第36話「変身ボーイ」(1984年10月6日)
強敵マグネメガスを、根暗山の守護神を自任する正太の活躍で何とか撃退したバイオマンは、ピーボの指示で、正太の体をバイオロボのセンサーで調べ、正太が、彼らと同じバイオ粒子を受け継いでいるかどうかを確かめる。
が、意外にも、結果はネガティブ。
つまり正太はバイオ粒子とは関係なく、生まれついての素質と、長年の山暮らしによって、バイオマンに匹敵する驚異的な身体能力を獲得しただけだったのだ。
正太が、バイオマン6番目の戦士になる夢はあえなく潰えたが、

ファラ「あの男こそ、私の生涯の伴侶だわ!」
ファラキャット「ええーっ?」
じゃなくて、
ファラ「あの男こそ、マグネ強化スーツの実験台にはもってこいだわ!」
マグネ隕石を加工して作ったマグネ強化スーツの実験台を探していたファラたちにとって、正太はまさにうってつけの人材だった。
一方、バイオマンはギアのマグネ加工工場を探索していたが、またもや正太につきまとわれ、いい加減困っていた。
そこで、ジュンが真剣な表情で正太を別の場所へ連れて行き、

ジュン「あなたをこれ以上危険な目に遭わせたくないんです」
正太「危険だなんて……それほどまでに俺のことを?」
ジュン「バイオロボで調べました。あなたにはバイオマンになる力はないんです」
正太「嘘だ、そんなの嘘だ」
ジュン「これ以上、私たちの邪魔をしないでください。迷惑なんです」
ジュンはあえてきついことを言ってそそくさと立ち去るが、無論、正太の身を思ってのことである。
もっとも、正太は持ち前の図太さで、大してショックを受けた様子も見えなかったが、ぼやきながらその辺を歩いていると、

ファラキャット「えーいっ!」
いきなり、ピンク色のパツンパツンのディスコパンツに、銀色のブーツ、白いシャツの裾をリボンのように結んだ若い女性に襲われる。

ファラキャット「ふっ、えいっ!」
着地すると、巨大な桃のような瑞々しいヒップを、生地を突き破らんばかりにみなぎらせて、鋭い立ちキックを放つ。

ファラキャット「えいっ、やあっ!」
正太「なんだ、この女は?」
ファラキャット「えい、やあっ、とぅっ、それっ!」
それは、大変喜ばしいことに、愛しのファラキャットが人間に化けたコスプレであった。
実に色っぽく、かつ、可愛らしい。
不意を衝かれた正太だが、戸惑いつつもその攻撃をほとんどかわしているのはさすがである。

ファラキャット「えーいっ!」
正太「うっ」
なにしろ、JACの逸材、黒崎さんと大島さんのガチのアクションなので、実に見ごたえのある殺陣となっている。

正太、ファラキャットのハイキックを宙を飛んでかわすと、追撃の蹴りを自分の足で弾き返し、

正太「ハズレ」
面白い顔をして相手を挑発する余裕すら見せる。

ファラキャット「にゃろーっ!」

ファラキャット「えいっ!」
怒ったファラキャットが二連続の蹴りを繰り出し、二発目が正太の股間にヒットする。
ここ、大島さんが意識して言ってるのかどうか分からないが、ファラキャットが時折猫っぽい掛け声を出すのがめっちゃ可愛いのである!
ここで管理人は、人間に化けたファラキャット様が登場遊ばされた瞬間から、ストーリーも、正太のことも、何もかもがどうでも良くなったことを告白しておきます。

ファラキャット「ええいっ!」
正太の見た目で、顔面に嬉しそうに手刀を叩き込もうとするファラキャット。
うーん、可愛い!
もっとも、正太は呆れるほど抜け目がなく、股間へのキックもしっかり両手でガードしていた。
よって、大したダメージは受けておらず、ファラキャットの腕を取ると、逆に投げ飛ばすのだった。
投げられたファラキャットが綺麗に着地したのを見て、
正太「うわ、すげー女!」
正太も、女ながらに自分と互角に渡り合う相手の強さに舌を巻いていた。
それはファラキャットも同じで、内心では正太の常人離れした戦闘能力に感心していたのではないだろうか。

ファラ「はっはっはっはっ、あなた、強い女の子が好きなようね」
頃はよしと、そこへ、同じく人間に化けたファラが現れ、にこやかに話しかける。
悪の幹部がメイクとコスチュームを脱ぐと、急に威厳がなくなるもので、ファラとて例外ではなかった。

ファラ「私は女の子でもこんなに強くすることが出来るのよ」
正太「へーっ、そんなことできんの?」
ちょうどバイオマンに振られてがっかりしていた正太、うかうかとファラの甘言に乗って、彼らの秘密工場へ同行する。
工場では、正太を警戒させないように、あらかじめ戦闘員たちも人間の研究員に化けていた。
ファラ「さ、これをつけてごらんなさい、バイオマンより強くカッコ良くなれるわ」
正太「よし」
ファラから渡された二つの腕輪を、マグネメガスのコントロール受信機とも知らずに両腕に嵌める正太。

