第81話「振袖の熱い涙」(1976年4月13日)
田舎から江戸に出て来て必死に働いている商人・佐吉(松橋登)と、お竜との淡い恋を描いたエピソード。
なんと言っても今回の見せ場は、お竜の伝説の壺振りシーン。

お竜「よござんすか、よござんすね?」
もうこの時点で、おっぱいがサラシからこぼれ落ちそうで不安になるのだが、

お竜「入ります!」
サイコロを壺に入れ、勢いよく右手を振り上げる。
「おいおい、あんまり勢いよくやるとポロリするぞ!」と、管理人が思ったその時、
はい! ほんとに乳首がポロリしちゃうのです! ポロリの神様、ありがとう!
これは純然たる事故だと思うが、普通、カメラマンとか気付くよね。
で、お竜はひょんなことから佐吉と知り合い、たちまちのうちに恋に落ちる。

そして、佐吉の店で購入した振袖を着て、すっかり見違えたように女らしくなって瑞光院の刀舟たちのところへ自慢しに行くが、普段が普段だから半兵衛にさんざん馬鹿にされ、弥九郎たちにも笑われ、

お竜「何がおかしんだよ。もう二度とこんなとこ来るもんか!」
と、目に涙を溜めてそこを飛び出してしまう。
お竜「ひどいや、みんな……」
しかし、お竜の努力も空しく、やがて佐吉には前から将来を誓い合った娘がいたことを知り、お竜は失恋の苦い涙を味わうのだった。
それでも、よんどころのない事情で10両と言う大金が必要な佐吉の為に、危ないイカサマ博打までして金を稼ごうとするお竜が健気なのである。
が、そんな時に限ってイカサマがバレ、やくざに簀巻きにされて川に放り込まれてしまう。それを見ていた半兵衛は、口ではぶつぶつ言いながら、川に飛び込んでお竜を助け出し、瑞光院に連れて帰る。
そんな目に遭いながら、お竜はまだ諦めない。
お竜「私はどうしても10両の金が欲しかったんだ」
半兵衛「だからー、何の為に使う金なんだって聞いてるんだよ」
お竜「……」
半兵衛「うんだよ、それじゃあ話にも何にもならねえだろ!」
お竜「半兵衛さん、助けてくれたお礼だけは言っておくよ。ありがとござんした」
半兵衛「へー、そりゃまたご丁寧なこって!」
お竜、今にも泣き出しそうな顔で寺から出て行こうとするが、傍らで彼らの話を聞いていた刀舟が、不意に呼び止める。

刀舟「お竜、待ちな! 半兵衛、ここにある本、全部売って来い。10両にはなるだろう」
半兵衛「えっ、この本、売るんですか? じょっ、冗談じゃ……」
刀舟「かまやしねえよ! お竜が命懸けで金を作ろうとしてんだ、売って来い」

お竜「先生……!」
事情を詮索しようともせず、ポンと貴重な医学の本を売ってでも金を作ってやろうとする刀舟の優しさに、思わず涙ぐむお竜であった。
で、色々あって、佐吉はワルモノたちに殺されそうになるが、そこへ鬼となった刀舟が駆けつける。

刀舟「(前略)10両の金が作れずにてめえらに痛め付けられた佐吉の無念もわかるめえ。
てめえは人間じゃねえや。てめえら人間じゃねえや! たたっきってやる!」
珍しく、「NOT人間」を単数形、複数形と二回繰り返した刀舟先生、

世にも嬉しそうな顔で「NOT人間」たちをぶったぎるのでした。
ラスト、佐吉への無償の愛を貫いたお竜は、いかにも晴れ晴れとした笑顔を刀舟たちに見せるのだった。
さて、そんな純情なお竜であったが、83話で胸を病み(結核?)、刀舟の半ば強引な勧めで下田に転地療法に行くことになり、それっきり番組から姿を消してしまうのだった。
で、その代わりに84話から、

矢車のお千と言う新キャラクターが登場する。
演じるのは上原美佐さん。同姓同名の女優さんが複数いるが、こちらは分かりやすく言うと、「スカイライダー」第6話で優しい看護婦さんを演じていた方の上原さんである(分かるかっ)。

お千「半ちゃんはねえ、私のご贔屓筋でねえ、小屋に来たらかぶりつきに陣取っちゃってさ、見せろ見せろってうるさくて……」
半兵衛「ははは……」
弥九郎「……」
お千は掛け小屋でエロティックな踊りを見せて生計を立てている。平たく言えばストリッパーなのである。
第85話「消えた五千両」(1976年5月4日)
今回のヒロインは、銀次(岩城力也)と言う凶悪な盗賊団のかしらの娘・お孝で、

