第4話「嵐の中のバレリーナ」(1989年5月1日)
うう、このクソ寒いのに(2/9執筆)なんでこんなドラマのレビューしなゃきならんのだ? と言う泣き言は封印して今日も頑張って書くのです。
前回、伊豆の山荘で、翔子とミカ、二人だけの合宿が行われたが、翔子がふと口にした「母」と言う言葉が何もかもぶち壊してしまい、結局、水恐怖症を克服するどころか、もっとひどくなってスイミングスクールに舞い戻ってくる。

一時打ち解けたように見えた二人の関係も、再び元の冷ややかなものに変わってしまっていた。

二人が帰ってくると、ちょうど、ダンスフロアに移動中の、レオタード姿の涼子たちがぺちゃくちゃ喋りながら1階に降りてくる。
彼らはシンクロの表現力を磨く為に、ダンスのレッスンも受けているのだ。

順子「おかえりなさい、伊豆の生活、どうだった? 元気になって帰ってきたんでしょうね?」

何も知らない草薙オーナーがにこやかに声を掛けるが、ミカは敵意すら感じさせる眼差しを向けただけで、無言で階段を駆け上がっていく。
翔子も、重苦しい顔で何も言わずに事務室に消える。

冴子「何かあったのかしら? 二人ともすっかり険悪な顔しちゃってさぁ」
典子「アキレス腱の治療がうまくいかなかったんじゃない?」
涼子「アキレス腱の治療なんて名目よ、森谷先生は葉月さんの水恐怖症を治しに行ったの。それが失敗したという訳ね」
ミカのことを目障りだと感じている冴子たちが目を輝かせてヒソヒソ噂するが、オーナーの娘として情報に通じている涼子があっさり暴露する。
ところで管理人、以前から薄々そうじゃないかと感じていたのだが、今回、このエピソードをキャプしているうちに、冴子役の越智静香さんのフェイスが、ハートのど真ん中に突き刺さっていることを確信したのです。
平たく言えば、もろ、好みのタイプだったのですね!(今頃気付くなよ……)
と言う訳で、今後は、意識的に冴子の画像を多めに貼って行きたいと思う。

順子「そう、失敗だったの」
翔子「何もかも上手く行ってたんです、私との間にも心の交流が生まれ始めていました。それが突然……水溜りを前にしたミカは激しい恐怖感をあらわにしました。それから後はもう何を言ってもダメ……ミカの水恐怖症は前よりももっと激しいものになってしまったんです。水恐怖症のほとんどはその幼児期の水体験に根ざしていると言われています。こうなった以上、ミカが幼児期にどんな水体験をしたか、知らなければなりません」
伊豆での出来事を悔しそうに順子に説明するとともに、今後の対策を思案している翔子。

順子「あなた、まだ諦めないと言うのね?」
翔子「諦める訳には行きません!」
一度目をつけた獲物は絶対逃さないのが翔子のポリシーなのです!

その後、二人が受付の前に来ると、花束を持った、ミカの幼馴染である健吾が立っていた。

1話で、その横っ面を意味もなく引っ叩いたくせに、翔子は、その健吾を気持ちが良いくらい
完全に無視してすれ違い、さっさと行ってしまう。
シンクロの為なら地球の一つや二つどうなったって構やしない翔子にとって、シンクロと関係のない健吾など、ゴミ以下の存在に過ぎないのである。
しかし、叩かれた方の健吾まで、翔子のことをガン無視と言うのは若干不自然な気もする。

健吾は代わりに順子に話しかけ、自己紹介をして、その花束をミカに渡してくれるよう頼む。

オーナーは喜んでその頼みを引き受けるが、突然現れて花束を横から掻っ攫ったのが、スイミングクラブのメンバーでもある稔であった。
稔「先生、俺が届けるよ」
順子「稔君、いけませんよ」
稔「かたいこと言わないの、君、俺が責任持って届けるから、安心しな!」
健吾「……」
健吾は、ミカの近くに将来、恋のライバルになりそうなキャラクターがいるのを知って、穏やかでない顔になる。もっとも、途中からミカの恋愛話は銀河の彼方に蹴飛ばされてしまうので、恋のライバルもクソもなくなってしまうので、そんな心配は無用ノ介であったが。
稔がミカの部屋のドアをノックすると、落ち込んでいたミカもおずおずとドアを開ける。

