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「光戦隊マスクマン」 第14話「青空への大脱出!」



 第14話「青空への大脱出!」(1987年5月30日)

 公園の芝生の真ん中にそびえる大樹の下で、ひとり、剣の鍛錬に励んでいるアキラ。

 
 稽古の合間にキッと凛々しい視線を向けた先には、

 
 何故か、当時の人気アイドル南野陽子のブロマイドがあった。

 
 それを見た途端、幸せそうに笑み崩れるアキラ。

 アキラ「あっ、陽子ちゃんが……」

 と、一陣の風が、そのブロマイドをさらっていく。

 しかし、この手のドラマに、実在のアイドルの顔と名前が出るのは、かなり珍しいことである。

 
 ブロマイドは、とある大きな岩の裂け目に引っかかるが、ホッとして拾い上げたアキラの耳に、助けを求める女の子の声が聞こえてくる。

 アキラ「うん?」

 どうもそれは、岩の裂け目から……つまり地の底から聞こえてくるようだった。

 同じ頃、未開の原住民のような粗末な衣服をまとったミライとルイと言う幼い兄妹が、地底に広がる巨大な空洞の中を必死に逃げ惑っていた。

 追いかけているのは、勿論、チューブ。

 アキラ「おかしいなぁ、確かに誰かの声が聞こえたんだけど……」

 岩の表面に耳を当てていたアキラだったが、声はそれっきり聞こえなくなる。とりあえず、通信機で本部の姿長官に連絡を入れる。

 ミライとルイ、青空をバックに原っぱを走っている、見知らぬ二人の子供(恐らく兄妹であろう)の写真を見ていたが、横合いから父親に取り上げられる。

 
 父親「まだこんなもの見てたのか。捨てろと言ったろう」
 ミライ「やめてくれよ、パパ、あるんだよ、こんな世界が」
 ルイ「そうよ、ママ」
 母親「およし、そんなバカなことを言うのは、もし誰かに聞かれたらどんなに怖い目に遭うか」
 父親「さ、戻るんだ、今ならまだ許してもらえる」

 子供たちがチューブの支配から逃亡したのを、その両親が連れ戻しに来たらしい。

 色っぽい母親を演じているのは、ナレーターとしても活躍されている太地琴恵さん。

 しかし、彼らは生まれてからずーっと地底の中で奴隷としてコキ使われて来たという設定なのだが、その子供が「パパ」とか「ママ」とか言うのは、微妙に違和感があるなぁ。

 彼らが揉み合っているうちに、早くもチューブの追っ手が迫ってくる。

 子供たちは両親の手を振り解いてどこかへ走り去り、両親も、アカメドグラーと言う怪人が現れたのを見て身を隠す。

 と、ちょうどその時、裂け目から「おーい!」と呼びかけていたのがアキラだった。

 
 そういう風にしつけられているのか、怪人は即座に青白い光を裂け目に向かって放ち、

 
 それを浴びたアキラは、どういう仕組みが、裂け目の中に吸い込まれてしまう。

 岩の真下から、長い石造りの階段が地底まで続いており、アキラはその上を転がり落ちる。

 オヨブー「会いたかったぜ」
 アキラ「オヨブー!」

 そこにすかさずオヨブーがアカメドグラーと戦闘員を引き連れ登場、小競り合いの末、アキラはひとまずその場を離脱する。

 その後、あの兄妹と出くわす。

 アキラ「地底から変な声がするんで調べてたら落っこちたんだ」
 ミライ「ええ?」

 アキラの説明に、驚いて天井をふり仰ぐミライとルイ。

 あの写真をアキラに見せて、

 ミライ「君はここから来たのか?」
 アキラ「ああ、そうだけど……」
 ミライ「ルイ、やっぱり思ったとおりだ。こんな明るい世界が!」

 アキラの答えに、手を取り合って喜ぶ兄妹。

 
 アキラ「君たちは地上を知らないのか?」
 ミライ「うん、俺たちが小さかった頃、俺たちの目の前にこれが落ちてきたんだ。そこには青い空があった。光があって明るくて、とても美しかった。それ以来、俺たちはずっとこんな世界があると信じていたんだ。こんな暗い地底にもう我慢ができなくなってここから逃げ出そうとしていたんだ」
 アキラ「君たちは一体……?」

 と、何処からかムチのしなる音が聞こえてくる。アキラたちが急いで音のする方へ行って見ると、彼らの隠れている狭い空間に隣接して、鉄格子の嵌った窓の向こうに、大勢の人間たちがなにやら作業させられている作業場が広がっていた。

 どうやら、巨大なキノコを栽培して採集しているらしい。

 意外なことに、幹部のイガム王子も彼らの存在を知らされていなかった。

 モニターでその様子を見ていたイガムが「何者だ? あの連中は」と叫ぶ。

 
 バラバ「地底人養成都市の住人だ」

 
 イガム「地底人養成都市?」 

 
 バラバ「ふがっ」

 いつもイガム王子のことを邪魔者扱いしているバラバ、イガムの驚く顔を見て、バカにしたように鼻を鳴らす。

 イガム(このイガムの知らぬことがあったとは……)

 初めてそのことを知り、心中穏やかならぬイガム。

 もっとも、なんでこのタイミングでバラパたちがイガムにそのことを教えてやったのか、その辺が良く分からないのである。

 
 アナグマス「人間を赤ん坊の時に誘拐してきてな、地底で育てながら身も心も地底人にしてしまおうという計画の為に作られた地底都市じゃ」

 アナグマスが、イガムのために説明を加える。

 バラバ「ゼーバ様が地帝王になられる前から進めておられた実験のひとつだ」
 ゼーバ「50年以上もかけて進めてきた計画、絶対にマスクマンに気付かれてはならん!」

 
 イガム(いや、50年以上て……お前は美女シリーズに出てくる気の長い復讐鬼か!?)

