第6話「仕組まれた休日」(1989年5月15日)
今日も今日とてスイミングクラブのプールで練習しているミカ。
もっとも、まだ水恐怖症を克服したばかりでシンクロ初心者のミカは、他の選手とは別メニューで、基礎的な泳ぎの訓練を、翔子にみっちり仕込まれている段階であった。
ま、と言っても、肝心の翔子はプールに入るどころか、水着になろうとさえせず、
翔子「ミカ、もうちょっと顔沈めた方がいいわ」

遠藤「でないと下半身が沈んでしまうからね」
ミカ「はい」
プールサイドから指示を出すだけで、実際の指導は、遠藤コーチが手取り足取り行うのだった。

前にも書いたが、遠藤コーチ、なかなか綺麗でスタイルも良いのだ。
胸があんまり「ない」のもポイント高し。

遠藤「森谷先生が見込んだだけあるわ。勘が良いわね、あの子」
翔子「勘だけじゃないわ、バレエ時代に培われたものがあの子のからだの中にはぎっしり詰まっているのよ」

翔子「それをどう引き出して輝かせるかが私たちの仕事ね」
遠藤(じゃあ、お前もプールに入れよ) 上から偉そうなことを言うだけと言う翔子の省エネ指導法に、遠藤コーチが冷ややかな眼差しを注いでいるように見えるのは管理人の妄想です。
まぁ、昔よくテレビでやってたシンクロの鬼コーチの指導ぶりも、プールサイドに竹刀持って立って、上からガミガミ怒鳴り散らす……みたいな感じだった記憶があるので、シンクロのコーチと言うのは元来そういうものなのかもしれない。
五十嵐めぐみさんが水着NGだったというのもあるだろうが。

それはともかく、ミカがプールから上がった時に、その大きなお尻がドンと音を立ててプールサイドに落ち、その振動で張りのある胸がプルンと揺れるところなんかも、実にエロいのです。
ミカが休息を取っていると、涼子たち7人の正規メンバーによる集団練習が開始される。
翔子「チームで行うルーティン競技の練習よ。ようく見とくのよ」
ミカ「はい」
ミカが彼らの本格的なシンクロを間近で見るのはこれが初めてであり、その(素人目には)一糸乱れぬ素晴らしい動きに思わず見惚れてしまう。

演技終了後、ミカやサブメンバーたちは盛んに拍手してその演技を讃える。

千絵「どうだった?」
ミカ「とっても素敵だったわ、千絵さん、凄い、見直しちゃった」
千絵「褒めてくれるのはミカさんだけよ、コーチからはボロクソ、
あとで家に放火してやるわ」
千絵、そう謙遜しているが、実際はクラブの中でも有数の実力者なのである。

藤木「加奈子、ちょっと」
加奈子「はい……」
涼子たちを指導している藤木コーチは全員を集めてから、加奈子の名前を呼ぶ。
藤木コーチの前に出てくる時の加奈子のデリケートゾーンが結構目のリゾートになります。

藤木「タイミングがワンテンポずつ遅れてるわよ。何度言ったらわかるの。もっとシャキンとしなさいよ」
加奈子「はい。気を付けます。ありがとうございました」
藤木コーチにこっぴどく叱られるが、加奈子はひたすら低姿勢である。
加奈子などは大人しいものだが、オーナーの娘と言う立場を必要以上に笠に着て生きている涼子などは、翔子から「団体演技では、ひとりだけ目立っちゃダメ」とアドバイスされると、
涼子「それは私に対する皮肉ですか?」
などと突っかかってくるのだった。
翔子「どうしてそう思うの? 私はみんなが心がけなければならないことを話してるだけよ」
涼子「森谷先生は葉月さんの専任コーチのはずです、藤木先生に総評お願いします」
ミカのことで根に持っている涼子は、翔子にまで敵意の篭った目を向けるが、残念ながら、このドラマの中では、翔子が(一番ギャラが高いので)一番偉く、鬼の藤木コーチさえ、
藤木「私の言いたいことは全部森谷先生が言ってくれました。涼子さんにはチームのリーダーとして全体を把握しながらみんなを引っ張っていって欲しいわね」
ひたすら翔子を持ち上げて、逆に涼子を諭すのだった。
涼子「ありがとうございました」
涼子、にこりともせず礼を言って引き下がる。

