第31話「かなりバッチリナイスガイの高村さん~「まだらの紐」殺人事件」(2006年7月29日)
2週後の33話もそうだが、この時期、スタッフの間で流行っていたのか、アナグラムや回文などのストーリーやトリックとは関係のない言葉遊びが頻繁に出てくるようになる。
もっとも、そういう趣向はこの作品に限ったことではなく、記念すべきシリーズ初回、「銭形愛」の第1話に、早くも回文が出てくるんだけどね。
で、この31話はその最たるもので、退屈なストーリーや平凡なトリックより、そちらのお遊び(アナグラム)のほうに遥かに力が入っている本末転倒の異色作なのである。
なにしろ、サブタイトル自体がアナグラムになっているのだからそのこだわりは大したものである。
大したものであるが、はっきり言ってどうでもいい。
我々が求めているのは、面白いストーリーと奇想天外なトリックなのだから……

雷「遅いなぁ~」
冒頭、アーケード状の歩道の上で、人待ち顔で立っている雷。
必殺の「ぶに顔」を決めたところで、「お待たせ~」と、背後から高村の声がする。

雷「高村さん、遅いです……」
文句を言いながら振り向いた雷、高村の姿を見て固まる。

それもその筈、高村、かつて初代・柴田がちょくちょくやっていた典型的なホームズのコスプレで決めていたのである。
前にも書いた気がするが、誰でもホームズと言えば即座に思い浮かぶ、このディアストーカー(鹿撃ち帽)にインバネスコートのコーディネートは、挿絵や映画などのイメージから作り出されたもので、原作にはホームズがこんな服を着たという記述はないんだけどね。

雷、一瞬の間をおいて、

雷「遅いなぁ、高村さ~ん」
何も見なかったかのように、再び後ろを向いてつぶやく。

高村「なに、他人の振りしてるんだ? 君も恥ずかしいだろうけど、僕の方がもっと恥ずかしいんだよ」
雷「て言うか、なんですか、その格好? まさか高村さんもコスプレ検定?」
高村「いや、君がシャーロキアンの赤坂支部の会合に出たいからこうやって待ち合わせしてるんでしょう?」
雷「違いますよ、イトコがどうしても仕事でいけないから代わりに行ってくれって泣いて頼まれたんです」
高村「ああ、そりゃ嘘泣きだ」
雷「はい、すっかり騙されました」
二人が言うイトコが、泪のことを指しているのは言うまでもない。
それにしても、雷のリュックについている稲妻型のマスコットが可愛いのである。
ともあれ、二人はそのシャーロキアンの会合に出席することになる。
場所は、赤坂プリンスアラモードホテルの豪勢な大広間で、参加人数に比して明らかに釣り合いが取れていない。
雷「うわー、随分立派なところで行われるんですね」
高村「会長の堀越さんは著名な女性実業家だからねえ」
すぐに他の参加者たちが高村に気付いてにこやかに声を掛けてくる。
高村も、雷に彼らを紹介する。

高村「こちら、証券会社にお勤めの蔵野さん」
蔵野「いやぁ、ただのしがいなサラリーマンですよ」
高村「釣具店を経営する久森さん」
久森「俺の画像も貼ってくれよ」(註・言ってません)

高村「オカルト研究家の鎌田さん」
鎌田「ミステリー好きが昂じてオカルトにも嵌まりましたの」
その中の藤野と鎌田、どっかで見たことある顔だなぁと思ったら、二人とも第3話にゲスト出演している人だった。
たぶん、同じ劇団に入ってるんだと思うが。

蔵野「ちなみにこちらのお嬢さんは高村さんのアイリーン・アドラーですかぁ?」
鎌田「いいえー、この可愛らしさは美しき自転車乗り、ヴァイオレット・スミス嬢じゃないかしら」
久森「いや、それを言うなら、ぶなの木屋敷の怪、ヴァイオレット・ハンターではないかと」
高村「そんな、立派なもんじゃありませんよ」
三人が口々に、ホームズのキャノン(原作のこと)から作品名やキャラクター名を引用して、雷の美貌を称える。
……うざい。
管理人、一応、ホームズファンなので、愛好家のこういう臆面のなさを見せられると、フィクションとは言え鳥肌が立つほど恥ずかしく感じるのである。
雷「何言ってんのか、さっぱりわかんない」 が、ホームズについてはほとんど知らない雷は、彼らの会話に入っていけず、カメラに向かって可愛らしくぼやいて見せるのだった。