それを、当時16才の遠藤真理子さんが演じておられる。
これがもう、ぽちゃぽちゃと可愛くてたまらんのである。
無論、お孝は父親がそんな盗賊だとは露ほども知らないでいたのだが、ある日、二人で川釣りをしているとき、もし自分に何かあったら、この釣竿がお前を一生安楽にしてくれるなどと、謎めいた言葉を口にする。
その後、彼らが盗んで竹やぶの中に埋めた5000両と言う金を、彼らを裏で操っていた山代屋(菅貫太郎)たちと一緒に掘り返しているとき、御用済みとばかりに銀次は斬られてしまう。
だが、埋めた筈の5000両はいつの間にかなくなっており、岡っ引きの源造(鈴木瑞穂)が駆けつけたときには、瀕死の銀次だけが取り残されていた。銀次は「娘を頼む」と源造に言い残して息絶える。

一年後、お孝が瑞光院の近くで花摘みをしていると、ちょうど近くで弥九郎と薬草取りをしていた半兵衛が手伝ってくれる。
半兵衛「あんな男と薬草取りしてるより、お孝ちゃんと花摘んでるほうがよっぽど楽しいぜ」
弥九郎「こんな男で悪かったね。お孝ちゃん、中年の狼には気をつけたほうが良いよ」
半兵衛「中年とはなんだっ!」
お孝は可愛くて気立てが良く、瑞光院の連中とも仲良しだった。
彼女はあれ以来、源造に引き取られて一緒に暮らしていたのだが、ある日、源造が沈んだ様子で帰ってきて、

源造「お孝ちゃん、15になったんだな」
お孝「そうよ、15よ。どうしたの、急に……」
源造「むごい話だが、おめえは御法どおり、来月の十日、八丈島送りと決まった」
お孝「島送り? だって私は何も……どうして?」
源造「そう言う決まりなんだよ、ただ、野ざらし銀次の娘と言うだけで……むごい話だ」
そう、お孝は父親の押し込み強盗などの罪の連座で、島送りにされるというのだ。
本来ならとっくにそうなっていた筈なのだが、お孝は当時まだ14才だったので、刑の執行が猶予されていた訳なのだ。

お孝、絶望のあまり川に身投げしようとするが、ちょうど通りがかったお蘭に止められる。
だが、その後、今度はいつも花摘みをしていた野原で、胸に出刃包丁を突き刺して自害しようとする。
幸い、直後に弥九郎たちに発見された為、すぐ瑞光院に運ばれて刀舟の手当てを受ける。

刀舟「あぶねえところだったよ。無闇に出刃を抜かなかったのは、弥九郎、てえしたもんだ」
弥九郎「出血が命取りだと思ったモンですから」
半兵衛「へえーっ、弥九さん、おめえももう一人前じゃねえかよ!」
珍しく刀舟が弥九郎の処置を褒め、半兵衛も思わず感嘆の声を上げる。
刀舟の手術で命を取り留めたお孝は、その後は自宅で療養を続けていたが、ある日、源造が興奮した様子で家に駆け込んでくる。
盗賊団でたったひとり生き残った政吉と言う下っ端が、明日、佃島から帰ってくるのだが、その政吉に、消えた5000両のありかを吐かせて取り戻せば、お上の慈悲でお孝の島送りが免除されるかもしれないと言うのだ。

源造「俺はお前を八丈へなんかやらねえ、ぜってえにやるもんか」
お孝「おじさん……どうして私のような人殺しの娘を、そんなにまで?」
源造「そりゃおめえが良い子だからさ」
お孝、ふと、生前に父親が漏らした言葉を思い出し、父親が使っていた釣竿を調べると、果たして、その中から5000両の隠し場所を記したと思われる書付が出てくる。
ちなみに、山代屋の背後にはさらに悪い普請奉行が控えていて、それをあの天本英世さんが演じている。天本さんと菅貫太郎さんが二人きりでヒソヒソ悪だくみをするシーンなんて、ほとんど鼻血ものだね。
だが、その政吉も5000両のありかを知らなかった。
ここで、源造は黒幕の山代屋に乗り込み、手を組んで5000両を山分けにしようではないかと意外な相談を持ちかける。そう、源造、いかにも善人そうなキャラだったが、実は最初からお孝から5000両のありかを聞き出す為、親切ごかしに世話をしてきたと言う訳なのだ。
彼らは、島送りになる前にお孝から情報を聞き出さねばならないと、一計を案じる。
それは源造が5000両を狙う何者かによって命を脅かされていると言うお芝居で、それを真実らしく見せる為、実際に源造は何者かに斬られて傷を負う。
刀舟がその治療を行い、お孝はそのお礼にと瑞光院に来てなにくれとなく世話をする。刀舟は、しばらく寺に住まないかと誘うが、

