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「イナズマンF」 第9話「少年サーカスとマルチ大作戦」

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 第9話「少年サーカスとマルチ大作戦」(1974年6月4日)

 一瞬、スルーしようかなと思ったエピソードである。

 何故かと言うと、可愛い女の子が出てこないからである。

 デスパーが、東京郊外にある第三レーダー基地を襲撃しようとしていた頃、五郎も、その近くの山の中で、ひとり、鍛錬に励んでいた。

 
 空手着一枚で、飛んだり跳ねたりハッスルしている五郎。

 と、その頭上の吊り橋をアキラと言う少年が通り掛かり、五郎に声を掛ける。

 
 アキラ「こんにちはー、こんなとこで露出狂の練習ですかー?」
 五郎「ちゃうわっ!」

 じゃなくて、

 アキラ「こんにちはー、こんなとこで何してるんですかー?」
 五郎「体を鍛えてるんだ」

 
 アキラ「とぉーっ」

 それを聞いたアキラ、やや頼りない掛け声と共に、

 
 橋からジャンプして河原に飛び降りると、軽やかに走り去る。

 
 五郎(あれ、今、一瞬おっさんになったような……)

 じゃなくて、

 五郎「ミュータントではないのに……」

 少年の、体操選手のような身の軽さに驚きを隠せない五郎。

 ……

 じゃあ、体操選手なのでは?

 ところがそのアキラが、その直後、ハサミデスパーたちが第三レーダー基地に忍び込み、電波調節室と言う小部屋に爆弾を仕掛けるのを目撃してしまう。

 それに気付いたハサミデスパーが、猛然と追いかけてくる。

 アキラ、再び一瞬おっさんになって宙を飛ぶと、

 
 アスファルトの上を前転しながら逃げる。

 いや、どう考えても普通にダッシュした方が速いと思うんですけど……。

 なおも追いかけるデスパーだったが、ほどなく自分たちの仕掛けた爆弾が爆発したので、アキラは放置して作戦を継続する。

 
 隊長「すぐ修理班に連絡するんだ」
 隊員「はっ」

 警報ベルの響き渡る敷地内の一角に、警備兵が緊張した面持ちで集まる。

 この真ん中にいるのが、オードリーの春日ですね(違います)。

 
 その春日が命令を受けて「もしもし、修理班ですか? 電波調節器が爆発しました」と、外部に連絡するが、

 
 戦闘員「なんですってえ! 了解、直ちに急行します」

 あらかじめ電話線がジャックされており、修理班に扮した戦闘員が、真面目くさった口調で応対するのが、結構笑えるシーンとなっている。

 合図を受けて、偽の修理班を乗せたバンがレーダー基地へ入っていくのを、施設を見下ろす小高い丘からウデスパー兄弟が見ていた。

 
 ウデスパーα「これで第三レーダー基地は我々の手で特殊な装置がセットできる」
 ウデスパーβ「まだ第一レーダー基地が残っている。マルチハリケーン作戦は両レーダー基地が必要だ」

 彼らは二つのレーダー基地を勝手に改造して、必殺技クロスハリケーンをより強力なものにしようと企んでいるのだ。

 さて、アキラはデスパーにしつこく追われていたが、得意の身の軽さでなんとか逃げ切る。

 だが、ハサミデスパーは引き上げる際、もし誰かに喋ったらお前の首をちょん切ってやると脅しをかける。そのことがアキラを苦しめ、心理的な口封じの役目を果たす。

 そのアキラの前に、ライジンゴーに乗った五郎が現れる。

 
 アキラ「すいません、乗せてください」
 五郎「真っ青だ、何かあったのか」
 アキラ「な、なんでもありません」

 そこへ荒井も駆けつけ、第三レーダー基地の電波調節器が爆破されたと知らせる。

 五郎たちはアキラを連れて、その第三レーダー基地へ行く。

 入れ違いに、仕事を終えたニセ修理班のバンが出て行くのが見えた。アキラは、それがニセの修理班だと知っていたが、再びハサミデスパーの恐ろしい脅し文句が頭に渦巻き、その事実を五郎たちに言うことが出来ない。

 
 荒井「なんだ、その顔は?」
 アキラ「な、なんでもありません!」

 別にやくざが中学生にイチャモンつけてるわけではありません。

 インターポールの捜査官が子供の顔色が悪いのを優しく気遣っておられるところなのです。

 五郎たちはその電波調節器とやらを見せて貰うが、専門家ではないのでニセ修理班によって改造されていることまでは分からない。

 五郎は荒井に後を任せ、ひとまずアキラを家まで送ることにする。

 
 アキラの案内でライジンゴーが到着したのは、意外にもムチャぶり・少年サーカス団、いや、ムチャチョス・少年サーカス団の公演会場であった。

 そう、アキラ少年は少年サーカス団の一員で、超人的な身の軽さもそれに由来するのだった。

 
 五郎「アキラ君は山が好きなのか」
 アキラ「お父さんに連れてってもらったんです。お父さんの好きな山でした」
 五郎「亡くなったのか、両親とも?」
 アキラ「……」

 アキラ、五郎の問いに寂しそうに頷く。

 しかし、この会話の流れで、何で「両親とも亡くなった」と言うことが分かったのだろう?

