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「宇宙刑事シャイダー」 第43話「ぼくンちのフーマ」



 第43話「ぼくンちのフーマ」(1985年1月25日)

 最終決戦前の最後の単発エピソードなのだが、あまり面白くない。

 「宇宙刑事ギャバン」の第39話「学校から帰ったらぼくの家はマクー基地」の焼き直し劣化版のようなストーリーである。

 
 新興住宅地に住む、夫婦に子供二人のごく平凡で幸せそうな池田一家。

 その日は長女・あやの誕生日で、家族だけのパーティーが開かれていた。

 あやがバースデーケーキの蝋燭を吹き消した後、ジュースやシャンパンで乾杯するのだが、

 
 両親のシャンパングラスの持ち方が、なんとなく気になる管理人であった。

 母親に促されて、その前に渡されていたプレゼントの包装紙を開けて中身を確かめる子供たち。

 
 優しい父親は、あやだけにやると僻むだろうからと、長男のタク(拓人?)にもプレゼントを渡していたが、中身は懐かしいゲームウォッチであった。

 
 今日の主役のあやのほうは、リカちゃん人形のような人形。

 この程度のもので心から喜べていた当時の子供たちのほうが、今よりむしろ幸せではなかったのだろうかと、つい社会的考察をしてしまう管理人であった。

 だが、ご馳走を食べようとした池田家の人々は、庭で飼い犬のジロウがさかんに吠え立てているのを不審に思い、庭に下りてみる。

 すると、いつの間にか、庭の土が浅くえぐれて、小さなクレーターが出来ており、その中にエメラルドグリーンの光が点滅している大きな鉱物がおさまっていた。

 
 おそるおそる光る石を持ち上げ、ためつすがめつする父親。

 父親「隕石かな」
 母親「サファイアじゃない?」
 父親「まさか、これがサファイアなら」
 母親「何億よー」

 もしかしたら宝石かも知れないと、池田家の人々はたちまち欲の皮を突っ張らせて目を輝かせる。

 と、その少し前に空から怪しい光が落ちていくのを目撃した大ちゃんが、落下地点に見当をつけて、その池田家の前までやってくる。

 
 大「なにかあったんですか?」
 父親「いや、犬が急に吠え出したもんでね……」

 父親、咄嗟に光る鉱石を服の下に隠して取り繕うと、そそくさと家の中へ戻っていく。

 即座に大ちゃんにその石を見せていれば何事もなかったのだが、うっかり欲に目が眩んで家に持ち込んでしまった為、池田家の人々は平穏な暮らしと財産とペットとを一時に失ってしまう羽目になる。

 大ちゃんがその場を離れると、すぐ近くに潜んでいたギャル2と4が現われる。

 池田家の人々、それがフーマからのとんでもない贈り物だとも知らず、大切に保管して、明日、しかるべきところで鑑定して貰うことにする。

 
 ポー「不思議獣ツタツタが無事孵化いたしました」
 クビライ「知能を持ち、言葉を発し、人間をも支配できると言う不思議獣だな?」
 ポー「はい、我がフーマの科学陣がバイオテクノロジーを駆使し、不思議獣の遺伝子を組み替えることに成功したのです」

 不思議宮殿で、作戦の進行状況を説明しているポー様。

 ヘスラー「しかし何故あのうちを選んだのだ。大富豪のうちの方が餌も多く食えるのに」
 ポー「日本人は80パーセントが中流意識を持っています。従って日本人を支配する為には、中流階級を支配しなればなりません」

 ああ、日本にもそんな時代があったんだなぁと、思わず遠い目をしてしまう管理人であった。

 あと、いつからフーマの目的が、地球征服じゃなくて日本支配になったのだろう?

