第33話「出るか?!新必殺技」(1984年9月15日)
引き続き、改造強化されたギアとの苦闘を描いたエピソードである。
一応、ネオメカジャイガンに対抗できるバイオロボの新必殺技は完成したので、今回は、ピーボの指導のもと、新たな必殺技・スーパーエレクトロンを開発すべく、バイオスーツの強化に取り組んでいる5人。
バイオロボの場合と同じく、更なる高エネルギーを5人の体に注ぎ込み、バイオスーツと同調させる実験が繰り返されるが、失敗ばかりでなかなか進捗を見ない。

ピーボ「スーパーエレクトロンは全身を武器として使う、バイオスーツを強化したとしてもみんなの体力と精神力が同調しなければ意味がないんだ」
史朗「わかった、俺たちも強化されたバイオスーツに同調できるだけの体力・精神力の鍛錬に取り組む」
と言う訳で、「仮面ライダー」でお馴染み、ヒーローの特訓シーンとなる。

高いクレーンの先端から垂れるロープに捕まって、ターザンごっこをしている男子たち。

ちゃんと、ジュンとひかるも同じ訓練を行っている。
ジュンはともかく、ひかるはさすがにスタントだろうなぁ。
……と思ったが、よーく見たら、牧野さんの顔っぽいし、牧野さんなら自分でやりかねないから、良く分からない。
でも、本人がやってるのなら、ちゃんと本人がやってると分かるように撮ると思うのだが?

でも、ロープから飛び降りて一回転し、素早く身構えるアクションは、間違いなく牧野さん本人が演じている。JACの田中さんとほぼ同じタイミングでアクションしているのだから、大したものである。
史朗たちの、崖から下のマットに飛び降りる訓練の後、

地雷原の中をひかるとジュンが突っ走ると言う、ド派手なアクションシーンとなる。

ここも、ちゃんと女優さん本人が演じているのが立派である。
やっぱり最初のも本人なのかなぁ?

背後からの爆風で吹き飛ばされて砂利の上を転がった後、

ひかる&ジュン「やったぁーっ!」
バネのように躍り上がって喜ぶ二人。
いかにも若さが全身から溢れてる感じで、見ているこっちまで元気になるようなショットだ。
特に、ひかるの笑顔が可愛過ぎる!
さて、メイスンと同じく改造強化されたファラが、メッツラーとファラキャットを引き連れて沿岸地域に出撃、ガスタンクやコンビナートを手当たり次第に破壊する。

ファラ「素晴らしい破壊力、もっともっと破壊してやる。ファラ、ビームストーム!」
口から炎を吐くまでに人間離れしたキャラになってしまったファラ。
若干、飛鳥さんの顔が悲しそうに見えるのは気のせいだろうか?
すぐに、変身済みのバイオマンが駆けつけるが、以前と違うファラの姿に目を見張る。

グリーンツー「その姿は?」
ファラ「ドクターマン様の改造によって、危険な女になったのよ」
右肩にレーザー砲のような武器が追加され、胸も、アフロダイAの「おっぱいミサイル」のように、硬質なカバーが付き、メイクも少し変わる。
ま、そんなのはどうでも良くて、右端の、片膝を曲げて立つファラキャットが凛々しいのである。
どうせなら、ファラキャットにも改造を施して、全身タイツからもっと露出度の高いコスチュームに変わって欲しかったところだが、ドクターマン、オリジナルのファラキャットが気に入ってるのか、何故か彼女にだけは一切手を付けてないんだよね。

しかし、真下から見上げたファラのアングルは、なかなかそそられるものがありますね……。
ファラ「尻尾のないバイオマンさん、何しに来たの?」
ブルースリー「おっ、メッツラーも改造されてるぞ!」

メッツラー「ハッハッハッハッハッ……」
ブルースリー(笑)の叫び声に、よくぞ気付いてくれましたとばかり、メッツラーが哄笑を響かせる。
見れば確かに、ケースの中の剥き出しだった脳味噌(?)が、金属製のものに変わっていた。
ファラ「バイオエレクトロンも使えないお前たちに何が出来ると言うんだ?」
レッドワン「うっ……」

メッツラー「俺の新しい力を見せてやる、メッツラー、アームストレッチ!」
5人の前に降りて来ると、右手をゴムのように伸ばしてレッドワンの首を掴むと、右へ左へ振り動かす。
ファラとメッツラーの新しい能力に手も足も出ない中、レッドワンが、一か八か、未完成のスーパーエレクトロンを試そうと言い出し、他の4人も賛同する。
それは、5人が輪になって両腕を組み、一つの大きな光の塊となって敵の体に突撃すると言う過激な技で、一瞬、成功したかに見えたが、

(なんだ、この画像?)

やはりまだ不完全だったようで、爆発する前に、5人は元の姿に戻ってメッツラーの体内から弾き出されてしまう。
5人は、尻尾を巻いて逃げ出すよりなかった。
それのみならず、グリーンツーだけ重傷を負い、バイオベースのベッドに横たわって治療を受けている。
ひかる「ねえ、どうして、真吾君が一番ダメージが大きいなんて」
ジュン「あれだけ厳しいトレーニングに励んだ人が……」
不審に思ったみんなは、別室に行き、真吾のレントゲン写真をチェックする。

