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「仮面ライダー」 第73話「ダブルライダー 倒せ!! シオマネキング」



 第73話「ダブルライダー 倒せ!! シオマネキング」(1972年8月19日)

 余談だが、先週、76話のレビューの下書きを書いている時に、脳死しそうになった。

 原因は、シーチキン三兄弟、もとい、シードラゴン三兄弟のあまりに無為無策な戦いぶりにツッコミを入れるのに疲れ果て、脳に酸素が足りなくなったせいだと思われる。

 直前の75話で、バラランガの意味不明の行動にさんざんツッコミを入れまくった後だから、余計にね。

 さて、前回から引き続き、那智勝浦を舞台にしたエピソードである。

 冒頭、勝浦湾内にボートを漕ぎ出して助手たちと海釣りを楽しんでいた海洋学の権威・坂井博士が、突如現れたシオマネキングと言う怪人に襲われ、助手は泡で焼き殺され、自身は海中に引き摺り込まれてしまう。

 
 北沢「えー、この勝浦一帯を紀伊の松島と申しまして、えー、鶴島、亀島、そのほか、色んな島がいっぱいありますねえ。山間には温泉がコンコンと湧き出ておりまして……右手に展開されます海原は、うーみーは広いなー大きいなー、はい、有名な太平洋、でっかいんでございますねえ」

 その後、同じ湾内を、猛たち一行がホテルの支配人の案内で遊覧していた。

 そこは、大小さまざまな奇礁奇岩が点在し、「紀の松島」と讃えられている日本有数の景勝地であった。

 
 立花「まったく素晴らしい眺めだなぁ。アスファルトの世界から解放されて晴れ晴れする気持ちだ」
 滝「平和ってのは良いですよねえ」

 日々、汚れた空気を吸いながらショッカーとの不毛な戦いに明け暮れている二人も、豊かで美しい自然に囲まれてすっかりリフレッシュしていた。

 だが、そんなことを言ってるそばから、滝が、前方に無人のボートが漂っているのに気付く。無論、坂井博士たちの乗っていたボートであった。

 立花「漂流したのかな? それにしても人間が乗ってないってのは……」
 滝「船長さん」
 猛「どうしたんだ?」
 滝「変な船がいるんだ……ちょっと止めて貰えませんか」
 船長「イヤです!」
 滝「いや、イヤですってあんた……」

 が、生涯思春期宣言をしている船長は、あいにく反抗期の真っ只中だったので、滝の要請を無視してボートを素通りしてしまうのだった。

 猛たちも面倒くさくなって、「見なかったこと」にして忘れてしまい、こうして事件は解決したのだった。

 ……嘘である。

 ホテルに戻って、ロビーで謎のボートについて話し合っている猛たち。

 猛「問題はその釣り船の客なんですよ」
 立花「誰なんだ?」
 北沢「海洋学の坂井博士とその助手の方ですが、お子さんと奥さんもこのホテルにお泊まりになってらっしゃいます」
 ユリ「奥さんたち、この事件をご存知なのかしら?」
 猛「それが、ホテルにいないんだ。太地(たいじ)のくじら博物館に見学に行ったって言うんで今、滝が探しに行ってるんだ」

 太地(たいじ)と言うのは地名である。

 その、圭子とマサオの坂井親子がくじら博物館や付属の水族館を見物する様子がタイアップ臭も濃厚に、必要以上にたっぷり描かれる。

 だが、ショッカーの魔の手は既に彼ら親子にも伸びていた。

 地獄大使は、坂井博士を脅して海底都市(基地)を作らせようとしていたが、なかなかうんと言わないので、家族を人質にして言うことを聞かせようと考えているのだ。

 最後に、親子はプールでのイルカショーを見物していたが、その最中、プールからイルカの代わりに南こうせつ……じゃなくて、恐ろしげな怪物が飛び出てくる。

 
 怪人「アビー、アビアビー!」

 一見、「あらやだ、奥様、そんなことされたら困りますぅ~!」と、主婦が全力で遠慮しているようなポーズだが、これは観客たちを威嚇しているところなのである。

 当然、観客たちはパニック状態になって我先にと逃げ出すが、

 
 そこのオバちゃん、笑いながら逃げないの!

 
 あと、役者さんたちの動きを目で追わないの!

 まったく、もう。

 もっとも、彼らはエキストラと言うより、その場に居合わせた単なる観光客であろうから、正しいリアクションを求める方が筋違いかもしれない。

 坂井親子はくじら博物館から逃げ出したものの、恐怖のあまり混乱していたのか、それともただのバカだったのか、何故かわざわざ人気のない海沿いの「鷲の巣遊歩道」と言う小道に迷い込んでしまう。

 で、シオマネキング、戦闘員たちに襲われて攫われそうになるが、滝、そして後から来た猛によってなんとか助けられる。猛はライダーに変身してシオマネキングと戦い、なんとか海中へ追い返す。

