第27話「宇宙ロボット襲来」(1974年1月2日)
実に久しぶりとなる「レッドバロン」のお時間です。
この27話は、10月くらいに、とある読者の方からレビューをリクエストされたもので、その時ちゃんと書きますと約束していたのに、うっかり忘れてしまって、ようやく、そろそろ今年も終わろうかと言う頃になって慌てて書いている訳なのです。我ながら最低ですね。
ただ、このエピソードは以前レビューしていた時に一度スルーしたものであり、個人的にはあまり面白いと思っている訳ではないので、レビューの方もそれなりの内容になることが予想されますが、ま、ご容赦ください。
ちなみに、今ではまずありえないことだが、今回のエピソード、正月二日に放送されているのである。
さて、ストーリー的には、前回、SSIが、ボスと大作の尊い犠牲の上にデビラー率いる鉄面党を倒したものの、その上位組織である宇宙鉄面党が現れ、彼らの戦いが新たな局面に入ったところである。
冒頭、宇宙鉄面党の襲撃に備えて健と真理が車でパトロールをしていると、頭上にいきなりお釜のような形をした銀色の円盤が現れ、激しい空爆を仕掛けてくる。

ボンボン巻き起こる炎の柱の中を疾走するSSIの車。
相変わらず、カーアクションはド派手である。

健「真理、ミサイルをぶち込むんだ」
真理「了解」
真理がボタンを「ポチッとな」すると、車に内蔵されているミサイルが発射され(その時の効果音、明らかにマシンガンだけど……)、見事円盤に命中、円盤はあえなく森の中に墜落する。
だが、ホッとする二人の周りに、宇宙鉄面党の戦闘員たちがあらわれ、激しい格闘戦となる。

真理「えいっ!」
後半になると(今回からだっけ?)、真理がきっちりパンスト(タイツ?)を履くようになり、パン チラの頻度も落ちてしまうのがとても切ないのだが、それでも、可愛い女の子が「えい」とか「あん」とか言いながら戦ってくれるだけでもありがたいと思わねばなるまい。
やがて、哲也も駆けつけ、三人がかりで戦闘員たちを全滅させる。

真理「やっぱり宇宙人の円盤だったのね」
健「とすると、宇宙に基地を持つ鉄面党」
哲也「そうだ、きっとそうだ」
その後、団地の近くの路上で、熊野警部と子供たちと会う健たち。宇宙人に襲われたと話すが、

熊野「馬鹿なことを言ってもらっちゃ困るよ、君ぃ、宇宙人てのはだな、漫画家が考え出した架空の生物なんだ」
健「いや、本当なんです」
が、彼らがそんなことを話しているそばから、空に閃光が走ったかと思うと、

上空から巨大な戦闘ロボットが降下してくる。
暴れ回るマーズサターンに、健もレッドバロンを呼び寄せて対抗するが、

相手はバロンミサイルにも涼しい顔をしているなかなかの強敵であった。

健「はっ、バロンミサイルも効き目がないぞ!」
……
久しぶりに見たけど、相変わらずヒゲ濃いなぁ~。
特撮ヒーロー番組の主役が、こんなおっさん顔(失礼)と言うのは、今ではまずありえないことだよね。
でもまぁ、「ゴレンジャー」の海城剛とか、「デンジマン」の赤城とか、「ギャバン」の烈とか、80年代初頭までは、ヒーロー番組の主役が濃いおっさん顔(失礼)と言うのは、決して珍しいことではなかったのだ。
マーズサターン、煙幕を張ってレットバロンの後ろを取り、その体を持ち上げてそのまま宇宙へ連れて行こうとする。
現時点ではレッドバロンには宇宙を飛ぶ能力はなく、連れ去られたら一巻の終わりであったが、たまたま哲也がバズーカ砲を携帯していたので(そんなもん携帯するなよ……)、それをレッドバロンとマーズサターンの間に撃ち込み、両者を引き離すことに成功する。
だが、結局マーズサターンには逃げられてしまう。
その後、三人が車に乗ってどこかに向かっている。