その後、翔子から「今度の日曜日はお休みにします」と、ありがたいお達しがあり、少女たちは飛び跳ねるようにして喜ぶ。
それはそれとして、ここでも、ついつい涼子のデリケートゾーンに目が行ってしまう管理人でありました(お前はデリケートゾーンにしか興味がないんか?)
その後、ロッカールームで制服に着替え終わった(残念)ミカたち。
ここで冴子が、今度の日曜日に涼子さんから家に招待されてるんだけど、みんなも行かない? と言い出す。

涼子「葉月さん、あなたもどうぞ」
ミカ「あのう、私は……」
涼子から誘われて、ミカはいかにも気乗りしない顔で渋るが、

千絵「ミカさんも伺います。ね、ミカさん?」
ミカ「え? ええ」
涼子「歓迎するわ」
そばにいた親友の千絵が勝手にOKして、結局参加することになる。

千絵「私、余計なこと言ったかしら?」
ミカ「ううん、そんなことない」
千絵「ごめんなさい、ミカさんとみんなが交流するのに良い機会だと思ったの。それに……」
千絵、涼子とは仲良くしていたおいた方が良いと先輩としてアドバイスする。
涼子と付き合いの長い千絵は、涼子の性格を十分知っているのだ。
もっとも、冴子のようにプライベートで涼子と付き合いがある訳ではないので、涼子の本当の怖さは知らないのだが。

で、その日曜日の朝、ミカは出掛ける前に事務室に寄って、草薙オーナーや翔子たちに明るく挨拶する。

ミカ「先生たちはお休みじゃないんですか」
順子「今から連盟の会議があるのよ」
貴重な遠藤コーチの私服姿。
翔子「門限は9時よ、遅刻は絶対に許しませんからね」
ミカ「わかってまーす」

明るく答えてから、窓越しにおどけたポーズを取ってみせるミカ。
可愛い……。

何故か、ミカは、バスのターミナルで健吾と待ち合わせをしていた。
ミカ「健吾さん、これからずっとお仕事?」
健吾「今日はこれを届けたらおしまい。あ、これ、ミカちゃんに」
ミカ「ええーっ? あたしにぃ?」
健吾「招待されたらこれくらい持っていかないと格好がつかないよ。……じゃあ、行こうか」
ミカ「え?」
健吾「この花束、草薙家の注文なのさ」
ミカ「なんだ、それを早く行ってくれなくちゃ」
二人はデート気分でバスに乗り込む。
しかし、ミカはこんな日にわざわざ健吾と会って、ナニをするつもりだったのだろう?
健吾が草薙家に届ける花束のことを知っていたのなら、草薙家に行くと聞いてミカが驚くのは変だし、一方で、健吾に渡された花束についても驚いているのだから、自分で持っていく花を健吾に注文した訳でもなさそうなのだ。
また、ミカの台詞の感じでは、すぐこの場で健吾と別れるつもりだったように受け取れるから、ますますこの待ち合わせの意味が分からなくなる。
ほんとはもっと早く来て、健吾とお茶でも飲むつもりだったのだが、寝坊したのでダメになった? それなら健吾にもっと強く謝ると思うんだけどね。
それはさておき、わざわざ涼子が健吾のバイトしている花屋に花を注文したと言うので、自分は、何か陰険な企みでも用意されているのではないかと思ったのだが……。

ギチギチに詰まったバスの車内。
案の定と言うべきか、満員の乗客に押しあいへしあいされて、ミカの貰った小さな花束も、草薙家に届ける花束も床に落ちて、他の乗客たちに踏まれてぐしゃぐしゃになってしまい、二人は次の停留所でしょんぼりと降りる羽目になる。

ミカ「痛かったろうね」
健吾「満員のバスに花束持ち込むなんて、僕たちに常識がなかったんだ」
ミカの台詞、一見、意味不明だが、これは乗客たちに踏まれた花のことを思いやっての台詞であり、ミカの優しさを良く表している。
二人はベンチに座って仲良く落ち込んでいたが、健吾は気を取り直して店に戻って新しい花束を持ってくると、ミカをそこに残して元気に走り出す。

ミカ「健吾さん、私の分は良いわ!」
歩道橋を上がって行く健吾に声を掛けた後、頼もしげな目で見送るミカ。

そして、無残に折れた花に口付けするように顔を近付け、かぐわしい匂いを胸いっぱい吸い込むのだった。

一方、草薙邸には既にミカ以外のメンバーが顔を揃え、トランプで恋占いなどに興じていた。
まだケータイもなく、ポケベルもまだそれほど普及していない、のんびりした時代だった。
しかし、今の子供って、トランプで遊ぶこと自体、ないんじゃないかなぁ?

