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「スケバン刑事3 少女忍法帖伝奇」 第40話「大洪水!! 風魔・最強最後の術」

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 第40話「大洪水!! 風魔・最強最後の術」(1987年10月15日)

 考えたら、後番組なんだから当然なのだが、「少女コマンドーいづみ」って、この約1ヵ月後に始まってるんだよね。

 時期的にはほとんど同じ作品なのに、「スケバン」の方が妙に古めかしく感じられて、「いづみ」の方がとても新しく見えるのは、不思議である。

 まぁ、「スケバン」の方はずっと前から知ってて、「いづみ」はつい数年前までそのタイトルすら知らなかったと言う個人的な視聴体験の差と言うのもあるだろうが、タイトルの「スケバン」と言う言葉自体から滲み出る古臭くが最大の原因かもしれない。おまけに「3」は、東洋の神秘「ザ・ニンジャ」がテーマだもんね。

 冒頭、38話で実の父親を唯に殺されて唯の前から姿を消した結花と由真の現況が映し出される。

 この、影によって世界が滅ぼされるかも知れないと言う緊急時に、二人はいったい何しているのか?

 
 由真「なに、ぽや~っとしてんの、姉貴?」
 結花「星、こんな降るような星を見るのは久しぶり……思い切って旅に出て良かった」

 旅行しとんかいっ!!!

 いくら、実の父親を失った直後とはいえ、センチメンタルジャーニーとはお気楽にも程がある。

 こいつら、旅行中に世界が滅んだらどうするつもりだったのだろう?

 いや、現に、こいつらが観光旅行中に、唯があやうく果心居士に殺されるところだったんだよね。

 ちなみに、二人はペンション風の建物の中庭にいるのだが、具体的に何処なのかは不明である。さすがにあまり遠くではないだろう。

 由真「これ、夢なんだけどさぁ、あたしたちもさ、こういうところでペンション開いたりしない?」
 結花「ペンションかぁ」

 突然、将来の夢を照れ臭そうに語り出す由真。

 いや、だから、そう言う話は世界を救ってからにしましょうよぉ。

 由真は砂利の上に木の棒でペンションの間取り図を引き、

 
 由真「ペンション由真へようこそ」

 結花を客に見立てて、ペンションごっこをするのだった。

 由真「ここが玄関で、客室は2階に五つね。それで、1階は玄関を入るとひろーーーいホールになってんの、それでここに丸いテーブルがあるの。その上にはいつもたくさんお花を盛ってあるの」

 身振り手振りで、嬉しそうにペンションの内装について語る由真と、無言でニコニコとそれに付き合う結花。

 
 しかし、こうして見ると、二人とも結構胸でかいよね。

 せっかくの素材も、ほとんどいつも野暮ったいセーラー服に包まれており、水着のシーンひとつもないというのは実に勿体無い。

 このシーンも、後に結花と由真がちゃんと殉職(?)していれば、なかなか感動的なシーンになったのではないかと思うのだが……。

 無論、二人とて、唯のことや影との戦いのことを忘れた訳ではなく、ふと、砂利の上の、唯の為に区切られたらしいスペースを見て、不意に険しい表情に変わるのだった。

 一方、翔の死と引き換えに、ついにヴァジュラのありかを示す鍵とされる男雛と女雛をゲットした唯たち。

 だが、雛人形をいくら調べても、手掛かり一つ見付からず、結局、「長老が、ヴァジュラの謎を解く鍵は風魔の里にあると言っていた」と言う、やえばあさんの証言を頼りに、再び風魔の里を訪れることになる。

 が、そんな漠然とした言葉では探しようがなく、風魔の里を見下ろす山道の上に立って、唯たちが途方に暮れていると、草むらからひとりの忍びが現れ、いきなり唯に襲い掛かってくる。

