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「イナズマンF」 第6話「ガイゼルの大要塞」

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 第6話「ガイゼルの大要塞」(1974年5月14日)

 冒頭、丘陵の上から、地平線までびっしり立ち並んだマンモス団地を見下ろしては、両手を怒りにワナワナさせているウデスパー。

 ウデスパー「人間どもめ、邪魔なものを作りおって」

 
 ウデスパー「このままニュータウンの建設が進めばデスパー軍団の大前線基地の建設が出来なくなります。ようやく、地下工場の秘密兵器が完成した今こそ、デスパー軍団の前線基地の建設を急がなければなりません。その為には、ニュータウンは邪魔です!」
 ガイゼル「やれ!」

 ウデスパーの長ったらしい進言に対し、二文字でゴーサインを出す節約家のガイゼル総統であった。

 
 こうして、あっという間にニュータウンは破壊されてしまう。

 消防車のサイレンが鳴り響く中、パニック状態になって逃げ惑う大勢の住民。

 後方のミニチュアはへぼいが、投入されたエキストラの数は実に豪勢である。

 
 ミニチュアのみならず、エキストラの周囲でもボンボン爆発が起きる。

 子供にすら容赦しない70年代の東映スタッフが、大人のエキストラに手加減を加える筈もない。

 それでも、かなりの数の住民が警官たちに先導されて爆発から逃れていたが、

 
 その行く手に、ウデスパーが戦闘員を引き連れて立ちはだかる。

 
 ざわつく住民たちの中に、ジーパンに真っ赤なシャツ、ロングヘアの美少女が見えるが、これが今回のゲストヒロイン、今井美佐子さんなのである。

 「ウルトラマンタロウ」の51話で、南原隊員と結婚式を挙げていた女の子ね。

 残念ながら、今回は役名がない(設定では、未知子と言うらしい)ようなので、便宜上、ここでは美佐子と呼ぶことにする。

 ウデスパー「ようく聞け、この街はたった今、デスパー軍団が占拠した、ここは新人類の前線基地になる。お前たち邪魔は死んでもらう、撃てぇーっ!」

 
 ウデスパーの命令を受けて、左右の戦闘員が情け容赦なくマシンガンをぶっ放す。

 しかし、最初から殺すつもりなら、わざわざ余計な前置きを言わず、いきなり撃てば良かったのでは?

 ウデスパーが説明を始めるものだから、てっきり、「お前たちは奴隷になるのだ」みたいなことを言うのかと思ったのだが。

 ま、専門家でもないただの人間を捕まえて基地建設の労働者として扱き使ってもあまり意味はなく、さっさと処分してしまうに限ると言うのが、スマートかつクールな「悪の組織」、デスパー軍団の流儀なのだろう。

 逃げ惑う女子供にまで、銃弾の雨を降らせ、槍でグサグサ突き刺す、デスパー軍団の蛮行がこれでもかとばかりに画面に映し出され、とても子供向け特撮番組とは思えぬ凄惨な地獄絵図が展開する。

 さすがに流血シーンこそないが、こんな過激な殺戮シーン、今では、大人向けドラマでも無理だろう。

 
 さて、問題の美佐子だが、咄嗟に、死体のふりをして戦闘員の目を逃れるという、クレバーな作戦を思いつき、死体の横にばったりうつ伏せに倒れる。

 これで一安心、と思いきや、

 
 すぐに戦闘員たちが来て、槍を死体に突き刺して、丹念にトドメを刺していくと言う、背筋の凍るような光景が繰り広げられる。

 はっきり言って、これこそ特撮史上最恐のシーンではないだろうか。

 少なくとも、視聴者に、これほど「戦争」と「虐殺」の恐ろしさを生々しく伝えるシーンを、私は知らない。

 当然、美佐子も串刺しにされそうになるが、

 
 美佐子、見かけによらず運動神経と瞬発力に優れた少女で、咄嗟に体を起こして槍をかわすと、

 
 美佐子「えいっ!」

 戦闘員の足に強烈な蹴りを叩き込む!

 この後、美佐子が、ドマゾの戦闘員たちから鵜の目鷹の目で追い掛け回されたことは言うまでもない。

 一方、五郎と荒井も、知らせを聞いてライジンゴーでニュータウンに向かいつつあった。

 だが、ウデスパーも当然、五郎たちの到来を予想しており、ナイフデスパーに迎撃させる。

 右腕の巨大なナイフをやすりで擦りながら迫ってくるナイフデスパーを前にして、

 
 五郎「荒井さん、街へ急いでください」
 荒井「君一人を置いてはいけん」
 五郎「僕は大丈夫、さ、少しでも早く」
 荒井「ようし、任せた!」

 荒井はナイフデスパーの相手を五郎に任せ、先にニュータウンへ入ろうと走り出すが、すかさずナイフデスパーがナイフを投げ付け、それは荒井の左肩に深々と突き刺さる。

 五郎「荒井さん!」
 荒井「心配するな」

 
 怪人「見たか、ナイフデスパーの威力、あのナイフには猛毒が塗ってある、街へ着く前にあの男は毒が回って、必ず死ぬう!」
 五郎「荒井さん!」

 アホで有名なショッカーの怪人が聞かれてもないのに余計なことをヒーローに喋って自ら敗北を招くケースは多いが、このナイフデスパーの暴露は、それとは違い、そうやって五郎を精神的に動揺させる、はっきりした目的を持ってされた行為なのである。