ファラキャット「さ、どうぞ」
にこやかにファラキャットに促され、正太は何の疑いも持たずに、透明な四角いボックスの中に入る。

ファラ「これであなたも変身できるわ」
正太「はっ? ああああーっ、変身!」
ファラに言われて、思わず「仮面ライダー」っぽい変身ポーズをとってしまう正太。

貴重なファラキャットの素顔を、なるべくたくさん貼ることにした管理人であった。
ファラがボタンを押すと、

四方からビームが浴びせられ、正太は一瞬でコンバットスーツのようなスーツをまとう。
なんとなくマッドギャランっぽい。

ファラ「うまくいったわ」

体を回転させて、本来の姿に変わる二人。
と言う訳で、残念ながらファラキャットのコスプレはこれで終了。
うーん、毎回とは言わないが、4回に1回くらいはこういう格好をして欲しかったな、と。
ファラがさらにビームを浴びせると、正太は洗脳されて心身ともにギアの戦士となる。
やがて、バイオマンが工場の位置を突き止めてやってくるが、それを迎え撃ったのが強化スーツをまとった正太、通称マグネ戦士であった。

ファラ「バイオマン、山守正太を戦士にしたのよ、強くなりたいと願う山守正太は簡単に罠に嵌った」
イエローフォー「ええっ?」
ファラの操縦するマグネメガスの磁力ビームを受けて、正太が雄叫びを上げる。
ただでさえ戦闘能力の高い正太がマグネ強化スーツを着ると、まさに鬼に金棒で、ひとりでバイオマンを圧倒する。
サイゴーンとファラキャットも現れ、サイゴーンのフレアで5人は吹っ飛ばされ、川に流される。
傷付きながら下流の岸に這い上がった5人だったが、ジュンは自分があんなことを言ったせいだと自分を責め、仲間の声を振り払って再び工場へ向かう。

正太「生きていたか、今度はそうはいかんぞ」
感情のない、悪人っぽい声を出して、ジュンの前に立ちはだかる正太。

ジュン「正太さん、私よ、ジュンよ! よく見て、思い出して!」
ジュン、正太が自分に好意を持っていたことを利用して、正太を正気に戻そうとするが、正太は猛然と攻撃を仕掛けてくる。

ジュン「正太さん!」
両手で相手の攻撃を防ぎながら、必死にスーツの中の正太に呼びかけるジュン。
このマグネ強化スーツ、ゴーグルの部分が電子部品のようなメカになっているデザインが、なかなか秀逸である。
ほどなく、他の4人も戦場に駆けつける。

ひかる「あっ、無茶よ、変身しても勝てなかったのに!」

史朗「いや、ジュンは賭けているんだ! 彼の心に訴えようとしてるんだ」
真吾「そんなこと、奴に通用すんのかよ」
と、またしてもマグネメガスが現れたのを見て、4人はバイオドラゴンに乗り込んで空から攻撃する。
マグネメガスをひきつけておけば、正太のコントロールがままならなくなると踏んだからだ。
ジュンは、正太が腕輪を介して操られていることを見抜き、得意のアーチェリーで腕輪を撃つ。
腕輪が壊れると同時に正太はあっさり元の姿に戻り、ジュンは混乱している正太の頬を平手打ちしてから、

ジュン「正太さん、良く見て、あなたが守ってきた山を……この山を荒らすものは許さない、バイオマンと共に闘うといったあなたは何処へ行ったの?」
と、強く訴えるのだが、その肝心の山々が、既に人間の手でガリガリに掘り崩されて採石されているのが、笑うに笑えないギャグになっているのだった。
まぁ、マグネ隕石を採掘したギアによって、こんな姿にされた、ということなのだろうが。

正太「俺が守らなくちゃならないのは、この山、あの動物たち」
ジュン「正太さん!」
正太「ありがとう、ジュンさん!」
もし、破壊された山や森に意思があったら、彼らのやり取りを聞いて「ケッ!」と思ったことだろう。
とにかく、この後、ジュンと正太のJACコンビが、超人的な身体能力を駆使してギアと戦い、秘密工場へ迫る様子が描かれる。
描かれるのだが、特にどうでもいいのでカット。
田中澄子さんじゃなくて、矢島由紀さんだったら、多少は貼る気も起こるのだが。
ただし、秘密工場の入り口を守っていたサイゴーンのフレアで、

正太とジュンが勢い良く吹っ飛ばされるアクションだけは貼っておこう(ジュンの画像は?)
こうして、正太の活躍にも助けられて、バイオマンはサイゴーンを倒し、秘密工場も爆破、そしてマグネメガスも撃破するのだった。
ラスト、ジュンたちが正太の山小屋に別れを告げに行くと、

白いスーツを着た正太が、歌を歌いながら入り口にこんな表札を打ち付けていた。
ジュン「何よ、これ」
正太「二人のマイホームですよ、ボク決めたんです、ジュンさんと結婚することに、そしてこの美しい家と自然を守り育てていくんです。みなさん、よろしくね」
ジュンが慌てて逃げ出したのは言うまでもない。
以上、正太がいささかでしゃばり過ぎて、バイオマンの影がめっきり薄くなってしまった連続エピソードであったが、個人的には、ファラキャット様の悩殺スタイルとアクションだけで100点満点の内容でした。
しかし、黒崎さんが一時も休まず体を動かしたり、顔芸をしたりするのは、やっぱり初期のジャッキー映画の影響なんだろうか?
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