 得々と打ち明けるゼーバに、心の中で思わず突っ込みを入れるイガムであった。

 ……嘘である。

 正解は、

 イガム(地帝王ゼーバ、なんと計り知れぬ恐ろしいお方よ!)

 でした。

 しかし、この計画から察するに、チューブもジャシンカ同様、人口の少なさに悩まされているようだ。

 あと、奴隷として使うのではなく、完全な地底人にするつもりなら、それなりの待遇を与えるべきだと思うんだけどね。

 ついでに、もう14話まで来て、今更こんなこと言うのもなんだが、この番組における、

 「地帝」「地底」の区別が、いつまで経ってもつかんのじゃい!

 だから、「地帝王ゼーバ」と書こうとするだけでも、「あれ、地底王だったかな? それとも地帝王だったかな?」と、悩まなくてならず、レビュアーとしては大変往生こいているのである。

 もっとも、その辺はスタッフも同じだったようで、第1話では、本拠地の映像に「地帝城」と言うテロップが出ていたが、第2話のサブタイトルでは「地底城」となっていて、混乱が見られる。

 閑話休題。

 再びアキラたちの潜んでいる小部屋。

 
 ルイ「私たちの仕事はアングラーが食べているキノコを育てることなの」
 ミライ「俺たちは生まれてから死ぬまでずっとここでキノコを育てることになってるんだ」

 アングラーと言うのは、アングラー兵、つまり戦闘員のことである。

 アキラ「君たちはここで生まれたのか?」
 ミライ「うん」
 アキラ「父さんや母さんは?」
 ミライ「やっぱり、ここで育ったって言ってた」
 アキラ「なんだって? そんな昔から……」

 と、ミライは理路整然と説明してくれるのだが、その落ち着き払った態度と知的な物腰が、どう考えても生まれてからこっち地下世界でキノコ採りばっかりさせられていた人間とは到底思えないのがNGです。

 あるいはチューブも、労働力としての質を上げる為、それなりの教育は施してやっているのだろうか?

 そのミライの両親が、彼らの罪に連座してムチでしばかれているのを目の前で見たアキラ、我慢できずに飛び出し、戦闘員をぶちのめす。

 
 アキラ「さ、皆さん、逃げましょう」
 ミライ「この人は地上から来たんだ、この上にはこんな世界があるんだ!」

 
 ミライ「ほんとにあるんだ! ほんとなんだ!」

 あの写真をみんなに見せて力強く呼びかけるミライ。

 アキラ「俺が転がり落ちた階段があるんだ。そこから脱出できます。さあ、逃げましょう」

 アキラも鼓舞するが、何故か人々は戸惑ったような表情を浮かべ、その場から動こうとしない。

 アキラ「どうしたんですか?」

 
 母親「実は今夜、月に一度のビンゴ大会があるんです」
 アキラ「なるほど」

 じゃなくて、

 母親「私たちはどんなつらいことにも耐える術を身に付けてしまいました。命を失うような危険を冒すよりはじっとこうして耐えるほうを選ぶのです」

 みんなを代表して、ミライの母親が悲しそうに説明する。

 ミライ「意気地なし! みんな意気地なしだーっ!」

 失望したミライは、ルイの手を引いて何処かへ走り去る。

 アキラは彼らを追いかけ、一緒に地上への出口を探し回っていたが、ついにあの長い階段に辿り着く。

 
 だが、登ろうとした途端、何者かの攻撃を受け、階段はあえなく瓦解してしまう。

 アキラ「階段が……」
 ミライ「せっかく地上に出れると思ったのに!」

 その時、アキラの行方を捜してあの岩の前に集まっていたタケルたち4人が、アカメドグラーの光線を浴びて落下してくる。

 前述したように、アカメドグラーは岩の裂け目の向こうにいる人間を感知して、自動的に地底に引き摺りこむようプログラミングされていたのだろうが、この状況においては完全な裏目に出る。

 このままアキラひとりを攻撃していれば、確実にマスクマンに欠員を出すことが出来ていただろうに。

 タケルは、アキラの落としたあやとりの紐をアキラに投げ、「これで梯子を作るんだ!」

 