稔「仙台時代にボーイフレンドいた? そのボーイフレンドから花束届いてるよ」
それにしても、この爽やかな青年が、後にその暑苦しさで暖房代わりになるとさえ言われる竹内力になるとは誰が予想できたであろうか。
……まぁ、彼だって既に竹内力ではあるんだけど、竹内力プロトタイプと言うべきだろう。

ミカ「健吾さんからぁ?」
その名を聞いて、やっとミカの顔に笑みが広がる。

稔「今夜練習が終わったら、誘いに来るから。俺のオートバイでぶっぱなさいか?」
稔、ついでにミカをデートに誘うが、さすがにタイミングが悪かった。

稔「あたっ」
ミカ、返事さえせずにドアを閉め、ドアに額をぶつけて三枚目の役を演じる稔であった。
花束にはメッセージカードも付いていて、健吾の家も破産して(笑)仙台から東京に来ていること、現在、花屋でバイトをしていることなど、簡単に近況が書いてあった。
ミカ「健吾さん……」
OP後、その健吾がとあるホテルに花束を届けに来た所、ミカの父親・葉月節也がホテルから出てきてタクシーに乗り込むところを目撃する。ミカは、父親が商用で北欧に行ってるとばかり思っているのだが、節也は一時帰国していたのだ。

ミカ、その健吾のメッセージカードに書かれていた電話番号に電話しようと1階に降りてきて、勢い込んで食堂のドアを開く。

が、食堂には涼子たちがいてそれぞれ弁当を広げていた。しかも、それまで賑やかだった涼子たちは、急に静かになって一斉にミカの方を振り向く。

涼子たちより年少と思われるサブメンバーも、好奇の目をミカに向ける。
まさに針のムシロ状態の居心地の悪さ。新参者とは言え、こういうのはキツイよねぇ……。
スイミングクラブでミカの唯一の友人である千絵は「ミカさん、ここにどうぞ」と優しく自分の隣に座るよう勧めるが、ミカは「あ、いいんです、電話をお借りしようと思って」とすぐ逃げ腰になる。
現時点ではそれほどミカを敵視している訳ではない典子や加奈子たちも電話するよう勧めるが、ミカは固辞して出て行こうとする。が、一番手前に座っていた冴子が、こともあろうにミカが手にしていたメッセージカードを横取りしてしまう。
このクラブには、人の物を横取りする奴が多いなぁ。

冴子「わっ、凄いラブメッセージよ、これ!」
ミカ「返して下さい」
冴子はミカの抗議などお構いなく、勝手にそのメッセージを声に出して読み始めてしまう。

冴子「ミカちゃん、元気にしてますか……」
ミカ「返して下さい!」

ミカが冴子から取り戻そうとするが、今度はカードは典子の手に移り、典子も「僕は今、花屋さんでアルバイトをしながら……」とメッセージの続きを読み上げる。

最後は、加奈子の手に渡り、
加奈子「将来のことをいろいろと模索しています……」
ミカ「返してください!」

さすがに良識派の千絵が眉をひそめ、「みんなやめて、ミカさんに失礼よ!」とたしなめる。

景子「そうよ、他人の手紙を勝手に読むと逮捕されるのよ」
景子も冴子たちの行為を批判する。
千絵が立ち上がり、加奈子からカードを取り上げ、やっとミカに返す。

と、今度はクラブの女王的存在である涼子が「葉月さん、あなたいつまでここにいる気なの?」と、ずけずけと聞いてくる。
涼子「あなたにいられると、私たちみんな困るのよ。出来るだけ早くここを出て森谷先生を返して欲しいの……誤解しないで、
個人的な感情で言ってるんじゃないのよ」
千絵「……」
涼子はそう言い訳するが、横で聞いている良識派の千絵には、
「個人的な感情だけで言ってる」ようにしか聞こえないのだった。

涼子「私たちは森谷先生のコーチを受けたいの」
冴子「私たちにはあなたのように暢気に生きてる時間はないわ」
冴子たちも涼子の尻馬に乗ってミカを罵り出す。

ひろみ「3食昼寝付き」
明子「仙台から恋人も追って参りました」
年少組も調子に乗ってミカの境遇をからかい、嘲る。
ブリッジ眉毛のひろみちゃん、珍しく台詞が貰えて嬉しそうである。