真理「スペースウィングス?」
健「うん、宇宙から攻めて来る鉄面党ロボットと戦う為に、ぜひとも必要なレッドバロンのアタッチメントなんだ」
真理「それを三神博士が作ってるってわけね」
哲也「そいつが早く出来てくれないと……」
健「真理、電話の主はほんとに三神博士だったんだろうな?」
真理「だって本人が三神ですって言ったんですもん。これから行きますって」 健「せっかく迎えに来たのに、おかしいなぁ」
彼らの会話で、三神博士なる未知の人物がSSIに来ると言うので、こちらから出迎えに向かっている途中だと言うことが分かる。
健のぼやきにあわせて、口を「ぶにっ」とさせる真理が可愛いのである!
それにしても、真理、「オレオレ詐欺」に引っ掛かる気マンマンだよね。
その真理、窓の外を見るなり、「見て、誰か追われてる!」と叫ぶ。
だけど、

それに続いて映し出されるのは、数台のバイクが楽しくツーリングしているようにしか見えず、これを見た真理が即座に「誰か追われてる」と表現したのは、かなり違和感がある。
一応、この、ひとりだけヘルメットをつけた黒い服の男性が追われているということなんだけどね。
例によって他のバイクに乗っていたのはすべて宇宙鉄面党の一味で、健たちが駆けつけると、すぐに本来の姿に変わる。
で、再び本格的なバトルアクションとなる。
改めて見ると、「レッドバロン」のアクションシーンが実に冗長に感じられる。
ま、この辺は70~80年代の特撮ヒーローものにはだいたい共通する欠点だが。

真理、高々と足を上げてキックするが、戦闘員の手が邪魔で、肝心なところが見えない!

見えた! と思ったら、今度は顔が見えない!
管理人はこの時、宇宙鉄面党に対する強烈な殺意を抱いたのであった。
ま、実際は、

ちゃんと両方映っているコマを発見できたので、お父さんお母さんも安心であった。
ただ、さっきも言ったように、防寒の意味もあってかパンスト着用なので、せっかくのパン チラもあまりクリアに見えず、いまいちコーフンさせてくれない。
敵を撃退した後、

真理「もしや、あなたは?」
三神「三神四郎だ」
真理「へーっ」
哲也「あなたが三神博士?」
健「まさか」
三人は、自分たちとさほど年の違わないその男性が他ならぬ三神博士だと知って、驚きを隠せない。
新レギュラーとなる三神博士を演じるのは、ライオン丸でお馴染み潮哲也さん。沙織さんと結婚した世界一の幸せ者である。
CM後、SSI本部で宇宙鉄面党について説明している三神博士。

三神「宇宙レーダーで探ったところ、あのロボットはこのバン・アレン帯の辺りにいる」
健「どうしてそんなところに?」
三神「それは謎だ、だが奴は、このバン・アレン帯で次の攻撃のチャンスを狙っていることは確かだ」
三神、スペースウィングスを完成させるにはレッドバロンの設計図が必要だと言って、それを健に持って来させる。
哲也「三神さん、スペースウィングスは何処の工場で作るんですか」
三神「うん……」
哲也の質問に三神が言い渋っていると、部屋の外で物音がして、何者かが逃げていく気配があった。
三神「誰だっ?」
三人は部屋を出て周辺を調べるが、怪しい者はいなかった。
だが、部屋に戻ってみると、今度は三神の姿が消えていた。

哲也「おい、あの男、もしかしたら設計図を奪いに来たんじゃ?」
健「何を言うんだ?」
哲也「だっておかしいじゃないか、工場を秘密にしたり、博士の癖にオートバイを乗り回したり」
真理「そう言えば博士らしくないわね」
健「俺は信じるよ、あの人よ」
哲也「黙って姿を消すような男をか?」
真理と哲也は、江戸川博士(って誰?)に会って三上博士の身元を確認してくると車で出て行く。
しかし、またまたまた鉄面党に待ち伏せされ、