涼子「葉月さん遅いわねえ。来ないつもりかしら」
冴子「着てくるものがなかったりして」
典子「制服で来れば良いのよね~」
涼子「吉垣フラワーに頼んだお花もまだ届いてないのよ」
加奈子「ミカのボーイフレンドがバイトしてる店じゃないの?」
冴子「二人でどっかで会ってるんだわ、失礼しちゃうわねえ」
その場にいないミカのことを、実に楽しそうに噂しあう涼子の親衛隊の皆さん。

千絵「ミカさんは必ず来るわ。何か事情があって遅れているのよ」
見兼ねて、ミカの唯一の味方である千絵が口を挟む。
涼子「そうね、もう少し待ちましょう」
表面的にはごく穏やかに応じる涼子だったが、パッと冴子に目配せすると、二人でテーブルを離れて部屋を出て行く。気になった千絵が廊下を覗くと、二人は廊下の隅でなにやら打ち合わせをしていた。
ミカに対して何か嫌がらせをするのではないかと千絵は気になるが、そこでチャイムの音が鳴って、ミカと健吾の到着を知らせる。

健吾は改めて店から持ってきた花束を冴子に渡し、ミカももう一度健吾から貰った新しい花束を涼子にプレゼントする。
てっきり、涼子、健吾に何かクレームでも付けるのかと思いきや、特に何も言わず、健吾はすぐに帰って行く。結局、わざわざ健吾の店に注文したのはどういう意図だったのか、分からないままであった。
涼子、大きな花束はテーブルの真ん中に置き、

涼子「葉月さんの花は私の部屋に飾らせて貰うわね」

ミカ「ありがとうございます」
あくまでにこやかに接する涼子に、ミカも曇りのない笑顔で応じる。

だが、一度自分の部屋に戻った涼子は、
「そいやぁああーっ!」とぱかり、それを全力で壁に投げ付けるのだった。

しかし、武田久美子さん、宮沢りえさんのライバルにしてはちょっと大人っぽ過ぎるかなぁ?
当時、既に20才で、宮沢さんより5つも年上だもんね。
それに、武田さんって実年齢より大人びて見えるから、余計、年が離れているように見える。
だから、涼子のミカに対する数々のいじめや嫌がらせが、ますます大人気ないものに見えてしまうのだ。

折角のプレゼントがそんな目に遭っているとも知らず、ミカは部屋の壁に飾ってあるパネルを一心に見詰めていた。

それには、表彰台の上でメダルを持っている若き日の草薙オーナーの写真だった。

加奈子「ああ、草薙先生が東関東地区大会で優勝した時の写真よ」
ミカの視線に気付いて、加奈子が教えてくれる。
ミカ「優勝したんですか、草薙先生?」
加奈子「ええ、ギョーザの早食いコンテストでね!」
ミカ「シンクロちゃうんかい!」 ……すいません、今回もあまり突っ込みどころがないので、強引にギャグを入れて見ました。
加奈子たちの話では、順子はシンクロのナショナルチームに入れるほどの才能があったが、怪我の為に、オリンピック出場の夢を果たせなかったのだと言う。
そこへ涼子が戻ってきて、母親の夢は自分が叶える……世界選手権で金メダルを取るのだと意気込みを語る。

ミカ「涼子さんならきっと出来ると思うわ」
冴子「ところでミカさんのお母さんは何をしていた人なの?」
いかにもいぢわるそうな顔で近付いて、ミカの痛いところを衝く冴子が可愛いのである!

ミカは視線を逸らすと、
ミカ「母は私を産んですぐに亡くなりました」

と、すかさず、写真週刊誌を見ていた明子が「変よ、そんなの、ここには小さい時に別れたって書いてあるわよ!」と、無遠慮な声を上げて指摘する。
その雑誌には、ちょうど、天才バレリーナとしてのミカの特集記事が載っていた。
恐らく、それを承知でわざと涼子が持ち込んでいたのだろう。また、冴子が母親のことを尋ねたのも、あらかじめ涼子からそうするように言われていたからなのだろう。
ミカ「私は母は亡くされたって聞かされて育ったし、母のことは何も知らないの」
冴子「お父さんは破産して行方不明なんですって?」
ミカ「行方不明じゃないわ。父は仕事で北欧に行っています」
冴子「借金の為に住む家まで取られたって書いてあるじゃない」
ミカ「……」
涼子「冴子さん、やめなさいよ、誰にだって触れて欲しくないことはあるわ」
自分で言わせといて良く言うぜ、と言う感じだが、涼子は穏やかに冴子をたしなめる。