高村「肝心の堀越さんは?」
蔵野「部屋で支度をしてる筈ですが……草刈さん、堀越さんはまだですか」
草刈「は、はい、あの、今呼んで来ます。こちら、みなさまの会報です」
蔵野が、部屋の壁際でちょこまかと動いていた男性に尋ねると、いかにもおどおどした感じの男性は、刷り立ての豪華なパンフレットを高村たちに渡してから、妻を呼びに広間を出て行く。
堀越の内縁の夫の草刈マスオだが、蔵野たちの話によると、目下失業中で、まるっきり妻の召使のような状態にあると言う。
高村「一文字違いでこれだけ違うんだもんね」
雷「えっ、なんですか?」
それを聞いて、ぼそっとつぶやくマスオならぬ正雄演じる高村。
草刈正雄さんの名前で遊ぼうと言うのも、シリーズ通してちょくちょく出てくるネタだが、前回のカッパの話で散々やったあとだから、ちょっとくどい気もする。
しばらく後、草刈がさっきよりさらにおどおどした様子で戻ってくる。
草刈「あのう、堀越が、呼んでも返事がないんです」
高村たちは急いで堀越の泊まっている部屋に行き、マスターキーで鍵を開け、中に踏み込むが、果たして、堀越は首筋に蛇に噛まれたような二つの傷跡をつけて床に仰向けに倒れていた。
だが、即死ではなかった。

高村「まだ息がある。救急車を」
草刈「えっ、あっ、はいっ」
夫の草刈が慌てて部屋を出て行った後、
堀越「まだらの……ひも……」
高村「まだらのひも?」
堀越は瀕死の力を振り絞って、それだけ言い残して息絶える。
早速捜査が開始されるが、高村は、視聴者の期待を裏切らず、まだろくに調べてもいない段階で、事件と、有名なホームズ譚の「まだらの紐」とを結びつける。
紐だけに!(うるせえ)
ここで、高村が雷にレクチャーする形で、

高村の声「ある夜、部屋で眠っていた娘が謎の死を遂げる」

高村の声「彼女は死ぬ間際にこう言い残した」
娘「ああっ、こはい、紐よ、まだらの紐よ!」

高村の声「娘は毒殺されていた。首筋に刺したような小さい傷、部屋には鍵が掛かり、人が侵入できる隙間はない」
そのエピソードの思いっきり単純化されたあらすじが、縦ロールのパツキン娘に扮した雷と、ホームズに扮した高村によって再現されるのだった。
ま、著名な作品と言うことで、娘が殺人者に送り込まれた毒蛇に噛まれて殺されたこと、娘にはそれが「まだらの紐」に見えたことなど、種明かしもされている。
そう言えば、小説の原題(speckled band)の「band」(紐)と言うのは、(屋敷の庭に住み着いているジプシーの)一団と言う意味にも取れる、ダブルミーニングのダイイングメッセージになっている点で、今回の言葉遊びに通じるものがある。

雷「これも蛇の仕業だって言うんですか?」
高村「蛇はまだこの部屋にいるかもしれない」
高村、短絡的に、この事件も蛇による毒殺だと考え、大真面目に蛇を探し始める。
だが、鑑識の柴田によれば、堀越の死因はアイスピックで首を刺されたことによる窒息死ということで、高村の推理はあっさり覆される。
それでも、諦めずに蛇を探している高村を、処置なしと言う顔で見る雷と柴田。
雷「気が済むまでやらしておきましょう。ところで犯行時間は?」
柴田「11時前後かと思われます」
雷「私たちがホテルに着くちょっと前です」
その後、さすがに高村も蛇探しを断念したのか、ホテルの渡り廊下を雷と話しながら歩いている。

