく。

サトル「おーい、河童ザエもん、出ておいでよー」
サトルの河童好きは相当なもので、河童のマークの入った服を着て、最近、河童が出ると言う川へ行き、河童ザエもんの名前を大声で呼んで歩く。
その川では、数人の釣り人が思い思いの場所から釣り糸を垂らしていたが、

川の中に入っていた釣り人の足元に、奇怪な手が伸びてきて、いきなりその足を掴み、伝承にある河童のように水中に引き摺り込もうとする。
だが、無論それは本物の河童ではなく、デスダークのカッパモズーだった。

カッパモズー「カッパモズー!」
マズルカ「河童人間製造実験開始!」
カッパモズー「河童皿移しーっ!」
マズルカの指示を受けたカッパモズー、釣り人の頭に、自分の頭にあるのと同じような「河童の皿」を飛ばしてくっつける。

皿を乗せられた釣り人たちは、たちまち河童のような姿をした河童人間に変身し、錯乱状態になる。
河童出現の噂を聞きつけ、その正体を確かめに村に来ていたのだろう、直ちに変身済みのゴーグルファイブが駆けつける。
マズルカ「もう嗅ぎつけたかゴーグルファイブ、マダラマン、河童部隊、出ろ!」
水中での活動能力の高い特殊なマダラマンたちに苦しめられる5人だったが、レッドがゴーグルサーベルでカッパモズーの皿を割ると、カッパモズーはたちまち威勢を失い、河童人間たちもあっさり元の人間に戻ってしまう。
マズルカたちは尻尾を巻いて退却する。
デストピアに帰還すると、デスマルク大元帥のお説教が待っていた。

デスマルク「お前たちの作ったカッパモズーはゴーグルファイブに手も足も出んのか?」
デスギラー「……」
マズルカ「……」
叱声を浴び、デスギラーは軽く口元を歪ませ、マズルカも面目なさそうに俯く。

デスマルク「敗因は何処にある?」
いつになく執拗に、二人を追い込むデスマルク。

デスギラー「……」
マズルカ「そっ、それは……」
デスギラー、依然として無言のまま、若干ムカついたように横を向いて唇をヒクヒク動かし、部下のマズルカに
(ほらっ、お前だよ、お前が答えるんだよっ)的なパスを目で出すのだった。
デスギラー、いざと言う時に頼りにならない上司であることが発覚してしまう。
マズルカが何か言い掛けて口ごもると、デスマルクがズバッと答えを出す。
デスマルク「魂! 人間どもを憎み、抹殺へと駆り立てる呪いの魂が足りんからだ!」
デスギラー「それならぱ私に良い考えが……」
総統タブー「やれーっ!」 デスギラー(早っ!!) まだ何の説明もしてないのに、総統タブーが性急にゴーサインを出す。
デスギラー「はーっ!」
総統タブー、ひょっとして何も考えてないのでは? と言う疑惑が、デスマルクたちの中で日増しに大きくなっていく今日この頃であった。
一方、サトルが、通っている水泳教室のプールでぼんやりしていると、水中からカッパモズーのように赤間が現われる。

赤間「よっ、ミスター・河童君、泳ぎに掛けちゃスイミングスクール一番のサトル君が元気ないじゃないか。河童の化け物のことを気にしてるのか?」
サトル「お兄さんは?」
赤間、そのスイミングスクールでコーチでもしているのかと思ったが、別にそうでもないらしい。
周囲には一般客もいるので、スイミングスクールの使用しているプールに客として来ているだけなのだろう。
赤間「この間、僕も奥多摩に行って……安心しなよ、あれは河童なんかじゃない、カッパモズーの仕業なんだ」

赤間「そのことで聞きたいんだが、サトル君ちには昔、河童狩りで滅ぼされた河童の殿様、河童ザエもんのお皿があるそうだね」
サトル「河童ザエもんがカッパモズーに関係があるって言うの?」
赤間「いや、そう言う訳じゃないんだが……」
赤間はその皿を見せてくれないかと頼むが、サトルはすげなく拒絶し、赤間に頭突きを食らわすとさっさと行ってしまう。
……
いやぁ、女性のお尻って、何度見ても良いもんですね!!
サトルが立ち去った後、カメラはその後ろのデッキチェアで雑誌を読んでいた女性にズームするが、

これがなんと、水着、それもビキニにチャレンジしたマズルカだったと言うことが分かる。
座ったままなので、その肢体がろくに見えないのが七生まで祟りたいほど悔しいのであった。
サトル「良かった、ちゃんとあった。河童ザエもん、やっぱりお前は怪物なんかとは関係ないんだよな?」
帰宅したサトルが、気になって蔵にしまってある家宝の皿を確認していると、プールからつけてきたのだろう、マズルカが現われ、サトルを気絶させて易々と皿を持ち去ってしまう。

マズルカ「代々、番町皿屋敷に戦利品として伝わる皿、人間たちへの呪いで満ちております」
デスギラー「うむ、河童ザエもん、今こそお前たちの復讐の時が来たぞ」
デストピアに戻ったマズルカ、めちゃくちゃ嬉しそうな顔でデスギラーに説明する。
彼らはデスマルクの助言を参考にして、人間に対する恨みがこもっていると思われる河童ザエもんの皿をカッパモズーの頭に移植することで、そのパワーアップを目論んでいるのだ。
ちなみに、サトルの家の苗字が番町だったのは、「番町皿屋敷」と言うダジャレが言いたかったからなのね。