 その男、武器は使わず、超人的な対術を駆使して攻撃を繰り出すが、

 
 いまや、風魔・鬼組の棟梁となった唯は、軽々それをかわすと、目を閉じ、

 
 目を閉じた状態で、頭に飛んで来た蹴りを紙一重でかわすと言う神業を見せる。

 
 が、直後に唯が漏らす笑みが、相手の足が頭に当たってしまってつい漏らしたNGシーン的笑いのように見えてしまうのが、まさにNGであった。

 実際は、唯、相手の動きからそれが誰なのか素早く見抜き、それで会心の笑みを刻んだのだった。

 唯「その突き、その蹴り、おぼえちょるわい」

 唯の言葉に、忍びは急に攻撃をやめ、その場に方膝を突いて自ら頭巾を取り、素顔を見せる。

 
 連道「よかった、君の瞳は影との戦いでも天使の輝きを失ってはいない」

 そう、それは18話に登場した空手の達人・連道武昭であった。

 彼は影の草と言う宿命から逃れようと野獣のように暴れ回っていたが、唯の純真な心に触れて立ち直り、風魔の里へ身を寄せていたのだ。

 これだけのスパンを経て、ゲストキャラが再登場すると言うのは、なかなか楽しい。

 唯「さすが連道さんの蹴りはすごか」

 
 続いて、8話で唯にヨーヨーの奥義(笑)を伝授した、ヨーヨーの権三(笑)も登場。

 さらにもう二人の忍びが宙を飛んで着地し、自ら頭巾を取る。

 ひとりは、これは割りと最近の36話に登場した小太郎の部下の一人・小次郎、

 
 もうひとりは、見たことのない、目元涼やかな美女であった。

 あれ、こんな人いたっけ?と首を傾げる管理人であったが、

 
 唯「成美さん、無事やったとね!」

 唯の台詞で、それが20話で殺されたとばかり思っていた東野成美だということが分かり、二度びっくりする管理人であった。

 なにしろ、20話では、

 
 こんな、目付きの悪い、スケバンと言うより世捨て人みたいな、連道以上に打ち解けにくいキャラだったのだから、分からなくて当然だろう。

 彼女は、20話のラストで重傷を追ったが、死んではおらず、連道と同じく、風魔の里に匿われて、風魔の忍びとして更生したのだろう。

 そんな、連道や成美の変貌ぶりを見て、「よし、平和になったら、風魔の里を不良や登校拒否などの子供を更生させる施設にしてがっぽり儲けよう!」と、心の中で固く誓う般若であった。

 
 成美「風魔で生まれ変わりました」

 ほんと、生まれ変わったとしか言いようのない可愛らしさである!

 小次郎「あのー、わしの画像は?」
 管理人「うるせえ、俺様は今それどころじゃねえんだ!」

 管理人は成美ちゃんの画像を貼るのに忙しいのである。

 
 唯「こんげなところでみんなに会えるなんち、誰がみんなを?」

 唯の問いに、みんなの視線が一斉に向こう側の道へ向けられる。

 向こうからやってきたのは、言うまでもなくわんぱくハムおやじ帯庵であった。

 
 唯「じいちゃん、じっちゃん!」
 帯庵「みんな、おんしと共に戦うことを誓うてくれたんじゃ」

 思わず帯庵の大きな胸に飛び込む唯。

 それにしても帯庵、相変わらずチョコレートみたいな物凄い顔色してるね。酒焼けかな。

 唯「わち、うれしか、こんげに嬉しいこつはなか」
 般若「ヴァジュラの謎、助けになるな、唯」

 結花と由真を失った直後だっただけに、思いがけず仲間が増えたことを単純に喜ぶ唯であったが、それは後のシーンの悲劇性をより際立たせる為のシナリオライターの陰険な策略に過ぎなかった。

 要するにこの4人、唯を手助けするどころか、今回、果心居士に殺される為だけに出て来たようなものなのである。

 うーん、せめて4人にはもう一話くらい活躍の場を与えて欲しかったところだ。特に成美ちゃんには。

 果たして、旧交を温める暇もなく、俄かに風が強くなり、暗雲が稜線の向こうから湧き上がったかと思うと、急にあたりが夜のように暗くなる。早くも果心居士が唯の存在に気付いて接近しつつあるのだ。

 帯庵は、唯たちを六角堂へ行かせると共に、やえには村人とともに神社に避難するよう指示する。

 
 空には不気味な雷鳴も轟き、弥が上にも不安を掻き立てる。

 帯庵「おそろしかー、途轍もなくおそろしかことが、起きるような予感がする」
 般若「帯庵殿」
 帯庵「どげんかことがあっても、唯をまもらにゃいかん」
 般若「……あの術を使っても」
 帯庵「不憫よのう、風魔の宿命……」