高村「じゃあ百歩譲って人の犯行だとしよう、誰が堀越さんを殺したかってことだ」
雷「私たちが来たとき、ドアには鍵が掛かっていました」
高村「そりゃそうだよ、ホテルはオートロックが基本だ」
雷「ええ、ですから問題は、犯人がどうやって部屋を出て行ったかではなく、犯人がどうやって部屋に入ったかですよ」
雷、部屋に争った様子もないことから、犯人は、堀越自身が招き入れた人物、つまり、堀越の親しい人物ではないかと睨む。
雷、捜査の基本として、蔵野たち関係者に犯行時刻前後のアリバイを尋ねる。
三人は長時間広間を離れなかったと言うが、草刈だけ、しばらく姿を見せなかったと言う。
草刈は、今日届いた会報を取りにロビーまで行っていたと釈明するが、はっきりしたアリバイがなく、しかも妻の尻に敷かれて、こき使われていた様子の夫……。
怪しい、あからさまに怪しいぜぇっ!
ま、普通、ミステリードラマにおいては、序盤で出てくるあからさまに怪しい容疑者は真犯人ではないと言うのが常道なので、逆に草刈は無実だと考えるのがシロートの浅はかさである。

鎌田「でも、堀越さんがまだらの紐って言い残したのはちょっと意外でしたね」
雷「え、どういうことですか?」
鎌田「堀越さんはこの会の会長なんですけども、実はホームズにはあんまり興味がなさそうな人だったもんですから」
雷「……よどむ、悪の天気」
鎌田の言葉に、事件の手掛かりを掴んだ雷、いつもの決め台詞をつぶやく。
その後、別室で容疑者の絞込みを行っている二人。
草刈にははっきりとアリバイがなかったが、犯行は短時間でも可能と言うことで、一応、4人全員が容疑者のままなのである。
雷は、常識的に草刈を疑うが、高村は蔵野が犯人だと言い出す。
が、それは、単に蔵野が「まだらの紐」っぽいネクタイをしていただけと言う、杜撰な推理だった。

高村「あのネクタイ見て、被害者はあれを見てまだらの紐だと言い残したんだ」
雷「まだらって言うより、水玉ですけど」
雷に指摘されると、高村はあっさり自説を翻し、
高村「じゃあね、犯人、久森だ。彼は釣りに趣味があるからね、犯人はマダラの干物と言い残したんだ」

雷「マダラの」

雷「干物?」
高村の言葉に、カメラに向かって首を傾げる雷が可愛いのである!
今回、ストーリー自体がつまらない……と言うより、ほぼ「無い」せいか、ここで、写真とナレーションによって「マダラ」についての解説シーンが挿入されるなど、どうでもいい水増し部分が多く見られる。
ナレ「マダラとは、牙一族の中でも特に凶暴な、ほとんど人間とは思えない野獣のような戦士で、主な武器は鋭い爪と牙である!」 じゃなくて、
ナレ「マダラとは、タラ目タラ科の魚……(後略)」
高村「マダラの干物とまだらの紐、一文字違いだよ」
雷「それはちょっと強引ですよ」
雷に、再び推理(どこがじゃ)を否定されるが、高村はへこたれず、
高村「犯人は鎌田だ、彼女はオカルトに詳しい。被害者はマンドラゴラの悲鳴と、そう言ったんだよ」
今度は鎌田が犯人だと言い出す。

雷「マンドラゴラの悲鳴?」
再びカメラに向かって首を傾げる雷が可愛いのである。
ここで、今度はマンドラゴラについての解説が入り、

高村「まだらの紐、まどらの紐、まんどらの紐、マンドラゴラの悲鳴、ほらほらほら」
雷「それ、無理矢理過ぎ!」
ここは期せずして、高村の推理と言うか、当てずっぽうと言うか、ただのこじつけにも、性格の悪い愛のように黙殺せず、いちいち相手をしてくれる雷の性格の良さが滲み出ているシーンとなっている。
だいたい、被害者が犯人を知っているのなら、普通にその名前を言えばいいだけじゃないかと……。
その後、事件現場で、今度は「アナグラムかもしれないよ」と言い出す高村。
雷「アナグラム?」
ここで、またまたまた解説シーンが入るのだが、