 逆に、日本以外の地域なら、どこでも簡単に支配できると思うんだけどね。

 
 ポー「私は、社会分類学的見地から調査し、最も平凡で平均的な中流意識を持ったあの一家をサンプルとして選び出し、この実験、開始したのです」

 ポー、クビライと反対方向へ向かって移動しながら説明し、最後にギャル5の美しい顔が画面右端にフレームインする。

 
 ポー「この実験が成功すれば不思議獣ツタツタが日本全国民を支配することも可能です」
 クビライ「全銀河侵略計画まであと幾日もない。何が何でも新種の不思議獣を誕生させろ」

 クビライ、日本を支配することとあわせて、人工的に作り出された不思議獣を新戦力として、来たるべき全銀河侵略計画に投入しようと考えているらしい。

 一年戦争末期に開発されて投入されたゲルググみたいな不思議獣であった。

 
 そこへ、偵察に出ていたギャル2と4が戻ってくる。

 ギャル4「シャイダーが池田家の周辺を嗅ぎまわっています」

 ポーは、大ちゃんの介入を回避すべく、目くらましのために何の変哲もない隕石を池田家周辺にばらまき、あの落下物も、単なる隕石だったと思わせようと画策する。

 
 アニー「正真正銘の隕石よ、これは」
 大「隕石か、だがあの飛び方は隕石じゃなかった。鬼火に似た青白さだったんだ」

 その隕石を持ち帰った大ちゃん、アニーの分析によって間違いなく隕石だと判明するが、大ちゃんの目はそれくらいでは誤魔化されないのだった。

 
 さて、池田家では、その夜のうちに異変が起きる。

 妙にジロウがけたたましく吠えるので、みんな眠れずに居間に集まってくる。

 と、いつの間にか、居間には無数の植物が繁り、いかさま都会のジャングルのようになっていた。

 しかも、長いツタが生き物のようにフランスパンを掴んで引き寄せていく。

 
 家族がそちらに視線を動かすと、そこには、プレデターみたいな緑色の怪物がふんぞり返って、フランスパンをむしゃむしゃ食べているではないか。

 ツタツタ「今日からお前たちは私の支配下に置かれる。無駄な抵抗はやめろ」

 つまり、あの光る鉱石は、サファイアなどではなく、ツタツタの卵だったのである。

 当然、池田家の人々は家から逃げ出すが、何処に行ってもツタツタや珍獣たちが先回りして、しつこく行く手を阻む。

 しかも、一緒に連れていたジロウを、ツタツタに食われてしまう。

 敢えて画像は貼らないが、ジロウがツタに巻かれて(スタッフの手で)思いっきり引っ張られる姿は、犬がリアルに怯えているようで、ちょっと切ない。

 池田家の人々は、食われてはたまらないので、仕方なく家に戻ってツタツタの奴隷に成り下がる。

 ……ま、確かに「知能を持ち、言葉を発し、人間をも支配」はしているが、あくまで実力行使で脅しているだけなので、これって、別にツタツタじゃなくても、従来の不思議獣の能力で十分可能なことじゃないの?

 そもそも、珍獣の助けがなかったら最初の時点で池田家の住人に逃げられていた可能性大である。

 で、最初に書いたように、「ギャバン」の39話も、ある平凡な家庭がマクーの怪人たちによって乗っ取られると言う設定だった。ただし、フーマはそうやって支配すること自体が目的なのだが、マクーはその家を拠点にして、その家の近くに来る筈の烈を狙撃しようと言う別の狙いがあったのだが。

 翌朝、レギュラー子役5人が、学校に行く途中、いつものように池田家の庭にいるジロウに声を掛けようとするが、無論、犬小屋は空っぽになっていた。

 5人が首をかしげていると、タクとあやが玄関から出てくる。

 
 ルミ「おはよう、あやちゃん」
 あや「……」
 良一「おい、ジロウ、どうしたんだ?」
 あや「ジロウは、ジロウはね……」

 説明しようとして、あやはしくしく泣き始める。

 恵子「どうしたの?」
 タク「あや、遅れるぞ」

 ツタツタに、余計なことを言うと両親を殺すと脅されているのだろう、タクはあやの手を引いてさっさと学校へ行ってしまう。

 
 その後、池田家には、冷凍肉のかたまりや、魚のトロ箱などが大量に運び込まれてくる。

 肉屋「パーティーでもやるんですか、百人分はありますよ」
 父親「まあね」

 
 CM後、買い込まれた大量の食料は、当然、すべてツタツタと、ついでにお相伴に預かる珍獣たちの腹に詰め込まれていた。

 この辺も、「ギャバン」の39話との類似点を連想させる。

 「ギャバン」では、出前の寿司だったが……。

 
 ツタツタ「もっと欲しい~」
 父親「もうないよ、見てくれ、銀行預金もゼロだ。この家だってまだローンが……」
 ツタツタ「サラ金がある」
 父親「サラ金? そりゃ勘弁してくれ、サラ金に手を出したらそれこそ一家破滅だ」