 狙い通り、五郎はすぐ荒井の後を追いかけようとして浮き足立ち、そこを、ナイフデスパーが一方的に攻め立てる展開となる。

 五郎もイナズマンに変身して戦うが、ナイフデスパーはかなりの強敵で、容易に決着はつけられそうもないと見て、途中で戦いを放棄して荒井の下へ飛んでいく。

 
 一方、美佐子は生き残りを捜索している戦闘員の目を逃れながら移動しているうちに、ニュータウンの地下に作られていた前線基地の中に迷い込んでしまう。

 そして、ある扉を開いて中を見ると、

 
 そこは巨大な工場のようになっていて、UFOのような奇妙な機械が急ピッチで組み立てられていた。

 これこそ、ウデスパーの言う秘密兵器なのだろう。

 美佐子「何かしら……?」

 
 美佐子「はっ……!」

 と、背後に気配を感じて振り向くと、

 
 ガイゼル「見たな?」

 目の前に、白塗りの安藤三男さんの顔があった。

 しかし、撮影の合間とかに、安藤さんが、娘くらいの年齢の今井さんと世間話をしているところを想像すると、なんとなくホカホカした気持ちになる管理人だった。

 美佐子はすぐ踵を返して地下道を走り出すが、ガイゼルは自分で追いかけるようなことはせず、戦闘員に追跡させる。

 その際、足音が反響するのは良いのだが、舞台が前線基地の地上に変わっても、引き続き反響してるのはどうかと思う。

 美佐子、足が速いのか、またしてもぶっちぎりで戦闘員たちを引き離すが、何しろ向こうはマシンガンを持っているので到底勝ち目はなかった。

 が、ちょうどそこへ荒井が現れ、美佐子を庇って戦闘員たちを皆殺しにする。

 
 荒井「しっかりしろ、もう安心だ。ニュータウンの人たちは一体どうしたんだ?」
 美佐子「みんな、殺されたの!」
 荒井「なにぃ」

 その後、五郎とも合流し、三人はひとまず、廃工場のような建物の中に身を隠す。

 と言うか、廃墟となったニュータウンなのだろうか?

 五郎、荒井が平気な顔をしているのを不思議に思い、

 
 五郎「荒井さん、肩の傷は?」
 荒井「かすり傷だ」
 五郎「なんともないんですか」
 荒井「だからかすり傷だよ」
 五郎「でも、あのナイフには毒が塗ってあったんですよ」
 荒井「ふっ、俺には免疫があるんだろうよ」
 五郎「本当になんともないんですか」
 荒井「本当だ。今そんなこと、話してる場合じゃない」

 そうこうしているうちに、三人はあっさり見付かってしまう。

 
 ウデスパー「無駄な抵抗はやめろ、イナズマン、飛んで火に入る夏の虫が袋のネズミになったな。三人一緒とは好都合だ、仲良く死んで貰うぞ」

 
 美佐子「イナズマンって誰なの?」
 荒井「イナズマンは正義の味方だ」
 美佐子「あなたがたは誰なんですか?」

 状況が分からず質問を連発する美佐子だったが、五郎も荒井も落ち着いて説明する余裕はなく、

 荒井「五郎君、ニュータウンの人たちはみんな殺されたらしい」
 五郎「……」

 
 五郎「君は奴らの秘密を何か知ってるのか?」
 美佐子「私、見たんです。ニュータウンの地下に大きな工場が……」
 荒井「そこで何を作っていたんだ」
 美佐子「分かりません、大きな円盤みたいなものが」