お孝「ありがとうございます。でも……」
刀舟「余計な心配いらねえから」
お孝「先生、私の父は悪い父だったかもしれません。でも私にはとっても優しい良い父でした。先生もいい人ですね。私、島へ行っても先生のことは忘れません」
刀舟(こんな良い子がどうして法の犠牲にならなきゃいけねえんだ……) 父親の罪を背負って、潔く島送りの刑に処されようとする健気なお孝を見て、珍しく刀舟が憤懣やるかたないと言った口調で独白する。
その後、山代屋の雇ったならず者たちによってお孝と源造が山代屋に連れて行かれ、お孝の目の前で源造がさんざんに竹刀で叩かれる。無論、源造と山代屋の仕組んだ芝居である。

普請奉行「白状するまで叩きのめせ」
ここは、死神博士が指図をして、貫太郎が源造をしばき、デスマルク大元帥or魔神提督(中庸介)がお孝の体を押さえつけているという、物凄く豪華な顔触れとなっております。

お孝「言います、だからおじさんを放して!」
山代屋「よし、縄を解いてやれ」
源造「すまねえ、お孝」
デスマルクに顔をぶにゅっとされたお孝、源造の苦しむ姿を見ていられず、遂に5000両のありかを白状する。
すべてのからくりを知った刀舟と弥九郎が駆けつけたときには、既に悪者たちは5000両の隠し場所に行っており、お孝は縄で縛られて放置してあった。刀舟はお孝を弥九郎に任せると、彼らの後を追いかける。
さて、5000両が無事に掘り出されたところで、お役ごめんとばかり、源造は山代屋たちに斬り殺される。源造は、死ぬ間際に、自分のことを本気で心配してくれたお孝の姿が目に浮かび、「すまねえ、お孝……」と、最期の瞬間に善心に立ち返って詫びるのだった。
そしてここから、お楽しみの「悪人狩り」タイムとなります。

刀舟「待ちやがれ! ハゲタカどもが……」
山代屋「何者だ、お前」
刀舟「やかましいや、この野郎! てめえら、銭のためにたったひとりで生きようとしている娘の心をずたずたにしやがってよぉ。たとえ盗賊でも重罪人でもその子にゃなんの罪もねんだ! それなのによぉ、健気にも親の罪を背負おうとしているお孝を利用しやがって! てめえら人間じゃねえ、たたっきってやる!」 さて、5000両が出てきたことで、お孝は島送りを免れ、江戸ところ払いを申し渡される。
お孝は、刀舟の世話で堀切の薬草店で働くことになり、弥九郎に見送られて江戸を後にする。
恐らく、最後まで、源造が悪人であることを知らないまま旅立って行ったのだろう。
つい長くなってしまったが、シリーズ中の傑作であった。
第91話「天保女医秘録」(1976年6月22日)

ストーリーは特に書くこともないのだが、再び萩奈穂美さんが飲み屋で働いているお光と言う脇役で出演。
お光は、お千のように人前で踊ってみたいと語り、二人の前で実際に踊って見せる。

刀舟「こいつはうめえ、うめえ」
弥九郎「駄目ですよ、先生、そんなこと言っちゃあ」
刀舟「駄目、駄目だって」
お光「だって今、うめえもんだって言ったじゃないの」
刀舟「いや、これ(酒)がうめえってったんだ」
酔っ払っている刀舟は無責任に褒めるが、弥九郎にたしなめられて、言い直す。
それを聞いてお光が頬をぷくっと膨らませて怒るのが可愛いのである!
が、移り気のお光は、今度二人が行った時には、今評判の女医のように弟子になりたいと言い出す。
弥九郎「だってこないだ踊りがやりたいって言ってたじゃないか」
お光「うん、だってみんなに先生、先生って言われて人助けができるんだものぉ、あたし、お弟子さんになりたいのよ」
弥九郎「先生、こうですよ、なんか言ってやって下さいよ」

お光「あたしこれでも包丁使うの上手いのよ、それにお裁縫だって出来るし、切ったり縫い合わせたり……シャッシャッシャッ、ツイ、ツイーッと!」
得意そうに傷口を縫い合わせる仕草をしてみせるお光が可愛いのである!
可愛いのであるが、出番はこれだけなのだった。
第101話「暗黒街の罠」(1976年8月31日)
今回もストーリーは特に面白くないので省略する。

女髪結いのお高を、大関夕子、つまり佳那晃子さん、

その恋人役の小間物商・平吉を森次晃嗣、つまりモロボシ・ダンが演じている。

また、瑞光院で、半兵衛とお千が狐拳をして負けたほうが一枚一枚着物を脱ぐという野球拳みたいなことをしていて、お千がさらし一枚になるシーンがあって、

81話のお竜のような乳首ポロリこそないが、白い乳房がはみ出そうで、なかなかエロティックなのである。
お高とダンは色々とひどい目に遭うのだが、最後はダンがセブンに変身して……じゃなくて、刀舟の怒りが爆発して、悪人の屋敷に突撃して斬りまくる。

ラスト、奉行所で拷問を受けて足腰立たなくなったお高も無事に放免となり、半兵衛の背に背負われて出て来て、ダンと幸せになるのであった。
続きはまた今度!
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