ナレ「たとえば、ケータイデカゼニガタライ(ケータイ刑事銭形雷)を並べ替えると、ライガタイニデカケタゼー(雷がタイに出掛けたぜー)に変えることが出来る」
そこに出てくる、エスニック風のシャツを着た雷がめっちゃ可愛いのである。
雷「なんなんですか、そのたとえ?」
高村「うん、じゃあ、こんなのはどうよ」
高村が示した別のたとえが、

雷「楽しいわ、なまずでしびれなさいっ」
法被を着て鉢巻をした雷が、巨大なデンキナマズを抱いてはしゃいでいると言う、意味不明の映像付きで表現される。
もう、ここまで来ると、自分がいったい何のドラマを見ているのか分からなくなるほど、混沌とした世界に突入している。
脱線もいいところだが、このシーンがなかったら、今回はスルーしていただろうなぁ。
雷「それじゃ、ただの危ない奴じゃないですかぁ」
高村「あくまでたとえだよ」
ここで、「まだらの紐」を使ったアナグラム、つまり、ひとつの言葉をバラバラに組み合わせて別の言葉にすると言う遊びが、高村、雷、柴田の三人によって延々と行われると言う、これまた意味不明のシーンになるが、どうでもいいのでカット。
10分後、考え過ぎて疲労困憊している三人。
そもそも、ダイイングメッセージをアナグラムで言うような、暇な被害者はいないっての。

雷「もう諦めましょう、高村さん、高村さんはダイイングメッセージに拘りすぎです」
高村「被害者の最後の言葉が事件とはまるで関係無いとは考えられないんだよ」
雷「それはそうですけど……」
雷、被害者の使っていた鏡台を見て、あっさり真相に辿り着く。
そして、それと同時に高村も別の真相に到達してしまう。

高村&雷「そうか、そういうことか」
雷「何故は解けたよワトソン君!」
高村「奇遇だね、僕も分かったんだよ、スイートハニー」
CM後、雷と高村がそれぞれ異なる事件の謎解きをするという異例の解決編となる。
まずは高村のハズレ推理から。
高村は、草刈以外の三人が犯人だと言い出す。
が、例によって何か根拠あってのことではなく、

高村「さあ、ようく思い出してください、彼女の最期の言葉は途切れ途切れだった。あの時堀越さんは……かまだ、くらの、ひさもり、あなたたち三人の名前を言おうとしたんだ。しかし、我々には、まだ、らの、ひも、としか聞こえなかった。これが真相だ」
ただの言葉遊びに過ぎなかったので、名指しされた三人も唖然とする。
もっとも、この辺はちゃんとそんな言葉遊びが成立するよう、シナリオライターも登場人物の名前を工夫せねばならなかったのだろうが、工夫するなら、もっとストーリーやトリックについて工夫して頂きたかった。
要するに、力の入れどころを間違えているのである。
もっとも、性格の良い雷は、そんなタワゴトを並べる高村を、

雷「すごーい、良く気がつきましたね」
保母さんのように手を叩いて優しく褒めてやるのだった。
高村「まあね、もっと褒めてくれていいんだけどね」
雷「でも、違います」 が、その直後、一刀両断する。
雷は、鏡台に向かってメイクをしている途中だった堀越が、そんな状態でゲストである蔵野たちを部屋に入れるとは考えられないと言う。
その上で、雷が犯人だと名指ししたのは、最初から一番怪しかった草刈だった。
ま、ある意味、意外ではあるのだが……。
雷のお仕置きを受けてぶっ倒れる草刈だったが、それでも抗弁を試みる。