 
 さて、みんなが六角堂に集まると、忍び装束に着替えた般若が、なにやら由緒ありげなアイテムを取り出し、

 
 般若「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!」

 両手で印を結びながら、それに念を込めるように「九字」を切る般若。いわゆる「九字護身法」である。

 ちなみに「九字」自体は、これだけじゃなくて色んなパターンがあるんだけどね。

 その上で、般若は独鈷をひとつひとつ連道たちの前に置いていく。

 ちなみに本来はこの独鈷こそが、インド神話におけるヴァジュラのことなのである。

 
 連道がそれに手を伸ばそうとすると、

 般若「待て、その独鈷を心して手にせよ一度手にしたらその命、風魔結界の陣解けるまで我が掌中に預かることになる」
 連道「風魔結界の陣?」
 般若「風魔忍法最強にして、されど、最後の術……おのが命を砦とし、結界を作り、風魔の棟梁をお守りする。いかなる法術も、これを破ることたやすからず、されど、術者の命もまたこれを保証せず」

 
 般若「命ながらえんと考えしもの、即座にここを立ち去れ!」

 数分後、お堂に残っていたのが般若と帯庵だけだったら、かなり笑えたと思うが、無論、そんなことを言われてほんとに逃げ出すような奴はドラマの中にはいない。

 
 唯「みんなだけにそんげなことはさせられん!」

 唯、立ち上がって自分も独鈷を取ろうとするが、般若がその手をむんずと掴む。

 般若「我らが犠牲になるのはうぬひとり生かさんがため」
 唯「そんげなことはいやじゃ、わちは果心居士と戦う」
 般若「果心居士を甘く見るな!」
 唯「じゃけん……」

 
 唯「じいちゃん、なんとかいっちくり!」
 帯庵「……」
 唯「じいちゃん!」
 帯庵「……」
 唯「じいちゃん!」
 帯庵「……えっ、あ、なに? わしの番?」
 唯「……」

 帯庵、思わず寝てしまい、おまけにマージャンしてる夢まで見てしまうのだった。

 嘘である。

 もっとも、帯庵が終始無言で目をつぶっており、般若たちが「こいつ、まさか寝てんじゃねえだろうな?」と疑ったのは事実である。

 
 が、唯の嘆きをよそに、連道は迷いなく目の前の独鈷を手に取る。

 唯「いかん、連道さん!」
 連道「風間唯、僕は死ぬ為にこの独鈷を手にしたのではない、生きる為に取ったんだ。もし、この戦いで斃れるようなことがあっても唯君が影と戦ってくれている間、僕の意志は生き続ける」
 唯「……」
 般若「おい、唯、頭から煙出てるぞ!」

 小難しいことを言われると、唯の脳は高確率でハングアップしてしまうのである(嘘)。

 
 続いて、管理人イチオシの成美も黙って独鈷に手を伸ばす。

 唯「いかん、成美さん、取ったらいかん!」
 成美「草として死んだも同然の私は風魔で生まれ変わった」

 
 成美「そして今、影と戦う戦士としてもう一度生まれ変わるわ」
 唯「……」

 真っ直ぐな視線を向けて淡々と決意を述べる成美の微笑みに気圧されたかのように、唯は沈黙する。

 小次郎、権三も、独鈷を手にする(貼ってやれよ)。

 独鈷は6つあり、残ったふたつのうち、ひとつを般若が掴む。

 般若の合図で、5人はお堂の外へ出て、それぞれのポジションに付く。

 最後のひとつは、当然、帯庵のたなごころに収まる。

 
 唯「せめて、せめて、せめて」
 帯庵「やめて、やめて、やめて」

 じゃなくて(分かる奴だけ分かれ)、

 唯「せめて、せめて、わちもみんなと一緒に戦う!」
 帯庵「唯、みなの心がまだ分からんか? もしお前が死ねば、天輪聖王と戦うすべが消え、もっと多くの人々が犠牲になるじゃろう」
 唯「じゃけん……」