 CM後、再びホテルのロビーで、猛たちと坂井親子が話している。

 
 猛「ショッカーが何故坂井博士を狙ったのか、お分かりになりませんか」
 圭子「さぁ」
 滝「先生は今、何をしてらっしゃるんですか」
 圭子「たぶん、息をしてるんだと思います」
 滝「屁理屈を言うんじゃねえーっ!」

 じゃなくて、

 圭子「主人が情熱を燃やしているのは海底都市の開発です」
 猛「海底都市?」

 
 北沢「いや、これは坂井博士の受け売りになりますが、あ、つまり魚を育てる海底牧場や、それから海草を栽培する海底農場……あー、それから、なんだったっけ?」
 マサオ「海底油田と海底鉱山だよ」
 北沢「それそれ、それらを中心とした海底都市を作る。たいしたもんだ、立派、えらい!」

 博士の息子に助けられながら、海底都市の概要について説明する北沢。

 それにしても大泉さんの台詞回しは、まさに唯一無二の独特の味わいがあるよね。

 
 ユリ「うわー、素晴らしいじゃない?」

 思わず嘆声を上げるユリであったが、今回、ライダーガールたちはほぼ置物扱いで、台詞らしい台詞は全編通して、このユリの台詞くらいである。

 せっかく、夏場に、海の綺麗なリゾート地に来てると言うのに、なんでライダーガールたちに際どい水着を着せて、プールや海に放り込むという発想がなかったのだろう、当時のスタッフには?

 郷「そうか、奴ら、海底基地の建設を企んでるんだ」
 滝「一刻も早く奴らの計画をぶち壊して博士を助け出さなくてはならんが、奴らのアジトは何処にあるんだ?」

 猛たちの言葉を受け、

 
 北沢「うーん、問題はそこにあるがー」

 支配人も厳しい顔で考え込むが、

 
 北沢「ぜんぜん、わかんねえ」

 最後はいつもの大泉節で落とすのだった。

 いいなぁ、大泉さん。大好き!

 是非、地獄大使の潮さんと絡んで欲しかったところだが。

 その後、ホテルの部屋で休んでいた坂井親子の前に、再びシオマネキングが現れ、追いかけてくる。

 
 二人はホテルの中を逃げ惑った後、洞窟の中の小さな温泉まで辿り着く。

 何でホテルからいきなりそんなところに出るんだと思いがちだが、これはホテル浦島の有名な「忘帰洞」と言う天然の湯だまりで撮影しているらしい。

 彼らがホテル浦島に泊まっていたとすれば、そこへ逃げ込んでも決して不自然ではない。

 ただし、

 
 前回の終盤、ユリたちが沈められたショッカーのアジトの中にある熱湯風呂と、まったく同じ場所にしか見えないのは、相当不自然である。

 考えたら、泊まっているホテルの内部にあるんだから、こんな便利な撮影場所はないよね。

 とにかく、二人はそこに追い詰められるが、またしても滝が駆けつけて助け出す。

 
 続いて、どこにあるのか不明だが、滝はケーブルカーに乗り込み、戦闘員たちを振り切ろうとする。

 たとえ相手が熟女でも、管理人はすべてのコマに目を通して、パンチラがないかどうかを精査するのがお仕事なのです。

 で、今回、ミニスカでかなり激しく動き回るので期待されたが、ケーブルカーに乗り込む際にスカートの中に下着がチラッと見えるだけで、パンツは全く見えなかった。

 さすが昭和の熟女はガードが固いぜ。

 
 なお、ひとりの戦闘員が執念深く追いすがって、

 
 既に動き出しているケーブルカーの窓に体を突っ込んでその中に飛び込むという、地味だけど、冷静に考えたら、なかなか危険なスタントに挑戦しておられる。

 これがジャッキー・チェンの映画なら、この勇気ある戦闘員はここから八面六臂の大活躍をするところだが、これはあいにくジャッキー・チェンの映画ではなく、「仮面ライダー」だったので、戦闘員、車両の中に入ったものの、滝に2秒でぶっ殺されてました。