草刈「なんで私が?」
雷「あの時、部屋には入れたのは堀越さんがメイクの途中でも気にすることのなかった人物、それは草刈さん、あなたしかいません」
草刈「知りませんよ、私は」
雷「それにもうひとつ、あの部屋に入った時……(救急車を呼ぶように言われて)部屋の中にも電話があるのにどうしてわざわざ外へ出て行ったんですか?」
草刈「それは、気が動転して……」
雷「あなたは堀越さんがまだ生きているとは思わなかったんでしょう。だから犯人として指を指されることを恐れた」
草刈「言いがかりだ。何を根拠に」
雷は、それに対し、一冊のパンフレットに堀越の指紋がついていたことを示し、
雷「何故、封を切ったばかりの会報に堀越さんの指紋がつくんですか? あれは一階のロビーであなたが会報を受け取った後、5階の堀越さんの部屋に行ったと言う動かぬ証拠です」
草刈「……」
しかし、部屋に行ったからって即犯人と言うのも乱暴な話なんだけどね。
仮にも夫なんだから、妻の部屋に行くのは別に珍しいことではないし、その後で別の何者かに殺された可能性だってある訳だし。
そのことを隠していたのも、容疑者にされるのが怖くて黙っていたとすれば、十分ありうる話である。
もっとも、草刈はそこであっさり観念してしまう。

高村「どうして君が堀越さんを?」
草刈「堀越は前々からこのシャーロキアンの会を隠れ蓑にして会社の脱税をしていたんです。私はずっとその処理を任されていました」
大のホームズファンであった草刈は、それをやめてくれるよう頼んだが、妻は聞き入れてくれず、さらに、「たかが小説の主人公に夢中になって……」と言う一言が引き金になり、カッとなってアイスピックで刺したのだと言う。
草刈を逮捕した後、高村は、あのダイイングメッセージについて、

さっきの「かまだ、くらの、ひさもり」から「まだらの紐」を取ると、

「かくさり」となり、それをアナグラムで変換すると、見事、「くさかり」、すなわち草刈になるのだと、これまたシナリオライターの見当違いの苦心が窺える名推理を披露し、これには蔵野たちや当の草刈まで感心しきりであった。

雷「すごーい、良く気がつきましたね」
雷も、賞賛を惜しまなかったが、
雷「でも、違います」 高村「またぁ」
返す刀であっさり切り捨てる。
雷「良く考えて見てください、今にも死にそうな人がそんな複雑なこと思いつくわけ無いですよ」
続く当たり前の指摘で、それまでの高村の苦労と努力を根底から粉砕してしまう。
高村「じゃあ、まだらの紐ってなんなんだよ」
雷「勿論、犯人を指す言葉です」
雷、ダイイングメッセージのシーンをしつこく二回も繰り返し再生して見せてから、実際は「まだらの紐」ではなく「なまだらの紐」と言ったのだと言い、

雷「堀越さんは宮城の出身だったんです、そしてなまだらと言うのは宮城の方言で、怠慢とかのろまって言う意味なんです。つまり、堀越さんは死ぬ間際に草刈さんを見てこう言ったんです」
雷、説明しながら草刈の前に立つと、
雷「この、愚図でノロマのヒモ男!!」 普段の雷からは想像できないような、強烈な罵声に、

思わず高村の腕に抱きつく草刈であった。
蔵野たちも、口をあんぐり開けて固まってしまう。
凍りついたその場の雰囲気に気付いた雷、慌てて、
雷「って、うら若き乙女になんてこと言わせるんですかっ」 と、ぶりっ子風に取り繕うのだった。
高村「自分で言ってんじゃん……」
しかし、この硬軟自在の人を食った感じは、後の「女子大生会計士の事件簿」のヒロイン・藤原萌実の原型を見るようである。
ラスト、雷が「かなりバッチリナイスガイの高村さん」と高村のことを称えるが、前述のように、それも実は「推理違いばっかりな高村さんなの」にアナグラム変換することを雷が視聴者に教える、とにかく言葉遊び尽くしのエピソードであった。
以上、レビューはヤケクソに長くなってしまったが、事件そのものは、その気になれば5分で解決できたような単純素朴なもので、ストーリー、トリックともお粗末な凡作であった。
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