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「イナズマン」 第15話「影をくわれたお母さん」

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 第15話「影をくわれたお母さん」(1974年1月8日)

 視界の及ぶ限り集合住宅が立ち並ぶマンモス団地の全景。

 ほんの一瞬のことだったが、起こる筈のない皆既日食が起こり、世界は闇に包まれる。

 それは、その夜から起こった奇怪な事件の前兆だったのだ。ちゃあら~ん!(by こん平)

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 もっとも、実際に事件の起こるのは団地ではなく、普通の住宅地の一角であった。

 えりんぎのお化けのようなシルエットが、松本家の玄関先に忍び寄る。

 タカシと言う息子が寝室のベッドでうなされていると、和服姿もあでやかな美しい母親(北川めぐみ)が入ってきて、そっと乱れた布団を直してやる。

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 タカシ「ありがとう、お母さん」
 母親「なんだ、起きてたの、タカシ」
 タカシ「うん、眠れないんだ、何か恐ろしいものが近付いてくるような気がして」
 母親「気がするだけでしょ? さ、風邪を引かないようにね。おやすみなさい」

 母親は掛け布団をタカシの顎の下まで引き上げると、部屋を出て行く。

 だが、タカシの抱いた予感は消えるどころかますます強くなって行く。タカシはベッドから降りると、

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 タカシ「ようし、俺の超能力で何が起きるか見てやる!」

 タカシ、さらっととんでもないことを口走る。

 さすが、日本中のスプーンをユリ・ゲラーが曲げ倒していた時代の少年である。

 タカシを演じるのは、この少し後に「SFドラマ 猿の軍団」で榊次郎役を演じることになる梶正昭さん。色んなドラマに出ておられる名子役だが、個人的には「変身忍者 嵐」の第40話で、ハヤテが自分の母親を殺したのだと決め付けて悪態をつく大変生意気なお子様の役が印象的である。

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 タカシが両手を握り締めて念じていると、あのえりんぎのお化けが眼前に浮かび上がり、「お前を殺しやる」と迫ってくる。

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 タカシがベッドの上で「お母さん、助けてー」と悶えていると、再び母親が飛んできてタカシを揺り起こす。

 母親「どうしたの、一体」
 タカシ「母さん、俺を助けてくれるよな、な?」
 母親「一体何のことよ」
 タカシ「俺、殺されるんだ」
 母親「寝惚けてるのね、タカシ」
 タカシ「違う、本当なんだよ」
 母親「まあ、こんなに汗をかいて……さ、寝ることよ。いいわね」

 タカシ、母親に甘えるようにしがみつき、必死に助けを求めるが、そんな漠然とした夢のような話を母親がまともに取り合ってくれる筈もなく、さっきと同じように布団の中に戻されてしまう。

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 タカシ「ちぇっ、俺の超能力は未来のことが分かるのに」
 怪人「そのようだな」
 タカシ「えっ」
 怪人「間違いなくお前は俺様の思っていたとおりミュータントだ」
 タカシ「誰だっ」

 タカシのつぶやきに何者かの声が応え、タカシは慌ててベッドの上に半身を起こす。

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 怪人、カゲバンバラはその名のとおり、影を自由に操る能力を持っていて、壁に映ったタカシの影の中から出現し、実体化する。

 怪人「俺はお前を新人類帝国の一員にする為に来たカゲバンバラだ」

 カゲバンバラの渋い声は、後にウデスパー、サデスパーの声を演じる岩名雅記さん。

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 タカシ「お母さん、助けてー」
 母親「どうしたの?」
 タカシ「化け物が、廊下に」

 タカシ、廊下へ出てリビングで雑誌を読んでいた母親に助けを求めるが、案の定、母親が廊下に出てみるとカゲバンバラの姿は忽然と消えていた。

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 母親「タカシ」
 タカシ「嘘じゃない」
 母親「タカシ!」
 タカシ「……分かった、分かったよ」
 母親「おやすみなさい」

 母親に睨まれると、タカシはあっさり説得を諦め、大人しく引き下がる。

 それにしても、さっきから同じようなシーンが繰り返されているような気がするが……。

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 タカシ「おじさん、おじさん、菊村のおじさん」
 菊村「なんだ、タカシ君じゃないか」

 タカシ、母親は当てにならないと玄関を出て、向かいの菊村と言う家の主人を呼び出す。

 なお、菊村さん、タカシが門の所から叫んだら約2秒でガチャッとドアを開けておられます。

 さすがに出て来るのが早過ぎですよね。

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 だが、菊村は再び現われたカゲバンバラに襲われ、その体を乗っ取られてしまう。

 菊村を演じるのは、「スカイライダー」のどじなカメラマン役の東龍明さん。

 タケシはその場から逃げ出すが、偶然、豪作と五郎に出会う。

 彼らは、目の前で、紐でくくった折り詰めをぶら下げた正統派酔っ払いがカゲバンバラに殺されるのを見る。

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 翌朝、朝食の席で、タカシは学校に行きたくないと言い出す。

 何度訴えても本気にして貰えないタカシ、遂には「分かった、母さんは俺が殺されればいいと思ってるんだ」と、憎まれ口を叩いて家を飛び出す。

 それにしても、この家には父親がいないのか?

 あと、母親が昨夜と同じ着物着てるというのもなぁ……。

 つーか、そんな格好で飯の支度したのか?