 唯、言葉が見付からず、帯庵の分厚い胸に縋りつく。

 
 帯庵「生きろ、生き延びるんじゃ。そして雛人形を守り、その秘密を解け」

 帯庵も、これが今生の別れになるかも知れぬという思いに駆られ、唯の頭を優しく撫でてやる。

 
 唯「……」

 無論、それは唯とて同じことであった。

 
 帯庵「お前がヴァジュラを手にして、天輪聖王を倒したとき、みなが本当に生きたことになるんじゃ、わかるな、唯?」
 唯「……」
 帯庵「優しさだけが人の道ではなか」

 唯もそれ以上泣き言は言わず、両目から涙を流しながらも、力強く頷いて見せるのだった。

 だが、帯庵が出て行くと、再び迷いの色を浮かべ、

 唯「わちは、わちは……」

 碇シンジほどじゃないけど、これだけ終盤まで煮え切らない主人公も珍しいよね。

 
 お堂の周りに立ち、きたるべき果心居士の攻撃に備える6人。

 これは、勿論、スタジオで撮影しているのである。

 帯庵「風魔結界に入る。臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!」

 果心居士の「アビラウンケンソワカ~」と言う呪文に対抗して、今度は指で、四縦五横に宙を切りながら、さっきと同じ九字を唱えはじめる6人。これも「九字護身法」の一種である。

 
 成美「臨・兵・闘・者……」

 はい、勿論、成美ちゃんも頑張って手を動かしておられます!

 小次郎&権三「ワシらの画像も少しは貼ってくれよ」
 管理人「やだ」

 
 果心居士「ううっ、結界、こざかしい! 燃え尽きよ、風魔の忍びどもぉ」

 果心居士は、唯……と言うより、雛人形のありかを感得するが、風魔結界に気付くと、珍しく顔を歪めて、家でゴキブリに遭遇した20代の主婦のようにおののく。

 
 やがて、六角堂のまわりは、突然の雷雨に見舞われる。

 果心居士の超能力によるものである。

 しかし、「燃え尽きろ」と叫んだ後で、やってくるのが土砂降り雨と言うのは、いささか腑に落ちない。

 あるいは、脚本段階では水だけではなく火による攻撃も予定されていたが、もろもろの都合で水だけになったのではないだろうか。

 それはともかく、豪雨と強風の中、怯むことなく九字を切り続ける6人。

 
 そのモーレツな土砂降りに、帯庵の田中さんさえ目を閉じがちであったが、

 
 般若の萩原さんは、ずっと目を見開きっぱなしで熱演しておられる。

 ほんと、今更だけど、惜しい役者さんを亡くしたものだ。

 
 それに比べると、連道なんかは、まるっきり子供にしか見えないのもむべなるかな。

 
 勿論、我らが成美ちゃんも頑張っておられます!

 あ、小次郎と権三も一応いるみたいですよ。

 小次郎&権三「おいっっっっ!」

 で、とても残念なことに、

 
 雷は、じじいたちではなく、その成美ちゃんの頭上に落ちてしまうのだ。

 成美「うっうっ」

 
 短く呻くと、成美ちゃんはそのままぬかるみに顔を突っ込んで死んでしまう。

 なんという儚い人生だろう。

 連道「成美ーっ!」
 般若「待てい、なんびとも持ち場を離れるな!」

 
 般若「今我らは結界が一部、人の意思を捨てるのだ!」

 ゾクゾクするほどカッコイイ般若の雄叫び。

 だが、次の瞬間、今度は連道が雷に打たれる。

 
 連道「唯……!」

 連道、せっかくの空手の技も活かせないまま退場となってしまったのは残念である(註1)。

 註1……ほんとはどうでもいい。

 唯、次々と仲間が斃れていく気配に、我慢できなくなって六角堂から飛び出そうとするが、

 

 
 その時、雨のベールの向こうから卒然と現れたのは、意外にも、由真であった。

 管理人、そのあまりに唐突な出現に、てっきり、この由真は、怪談「牡丹灯篭」のように、果心居士が作り出した幻影だと思ったのだが、案に相違してそれは本物の由真であった。

 でも、さすがに旅に出てた筈の二人が、何の前触れもなく戻ってくるのは(ドラマ的にも)不自然である。

 般若からの知らせを受けて駆けつけたのだろうが、簡単で良いからその辺の描写が欲しかった。

 たとえば、冒頭のシーンの後、二人がペンションの中に入ると、

 フロント「風間様、依田様とおっしゃる方からお電話が入っておりますが」
 由真「般若が?」

 みたいなね。

 それはさておき、由真、続いて結花が入ってきて、唯の進路を塞ぐように武器を構えて立ちはだかる。

 由真「ここは通さないよ」
 唯「……」

 
 折り鶴やユリアン棒を投げ、唯の動きを牽制する二人に対し、

 唯「まだわちを恨んじょると?」

 見当違いの答えを返す唯であった。

 無論、二人は唯を果心居士から守る為にそうしているのだ。

 そうこうしているうちに、今度は小次郎が雷に打たれて地に伏せる。

 小次郎「死ぬ時くらい貼ってくれ~」
 管理人(シカト)