史朗「ほら、こんなにたくさん、それも随分古い傷跡のようだぞ」
ピーボ「4才頃のものだね、これは」
竜太「これじゃ生きるか死ぬかの大怪我だぜ」
ひかる「ええっ?」
史朗「いや、今は完全に治っている。しかし。高杉がいくら体力を強化しようとしても、この古傷を庇おうとする気持ちがある以上……」
ひかる「真吾君が!」
ひかるの悲鳴のような叫び声に一同が振り向くと、モニターの中の真吾が、ふらふらと立ち上がってバイオベースを出て行くところだった。
真吾がやってきたのは、明立高校と言う真吾の母校だった。

真吾「監督!」
監督「お前、高杉……」
真吾「俺にもう一度、昔の千本ノックをしてください」
だが、どう見ても高杉と同世代にしか見えない監督は、その手を振り解くと、
監督「お前は厳しい練習に耐えかねて、野球をやめた」
真吾「お願いします」
監督「いい加減にしろ!」
その時の様子が、セピア色の回想シーンでちょろっと描かれる。
監督「中心選手に抜けられた俺の無念さ、みんなの悔しさ、それが分かっていれば俺の前に顔なんか出せない筈だ」
真吾「実は、俺は子供の頃に大きな怪我をしました。その傷のことが頭にあって、つい、自分に負けてしまうんです。でも俺は今、命懸けでやらなけばならないことがあるんです。その為にも千本ノックをやり遂げて自分に自信を持ちたいんです」
監督「……」
真吾「監督ぅ、待ってます、グラウンドで!」
監督の返事も待たず、真吾はかつて汗と涙を流した野球部のグラウンドへ走って行く。
CM後、夜になってもグラウンドで待ち続けていた真吾の目を車のヘッドライトが眩しく照らし、シルエットになったままの監督らしき人物が現れて、無言でノックを開始する。
真吾、無心になってボールを追いかけていたが、

史朗「立て、高杉!」
真吾「その声は? 郷、郷だったのか?」
そう、それは監督ではなく、代わりに真吾を鍛えに来た史朗だったのだ。無論、竜太たちも来ていた。
なおもノックを続けようとする史朗だったが、その腕を押さえたものがいる。

史朗「監督!」
監督「代わろう、素人のノッカーは甘くて見ちゃいられない」
そう、今度こそ本物の監督で、自らノッカーを買って出てくれたのだ。無論、史朗に否やはない。
史朗「お願いします」
監督「高杉、これからが本当の千本ノックの始まりだぞっ」
こうして、真吾の壮絶な千本ノックチャレンジが始まる。

竜太「真吾、頑張るんだ」
ひかる「頑張って!」
グラウンドの外から声援を送りつつ、
三人(……これ、一体何の番組だ?) 特訓は夜を徹して行われ、真吾が千本ノックをやり遂げた時には、もうグラウンドに朝日が差し込んでいた。

一方、工場地帯にネオメカジャイガン・ドクロメガスが出現し、破壊活動を開始していた。
戦隊シリーズの巨大ロボット(怪人)で、これだけはっきりと髑髏をモチーフにしたデザインのキャラクターって珍しいよね。
5人は直ちにバイオマンに変身して現場に急行しようとするが、途中、ファラたちに迎撃される。

レッドワン「ファラ!」
ファラ「バイオマン、邪魔させないわ。やれいっ!」
「船の科学館」に隣接する遊泳プールで、バイオマンと戦闘員たちのバトルが繰り広げられる。

ファラ「ファラ・ビームストーム!」
だが、新生ファラとメッツラーの前に、まったく歯が立たない。
ちょっと残念なのは、せっかくファラキャットがいるのに、全然戦いに参加してくれないことだ。
大島さん、ひょっとして怪我でもしてたのかな?

ファラ「スーパーエレクトロンも駄目だったのに、まだ悪足掻きしようと言うの?」
さっきから同じような画像ばっかり貼ってるような気がする……。
グリーンツー「レッドワン、スーパーエレクトロンだ」
レッドワン「よしっ」
千本ノックで自信を取り戻したグリーンツーの掛け声に応じ、レッドワンはもう一度スーパーエレクトロンを発動させる。
垂直に飛び上がり、腕を組んで光の塊になる5人。

ファラ「はっ?」
さすがにちょっとファラが怯むが、すかさずご主人様を庇うように両手を広げるファラキャットが健気で可愛いのである!
だが、その最中、
「良く考えたら、千本ノックとスーパーエレクトロン、全然関係ないやん!!」と言うことに真吾が気付いてしまったせいか、さっきと同じようにメッツラーに弾き返されてしまう。

ファラ「はっはっはっ……」
ファラキャット(ご主人様、嬉しそうだニャン!)
同じ失敗を二度繰り返すヒーローの醜態を嘲笑うファラと、一緒になってニコニコ笑っているファラキャットが可愛いのである!
だが……、

メッツラー「うっ、あっ……」
ファラ「メッツラー、どうした?」
メッツラー「苦しいよ……」
急にメッツラーがよろめき、その場に倒れ込んで苦しそうに呻き出す。
完全な失敗かと思われたが、実はメッツラーにかなりのダメージを与えていたのだ。

ファラ、やむなくファラキャット、メッツラーともども退却する。
……
いいですねえ、ファラキャットのお尻。
グリーンツー「今度こそ倒したと思ったのに」
レッドワン「そんなことはない、グリーンツー、ダメージを与えたんだ。お前が頑張ったお陰で、俺たちのスーパーエレクトロンは一歩前進したんだ!」
その後、ファラの操縦するドクロメガスをバイオロボで撃破し、一応バイオマンの勝利となる。
だが、まだスーパーエレクトロンは完成には程遠く、次回もバイオマンの苦闘が続くことになる。
- 関連記事
-
スポンサーサイト