第14話「海女の刑・女体を密輸する逃がし屋」(1983年11月11日)
11話以来、ひさしぶりにチャンプことチョメチョメが復帰したエピソードである。
もっとも、後半になると分かるように11話と同じく鳥羽でロケをしているから、11話と同時に撮影しているものと思われる。しかし、同じ地方が二週続くのは不自然だから、間に、ガッツ石松を代役にした12話と13話が挟まれていたのだろう。
が、チャンプの復帰ということもあってか、今回はなんかこう、原点に返った、初心に戻ったような雰囲気がある。

冒頭、今はなき国立競技場と、道路を挟んだ反対側にある細長いスペースで、たくさんのテニスギャルが、壁を相手にテニスの練習をしている。

で、その撮り方が実にねちっぽくてスケベなのだ。
いきなり、

ボールを取ろうとしゃがんだギャルの可愛らしいパンツが丸見え!
アンダースコートとは言っても、これだけくっきりはっきり、下着との境目の尻肉の揺れまで見えるくらいはっきり見せてくれると、これはこれで十分実用に耐えるのである。

二人目は、紺色のミニスカから覗く、フリルのついたアンダースコート。

三人目は、本物の下着っぽくて興奮度の高いもの。
……
いやぁ、生きてて良かった。
どうせならこれを10分ほど続けて欲しいところだが、一応、これは勧善懲悪のドラマなので、そう言う訳には行かない。

で、それを、街路樹のブロックに座って思う存分、心置きなく見ているのが、スケベでスケベでどうしようもない中年の園山とチャンプなのだった。
園山、回が進むに連れてそのスケベな本性を隠そうとしなくなり、ここでも、チャンプよりむしろ園山の方が食い入るようにギャルたちのスカートの中を賞玩していた。
チャンプ「園やん、園やん、いつまでもフトモモに見取れとらんと、こっちゃの話つけようや」
たまりかねてチャンプがせかすが、

園山「……」
チャンプ「チョキぃ?」
園山は視線を動かそうともせず、二本の指を立ててチャンプに見せる。
チャンプ「ちょっと、せめてパーは出したりぃな」
園山「いやぁ、今回はこれ!」
チャンプ「あかんあかん、最低はこれや」
園山の提示額はチョキの200万、チャンプはパー、すなわち500万を要求するが、結局強引に押し切られて、200万で引き受けてしまう。
園山が立ち去った後、さっきの紺色のスカートのギャルのボールが、チャンプの方に転がってくる。

ギャル「すいませーん、ボール取ってくださーい」
チャンプ「ああ、はいはい、タマ触るのはこれだけにしときや」 ボールを拾って手渡しながら、最低のセクハラジョークをぶちかますチャンプ。
ギャル「どうもありがとうございましたー」
チャンプ「ああ、ええ子やなー」
さいわい、そのギャルは全く意に介さず聞き流してくれたが、いくらドラマとはいえ言って良いことと悪いことがあると、真面目な管理人は思ったものだ。
しかし、脚本家がそんな最低ジョークを書くとも思えないから、これもチョメチョメのアドリブかなぁ。
以上、レビューを終わりに……すると、読者から殴られるので続けます。

さて、アジトに戻ったチャンプを待っていたのは、過去最低の200万と言う報酬に対する仲間からの非難の嵐だった。
これでは諸経費を考えるとひとり頭50万を切ってしまう。
ヌンチャク「それで引き受けたんすか?」
チャンプ「ま、そう言うなよ、園やんかてええ年こいて泣いて頼みよんやないか。それに近頃、園やん予算オーバーちゅうてゴッドにえらい叱られてるそうや」
ヌンチャク「こちらの問題じゃないっすよ」
マリア「そうよー」
チャンプ「ごちゃごちゃ言うなよ、長い付き合いやないか」
チャンプは口からでまかせを並べてなんとか非難をかわそうとするが、案外、チャンプのでっちあげた言い訳が本当のところだったのかもしれない。普通なら、園山ももっと真面目に価格交渉するところなのに、一方的に200万で押し切ったのは、実際、それしか持ち合わせがなかったからなのだろう。
ET「とにかく、今更断る訳にもいかんだろう」
チャンプ「さすがETや、ええとこあるな、頼むわオイ、ええか、これでゼニの話はなし、打ち切りやぞ」
分別顔でETがそう言ってくれたので、チャンプはすかさずその助け舟に乗って雑音をシャットアウトすると、さっさと仕事の話に移る。
ところで、12話と13話を見たあとで、この14話を見ると、やっぱりこのドラマにはチョメチョメが不可欠だったんだなぁと言うことが改めて分かる。
チョメチョメのようなお調子者、場を引っ掻き回すキャラがいないと、メンバー間のやりとりが一本調子の索漠としたものになりがちだからだ。
さて、今回の事件は、梶信行と言う若手の有名な報道カメラマンが、自殺に見せかけて殺されたのではないかと言うものだった。
彼らは早速調査に乗り出すが、最近、梶が、西山辰夫と言うルポライターと一緒に仕事をしていたと言う情報を得て、その自宅アパートを訪ねる。
だが、応対に出た西山の妹・明子によると、西山は三日前に亡くなったと言うことだった。

