実写版「ハレンチ学園」は、永井豪の漫画「ハレンチ学園」の実写版である。そのまんまである。
1970年5月2日公開。監督は丹野雄二。
「ハレンチ学園」の映像化ということで、割と過激なことをやってるんじゃないかと期待じゃなくて、予想していたのだが、蓋を開けて見ると、まったくそういうのではなく、むしろ当時の学園紛争のパロディのような青春ドラマであった。……と言うか、ストーリーのないドタバタ劇と言うべきか。この独特のテイストは実際に見てもらわないと分からないだろう。
ちなみに管理人はマンガの「ハレンチ学園」はまったく知りません。よってその辺の比較が出来ないのが悔しいです、だが、とにかく印象に残ったシーンを貼りつつ紹介。

ヒロインの十兵衛を演じる児島みゆきだが、クレジットは豪華なキャストに押されてかなり最後の方に書いてあったな。
教師役では、

小松方正とか、由利徹(子泣きジジイにしか見えんが)とか、

藤村俊二とか、

大泉滉(右)とか、

宍戸錠とか、やたらと豪華なキャストなのだった。この後にも、小松政夫とか、左卜全とか、なべおさみとか、石井均とか、日本を代表するコメディアンがぞろぞろ出てくる。もっとも、観客は別にそういうのが観たかった訳じゃないと思うが……。

ちなみに宍戸錠は、転任した来た時に、持参の鉄パイプで鉄棒を組み立てて、何の意味もないのにぐるぐると回転して見せるのであった。なんだかなぁ。

生徒のリーダー格が山岸くんだが、何故か友達の中に、常に中年(左)が一人混じっているのが怖い。
で、最初は卒業式の態度の悪さを巡って、教師たちと生徒たちのいざこざが展開される。校庭で騒いでる時に、宍戸錠がやってくるんだけどね。

開始から約20分、初めてのお色気シーン。
……と、言いたいが、スカートまくって半パン見せられてもなぁ。
当時の観客はこれで興奮していたのだろうか。

その後、ヒゲゴジラの教室では女生徒が全員水着姿になるという中途半端なお色気。
せめて下着にして下さい!(管理人の魂の叫び1)
多分、原作だと全裸みたいになってるのかなぁ。
児島さんが目立つのだが、脇にいる女の子たちも、年齢・背丈がばらばらで、中にはちょっと綺麗な子もいたりする。

その後、女生徒たちにもみくちゃにされる藤村俊二。若い女の子に囲まれて、さぞや嬉しかったことだろう。

水着の尻に顔を突っ込む教師。お色気シーン……なのか?

実に色気のないパンツや、

おへそを見て、

にやつく小松方正。当時はそんなもんだったのかなぁ。
でも、見てるとあまりの健全さに胸が熱くなるんだよね。こんな時代もあったのだ。
さて、騒動もひと段落し、次のシークエンス。

若い女性教師が赴任してくるが、これがうつみ宮土理(当時はみどり)さん! 若いなぁ。
でけえ本だなオイ! で、その朝、登校中の児島みゆきさん、

ジャンプして、やっと本格的なパンチラが披露される。開始から約43分。
で、この時、金網にパンツがひっかかって、

ノーパン状態になる児島さん。いかにもマンガっぽいアイデアだ。
追記・この辺とか、同年に放送されたテレビ版の「ハレンチ学園」にそのまま移植されているシーンも多い。
そして、学園では、山岸たちが新任のうつみみどりをからかったりして、いつものように、馬鹿騒ぎに突入。いやぁ、ほんと、ほのぼのしてて涙が出ます。

ここでは、割と大規模なスカートめくりが展開されるのだが、悲しいことに、みんな下に原色も眩しい色気のかけらもないコットンパンツ(?)を装着しているのだ。これがまた分厚い。
ただ、ここで、たまたまノー パンである児島さんが怖がって逃げ惑うのがちょっと心ときめくシチュエーション。
ノー パンを打ち明けられた山岸くんは、彼女のスカートがめくられないように守ってあげて、二人の間に友情が芽生えるのでした。

で、別れ際にスカートをめくって、生尻がちょっとだけ見えるお色気シーン。
それを受けて、
山岸「Oh! モーレツぅ!」 ……
ま、この辺についてはあまり触れないことにして、次のエピソードに行こう。
その後、ハレンチ学園では、生徒から5000円集めて修学旅行を実施。1970年の5000円って、今のいくらくらいなんだろう。ざっくり10倍くらいかなぁ。そこまではいかないか。

で、出発当日にみんな私服でやってくるのが、なんか自由な感じでイイ。
無論、ハレンチ学園の教師たちの考えることだから、尋常な修学旅行ではなく、

当時の、移動スーパーマーケットの、大型車両を藤村俊二が盗んできて、それをバス代わりにして行くという、完全な犯罪行為に走る出鱈目ぶり。いいなぁ。
ちなみに、当時は、そういうショウバイがあったんだろうね。これ、車の中に商品が陳列されていて、値札とかも貼ってあるので、団地の主婦たちが乗り込んで、スーパーで買い物してる感覚でショッピングを楽しんでいたのだろう。
風俗資料として貴重かもしれない。