 「金がなかったらサラ金で借りて来んかい!」と、ほとんどヤクザのような言動のツタツタ。

 それに対する父親の露骨な反応も、時代を反映している。当時は、サラ金に対する世間の目はとても厳しく、テレビでもサラ金のCMは一切流していなかったのだ(少なくとも、ゴールデンタイムにガンガン流すというようなことはなかった筈だ)。

 
 ツタツタ「こいつを食うぞ!」
 父親「あ……」

 妻を食うと脅され、一瞬「あ、どーぞ」と言いかけた父親であったが、子供の目もあることだし、仕方なくサラ金に借りに行くことにする。

 
 で、彼の行ったサラ金と言うのが、「カリゾン」と言う、実に愉快なネーミングなのだった。

 父親、サラ金で借りた金で再び食料を買い込んでツタツタに食わせるが、

 
 ツタツタ「おい、何もないぞ」

 ザルに水を注ぐようなもので、あっという間になくなってしまう。

 どうでもいいが、こいつのやってることで、「支配」じゃなくて、単なる「イヤガラセ」じゃないかと思うのだが……。

 もっとも、全国の家庭でこんなことをやられたら、たちまち日本が崩壊してしまうことは確かだろう。

 父親「サラ金から借りまくった。もうどうにもならんよ」
 ツタツタ「犬でも持って来い、ジロウは美味かったぁ」

 
 タク「いやだ、犬を食べるなんて犬がかわいそうだよ!」
 ツタツタ「じゃあ、牛や豚や魚はかわいそうじゃないのか?」
 タク「う゛……」

 鋭いところを突いてくるツタツタであったが、嘘である。

 が、今度はあやを食うと脅されて、タクは仕方なくペットショップへ向かう。

 もっとも、金がないのなら同じことじゃないかと思うのだが……。

 
 幸い、タクが行った小次郎さんのペットショップではツケが利いたので、2匹の可愛い犬を手に入れることが出来た。

 しかし、犬好きのタクは、帰り道、公園に座り込んでその犬を抱きながら、涙をこぼすのだった。

 
 と、その肩にポンと手を置いたのが、池田家で何か起きているのかを調べ上げた大ちゃんとアニーであった。

 アニー「可愛い犬ね」
 大「食べられてしまったんだな、昨日の夜、庭にいた犬……この犬も餌になってしまうんだね。でも、君はこの犬がかわいそうで家へ帰れないんだ」
 タク「あやが、あやが食べられてしまうんだ」

 
 アニー「あやさんて妹さんね」
 タク「この犬を連れて行かないとあやを食べるって言うんだ」
 アニー「……」
 大「俺が行く! 俺が助ける!」

 フーマの非道に、怒りに燃える瞳を見据える大ちゃんであった。

 大ちゃんは計略によって池田家の人々を逃がし、シャイダーとなってツタツタと戦う。

 アニーの方は、住宅地の空き地や路上で、ヘスラー、ギャルたちと戦う。

 以降はいつもと変わらぬラス殺陣が繰り返されるだけで、注目すべき点もないのだが、

 
 アニーに投げ飛ばされたギャル4が、豪快な大開脚を全国のお茶の間に晒すカットが気になるくらい。

 こうして、ポーの、終わってみれば結局何がしたかったんだ? と言う実験は失敗に終わるのだった。

 もっとも、ツタツタによって池田家は経済的に破綻してしまったのは事実なので、そう言う観点から言えば成功したとも言えるのだが。

 
 事件解決後、すべての問題が丸く収まったような顔で仲良く散歩する池田家の人々であったが、実際は、今回の騒動で150万あった貯金は底を尽き、さらにサラ金から多額の借金をすると言う悲惨な状況にあるのだ。

 そのままペットにした2匹の犬の代金だってまだ払ってないし……。

 と言う訳で、無駄なシーンが多く、ストーリーも単調で盛り上がりに欠けるエピソードであった。

 これなら「ギャバン」の39話のほうがよっぽど面白い。
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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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