 
 アキラ、ブルーマスクに変身すると、オーラパワーでそのあやとりを光る縄梯子に変えて、頭上の出口に投げ渡す。

 ミライとルイを先に登らせ、自分もやっと地上へ脱出する。

 
 ミライ「ああ」
 ルイ「まぶしいーっ」
 ブルー「見るんだ、あれが青空だ」

 夢にまで見た光の世界に立ち、感激に打ち震える兄妹。

 やがて他の4人も変身して地上へ出て来て、いつものラス殺陣になる。

 事件解決後、他の人たちもあっさり解放されて、地上へわらわらと出てくる。

 
 春のかぐわしい空気を胸いっぱい吸い込み、眩しい陽光や野に咲く花々に驚喜する人々。

 それはいいのだが、

 
 両親「あ、どーも」

 ふとタケルたちに気付いたミライの両親の軽~い態度が、赤ん坊の頃からずーーーーーーっと地底で生活してきた人間には到底見えないのが残念だった。

 
 それはさておき、晴々とした表情で青い空を見上げる琴恵さんが綺麗なのである!

 しかし、まるでハッピーエンドみたいに描いているが、この人たちが、これから一体どうやって仕事も家も身寄りも戸籍もないこの日本で暮らしていくのだろうと、つい余計な心配をしてしまう管理人であった。

 まぁ、そういう現実的な心配をせずに楽しめるのが、戦隊シリーズの強みなのであるが。

 
 それでも、兄妹と手をつないで無限の未来へ向かって走り出したアキラの姿が、あらためて若さと青春の尊さ・素晴らしさを示してくれる、清々しいクロージングであった。
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コメント

飛べなくなったノミ

>母親「私たちはどんなつらいことにも耐える術を身に付けてしまいました。命を失うような危険を冒すよりはじっとこうして耐えるほうを選ぶのです」

瓶の中に入れられ蓋にぶつかり続けたノミは
蓋が無くなっても、その瓶の高さ以上には飛べなくなる

「抑圧され続けた人間は自由を求めなくなる」
-今でも某国がそうなのでしょうが-
こうした恐ろしい内容を何気に持ちこむ曽田博久さんは凄いと思います。

Re: 飛べなくなったノミ

> 「抑圧され続けた人間は自由を求めなくなる」
> -今でも某国がそうなのでしょうが-
> こうした恐ろしい内容を何気に持ちこむ曽田博久さんは凄いと思います。

そうですね。

ま、日本もだんだんそんな感じになってると思いますが。

面白いと思いますが

同じ80年代の戦隊シリーズでも、初期の作品郡に対して本作はマイナーなのかなぁ?

タケルとイアル姫の悲恋
イガム王子&イアル姫の関係
オーラパワー
座禅を組むギャラクシーロボ
可愛くて強いアキラ
谷隼人

と魅力的なんですが・・・

ソフト化の遅れ、レンタル解禁の遅れ(僕の近所のツタヤもゲオもなし)、未配信
などの原因もありますが。

ま、バトルフィーバーとかデンジマンのような「カオス感」「アクの強さ」は薄い気はします。

Re: 面白いと思いますが

ま、それまでの出渕デザインと比べて、敵のデザインがいまひとつ、と言うのも原因かもしれません。

タケルとイアル姫の恋愛関係も、子供たちにはピンと来なかっただろうし。

自分も、「メタルダー」は見てましたが、こっちはほとんど見てなかったと思います。

小難しい事で恐縮ですが・・・

小難しい話題を出してしまって恐縮ですが、このお話でチューブの奴隷として地下で酷使されている人々を見ていると、「ラインの黄金」(ワーグナー作曲)と「フィデリオ」(ベートーヴェン作曲)と言う二つのオペラが思い出されます。
前者でのチューブと同じく地底人・ニューベルンク族のアルベリヒはライン川の河底から奪った黄金を金塊に鋳直すため、地底人たち(ここに観る様に人間たちをさらったのではなく、且つてはアルベリヒと同類でもあった根っからの地底人たち)を奴隷化!同じ黄金で作った世界を手中に収められる指輪の魔力と隠れ頭巾で透明になる等の能力を悪用し
「さぁ、仕事をするんだ!俺様は、姿は見えなくても常にお前たちを監視出来るんだぞっ!!」
と実弟のミーメ(金細工師。その隠れ頭巾と指輪を作った張本人)までも痛め付けるゼーバ顔負けの支配者っぷりを見せつけています!
また、後者では悪代官・ピッツ゚ァロの牢屋敷に冤罪で収容された囚人たちが、牢番・ロッコの計らいで牢屋敷の外に出され久々に目にした日光で釈放に思いをはせ、劇中でも有名な合唱を歌う場面があり、そこがミライから奴隷たちが地上の写真を見せられる場面と重なります。そしてここでのミライとルイの兄妹は、牢屋敷で囚人たちの解放を目論み反対に捕虜になってしまったフロレスタンと牢番見習い・フィデリオとして男装し潜入した主人公にしてその妻・レオノーレの役回り~終盤ではピッツァロの悪巧みも暴かれ囚人たちはこのお話同様に解放されます~の様にも見えてきます。

Re: 小難しい事で恐縮ですが・・・

格調高いコメントありがとうございます。

オペラなどというものには縁のない無教養な人間ですので、大変ためになりました。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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