冴子「私たちのスケジュール知ってる? 朝5時起床」
明子「5時半プール集合、2時間練習、終了後直ちに登校」
加奈子「8時半から午後3時まで授業、放課後直ちにプールに集合」
真樹「プールの一般利用が終わる9時まで3時間、ジャズダンス、アスレチック、振り付けの練習」
ひろみ「9時から11時まで本稽古をするのよ」
涼子「土曜日曜はもっとハードな練習があるわ」
冴子を皮切りに、それぞれ自分たちが如何に過酷なスケジュールに従って生きているか得々と語り倒す少女たち。
唇を噛んでじっと彼らのエラソーな言葉を聞いていたミカは、
ミカ(いや、それって、あんたらが好きでやってることじゃないの?) と、言い返してやりたい衝動に駆られるのだった。
彼らの言い草だと、まるで世の為人の為に頑張ってるように聞こえちゃうんだよね。
涼子「私たちには目標があるから、音を上げたりしないわ、でもね、練習の邪魔をするような人間には我慢できないの!」
結局、ミカは一切反論できず、メッセージカードを抱いて部屋を出て行く。

その夜、ミカは健吾の働いている花屋へ足を運ぶ。金もないので、歩道をぶらぶら歩きながら話すふたり。
ミカ「東京へはいつ出て来たの?」
健吾「10日前かな、僕のうちも破産してしまってね。思い切って家を出てきたんだ。どうせなら君のいる東京だと思った。ミカちゃん、僕は君の為ならどんなことでもするつもりだ!」
健吾は、愛の告白とも取れるような台詞を放つ。
もっとも、健吾には自分の父親のせいでミカの父親の会社が潰れてしまったという負い目を感じているので、償いの意味も込めて言っているのだろうが。

ミカ「それだったら健吾さん、私を連れて逃げて!」
健吾「待てよ、ミカちゃん、何があったんだ?」
ミカ「私、もう、あんなところ一日だって我慢できないわ。場所は何処でも良い。私を連れて逃げて!」
無理もないことだが、ミカはスイミングクラブそのものに強烈な嫌悪感を抱いていた。
健吾、あの宮沢りえちゃんに「どうにでもして!」みたいなことを言われるという、全国の男子が嫉妬で悶絶しそうな美味しい立場に置かれるが、なにしろ根がチキン、いや、真面目なので、「君のお父さん、日本に帰って来てるよ!」と、見当違いの反応を示し、千載一遇のチャンスを自ら放棄してしまう。
ま、ミカも、別に健吾と駆け落ちしようなどと思っていた訳ではないんだろうけどね。
ミカを勇気付けるには父親に会わせるのが一番だと考え、健吾はさっきのホテルへミカを連れて行く。
ところが、ふたりがホテルに入っていくのを、たまたま、近くをバイクで通り掛かった稔が目撃してしまう。
稔は二人の関係がもうそんな段階にまで進んでいるのかと早とちりし、ひどく落ち込む。

翔子「あ、稔君、ミカを見なかった?」
稔「見かけたけど、ショックで話す気になれないな」
傷心の稔は、クラブに戻ってくる(と言うことは、クラブの寮に寝泊りしているのだろうか?)が、そこで翔子に捕まり、強引にそのホテルに案内させられる。
一方、節也は既にホテルを引き払っており、ミカは父親には会えずじまいだった。

健吾「日本にいることは確かなんだから……必ず会える筈だよ、これからのことはお父さんと相談すべきだと思う」

ミカ「お父さん、私のことなんて心配してる暇ないのよ」
健吾「ミカちゃん、おじさんを責めないで……元はと言えば、俺のオヤジが」
ミカ(の胸)が横を向いただけで、妙に嬉しくなる管理人であった。
ふたりがホテルを出たところでぐだぐだ話してると、稔のバイクの尻に乗って翔子がやってくる。
当然ながら、ミカは、クラブに戻ることを断固拒否する。

ミカ「あなたは卑怯よ、アキレス腱の治療だなんていって、ほんとは私の……私の水恐怖症を」
翔子「ええ、そうよ。あなたの水恐怖症を治してあなたの心の中に清らかな水を溢れさせいと思ったわ」