しかし、当然、中は死ぬほど狭い。こんな修学旅行やだよ。
で、走ってると、スピード違反か何かで白バイに止められるのだが、そこへ乗り込んでくるのが、

小松政夫! でも、これに出てるコメディアンでまた存命なのは、彼となべおさみくらいか? 公開から48年だからなぁ。しみじみ。
警官は、うつみみどりの色香に軟化して、あっさり見逃してくれる。
その後も、スタンドでガソリン代も踏み倒すわと、やりたい放題。エッチ方面は控え目だが、こういうところは割と過激である。
ホテルに着いても、予約もしてないのに学習院の生徒たちだと偽って泊り込んでしまうむちゃくちゃぶり。

で、風呂に入るのだが、残念なことに、ここでも水着なのだ。
……
水着で風呂に入るなぁ!(管理人の魂の叫び2)
……と思ったが、よく考えたらこれは温水プールかな?
この時も、少年たちの間に中年がひとり混じっているのが可笑しい。
ただ、このシーンでは、

ちょっとしたアクシデントで、遂に女子生徒のおっぱいが見える貴重なカットがある。
髪の毛で隠れてほとんど見えないが、目を凝らせば乳首もバッチリ映っているのが分かる。
開始から実に1時間3分の我慢が報われたのであります!

ついで、食事のシーンだが、これじゃ完全な宴会だな。ま、修学旅行なんてこんなもんか。
その後、例によって教師たちと生徒たちのバトルが繰り広げられるのだが、大して面白くないので割愛。ただ、その流れで芸者たちと野球拳をするという実にほのぼのしたシーンがある。野球拳って、日本の無形文化財に指定すべきだと思うんだけどね。ほんとは思ってないけど。

そして、遂に全裸での入浴シーンが実現。当たり前だけどね。
ただ、これだけたくさん女の子(含うつみみどり)が裸なのに、ただのひとつもおっぱいなどが露出しないという、ありがたくない奇跡が起こる。
おっぱいぐらい見せろ!(管理人の魂の叫び3)
翌朝、生徒たちは教師をほったらかして、宿代も踏み倒して旅館から脱出する。単なる犯罪者集団だな。

ただ、この過程で、児島みゆきさんの割と生々しいパン チラが披露される。おめでとうございます。
生徒たちが先程の移動スーパーマーケット車で出発した直後、ボイラーの故障で旅館が爆発炎上するというただならぬ事態に。そして教師たちは逮捕されてしまう。
まあ
そんなことはおいといて、引き続き楽しくドライブする生徒たち。ちなみに運転するのは酔っ払ったうつみみどりである。怖えよ。

ところで、この道中、いかにも当時の映画らしい演出があって、たとえばこのように3人乗りの自転車の女性たちと擦れ違うと……そういや、いまこんなの乗ってる奴いないよな。

まあ、いや~ん、という感じに下着になってしまうのだ。
ええい、どうせなら全裸にしろぉっ!(管理人の魂の叫び4)

しかも振り向いたら、これがブ……いや、オバ……いや、不美……いや、まあ贅沢は敵なのだ。
同様に、擦れ違ったら看板の絵の具が消えていたり、バイク乗りが白髪になったり、ニワトリが車内に入ってきたりと、あまり笑えないギャグが繰り返される。
で、最後はさっきの小松政夫なども加わって、ドタバタ騒いで終わり。
ハレンチ学園に戻ってきた生徒たちは、教師たち不在で羽を伸ばしていたが、

唯一旅行に行かなかった宍戸錠は健在で、ビシビシしごいてやると息巻く。
さらに、留置所から脱獄してきたほかの教師たちも戻ってきて、生徒たちのピンチ、というところで、

レオタード姿にチェンジした児島みゆきが颯爽と現れて山岸たちを助ける。

ついでに他の女生徒もレオタード姿になる。
思えば、日本の女の子も随分スタイルが良くなったよなぁ(遠い目)……
それからまあいつものように、敵味方入り乱れてのバトルになるのだが、飽きた。

で、何故か用務員の左卜全が、序盤で拾ったブラを着けて、

さらに「やめてけれ」のフレーズでお馴染み「老人と子供のポルカ」をバックに、騎馬戦に参加する。76歳の左氏は、この年に、この曲で歌手デビューしてるんだよね。ところで今調べて知ったのだが、このバックコーラスの女の子のひとりが、ル・クプルの藤田恵美さんだったんだと。ひとつ勉強になりました。

女子はレオタードなのでスカートめくりなどはない。ただ、このカットでレオタードの下から下着がはみ出ているのが、重度の尻チェチである管理人とっては、お宝映像です。

最後は、山岸と十兵衛が駆け寄って、抱き合うのかと思いきや、あくまでも明朗健全会計的に握手を交わすのだった。
と言う訳で、とにかくストーリーがないコメディで、しかもお下劣シーンもないので、そういうのを期待して見るとずっこけること間違いなし。でも、逆にそのぬるさが、殺伐とした現代社会に生きている我々にはこの上ない癒しになるんじゃないかと思う。
それに、豪華コメディアンの競演は普通に凄いし、DVDの画質も信じられないくらいほど綺麗なのだ。続篇も借りて見よう。
(この記事は、前のブログで2012年6月11日に公開したものに加筆したものです)
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