 
 唯「どけえっ、どかんかいっ! そこを通しない!」

 唯、腹の底から叫んだ後、目をつぶってヨーヨーを二人に向けて投げる。

 だが、二人はヨーヨーをぶつけられても、そこから動こうとしない。

 一方、あまりの豪雨に村の堤防が決壊し、神社に避難していたやえばあさんたちを飲み込んでしまう。これであえなく風魔の里は全滅してしまった訳である。ひでー。

 
 六角堂の外では、帯庵、般若、権三がまだ健在であった。

 帯庵「我らの気を一点に集め、果心居士を倒すのじゃあああ!」
 権三「あっしにも、最期の一花、咲かせてください」
 般若「権三」

 
 結花「唯、あなたは今、みんなと一緒に戦ってるわ。死ぬことより生き残る方がずっとつらく難しい時もあるのよ」

 
 由真「唯、今、てめえを死なせる訳にはいかねえんだよ……私たちの戦いはこれからだろ?」

 
 唯「……」

 唯、姉たちの気持ちを知り、同時に、姉たちとの信頼関係があのくらいのこと(註2)で壊れるようなやわなものではないことを知り、頬を一筋の涙で濡らすのだった。

 註2……二人の実父・小源太を、唯がぶっ殺したこと

 
 唯「姉ちゃん……」

 お互いの気持ちが通じ合い、三人はそれぞれの武器を前に出し、握手するように触れ合わせる。

 「変わらない、変わらない、真珠のようにいつも~♪」
 「想い出は鮮やかな 消えないポートレイト 心の奥でゆれるわ~♪」

 ここで流れるのが「Remenber」と言う、風間三姉妹として歌っている曲なのが、当然のことながらこの感動的な場面をより一層盛り上げている。

 
 一方、外では雨に打たれながら残った三人が、最後の念を込めて九字を切っていた。

 三人「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!」
 帯庵「唯よ~!」
 唯「じいちゃん!」

 その声は、雨の音にも拘らず、建物の中にいる唯にはっきりと聞こえた。

 
 と、三人の渾身のオーラが青い炎となって立ち昇り、上空にいる果心居士に強烈な一撃を与える。

 果心居士「なにぃ、奴らの何処にこんな力が……」

 

 
 が、次の瞬間、大量の水が頭上から降り注ぎ、三人を跡形もなく飲み込んでしまう。

 なんとなく、バラエティー番組の罰ゲームで、バケツの水をかぶってるようにも見える。

 果心居士が退散すると共に、風雨がおさまり、周囲は嘘のように明るくなるが、洪水は幻術ではなく実際に風魔の里を襲ったと見えて、あちこちで土砂崩れが起きて、地形までもが変えられていた。

 変わり果てた村の様子を茫然として見下ろしている三人。

 
 唯「これは……」
 由真「すげえ」
 唯「みんな、みんなは?」

 唯が気付いたように六角堂の周囲を探すが、6人の姿はどこにもなく、代わりにあの独鈷が地面に突き刺さっているだけだった。

 ただし、刺さっていたのは5本であり、1人だけ存命していることが仄めかされる。

 無論、生き残っているのは般若なのだが、と言うことは、必然的に、ハムおやじ帯庵も死んでしまったことになるが……(註3)。

 註3……帯庵が死ぬのは次の41話だった。

 唯「……これも、風魔の宿命じゃっちゅうんか!」

 独鈷のひとつを握り締めて、唯が痛切な叫び声を放つ。

 せっかく出来たと思った仲間が、あっという間に全滅させられてしまった。それを「宿命」の一言で片付けらてしまうのだから、唯の叫びも理解できる。

 
 唯「許せん、果心居士が許せん!」

 怒りのあまり、唯が手近にあった石碑のような岩にヨーヨーをぶつけるが、

 
 なんと、衝撃で表面の石が綺麗に剥がれ落ち、その下から壁画のようなものが現れたではないか。

 それは、中央に剣を持った不動明王が立ち、その脇に、男雛と女雛が座っていると言う、ヘンテコな絵であった。

 偶然見付けた壁画の前に立つ三姉妹の姿を映しつつ、41話へ続く。
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コメント