真理「あ、ああん~」
今度は、とうとう真理が敵に捕まってしまう。
哲也が本部に戻ると、

部屋にあったテレビが勝手について、その中に空中に浮かんで手足をバタバタさせている真理の姿が映し出される。
声「松原真理は鉄面党ロボット・マーズサターンの中じゃ!」

健「じゃ、宇宙?」
この健のびっくりした顔が、妙に可愛い……。

声「真理の命を助けたければ、バン・アレン帯へ来い、来なければ彼女を宇宙へ放り出す!」
……
ああ、こんな美味しいシーンなのに、薄暗くて肝心なところがはっきり見えないじゃないか!
スタッフ、正気を取り戻すんだ!(お前もな)

健「俺は宇宙へ行く。宇宙へ飛び出すぐらいなら何とかなる」
哲也「二度と戻れなくなるぞ、奴らの作戦はレッドバロンを宇宙へ引き摺り出して始末しようとしてるんだ」
健「このままでは真理が死んでしまう」
と、そこへふらりと三神博士が入ってきて、スペースウィングスが完成したことを告げる。
そう、三神博士、別に鉄面党のスパイでも何でもなかったのだ。
こうしてレッドバロンはスペースウィングスを背中につけて宇宙へ飛び出し、バン・アレン帯で待つマーズサターンの前までやってくる。
スペースウィングスと言うのは、要するに「マジンガーZ」のジェットスクランダーのようなものである。
アニメの「マジンガーZ」にジェットスクランダーが登場したのは、この27話の放送に先立つこと約半年前のことなので、それを参考にしたということは十分考えられる。
健、うっかり屋さんだったので、真理がその中にいることをすっかり忘れていきなりミサイルをぶち込んでしまう。
慌てて操縦している戦闘員が「この中に松原真理がいるんですよ~」と通信を送ったので、健はやっとそのことを思い出し、攻撃を中止する。
無抵抗で一方的に攻撃されるレッドバロン。
同じ頃、熊野警部とSSIは、地上の鉄面党のアジトを発見、戦闘員たちと激闘の末、哲也がアジトの中に侵入していた。

真理「はっ、哲也!」
その中の一室には、宇宙にいる筈の真理が吊るされていた。

哲也「真理、こんなところにいたのか」
真理「無重力にされていたのよ」
ここで、宙に浮いている真理の腰を哲也が抱えるところが、ちょっとエッチだと思いました。
ただ、真理の台詞の後、哲也がペンチで(何処から出したんだ?)真理の両肩についているワイヤーを切るのは、さすがにどうかと思う。
普通は、壁のボタンを押して真理が落っこちて尻餅をついてパンツが全開になる……でしょう?
哲也「奴らのトリックだったのか、早く健に知らせてやれよ」
真理「オッケイ」
こうなれば、もう詳しく書くこともない。
真理が無事だと知った健は反撃に転じ、マーズサターンを地球まで連れて行くと、

何度見てもカッコイイ、「アームミサイル」を連射してから、最後は必殺エレクトリッガーでマーズサターンを撃破するのだった。

事件解決後、三人は新しいSSIの作戦室にやってくると、そのハイテク設備の数々に感嘆の声を上げる。
哲也「こりゃすげえや」
三神「鉄面党の宇宙からの侵略に備えてSSIも地球防衛隊の組織に入れられることになったんだ」

真理「頑張りましょうね、これからも」
健「ああ、やるとも」
哲也「三人で頑張ろう」
三神「おいおい、俺を忘れちゃ困るよ」
健「いや、三神さん、今後ともよろしく」
四人は固く手を握り合わせた後、熊野警部や子供たちと一緒に新生SSIの祝賀会へ雪崩れ込むのだった。
そこで、水木ひかるや子役たちが着物を着ているのが、今回唯一、正月らしいところ。
どうせなら、真理にも着物を着て欲しかったな……と言うのが、世界中の成年男子の願いであったのは言うまでもない。
以上、気付いたら案の定、真理の画像ばっかりになっていた久々の「レッドバロン」でしたー。
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