ミカ「関係ないわ! 私はバレリーナよ。そんなこと関係ないわ」
翔子「分かったわ、帰ってゆっくり話し合いましょう」
翔子、とにかくミカをクラブに連れ戻そうとする。
健吾が嫌がるミカを翔子から守ろうと割って入り、その手を引っ張って逃げ出そうとするが、

その前に立ちはだかった稔が、いきなり健吾のとりとめのない顔面にパンチを叩き込む。

あえなく吹っ飛ばされた健吾は、戸惑いつつも、
(あれ、前にも似たような目に遭ったような気が……デジャヴュかしら?) 
稔「悪く思うなよ」
健吾(そりゃ思うわい!) 稔「さっきハラハラさせてくれたお返しだよ」

ミカ「健吾さん!」
健吾に駆け寄ろうとするミカを、今度は翔子が振り向かせて激しくビンタする。
……冷静に考えたら、スイミングクラブの人たちのやってることって、めちゃくちゃだよね。

翔子「何もかも中途半端で逃げ出すつもりなの? そんなこと、あたしが許さないわ!」

ミカ「……」
ミカ、結局、その夜は大人しくクラブに戻るのであった。
これ以上逆らうと、絞め殺されそうな気がしたからである。
翔子はミカを彼女の部屋に押し込めると、自分に連絡をしてくれるように頼んでいた節也からの電話を受け、とある店で節也と待ち合わせる。
翔子はまず、節也に、ミカが水恐怖症であることを知っていたかと尋ねるが、節也は寝耳に水といった顔で否定する。しかも節也によると、ミカは小学3年まで、スイミングスクールに通っていたというのだ。

節也「そのミカが水恐怖症だなんて……」

翔子「だとすると、ミカさんが水に対して恐怖を持つようになったのは、小学校3年以降と言うことになりますわね。何か大変なことがあったと思うんですが……私はミカさんの水恐怖症にはお母さんのことが深く関わってると思うんです」
節也「母親が?」
翔子は、さらに踏み込んで、既に亡くなっていることになっているミカの母親が実は生きていて、そのことをミカも知っているのではないかと、兼ねてから抱いていた疑問をぶつけてみる。
節也「おっしゃるとおりです、ミカは母親が生きていることを知っています……小学3年の時に母親が会いに来たことがあるんです」
翔子「ミカさんはお母さんに会ってるんですか?」
節也「いえ、会ってはいません。私が会うのを許さなかったからなんです」
節也は割りとあっさりその事実を認め、その時の模様を語り出す。
話しているうちに、節也もミカの水恐怖症の原因となったであろう、ある出来事を思い出す。
全てを聞かされた翔子は、節也と別れると、険しい顔付きでクラブへの道を歩いていた。

翔子(ミカの水恐怖症の原因はわかった。ミカの心から、水に対する恐怖感を取り除く為には、それを知らさなければならない。失敗すれば、
私たちはミカを失うことに……)
いや、「私たち」って、今のところ、ミカをシンクロ選手として育てようと考えてるのは翔子だけなんですけどね……。「たち」って誰のことなんでしょう?

クラブに戻った翔子はミカのところに行き、ミカにシンクロ選手になって欲しいという本音を、初めてミカに打ち明ける。
ミカ「なんですって? そう、それであなたの魂胆がようっく分かったわ! でも無駄なことよ、シンクロなんてやるもんですか。私はバレリーナなのよ!」
翔子「あなたはモスクワ留学を断念した時、バレエを諦めた筈よ。分かってる筈よね、あなたはバレリーナとしての大切な時期を失ってしまったの」
ミカ「シンクロは違うとでも言うの?」
翔子「ええ、違うわ、シンクロならあなたのアキレス腱を治しながら練習できるのよ」
ミカ「勝手なこと言わないで下さい」 ほんと、誰が聞いても「勝手なこと」を言う翔子に対するミカの台詞、あまりにその通りなので笑える。
翔子「いつまでお母さんから逃げてるの?」
ミカ「お母さんですって?」
翔子「そうよ、あなたは水が怖いんじゃない。あなたを捨てたお母さんを思い出すのが怖いだけなのよ」