No title

早くもスケバン刑事の更新、ありがとうございます。

そうそう、成美さん、20話の唯と翔の初対面の際、たった1話だけ登場、私も再度見たとき気づきました。
そして、小次郎かわいそう(笑)
さらに注2の
>二人の実父・小源太を、唯がぶっ殺したこと。
‟ぶっ殺した”の解説に、表現が乱暴すぎて、パソコンの前でお茶を吹きそうなくらい笑ってしまいました。

改めて、この「3」はもはや人間レベルでどうのこうのできるレベルではないですよね。果心居士、天災まで操れる。
そういったことから、もともと、管理人様はスケバン刑事の中でも「3」あまり関心がおありではなかったようですね。(化物とかでてるし?果心居士「わしのこと?(笑)」)
それでも、やはり、妥協のないレビューに、登場人物への感情移入的なものを感じますし、物語に溶け込んでますね。
私だったら、興味のないドラマはスルーしちゃいますけど、そこがまた、管理人様の凄みでもありますし、お手本としたいところです。

このペースでいきますと、ほんとに今年中に「3」が最終話までいきそうですね。
最終回、最大にして最後の矛盾をどのように管理人様が締めくくるのか、もうワクワクしています。(プレッシャーを与えてしまっていたら申し訳ありません。)

いくらなんでも

ラスボスがこう強すぎると、なんだかなぁ・・・
やっぱラストは「奇跡」なんでしょうね?

Re: No title

> 早くもスケバン刑事の更新、ありがとうございます。

こちらこそいつも楽しいコメントありがとうございます。

> ‟ぶっ殺した”の解説に、表現が乱暴すぎて、パソコンの前でお茶を吹きそうなくらい笑ってしまいました。

大成功!

> 私だったら、興味のないドラマはスルーしちゃいますけど、そこがまた、管理人様の凄みでもありますし、お手本としたいところです。

恐縮です。実際、自分の中では「3」の評価は最低だったんですけどね。でも、やっぱりこれだけ長い間書いてると愛着が湧いてきたのは確かです。だからといって、1や2より面白いかと言われると微妙ですが(笑)。

> このペースでいきますと、ほんとに今年中に「3」が最終話までいきそうですね。
> 最終回、最大にして最後の矛盾をどのように管理人様が締めくくるのか、もうワクワクしています。(プレッシャーを与えてしまっていたら申し訳ありません。)

いま、ちょうどその42話に取り掛かったところです。ご期待に応えられるよう頑張ります。

Re: いくらなんでも

> ラスボスがこう強すぎると、なんだかなぁ・・・
> やっぱラストは「奇跡」なんでしょうね?

最後の戦いで一応「桜の代紋」見せてましたが、物凄く空しいですね。

No title

返信ありがとうございます。

時間が経ってみると、‟あのくらいのこと”という表現も、どこか軽すぎて、笑いが我慢できない。とくに、由真は父への思慕が強かったので、表現がミスマッチしてるような(笑)

あとですね、管理人様、やえばあさん(とその村人たち)が、解説のみで、画像はもちろん、ギャグの俎上にも載せられていない(笑)。完全に割愛されてしまっている。小次郎よりある意味可哀そう(笑)

暗いテーマをここまで笑いに変える管理人様のセンス、さすがとしかいいようがありません。

レビュー作成の際、下書きののち、あとで手直しや修正等、述べられてましたが、時間が経つと確かに色々発見できますね。拝読させていただく側も。

Re: No title

> 時間が経ってみると、‟あのくらいのこと”という表現も、どこか軽すぎて、笑いが我慢できない。とくに、由真は父への思慕が強かったので、表現がミスマッチしてるような(笑)

重ね重ねありがとうございます。励みになります。

> あとですね、管理人様、やえばあさん(とその村人たち)が、解説のみで、画像はもちろん、ギャグの俎上にも載せられていない(笑)。完全に割愛されてしまっている。小次郎よりある意味可哀そう(笑)

実は下書きでは、最初、やえばあさんたちの画像も貼ってたんですけど、途中で「ま、いっか」と思って削っちゃったんです。

ちなみに最終話のほうは、昨日と今日の二日で一気に書き上げました。年内には公開できると思います。

もう参りました(笑)

返信ありがとうございます
>ちなみに最終話のほうは、昨日と今日の二日で一気に書き上げました。年内には公開できると思います。

今から楽しみです。もう終わってしまうのが寂しい思いもします。

再度読んで、
般若のこのセリフ
>「おい、唯、頭から煙出てるぞ!」(笑)