 五郎「僕と同じだ」
 アキラ「渡さんもひとりぼっちなんですか」
 五郎「うん」

 アキラ、車から降りて歩きかけるが、ふと立ち止まって振り返り、

 
 アキラ「渡さん、寂しくない、お父さんやお母さんがいなくても」
 五郎「寂しくなんかないさ、男だもん、アキラ君だって寂しくないだろう?」
 アキラ「うん、寂しくなんかないや」

 なんだ、この中身のないやりとりとは? とても上原さんが書いているとは思えない。

 五郎「ロス・ムチャチョス? アキラ君はこのサーカスの団員だったのか」

 アキラが建物に向かっていくのを見て、漸くそのことに気付く五郎。

 
 ナレ「この少年サーカスは、少年だけで構成された世界の唯一のサーカスである。サーカスの厳しい技術を通して助け合う心と友情の精神を養っていくと言う建前で、いたいけな少年少女をタダ同然でこき使ってぼろ儲けしようと言うのが、ロス・ムチャチョスの真の目的なのであり、要するに現在の角兵衛獅子なのである!」

 じゃなくて、

 ナレ「この少年サーカスは、少年だけで構成された世界の唯一のサーカスである。サーカスの厳しい技術を通して助け合う心と友情の精神を養っていくことがロス・ムチャチョスの目的なのである!」

 その、村越伊知郎さんさえ噛みそうになる発音しにくいロス・ムチャチョス・サーカス団は、実際に、当時来日していたサーカス団らしく、サーカスの紹介やその映像も出てくる。

 さらに、アキラがさもメンバーの一員っぽく、本物の団員と握手する映像もある。

 
 それから五郎のところへ戻ってきて、

 五郎「偉いぞ、アキラ君、両親を失った悲しみにも負けず、少年サーカスに入って自分を磨くとは」
 アキラ「褒められると困るなぁ」

 が、その後、アキラがデスパー軍団に追われて球場の観客席に逃げ込み、それを守ろうとイナズマンとハサミデスパーとの戦いとなる。

 戦いの中、アキラはハサミデスパーに体を挟まれ、重傷を負ってしまう。イナズマンはライジンゴーにアキラを乗せ、ひとまず退却する。

 アキラは病院に担ぎ込まれ、生死の境をさまよう。

 
 CM後、ウデスパー兄弟によるマルチハリケーン作戦の実験が行われている。

 ウデスパーα「ウデスパーβ、いいな?」
 ウデスパーβ「よし」

 この、「いいよ!」と言う風に左手を上げるウデスパーβがちょっと可愛い。

 
 二人はそれぞれの横に置いた小型パラボラアンテナのスイッチを入れると、

 ウデスパーα「マルチハリケーン実験開始」
 ウデスパーβ「マルチハリケーン!」

 それぞれの指先からエネルギーを空に向けて放ち、それがパラボラアンテナによって増幅され、通常より強大なクロスハリケーン(人工竜巻)が発生し、目の前に広がる団地を粉々に粉砕する。

 
 アジトのモニターにその様子が克明に映し出されるが、どう見ても6話の爆破シーンの使い回しである。

 だから、

 
 ガイゼル「ふっふっふっふっ」

 それを見てガイゼル総統が嬉しそうにケタケタ笑っているのが、まるで「イナズマンFおもしれえ~」と言ってるようにも見えてしまうのだった。

 
 戦闘員「ガイゼル総統閣下、マルチハリケーン作戦実験は成功です。ウデスパーα、ウデスパーβ、両参謀の手から発せられたクロスハリケーン電流がこのパラボラアンテナに受け止められ、この特殊装置で10万倍に強化される仕組みです」