早速、皿の取り付け作業が行われ、カッパモズーはより強力になって復活する。
カッパモズー「我こそは河童の殿様、河童ザエもんなり、人間どもの息の根を止めてくれるぞー」
ついでに、人格まで河童ザエもんと同化したのか、呪いの言葉を吐くと、手当たり次第に機器を破壊し、白衣を着た戦闘員たちを見境なくぶちのめして暴れまわる。

マズルカ「おお、なんと逞しい!」
デスギラー「これならばきっとゴーグルファイブも目ではない」
だが、二人は咎めるどころか、子供のワンパクぶりを見守る両親のように目を細める。
今度は、公園の池の中からカッパモズーが現われ、次々と河童人間を増やしていく。

デスギラー「はぁはっ、あとはデスダークの思いのままに人間どもを操り、人間同士で戦わせて地球を征服してやる」
前にも書いたけど、このコンビほど心底楽しそうに悪事を働く悪の人っていないよね。
と、再びゴーグルファイブが現われてバトルとなる。パワーアップしたカッパモズーに苦戦する5人だったが、なんとか撃退することに成功する。
しかし、最初の時と違って皿を割ることが出来なかった為、河童人間にされた人たちもそのままで、次々病院に運ばれてくる。

青山「暴れるなよ」
女「うっ、うっ、あうっ」
青山、女性の患者を連れてきて、強引にベッドに寝かせる。
……
いやぁ、女性のお尻って、何度見ても良いもんですね!!
黒田「駄目だ、河童人間にされた人たちを元に戻す薬は今のところないそうだ」
河童人間を元に戻す方法がわからず、苦悩する赤間たち。
しかし、そもそも河童人間なんてのは今初めて出現したのだから、「今のところないそうだ」って、当たり前の話だよね。

赤間「カッパモズーに乗り移った河童ザエもんは人間たちを恨んで……」
父親「なまじっか、皿など取っておいたからいけなかった。所詮、河童など悪さをするだけだ」
赤間、河童ザエもんについて詳しく知ろうと、番町家を訪ね、サトルの両親から話を聞く。
サトル「そんなことないよ、河童さんは悪いことなんかしたことなかったんだ。沼を守ろうとしただけなんだ!」
と、家の陰からヒョイとサトルが現われ、河童悪くない説を唱える。
赤間「沼?」
父親「昔、河童たちが住んでいた沼のことです」
母親「ところがその村にひどい日照りが続き、どうしても沼の水が必要になって」
父親「村長だったうちの先祖がいくら頼んでも河童たちは沼は渡せんと言い張って……」
赤間「それで河童狩りを?」
サトル「河童さんは悪いことなんかしてないよー!」
両親の話を聞くと、まんざら河童伝説も眉唾とは思えなくなる。
あるいは、当時、外部から入って沼を支配していた他国人のことを、土着の村人たちが排斥し、それがいつしか河童の伝説に形を変え、代々、語り継がれてきたのかも知れない。

サトル「河童ザエもん、どうしてそんなことをするんだよ、どうしてー」
サトルが蔵で、冒頭の掛け軸の絵を前に涙ながらに河童ザエもんに語り掛けていると、赤間が入ってきて、
赤間「サトル君、君はそんなに河童ザエもんのことを?」
サトル「だって僕、河童さんのこと、大好きなんだもん、去年の夏まで全然泳げなかったんだ、けど、河童ザエもんの夢を見た日から泳げるようになったんだ。それからはさぁ、夢の中ではいつも河童ザエもんと一緒に遊んでるんだ……河童ザエもんはデスダークに騙されてるだけなんだ、絶対そうに違いないんだ」
サトルが実際に河童ザエもんらしき河童と水辺で遊んでいる様子が再現される。

その後、色々あって、サトルの目の前にカッパモズーが現われ、駆けつけた赤間との戦いになる。
サトル「河童ザエもん、僕んちの先祖と河童ザエもんは喧嘩をしたかもしれないけど、僕は」(棒読み)
カッパモズー「ぃやかましいっ!」 空気も読まずにまくしたてるサトルを一喝するカッパモズーに、ちょっと共感してしまった管理人であった。
サトル「やだよー、そんなことしちゃー」
恐れを知らぬサトル、怪人にむしゃぶりついて河童ザエもんに正気に戻るよう訴える。
カッパモズー「あ、あ、いたいた、皿が……」
と、急にカッパモズーが頭を押さえて苦しみだし、七転八倒する。
サトルの真心が、河童ザエもんの魂に届いたとも取れるのだが、その辺の描写がいまひとつ曖昧で、単に皿の移植手術が失敗して、拒否反応を示してるだけのようにも見えるのが難点だ。
ともあれ、サトルを逃がした後、いつものようにラス殺陣となる。
パワーアップしたカッパモズーも、レッドがレッドロープで河童ザエもんの皿を毟り取ると、たちまちザコに戻ってしまい、あっけなく倒される。
それと同時に河童人間たちも元の姿に戻ってめでたし、めでたしとなるのだった。

ラスト、プールで泳いでいるサトルを、水着姿の5人が盛んに応援している。
ミキの水着姿と言う、大変貴重なシーンであったが、

あいにく、ミキの姿はほとんど大きく映してくれず、

ミキがやや前屈みになっても、ひらべったい胸の谷間が青山の頭が邪魔で良く見えないと言う悲しい結果になる。
おまけに、その後、赤間たち4人がひとりひとりプールに飛び込むのに、肝心のミキだけはプールサイドに残って応援するだけと言う客を舐めたエンディングとなる。

それでも最後は、いつものようにミキの美しいお顔で締めましょう!!
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