ミカ「やめて! 関係ないこと言わないで!」
翔子「あなたのお母さんは生きてるわ、そのことはあなたも知ってる筈よ、小学3年の時、お母さんはあなたに会いに来たそうね。その時あなたに何が起こったの? 思い出すのよ、何が起こったか思い出しなさい!」
ミカ「やめてーっ!」
翔子はずかずかとミカの心に踏み込んで、無理矢理その時のことを思い出させようとする。
耳を塞ぎ、激しく首を振っていたミカであったが、翔子の言葉に触発されて、遂に秘めていた記憶の扉を開けてしまう。
以下、回想シーンとなり、ミカが小学3年の時、ミカに会いに来た母親と節也が言い争っている情景が、ミカの目線で映し出される。

母親「ミカは私の娘なんです!」
節也「勝手なこと言うな。お前はスイミングの為にミカを捨てた女なんだ。帰れ、二度とこんな真似はするな!」
ただし、ミカには、そして視聴者にも、母親の顔ははっきりと見えないように工夫されている。
声も、実際の女優さんとは別の人が当てている。
ミカは車に乗って走り出した母親を一心に追いかけるが、無論、追い付ける筈もなく、途中、ころんで泥水の中に突っ込んでしまう。
しかも、向こうから来たトラックに危うく轢かれそうになり、慌てて追いかけてきた節也によってなんとか助けられたのであった。

節也「ミカ、ミカ……」
泥水を飲んでぐったりしているミカの体を抱き上げる節也。
昔のドラマは、子役に対しても容赦はしないのである。しかもパンツ丸出し。
翔子「あなたは大量の泥水を飲んで、窒息寸前だった……」
ミカ「やめて、もうたくさんよ!」
耐え切れなくなったミカはそう叫ぶと、部屋を飛び出し、建物の外へ出る。
折しも、外は土砂降りの雨であった。

雨に打たれてずぶ濡れになったミカがうずくまっていると、しつこく翔子が追ってくる。お前はゾンビか?
翔子「ミカ、立ち上がりなさい、ダメになるか立ち直るか、あなた自身が決めなければならないのよ!」
ミカ「あ、じゃ、ダメになります……」
こうして、ミカは自らの意思でダメになって、その後、ヘアヌード写真集で大儲けしたと言う。
「青春オーロラ・スピン スワンの涙」 -完- じゃなくて、
翔子「あなたを捨てたお母さんが憎いなら、もっと激しく憎みなさい。恨むんだったらもっと激しく恨みなさい! あなたを捨てたお母さんに負けて悔しくないのぉ?」
翔子は、ミカを発奮させる為、あえて激しい言葉でミカを焚き付ける。
……まぁ、ミカが今一番憎んでいるのは、母親より、そう言ってる翔子さん本人だと思うんですけどね。
翔子「お母さんと同じ水の世界で、お母さんを打ち負かしてみたらどうなの?」 ミカ「水の世界で、お母さんを打ち負かすぅ?」 翔子「ミカ、水の中のバレリーナになりなさい!」 ミカ「水の中のバレリーナですって?」 さっきから
全く意味不明のことを翔子が言ってるので、ミカもとりあえず相手の言葉を繰り返すしかないのだった。
ちなみに回想シーンでは、ミカの母親は普通の水泳の選手のように受け取れるので、翔子も「同じ水の世界」と言う表現をしているが、後に、母親も実はシンクロ選手だったことが判明する。
これは、途中で設定を変えたのか、この時点では母親がシンクロ選手だったことを(ミカや視聴者に)伏せておきたかったのだろうか?

翔子「そうよ、あなたの才能は水の中でこそ煌めくのよ! 水の中でこそ、一層輝くのよ! さぁ、立ち上がりなさい!」
翔子に言われて、ゆるゆると立ち上がるミカ。
翔子「ここはプール、私とミカのプールなのよ! さあ、歩くの!」 ミカ「……」

ますます訳の分からないことを言い出す翔子を見て、ミカ、
「この人に逆らうのは危険だ」と直感したのか、やがて、土砂降りの中を、一歩一歩前に歩き出すのであった。
そして、翔子のヤケクソ気味の説得が効を奏したのか、次のシーンでは初めてプールの中に入って歩行練習をしているミカの姿が映し出される。

で、今回の次回予告でも、劇中の刺々しさを少しでも払拭しようとするかのように、最後に、宮沢りえちゃんと五十嵐めぐみさんが、とってつけたように仲良くはしゃいで見せるのだった。
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