 この辺のリアリティゼロの感じは、いかにも島田真之氏らしい脚本である。

 その後、家を出て、学校にも行かずぼんやりしていたタカシの前にカゲバンバラに乗っ取られた菊村が現われ、タカシを新人類帝国へ連れて行こうとする。

 そこへイナズマンが現われ、タカシを守ってカゲバンバラを撃退する。

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 だが、カゲバンバラは先に松本家に戻り、ひとりでいた母親を襲い、壁に映ったその頭の影を、紙でも剥がすように手で掴み取り(この画像では分かりにくいが)、

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 怪人「お前の影を食ってやる。むにゃむにゃ……」

 文字通り影を食ってしまうのである!

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 頭を食われ、顔の上半分が欠けた状態になった母親の影。

 実物は苦しがっているだけでそのままなのだが、なかなかグロい映像である。

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 五郎「君の言ってることは嘘じゃない。さあうちへ帰ろう。お母さんが心配してるぞ」
 タカシ「嘘だ。お母さんは俺なんか死んでもいいと思ってるんだ。そんな母さんなんて死んでしまえばいいんだ」

 近くの神社に参拝していたタカシ、母親に対しそんな悪態をつく。

 五郎「タカシ君!」
 五郎、思わず怖い顔でタカシを叱ろうとするが、ちょうどその時、カゲバンバラに影を食われている母親の悲鳴を聞きつけ、タカシと一緒に急いで家に向かう。

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 五郎「あっ」
 タカシ「お母さん!」

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 母親に駆け寄る二人の後ろを、隠れていたカゲバンバラが「ささっ」と逃げていくのが割とツボである。

 医者が呼ばれて母親を診察するが、

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 医者「大変危険な状態で、手の施しようが全くありません」

 特撮ドラマでは、ほとんどの場合、医者はクソの役にも立たないと相場は決まっているのである。

 と言うより、役に立たないとヒーローの活躍する余地がなくなるのでそれで正解なのである。

 この医者など、自分が役立たずであることに関しては妙に威勢良く断言していて、そう言う意味では理想的な人材であった。

 おまけに去り際には、
 医者「お大事に……」

 と、五郎たちの神経を逆撫でするような決まり文句を残して行くのだった。

 思わず、心の中で、
 「いっぺん、お前の医師免許をまるめてケツの穴に突っ込んだろか?」

 と、つぶやく五郎であった(註・頭のおかしい管理人の妄想です)。

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 母親「タカシ、許して……」
 タカシ「バチが当たったんだ、俺の言うことを信じないからこんなことになったんじゃないか」

 この期に及んで、タカシは喘いでいる母親に向かって憎まれ口を浴びせる。

 いや、さすがにそんな子供はいないと思いますが。

 第一、仮に母親が信じてくれていたとしても、結果は似たようなものだったろう。

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 五郎「タカシ君! まだ分からないのか? 何故いま生死の境を彷徨っている母親の言葉を信じないんだ? うん?」

 当然、マザコン五郎がそんな親不孝な発言を見過ごす筈がなく、タカシの肩を強く掴んで叱るように叫ぶ。

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 母親「タカシ……」
 タカシ「お母さん!」
 母親「ごめん、お前の言ったとおりだった。許してね」
 タカシ「母さん……お母さんーっ! 死ぬなよなーっ、母さん!」

 タカシも母親が死の淵に立たされながらも自分のことを気遣う言葉に目を覚まし、涙をぽろぽろ流して母親の体に縋りつくのであった。

 ……今気付いたけど、あの医者は母親の着物すら脱がさないで診察してたのか?

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 五郎(誰が殺させるものか、この人を死なせてたまるか!)

 と、そこへ再びカゲバンバラが現われ、「母親の命を救いたかったら、13号埠頭にひとりで来るのだ」と、タカシに申し渡す。

 その後、色々あって13号埠頭でイナズマンとカゲバンバラの一騎打ちとなる。

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 イナズマン、カゲバンバラの「文化祭の出し物」感濃厚な妖術に苦しめられるが、

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 イナズマン「読めたぞ。お前の弱点」
 怪人「なにぃ」
 イナズマン「あの黒い太陽を消すことだ。稲妻影崩し!」

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 イナズマン、両目から閃光を発して、カゲバンバラの力の源泉である黒い太陽を吹き飛ばし、闇の世界を消滅させる。

 そして、必殺「超力・稲妻落とし」でカゲバンバラを倒すのだった。

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 五郎「じゃ、タカシ君」
 タカシ「ありがとう、五郎さん」

 ラスト、すっかり元気になった母親、タカシと別れの挨拶を交わす五郎たち。

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 二人は、緩い下り坂を歩いていくのだが、

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 ここは約2年前の「好き!すき!!魔女先生」第8話に出て来たのと同じ場所だね。

 ま、当時の他の東映作品にもちょくちょく出てくるロケ地ではないかと思うが。

 ……と言う訳で、頑張って書いたものの、死ぬほどつまらないエピソードであった。

 ストーリーもだが、会話のひとつひとつに工夫がなく、ひたすら無味乾燥で退屈なのだ。
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コメント

瀕死の母親に向かって子供が“バチが当たったからこうなったんだ”って普通の子供が言う台詞では無いですよね😅どうにも盛り上がりに欠ける作品でしたね😔

Re: タイトルなし

> 瀕死の母親に向かって子供が“バチが当たったからこうなったんだ”って普通の子供が言う台詞では無いですよね😅どうにも盛り上がりに欠ける作品でしたね😔

だから一度スルーしたんですけどね。

酔っ払いが見殺しにされたみたいで気の毒な印象を受けました
それ以外は当たり障りのない内容だったと思います そもそも短い期間で話を作るのだから退屈に思う話のひとつやふたつあるのはむしろ当たり前だと思います

Re: タイトルなし

お優しいんですね。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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