ヌンチャク「事故で亡くなった?」
明子「はい、三日前の夜、兄は飲酒運転でハンドル操作を誤り、有明埠頭に飛び込んだそうです。ですが、何事にも慎重な兄が飲酒運転をするなんて信じられないんです」
ET「お兄さんはキャメラマンの梶さんとも親しかったそうですが……最近、お二人一緒の仕事はどんな内容だったか、分かりますか」
明子「あの、梶さんがどうかしたんですか?」
ET「実は、今朝、自殺死体で発見されたんです」
明子「えっ、梶さんが!」
明子はそれを聞いて激しいショックを受ける。それもその筈、彼女は、梶と結婚の約束をしていたのだ。
ETたちは、西山の仕事場を見せて貰いながらなおも話を聞く。

ET「明子さん、今度のことで、何か心当たりはありませんか?」
ヌンチャク「お兄さんと梶さん、二人の間に何か変わった様子はありませんでしたか」
明子「いえ、私は病院の看護婦寮に住み込んでいましたもので……そう言えば、梶さんが」
ET「どうかしましたか」
明子「はい、梶さんが東南アジアで凄いネタを掴んだとか言ってました」
ET「東南アジアか……」
だが、いくら探しても、仕事場からは東南アジアに関するフィルムは一枚も見付からなかった。

マリア「西山さんと梶さんは東南アジアへ行って何かを掴んだ、その為に二人は口を塞がれた」
チャンプ「犯人がその証拠のネガを持ち去った」
ET「問題は、二人が何を狙っていたか、だな」
この真面目なシーンの後、

いきなり全裸の女性が出て来たので、管理人は一瞬ギョッとし、続いて、ニヤニヤするのだった。
普通にゴールデンタイムに女性の裸が映っていた80年代、今思えばテレビの黄金期でしたね。
しかも、(管理人が)ついさっき見た古谷一行主演の「露天風呂連続殺人」第23弾に出てきたヌードギャルのように、上半身だけじゃなく、

下半身まで豪快に露出しちゃうのが、80年代なめんな、と言う感じが濃厚なのであります。
もっとも、前述のドラマは2003年放送なので、むしろ頑張ってる方なんだけどね。

カメラマン「いいよー」
チャンプ「ちょっと、いいよじゃないんだなぁ」
そこは写真スタジオで、ヌードグラビアの撮影をしていたのだが、そのカメラマンに話を聞きに来たチャンプ、それを見ると、思わず葉巻の煙で咳き込むが、カメラマンを差し置いて彼女のそばへ行き、

チャンプ「なんか刺激的じゃないのよね、上品過ぎてさ、あのね、前、こう押さえててさ」
モデル「……」
チャンプ、自ら股間に手を置いて、手本を見せ、その通りのポーズを取らせる。

チャンプ「パッと振り返って、ね!」

チャンプ「そして、あ、スーパーマンだ! スーパーマン! どうです?」
カメラマン「グーなアイディア、それ頂こう」
……
ほんと、中年男と言うのはどうしてこう下品でスケベなんでしょうか。
しかし、チョメチョメ、こんな楽しい仕事はなかっただろうなぁ。

チャンプ「いいですか?」
カメラマン「はい」
チャンプ「あっ、スーパーマンだ!」
チャンプの掛け声を合図に、ほんとにモデルは股間に当てた両手を挙げてしまうのである。
ま、さすがに女性の手が離れるぎりぎりのタイミングでカメラは別の映像に切り替わるのだが、いくらその瞬間が映らないと言っても、全裸の女性が股間をカメラに向かっておっびろげるなど、今のテレビでは到底ありえないことである。
いや、当時としてもここまで先鋭的なお色気シーンはなかなかお目に掛かれなかったと思う。
冒頭のシーンと同様、しばらくの低迷期を経て、漸くスタッフが「初心」を取り戻してくれたと管理人が実感したシーンである。

もっとも、肝心のそのモデルが、こんな顔してるのだが、ま、そこはご愛嬌と言うことで。
番茶も出花と言うことで。住めば都と言うことで(意味不明)。
チョメチョメも視聴者も管理人も、とっくの昔に事件のことなどどうでも良くなっていたが、一応これはドラマなので話を続けよう。
チョメチョメは、ヌード観賞のついでと言う感じで、そのカメラマンから、梶が青山の、東南アジアの女性が多くいるクラブに出入りしていたと言う、どうでもいい、いや、耳寄りな情報を得る。