 直後、ナイフデスパーが迫るのを見た美佐子が思わず外へ飛び出す。

 
 荒井「出ちゃいかん!」

 
 荒井「ぐふっ」

 引き止めようとした荒井、その背中でマシンガンの銃撃から美佐子を守る。

 荒井の死は必至と思えたが……。

 五郎「荒井さん!」
 荒井「私はだいじょぶだ」

 一体どうなっているのか、ゾンビのような生命力を発揮して、荒井は美佐子を連れて安全な場所へ隠れる。

 五郎も疑問は後回しにしてイナズマンに変身し、空を飛んで、非常階段の踊り場の上に降り立つ。

 
 怪人「降りて来い、イナズマン」
 イナズマン「……」

 脊髄反射で叫ぶ怪人に対し、「よっしゃ」とばかりにイナズマンが飛び降りようとしたその瞬間、

 
 ウデスパー「ナイフデスパー、次の作戦に移る、引き揚げろ!」

 
 イナズマン「……えっ、えっ? いや、ちょっと待ってぇーっ!」

 ウデスパーの指示に、ナイフデスパーたちはイナズマンを放ってとっとと退却してしまうのだった。

 悪に無視されるヒーローほどみっともないものはないということが、このシーンを見れば分かる。

 
 踊り場に茫然と立ち尽くしたまま、イナズマンが「ヒーロー辞めようかなぁ」と思っていると、下に荒井と美佐子が戻ってくる。

 シャツの裾がめくれて、おへそが見えないかなぁと思ったが、今井さん、しっかりインナーを着ておられたので管理人の野望は無残に打ち砕かれる。

 荒井「今まで黙っていてすまなかった……」

 荒井、ボタンを外すと、上着の前をはだけて見せる。

 イナズマン「そ、それは……アブフレックス2!」
 荒井「すまん。どうしてもモテたくて」

 じゃなくて、

 
 荒井「私はサイボーグなんだ」

 服の下から出て来たのは、内蔵されている機械の一部だった。

 
 イナズマン「荒井さん」
 荒井「私も君と同じように人類の正義の為に戦うのだ!」

 もっとも、サイボーグになった経緯などは一切話さず、イナズマンも聞こうとしない。

 
 とにかく、改めて手を握り合ってともに戦うことを誓う二人を、なんだか良く分からないまでも、「男の子って良いなっ」的な笑顔で見ている美佐子が可愛いのである!

 この後、秘密工場からあの円盤のような飛行機に乗ったナイフデスパーと、ライジンゴーのイナズマンとの空中戦となるが、うっかり、入り口の蓋を開けたままだったので、撃墜された円盤がその穴から落ち、ウデスパーが苦心して作った秘密工場および前線基地まで一緒に焼失してしまうのだった。

 ラスト、イナズマンがナイフデスパーを倒して事件は解決する。

 以上、冒頭の殺戮シーンは強烈だが、せっかくの魅力的なゲストヒロインの存在を活かせないまま話が終わってしまって、竜頭蛇尾の感が否めない、残念な作品であった。
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コメント

扱いが雑

最初の爆破シーンが余りにも凄まじかっただけにワクワクしていたのですが、残念な回のようですね😅これだけの美人ゲストがいたのにも関わらず、扱いがぞんざいでしたね

殺戮シーン

>こんな過激な殺戮シーン
1970年代の東映作品に多い気がします。
「ゴレンジャー」のイーグル隊員なんて「虫けら」のごとく殺されていました。
やはり当時の製作スタッフ(昭和一桁とその少し下)の「生死感」でしょうか?

荒井さん……

今井美佐子さん,タロウのときも良かったですが,この回でも可愛いですね。「F」では珍しく,死ななかったヒロインですね。そして,荒井さん……。サイボーグだからって,撃たれようが何をされようが平気な不死身の体にはならないと思いますけどね。でもまあ,こういう副人物・荒井のキャラクターづけの伏線が,あの「幻影都市デスパー・シティ」や最終回などにつながっていくのですね。
あとこれ,余談ですが,最近,「女番長 野良猫ロック」という映画を見たら,脇役ですが,「幻影都市デスパー・シティ」に出ていた久万里由香さんが出演されてるのに出あえました。不良グループ同士の抗争に巻き込まれた久万里さんが敵の手に落ちるというシーンがあって,うつ伏せではありますが,彼女が全裸で横たわっているというカットがありました。

Re: 扱いが雑

もったいないですよね。

Re: 殺戮シーン

ま、脚本にもよるでしょうけどね。

Re: 荒井さん……

> 今井美佐子さん,タロウのときも良かったですが,この回でも可愛いですね。

丸々と健康的で、良いですよねー。

> あとこれ,余談ですが,最近,「女番長 野良猫ロック」という映画を見たら,脇役ですが,「幻影都市デスパー・シティ」に出ていた久万里由香さんが出演されてるのに出あえました。不良グループ同士の抗争に巻き込まれた久万里さんが敵の手に落ちるというシーンがあって,うつ伏せではありますが,彼女が全裸で横たわっているというカットがありました。

貴重な情報ありがとうございます。

No title

このスタッフに豪華な製作費があったらどのぐらいのものを作るんでしょうかね。

Re: No title

うーん、でも、予算の問題と言うより技術の問題だから、あんまり変わらないのでは?

爆破シーンやアクションが良かっただけに、肝心のストーリーが盛り上がらなかった事が残念ですね😅ガイゼルがマンモス団地を壊滅してまで何をしたかったのか伝わらなかった事もがっかりですね😔

Re: タイトルなし

導入部はめちゃくちゃ良いんですけどね。

似ている?

親戚の子とこの回をみていたときに、ポツンと彼女が「眞子様が出てる」といってました。

確かに似てるっちゃあ似てるようにも見えますが、そんなにもは似てないような気が。
見た目ではなく、声の方だったのかもしれません。

子供のたわごとも思いましたが、ちょっと親戚の子の一言がインパクト残っていたので、書かせていただきました。

Re: 似ている?

ああ、似てると言えば似てるかも……って、眞子さんの顔、良く知らないんですが。

爆破&殺戮シーン

最初の爆破&殺戮シーンのインパクトがあっただけにそれが尻すぼみになって行くのは残念ですね😅今井美佐子さんのゲストは💮ですね

Re: 爆破&殺戮シーン

竜頭蛇尾と言う感じですね。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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