続いてこれも打ち合わせどおり、音楽でも聴こうということになって、冴子がソニーのラジカセにCDを入れて再生ボタンを押す。
それにしても昔のラジカセは、こう、なんとも言えない存在感があったよね。
で、ラジカセから流れてきたのは、こともあろうに、「白鳥の湖」だった。そう、ミカがバレリーナ時代、アキレス腱を怪我した時に演じていた、因縁の曲である。

忘れようもない旋律を耳にして、思わず振り向くミカ。
当然、涼子はその雑誌を読んで、ミカがその曲に対しトラウマのようなものを抱いているであろうことを知った上で、わざとその曲を冴子に選ばせたのだ。

景子「ミカさん、この曲を踊ってる時にアキレス腱を切ったのよね」
あどけない顔で痛いところをつく景子を演じるのは、ブレイクする前の桜井幸子さん。
可愛いのう。

涼子「あら、そうだったわね。葉月さん、やめましょっか?」
ミカ「いいえ、構いません」
例によって何食わぬ顔で白々しいことを言う腹黒な涼子。
ミカは、平静さを装いつつ、その眼前には、アキレス腱を切った時の情景がフラッシュバックするのだった。

冴子「ミカさん、私たちに『白鳥の湖』を踊って見せてよ!」
これまた何食わぬ顔で、冴子がミカの隣に立ってせがむ。
冴子もかなりのいぢわるだけど、ちょっと長めの袖がとても可愛いのである!

ミカ「えっ?」
驚いて冴子を見返すミカがまた溜息が出るほどの美しさ!
冴子の発言に乗っかって、他のみんなも口々に「ミカの踊りが見たい」と言い出す。

千絵「無理よ、みんな、ミカさんのアキレス腱はまだ完全に治りきっていないのよ!」
千絵が止めに入るが、
冴子「森谷先生の特訓に耐えられるんだもの、もう治ってるわよ」

涼子「葉月さん、私もあなたのバレエをシンクロの参考にしてみたいわ。葉月さん、踊って見せて」
涼子も、あつかましく何度もミカにねだる。

ミカも根負けしたのか、決然と、「わかりました、踊ってみます」

と、ラジカセの前に移動し、踊り始める。
その途端、急にカメラが遠くに行っちゃうのは、宮沢りえさんから本物のバレリーナの人にスイッチしているからである。
ここは、プロのバレリーナの足元の動きと、宮沢りえさんの上半身の動きを組み合わせて描いている。
涼子の狙いは、冴子たちを使ってミカにバレエを踊るようけしかけさせ、アキレス腱を再び損傷させることだったようだが、ミカは苦痛に顔を歪めつつ、アキレス腱を傷付けることなく「白鳥の湖」を最後まで踊って見せて、その謀略を正面から打ち砕くのだった。

その夜、一緒に歩いて帰りながら、千絵は昼間のミカの無謀な行為を叱ると共に、親身になって忠告していた。
千絵「もう、あんな挑発に乗っちゃ駄目よ」
ミカ「挑発は分かっていたわ、でも、涼子さんたちが私のアキレス腱が切れるのを願っているような気がして、むしょうに腹が立ったの。切れるなら切れたで良い、そう思ったの、あそこで負けたくなかったの」
千絵「ミカさんて無茶なところがあるのね」
ミカ「私だって自分でびっくりしているわ。今までの私だったら絶対にあんな風に出来なかったと思う」
千絵「でも、もうあんな無茶をしては駄目よ、何かあったら森谷先生が悲しむわ」
ミカ「悲しむかしら?」
千絵「悲しむわよ、森谷先生は誰よりミカさんの才能を評価してるわ。私だって今日、ミカさんのバレエを見て凄い才能を感じたわ。ミカさんがシンクロを自分のものにしたらきっと凄い選手になれると思う」
千絵の温かい励ましの言葉に、不意にミカは笑顔で振り向くと、
ミカ「千絵さんと話してると力が湧いてくるような気がする」

ミカ「私って気分がずっとこれだったの」

ミカ「それがこうなって……」

ミカ「今はこう」

ミカ「最高にハイな気分!」

千絵「ミカさん、スカーリング覚えたの? リバース、フラット、スタンダードって」
自分の気持ちを手の動きで表現するミカを見て、千絵も嬉しそうに瞳を輝かせて同じように手を動かす。
スカーリングとは、要するに、水泳やシンクロで、水を掴む為の手の動きのことである。
ミカ「千絵さんたちのを見て、ちょっと」
千絵「すぐマスターするわ、ミカさん覚えるの早いもの」