 三人は山頂の展望台のようなところへ出るが、ここで遂にシオマネキングに捕まってしまう。

 で、色々あって、

 
 「紀の松島」を舞台に、怪人たちとライダーによる、楽しい楽しいボート遊びが繰り広げられる。

 
 地獄大使「ふふふ、来たな、仮面ライダー」

 その様子を、アジトの上の岩礁に立って、双眼鏡で眺めている地獄大使。

 楽しくボート遊びをしている戦闘員たちと比べ、それに参加できなかった戦闘員たちの不満不平が、そのだらけた感じの姿勢からもビンビン伝わって来ますね。
 
 シオマネキングたちが人質と一緒にアジトの地上部分に上陸すると、向こうから地獄大使が坂井博士を連れて現れる。

 だが、坂井博士はなかなか頑固で、目の前に人質にされた妻や息子を見ても、容易に海底都市計画に同意しようとしない。

 滝、縛られたまま必死に抵抗して、逆にシオマネキングに殺されそうになるが、ここでようやくライダーが駆けつけ、滝を救出する。

 
 地獄大使「出たな、仮面ライダー、だが、貴様の来るのは分かっていたのだ。見ろ!」

 
 ライダー「……」
 滝「……」

 
 ライダー「……」
 滝「……」

 
 地獄大使「見ろよ!!」
 ライダー「いや、だから見てるんだけど……」
 地獄大使「ちげーよ、後ろだよ、後ろ!」

 
 ライダー「え? ああ、あっちか……」

 ……

 あえて言うまでもないと思いますが、このブログにはかなり多めの嘘が混じっております。

 正解は、

 ライダー「しまった」

 でした。

 振り返れば、背後の岩の上に、いつの間にか人質が立たされているのだが、管理人、てっきり、出番のなかったユリたちだと思っていたのだが、

 
 あにはからんや、それは坂井博士たち三人であった。

 いや、これ、ついさっきまで地獄大使の横にいたのが、一瞬であんな遠くまで移動できる筈がないと言う点で、明らかに変である。

 他の役者を呼ぶのが面倒だったのかも知れないが、やっぱりここは横着しないでユリたちに出動して貰うべきだったと思う。

 そうなれば、ライダーガールたちのパンチラの可能性もあったと思うのだが……。

 
 ライダー「卑怯者め」
 地獄大使「はっはっはっはっ、海の中に突き落とせば、三人の命はないぞ。大人しく降伏しろ」

 だが、その時、博士たちのいる岩場の陰から、何の伏線もなく隼人が飛び出て、戦闘員を蹴散らし、人質を救出する。

 そして、岩場から飛び降りると、自らもライダーに変身する。

 2号ライダー「滝、博士を頼む」
 滝「よし!」

 前回に続いて佐々木剛さんのゲスト出演だが、出番はこれだけである。

 無論、変身後の吹き替えはあるけどね。

 無敵のWライダーを前にしては、大抵の悪が怯むところだが、

 
 地獄大使「ちょうどよい、二人のライダー、まとめて片付けろ!」

 度外れたポジティヴシンキングが身上の地獄大使は、いささかも動じることなく、むしろ好機とばかりに部下に命じるのだった。

 
 戦闘員「……イッ!」

 そんな、現実と向き合おうとしない上司の無謀な命令に対し、実際に現場で働いている戦闘員たちの反応が、ほんの一瞬遅れたのも、無理のないことであった。

 だが、戦闘員たちは、負けると分かっていても戦わなければならない宿命を背負っているのである!

 この後、必要以上に長い戦闘シーンとなる。

 シオマネキング、燃える泡を武器にしてWライダーとも互角に戦って見せたのだから、かなりの強者であったが、最後は1号の「ライダー返し」から、必殺の「Wライダーキック」を受け、倒されるのだった。

 戦いの後、滝がモーターボートに坂井博士一家を乗せて急いでアジトから離れると、何故かアジトは勝手に自爆してしまうのだった。

 ラスト、おやっさんやライダーガールたちと隼人が再会することもなく、猛と隼人がバイクで並んで走っているシーンで、何の余韻もクソもなく終わりです。

 結局、72話以上にストーリー性に乏しいエピソードであった。

 そうそう、忘れていた。

 
 ストーリーとは関係ないが、72話の予告編、ライダーが、岩場に立っている坂井一家を振り向くシーンで、ライダーの背後の岩の陰から女の人が出てくるのだが、これはスタッフの女性だろうか? それとも観光客だろうか?
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コメント

そもそも海底牧場を作るという壮大なプロジェクトに一人の博士を誘拐して行わせる事が不可能なのですがね😓スタッフだけでも、最低百人単位、若しくは千人単位で天文学的な開発費用と膨大な年月が必要でしょうね😅

ダブルライダー活かされず

佐々木さんのスケジュールもあったかもしれませんが
隼人=2号がラス殺陣にしか登場しないのが大いに不満。
これと前回はせめて伊上勝氏に執筆してほしかった。

なお、前回のモスキラスは以後再登場していないのに対し
シオマネキングは「V3」のみならず、平成作品に度々登場、あまつさえ巨大化しました。

Re: タイトルなし

そうですね。相変わらず、ショッカーの計画は杜撰ですね。

Re: ダブルライダー活かされず

> 佐々木さんのスケジュールもあったかもしれませんが
> 隼人=2号がラス殺陣にしか登場しないのが大いに不満。

前回と比べると、かなり物足りないですよね。

No title

こんばんわ いつもながらの 解説 楽しく 観させても

らっています

確かに 手持ちの映像で 岩陰の ナゾの・・・・・

動作からして ほぼ 観光客で 間違いないと思います

リアルを手始めに 何度も 繰り返し 観てたはずで

すが 全然 気が付きませんでした^^

お見事です!

これからも 鋭い 着眼点の解説 期待しています

Re: No title

> 動作からして ほぼ 観光客で 間違いないと思います
> リアルを手始めに 何度も 繰り返し 観てたはずで
> すが 全然 気が付きませんでした^^

自分もレビューしてて初めて気付きました。予告編ってたまに変なものが映ってて面白いです。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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