これは最初読んだとき、次の解説
>小難しいことを言われると、唯の脳は高確率でハングアップしてしまうのである(嘘)。
の接続的な要素で、挿入されたセリフだと思っていました。
普段、管理人様のギャグは字体が大きく色づけされてるので、そこまで気にもとめなかったですが。そのこともあって、わからない人には多分わからないと思います。

その上にある画像(笑)

画像と般若のセリフとの行間に他のセリフがあったので気づかなかったのですが。
よく見ると、ふすまからの木々の影、ほんとに唯の頭から煙が出ている(笑)

唯の性質(理性よりも感情が先行)と、状況からの切迫感と、般若の違和感のないセリフのギャグ、が見事にあてはまり、あまりにも偶然としては出来すぎている(笑)

もう思い出し笑いですよ、管理人様。私の中で笑いの最優秀賞です。

風魔の里が消滅して‟ひでー”の一言のみ。緊迫感からの‟「おい、唯、頭から煙出てるぞ!」”の般若のセリフと画像。

笑いでもうお腹が痛くなりました。
まさかこの回がここまで笑いの宝庫になるとは思いませんでした。
参りました、管理人様。

Re: もう参りました(笑)

連日のコメントありがとうございます。

> よく見ると、ふすまからの木々の影、ほんとに唯の頭から煙が出ている(笑)
> 唯の性質(理性よりも感情が先行)と、状況からの切迫感と、般若の違和感のないセリフのギャグ、が見事にあてはまり、あまりにも偶然としては出来すぎている(笑)
>もう思い出し笑いですよ、管理人様。私の中で笑いの最優秀賞です。

>笑いでもうお腹が痛くなりました。

いやぁ、そこまで喜んで頂けると、ブロガーとしてもう思い残すことはないと言う感じです。

ただ、水を差すようで悪いのですが、「ふすまの影」については、私も指摘されるまで全然気付きませんでした。よって完全な偶然です(笑)。「煙出てるぞ」と言う台詞は、我ながら気に入ってますが。

> 風魔の里が消滅して‟ひでー”の一言のみ。

実際、あそこで、やえばあさんたちまで皆殺しにする必要は全然ないので、つい出てしまった本音です。

No title

そうでしたか。読者側の発見ですね(笑)
最も、管理人様のセリフのギャグから発見できたことなので、ほんと偶然の偶然の一致ですね。
‟つい出てしまった本音”をそのままの表現にして載せてるとこがまたおもしろい‟ひでー”(笑)

そして、ブログの内容とは関係ないのですが、下書き時点ではまだ、やえばあさん(たち)の画像が残ってたとのことでしたので、管理人様の裁量によってカットされてしまった。しかも、「ま、いっか」(笑)

それではやえばあさんが浮かばれないので、私もたまには妄想で
やえ「ヒェェェー、おばばの立派な最期の画像が・・・」
やえは、これまでの唯たちへの貢献をよそに、突如現れた、更生した若くてかわいい成美という人物ばかり焦点が当てられたことに、妬心を抱きながら、洪水に飲み込まれていきました。

ちなみに私は、やえばあさんに特別こだわりを抱いてるわけではありません(笑)管理人様の作成されたレビュー(その過程と本音)やコメントもおもしろいので、ついつい妄想を抱いてしまいした。

連日のコメント&私の笑い上戸に付き合っていただきありがとうございました。

Re: No title

またまた返信ありがとうございます。

> そうでしたか。読者側の発見ですね(笑)
> 最も、管理人様のセリフのギャグから発見できたことなので、ほんと偶然の偶然の一致ですね。

そこまで丹念に読んで頂ければ、管理人としても名誉なことです。

> それではやえばあさんが浮かばれないので、私もたまには妄想で
> やえ「ヒェェェー、おばばの立派な最期の画像が・・・」
> やえは、これまでの唯たちへの貢献をよそに、突如現れた、更生した若くてかわいい成美という人物ばかり焦点が当てられたことに、妬心を抱きながら、洪水に飲み込まれていきました。

見事な妄想ありがとうございます(笑)。

ま、記事があまり長くなってはいけないと、不要な画像はなるべく削るようにしているので、やえはその犠牲ですね。

> 連日のコメント&私の笑い上戸に付き合っていただきありがとうございました。

こちらこそ、楽しませて貰いました。

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zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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