ミカ「色々覚えたわよ、肘曲げクロール」
千絵「肘曲げクロール」

ミカ「肘伸ばしクロール」
千絵「肘伸ばしクロール」
ミカ「リバース、フラット、スタンダード、リバース、フラット、スタンダード」
並んで歩きながら、覚えている動きを再現してみせるミカ。
同じ動きをしながら、ミカの言葉を優しく囁くように復唱する千絵。
で、この千絵の(少し風邪気味の)声が実に優しい声でね、一気に小林彩子さんのことが好きになってしまった管理人であった。
それに、このシーン、いかにも爽やかな友情と青春の一ページを切り抜いたという感じで、なんとなく胸が熱くなるのである。

千絵「ミカさん、今夜私の家に来ない?」
千絵もちょっと「ハイ」になったのか、急にミカを自宅に誘う。

ミカ「ええーっ!」
驚きつつ、ミカもいかにも嬉しそうであった。

千絵「ここよ、電気屋さんやってるの」
ミカ「ふーん」

千絵「ただいまー、ミカさん連れてきたわよー!」
千絵の家は、草薙家とは対照的な、小さな「町の電気屋さん」だった。

で、ミカは千絵の家族と一緒に晩ご飯をご馳走になる。
千絵の母親を鶴間エリさんが演じているのを見て、つい笑ってしまった管理人。これは特撮ファンだけにしか分からないことだが、この番組と同時期に、鶴間エリさんは「仮面ライダーBLACK RX」でも佐原家の母親役を演じているのである。

そして、父親役は、大映ドラマの常連である大石吾朗さん。
「スクール☆ウォーズ」の野田ちゃん、「乳姉妹」の手島さんね。
いかにも和気藹々とした小林家の団欒風景を前に、ミカは何故か急に物憂い顔になる。

母親「ミカさん、どうかしたの?」
ミカ「あ、いえ、違うんです。私ずーっとお父さんと二人きりだったから、お父さんがいて、お母さんがいて、兄弟がいて、そういうの初めてだし、慣れてなくて……あの、私、本当に嬉しくて……感激してるんです」
母親「……」
ミカの言葉を聞いた千絵の母親は、無言で焼肉をミカによそってくれる。

ミカ「頂きます! 美味しい、こんなに美味しいもの初めて!」
お世辞ではなく、アキレス腱を切って以来、ミカにとっては最高に素敵な食事だった。
ただ、この千絵の魅力的な家族だが、登場するのが全話を通じてこの1シーンだけと言うのは、いかにも勿体無い。
さて、思いがけず楽しい時間を過ごしたミカであったが、外へ出るともう門限の9時を回っていた。
ミカ、挨拶もそこそこに千絵と別れ、大急ぎでクラブへ戻る。

ミカ「遅刻して、申し訳ありませんでした!」
まだ仕事をしていた翔子のところへ行き、元気よく謝って、ぺこりと頭を下げるミカ。

翔子も、それくらいのことで目くじらを立てるほど気難しくはなく、肩を竦めて笑うだけだった。
ミカが自室に入ると、サイドテーブルに奇麗な花が飾られてあった。

ミカ「明日からまた厳しい練習が始まります。酒マッサージを忘れないこと。翔子」
添えてあったメモを読み上げるミカ。
管理人、てっきり、健吾からの贈り物かと思ったが、そうではなく、翔子からのプレゼントだったので、ちょっと肩透かしを食らった感じ。

ミカ「あいつ、やってくれるじゃない」
生意気なことを言いながら、花びらにチューをするミカが可愛いのである!

そして、「リバース、フラット、スタンダード」と、あの動きを繰り返すところがまた可愛いのである!
要するに、この時期の宮沢りえさんは、何をやっても可愛いのである!
ED後、

今回も、ミカと千絵による予告。
役者としてではなく、ドラマの延長みたいな感じの掛け合いが楽しい。
ミカ「千絵さん、とっても羨ましい」
千絵「どうして?」
ミカ「だってあんなにあったかい家庭があるんだもの」
千絵「ミカさんのお母さんは?」
ミカ「それはまだ言えないの」

千絵「どうして?」
ミカ「企業秘密」
千絵「ああ、これ?」
ミカ「そーそーそー」
一緒に「お口にチャック」的なポーズを取る二人が可愛いのである!

ミカ「バイバーイ!」
カメラに向かって元気に手を振って、終わり。
なんか、劇の中だけでなく、宮沢さんと小林さんも仲が良かったんだろうなぁと言うことが窺えて、思わず微笑まれてくるのである。
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