マリア「やっぱりチャンプか睨んだとおり、西山さんと梶さんは、東南アジアからの女性を追跡取材していたわ」
ET「密航船と東南アジアの女性か」
チャンプ「どうやら見えてきたな、ET」
ヌンチャク「一体どう言うことですか」
チャンプ「二人は女を密輸入する組織を追ってたんだ。ま、東南アジアの女性にとっては日本は絶好の稼ぎ場所だ。しかし観光ビザで入っても15日、それからワーキングビザ、例のフェイちゃんもそうやな」
チャンプの言う「フェイちゃん」(?)とは、誰のことだろう?
チャンプ「それで入ったところで滞在期間は6ヶ月だ。折角入っても大した儲けにはならん、そこで闇ルートだ」
ヌンチャク「不法入国ですか」
チャンプ「そういうこっちゃ、それやったら一旦入ってしもうたらこっちのもんや、なにしろ入国したちゅうことになってないんだから、潜ったら、あとは儲け放題だ」
マリア「じゃあ正規に入国してる人間よりも数が多いって訳ね」
ET「恐らく倍以上、いや、もっとだろうなぁ」
そこへETに、明子からの電話が掛かってくる。
明子の勤めている病院へETが行くと、彼女から、梶から西山へ宛てた封書を渡される。封筒の中には、タバコの箱が入っていた。

ET「梶さん、タバコを?」

明子「吸いません……マリファナですか?」
管理人、いきなり清楚な看護婦さんの口から「マリファナ」などと言う単語が飛び出したので、ドキッとしてしまう。
ET、そのタバコの匂いを嗅ぎ、切り裂いて中を確かめるが、ただのタバコに過ぎなかった。
だが、箱の中に、二枚のネガが封入されていた。

マリア「現像が出来たわよ」
現像された二枚の写真。一方には、着物姿のホステス風の女性、一方には、東南アジア系のこれまたホステスらしい女性と、その両側に座っている二人の男が映っていた。
ET「チャンプ、この二人の男……」
チャンプ「津田やないか」
ヌンチャク「津田ってあの誘拐犯のですか?」
チャンプ「一緒におるのは保険金殺人の中井だ」
さすがに元警察署長のチャンプ、その二人が指名手配中の犯罪者だとすぐに気付く。

チャンプ「こりゃどえらい写真やぞ」
ヌンチャク「一体何処で撮ったんでしょう」
チャンプ「こりゃマニラやね、このホステスに見覚えがある」
さらに、日本だけじゃなくて、東南アジアまで進出して遊び倒している性豪チャンプは、ホステスの顔を見ただけで、そこがマニラだと言い当ててしまう。

ET「間違いないのか?」
チャンプ「ああ、間違いない、いや、この子ね、着痩せするけどね、中身はすごい、こう……」
マリア「……」
嬉しそうに下品な仕草をしていたが、マリアの冷たい視線に気付いてやめ、
チャンプ「いや、他のことはともかく女がらみのことやったら任しとけ……マニラのクラブ、エルドラドだ」
最後にはその店の名前まで思い出してしまう、警察犬も真っ青のチャンプであった。

マリア「だけど、なんで指名手配中の犯人がマニラにいるの? パスポートは降りないし……」
チャンプ「密出国だ」
ET「つまり、ひとつの組織が女を密入国させ、犯罪者を密出国させている」
チャンプ「そうや、女の密入国を追ってたら、指名手配中の男がマニラにいた。こりゃ危険やが大スクープや」
マリア「ねえ、じゃあ、この和服の女性は?」
ET「津田と中井、この二人に関係のある女だと見て良いな」
マリア「だけど、これはマニラじゃないわね」
チャンプ「うん、だと思うけどね。この女が何処の誰か分かれば糸口が掴めるんだがな」
梶と西山が追っていた事件の大まかな全貌が見えてきたが、まだその組織については全く情報がない。
とりあえず、マリアが、津田の情婦だと偽って、津田の知り合いだというチンピラ風の男に近付いて、和服の女性について聞き出そうとする。

マリア「津田の奴、姿を消しちまいやがってさ、この女と一緒なのさ、ね、この女のこと教えてよ」
チンピラ「あんた勘違いだよ、この女よ、ルミってつってよ、青山のクラブ・サンセットの女だ」
マリア「ルミ?」
チンピラ「ああ、津田さんが良く遊びに行っていた店のホステスだ」
何の代償もなく情報を教えてくれる、なかなか人の好いチンピラさんだった。
ちょっとケバい感じのメイクをしているマリアが可愛い。
マリアはホステスとしてその店に潜り込み、ルミと言うホステスが、その店で犯罪者風の男から密出国の相談をされているのを盗聴する。
また、その店には、東南アジア系の女性が多く、ルミがこの一件に関わっているのはほぼ確実だった。
ルミには男がいて、ハングマンはその男に着目する。

マリア「牧村ユウジ30才、解散した銀竜会のチンピラよ。同僚のホステスの話では、ルミのヒモのようなことをしてます」
チャンプ「チンピラにしちゃ、良い車に乗ってんじゃないか」
マリア「ええ、ルミの給料じゃとても買えないわね」
チャンプ「密航ルートの金だな」
ヌンチャク「牧村が密航ルートをやってんですか?」
チャンプ「いや、もっと上に誰かいるんだろう」
ET「燻り出してみるか」
ここからハングマン、過去になかったような大胆な作戦に出る。
後編に続く。
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