 誇らしげに説明する科学者タイプの戦闘員だが、声を、ウデスパーβと同じ岩名さんが演じているのが、いかにも昔の特撮らしい雑な処理。

 しかし、実験とはいえ、団地がひとつ丸々潰されているのだから、相変わらずデスパーのやり方はえげつない。

 その後、ウデスパー兄弟によって第一、第三レーダー基地が襲撃・占拠される。

 つまり、今度はレーダー基地の巨大パラボラアンテナを使ってクロスハリケーンを巨大化させようということなのだろう。

 だとすれば、事前に手の込んだ謀略を仕掛けて電波調節器をいじったのは、一体なんだったのだ? と言うことになる。直前の小型パラボラアンテナによる実験が、レーダー基地の電波調節器の細工と関係があるのかないのかと言う点も曖昧だし、とにかくこのマルチハリケーン作戦の描写は成功しているとは言い難い。

 一方、五郎も意識を取り戻したアキラから漸く事情を打ち明けられ、急いで第三レーダー基地へ向かおうとするが、病院を出るとすぐ、ハサミデスパーたちに襲われてバトルとなる。

 戦いのさなか、

 
 怪人「もう遅いぞ、イナズマン、間もなく大都市が蒸発してしまうほどの大竜巻が起こるのだ」
 イナズマン「レーダーを利用してクロスハリケーンを強力にするつもりか」
 怪人「そのとーり!」

 若干、明石家さんまっぽい動きで、ハサミデスパーが聞いてもいない作戦機密をべらべら喋ってくれる。

 デスパー軍団、総合的には少なくともショッカーよりはクレバーな「悪の組織」だとは思うが、個々の怪人のアホさ加減は、ショッカーのそれと大差ないのだった。

 イナズマンはハサミデスパーを倒すと、ライジンゴーでレーダー基地へ飛ぶ。

 デスパーは、二つの基地に特殊な装置を取り付けた上で、

 
 ウデスパーα「クロスハリケーン!」

 第一基地のウデスパーα、

 
 ウデスパーβ「クロスハリケーン!」

 第三基地のウデスパーβが、呼吸を合わせて空へ向けて電流を放つ。

 二つの電流が空中で合わさるが、その瞬間、イナズマンが第三レーダー基地の電波調節器に取り付けられた装置を外した為、寸前で、巨大竜巻の発生が阻止される。

 その後、イナズマンとウデスパーβとの戦いになるが、ウデスパー兄弟はクロスハリケーンの為にエネルギーを使い果たしており、早々に引き揚げて、勝負はお預けとなるのだった。

 ラスト、例のサーカスの公演を子供たちと一緒に見物している五郎と荒井の姿を映しつつ、幕。

 以上、やっぱりスルーしとくんだったと後悔している管理人だが、今回の敗因は、マルチハリケーンの原理の分かりにくさ、美少女の不在もさることながら、サーカスの少年(と五郎の交流)と、マルチハリケーン作戦とがあまり噛み合ってないストーリーにもあったと見るべきだろう。

 アキラの身の軽さも、意味があるようで実はあんまり意味がなかったし……。

 そう、たとえば、デスパーがアキラの身軽さを利用して(脅迫して)レーダー基地に潜入させる、みたいな展開もありえたと思うが、当時の技術では映像化するのは難しかっただろう。サーカス団員と言っても、実際はただの子役だからね。
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コメント

やはり美女がいないと

管理人様、更新ありがとうございます😊やはり美女が
いないと、どうも盛り上がりに欠けますね😅

少年を美少女にしとけば良かったのに

ウデスパーβって横から見ると、外国のカブト虫みたいでなんか可愛い。
五郎と少年がお互いの境遇を感じあう・・・っていらないですよね。

なお、今作と因果関係はありませんが、先日4/7に
「ノストラダムスの大予言」の著者:五島勉氏(89)が
「子供達には謝りたい。子供も読むとは思っていなかったんですよ。
真面目な子供達は、考えてご飯も食べられなくったりとかね、悩んだり…
それは謝りたいと思う」と述べました。
大槻ケンヂ (53)氏など、「信じていた」著名人は多いです・・・
「レオ」なんかは1番の歌詞に「地球の最期が来るという」と入れて「怖すぎだろ」とOPが2番になるという・・・

Re: やはり美女がいないと

そうですね。モチベーションが湧かないです。

Re: 少年を美少女にしとけば良かったのに

> 五郎と少年がお互いの境遇を感じあう・・・っていらないですよね。

中途半端にドラマを盛り込もうとして失敗してますよね。あるいはサーカスの宣伝ありきだったのかなぁ?

> 「ノストラダムスの大予言」の著者:五島勉氏(89)が
> 「子供達には謝りたい。子供も読むとは思っていなかったんですよ。
> 真面目な子供達は、考えてご飯も食べられなくったりとかね、悩んだり…
> それは謝りたいと思う」と述べました。

いまさら謝られてもねえ……

自分はむしろ「ムー」の特集とか読んで楽しんでた口ですが。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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