第25話「妖しくゆらめく水中花 わかばが危ない」 
冒頭、わかばや陽一と一緒に駄犬のサブを散歩させているギャバンこと一乗寺烈。

向こうからわかばの知り合いのユカと言う女の子が自転車に乗って来る。擦れ違いざまにギャバンにぶつかると、「気を付けろバカヤロー」と口汚く罵る。
「不良少女とよばれて」の伊藤かずえみたいだ(どこがだっ)。
ギャバン「なんだぁ?」
わかば「いつもは優しいお姉ちゃんなんだけど」

無論、彼女の変化はマクーの仕業であった。特殊な匂いを発す水中花を彼女に与えたのである。作戦の進捗具合を魔空城へ報告しに来るゴシキダブラー。
ゴシキ「このゴシキフェロンをユカと言う娘に試したところ、気立ての良かった娘が一変して、
親にも反抗する凶暴な性格となりました」
親に反抗するだけで、凶暴かよ。せめて暴力を振るう、にして欲しかった。
もうすぐ解雇される運命のハンターキラーが補足説明をする。
「人間の女は美しくなりたいと言う願望を持っています。それを巧みに利用したのがこの水中花作戦です。美しい顔、獣の心を持った娘たちを、獣星帝国へ花嫁として送り込みます。素晴らしい知能を持った獣星人が誕生することでしょう」 
ハンターキラーの思い描く理想の獣星人家族が
イラストで示される。
人間を改造してよその星へ輸出しようと言うのはしばしば見られる作戦である。
面白いのは、ドン・ホラーが前回のクモダブラーによる似たような作戦について言及し、今度は失敗するなよと釘を刺すところ。悪の組織の親玉は、大抵過去の失敗は綺麗さっぱり忘れるものだが、ここでは過去の失敗例を引き合いに出している。
……ま、どうせ何やっても失敗するんだけどね。

ゴシキダブラーが本拠にしているスイミングクラブにわかばたちもやってくる。と、プールに幻想的な光景が広がる……って、これじゃあただのシンクロの演目である。

わかばたちにも水中花を与えると、わかばも急に色気づいて、鏡を見ては自分の顔に見惚れたり、毒々しい口紅を塗ったり、態度が乱暴になったりする。

ゴシキダブラーは他にも若い女性たちが大勢いる場所へ出向いては、水中花をばらまく。
「ヤングコーラスコンテスト」と言う番組を収録中のスタジオへ赴き、
ゴシキ「すいません、ちょっとよろしいですか?」
テレビ局の人「ダメです。本番中です」
(註・嘘です。正しくは「ああ、どうぞ」) ゴシキ「そうですか……」

わかばが陽一に暴力を振るっているのを止めるギャバンと月子(立花愛子)。わかばの顔を見て驚く。
月子「口紅つけてる!」
ギャバン「ああ、どうしたんだ?」

わかば「綺麗になりたいのさっ」
捨て台詞を残して走り去ってしまう。
ギャバンは陽一から、わかばがスイミングクラブに通い出してからおかしくなったと聞き、調査へ出向く。

ギャバンは水島コーチ(ゴシキダブラー)にいきなり切り込む。
ギャバン「ユカもわかばも、ここに通うようになって暴力的になった。それにやたら化粧をしたがる。
……お前、マクーだろう?」
かつてこれほど単刀直入な問い掛けがあっただろうか?

コーチは「おほほほほほっ」と笑ってとぼける。ちなみに演じているのは高橋みどりさん。ギャバンのゲスト女優の中ではかなり綺麗な方だ。

笑いながら部屋の外へ出る。
いいですねえ、この無防備なお尻 
そのまましらばっくれるかと思いきや、いきなり正体を現わす水島コーチ。ギャバンのヘボ刑事ぶりと良い勝負である。

ギャバンは、プールサイドから投げられて、プールの奥まで飛んで行く。

しかし、水に落ちるや光の玉になって水面下を移動して、

一瞬で、怪人の目の前に強化スーツを着た状態で現れる。
それと同時に挿入歌「スーパーヒーロー僕らのギャバン」のイントロが流れる。この蒸着シーンは、全話を通して一番カッコイイと思う。
もっとも、ゴシキダブラーはさっさと逃げてしまうので本格的なバトルにはならない。
ミミーの分析で、水中花には幻覚作用があり、女性をより男性的に、男性をより女性的にする効果もあると分かった。ミミー役の叶和貴子さんは今回も忙しいせいかセット撮影だけの参加です。

ギャバンはわかばから口紅を取り上げ、その中に発信機を仕込む。
乗馬クラブで働いている月子のところへ行き、
ギャバン「これをわかばの抽斗に戻しておいてくれないか」
頷く月子。相変わらず血色が悪くていいですねえ(いいんかい)。
わかばは口紅がいつの間にか戻っているので喜び、部屋を飛び出して行く。その際、水中花を落とし、それを拾った陽一が「こんなのがあるからいけないんだ」と河川敷に放り投げる。
と、ちょうど昼寝をしていた小次郎に命中。小次郎は怒りながらそれを嗅ぐ。

わかばの行方を捜し、スイミングクラブへ向かうギャバン。叶和貴子がいないので、お供は今回も月子である。

プールに行くが誰もいない。代わりに女性化してしまった小次郎がやってくる。ギャバンにぶっちゅうとキスしようとするが、

ギャバンにかわされてプールに落ちる。合掌。
だが、小次郎の話から、ギャバンは女性たちが獣星帝国へ送り出されそうになっているのを知る。わかばの口紅の発信機を頼りに追跡する。

何も知らず、バスに乗せられて湖のほとりへやってきた女性たちの前に、マクーの宇宙船が現れる。この特撮シーンは良く出来ている。この場面でしか使われていないのが勿体無い。

最後はギャバンがかっこよく助けに来て、ゴシキダブラーとの戦いになる。

今回は、ゴシキダブラーが巨大化する。さらにギャバンがジャンプしながらレーザーブレードで巨大な相手を両断すると言う珍しい終わり方となっている。
こうして(案の定)ハンターキラーの作戦は失敗する。