第27話「初恋泥棒にご用心」(1979年8月4日)
と言う訳で、何の脈絡もなく始まった「バトルフィーバーJ」の再レビューのお時間です。
要するに、自分の特にお気に入りのエピソード(5話くらい)を、改めて思う存分画像を貼りつつレビューし直そうという、完全に管理人にとっての息抜きタイムなのであります。
ま、なんだかんだで管理人、戦隊シリーズのみならず、東映の特撮ヒーロー系番組の中では、これが一番好きだと言うことなのだろう。
冒頭、水着ギャルがうようよいる、どっかの海水浴場。
大きな波がうねりながら押し寄せては返す中、

いきなり、愛しのマリアが、その豊満なボディーを惜しげもなく披露してくれる!
小さな布地に包まれた重量感のあるおっぱいを波に揉まれて、嬉しそうにはしゃぐマリア。
海には、同じく水着姿のケイコやトモコの姿もあって、とても楽しそうであったが、

マサル「……」
浮き輪をつけて、目をつぶって、もがくようにパシャパシャ水面を叩いているマサルだけは、どう見ても楽しそうではなかった。
むしろ拷問!
後に、マサル、ケニアたちに水泳のスパルタ教育を受けることになるのだが、演じている佐藤たくみ氏がほんとに泳ぎが苦手なので、ストーリーにかこつけて、スタッフ・キャストが本気で泳げるように彼を特訓しようとしていたのではないかと思えてくる。

京介「あったぞ、ユキちゃん!」
と、シュノーケルで潜っていた京介が顔を出し、右手に持った小さな石を突き上げ、誇らしげにユキにアピールする。

ケニア「ユキちゃん、あったぞ!」
ケニアこと曙四郎も、相変わらずバキバキに鍛えられた肉体を披露しつつ、水中から綺麗な石を拾って現れる。
で、そのユキちゃんと言うのが、

今回の主役である、トモコの妹・ユキなのだった。
そう、京介とケニアは、どちらもガチのロリコンだったのである!(註・違う……と思います)

それぞれ発見したもの、たぶん、ただの綺麗な石や貝殻だと思うが、ビーチマットに座っているユキに競うように見せている二人。
だが、その様子は、浜辺に仕掛けられた監視カメラによって、別の場所にいるサロメ、黒仮面怪人にしっかり見られていた。
怪人「あれがバトルフィーバーの海水浴か、隙だらけじゃ」
サロメ(そりゃそうだろ……と心の中でツッコミを入れつつ)「バトルフィーバー隊員、志田京介、バトルフランス、同じく隊員、曙四郎、バトルケニア……」

サロメ「新隊員、汀マリア、ミスアメリカ」
サロメが、黒仮面怪人に映像を見せつつ、バトルフィーバーのメンバーを紹介する。
何故、管理人が、マリアの画像だけ、それも三枚も貼ったのか、それには重大な、ある秘密が隠されていた訳ではなく、単に管理人がマリアのムチムチボディーが三度のメシと同じくらい好きだからである。
ほんと、ヘンショク怪人じゃないが、この、とろけるような笑顔とマシュマロのような体を食べてしまいたい……。

怪人「ようし、我が特務軍団の恐ろしさを思い知らせてやる。行くぞ!」
サロメ「お待ちください、黒仮面怪人様、お忘れですか、特務軍団の使命を?」
怪人「うん? おお、そうであった……」
ジャーク将軍の加藤精三さん演じる、あわてんぼうで忘れっぽい黒仮面怪人、意外と近い場所にアジトがあるのか、即座にバトルフィーバーを殺しに行こうとするが、サロメに注意されて漸く自分の任務を思い出す。
ネーミングと言い、デザインと言い、「ゴレンジャー」の怪人っぽいキャラである。

怪人「この娘は?」
サロメ「はっ、バトルフィーバーの連絡員、上野トモコの妹で、ユキ」
怪人「よし、まずターゲットをこの娘にする!」
そして、黒仮面怪人が目をつけたのが、他ならぬユキであった。
そこは白衣を来た戦闘員たちのいる研究所になっていて、彼らはマネキン人形のようなものをカマボコ型のコールドスリープ装置のような機械に入れて、人間そっくりのアンドロイドに仕立ててしまう。
その装置は、前番組「ジャッカー電撃隊」の強化カプセルの再利用だろうか。
怪人「よく出来た、名付けてタケシとしよう」
タケシと命名されたアンドロイドは、ユキと同世代の、目元涼やかな美少年(設定上)であった。

引き続き海辺で貝殻集めをしているユキ。
ユキを演じるのは佐藤三千代さん。過去のレビューで何度も書いてきたように、当時の子役としては奇跡的な可愛らしさである。

と、どこからかオカリナのような笛の音が聞こえてきて、ユキは自然とその音のする方へ歩いていく。

見れば、岩場の上に腰掛けた海パン姿の少年が、白い巻貝を笛にして吹いているのだった。
タケシ「やあ!」
ユキ「綺麗な笛が聞こえたものだから」
これも何度も書いてきたことだが、その声も、アイドル系アニメ声優が吹き替えしているとしか思えない、実に可愛らしい声なのだ。

タケシ「ああ、これ?」
ユキ「貝で作ったのね」

タケシ「うん、吹いてごらん」
タケシ、岩場から降りると、ユキにその貝笛を渡して促す。
それにしても、このマリアとは対照的なスレンダーボディー、全国の真性ロリコン戦士たちを殲滅しかねない凶悪さである。
ユキ、貝笛に息を吹き込むが、全く鳴らない。
ふと、少年が胸にぶら下げている小さな白い巻き貝のペンダントを目に留め、
ユキ「可愛いペンダントね」
タケシ「あげるよ」
男前のうえに、気前のいいタケシ、すぐペンダントを外すと、惜しげもなくユキにプレゼントする。
タケシ「とてもよく似合うよ」
ユキ「まあ」
タケシ「ほんとうだよ」
ユキ「嬉しい! 嬉しい!」
ユキ、褒められて思わずその場でピョンピョン跳び上がって喜ぶが、その拍子に、貝笛を海へ落としてしまう。
と、タケシは何の躊躇もなく、イルカのように海へ飛び込む。

心配そうに海面を見詰めているユキ。

と、待つまでもなく、タケシはおよそ人間業とは思えぬ動きで海中から飛び出し、元の場所に着地する。

タケシ「はいっ」
ユキ「……」
手渡された貝笛を握り締め、声もなくタケシの顔を見詰めるユキ。
と言っても、まだ子供のユキ、まさか相手がエゴスのアンドロイドとは気付かず、ただただ憧れの眼差しを注ぐのだった。
数日後、ユキが珍しくマサルと二人で、公園の森でセミ取りをして遊んでいると、再びあの物悲しい貝笛の調べが聞こえてくる。

ユキが木に登っているマサルを放置して音のするほうへ行くと、果たして、公園の端のテーブルに座って、タケシが貝笛を吹いているのだった。
その姿を見た途端、ユキは満面の笑みになる。

ユキ「こんにちはー」
タケシ「やあ、君か」
ユキ「やっぱりあなただったのね」
タケシ「こんなところで会えるなんて」
ユキ「ほんとね」
タケシ、ユキが貝のペンダントをぶら下げているのを見て、
タケシ「まだ持っててくれたの?」
ユキ「これ、私の宝物なの」
タケシ、スケッチブックを開いてユキの絵を描き始める。

マサル「ユキちゃん、ションベンゼミ、見つけたんだよ、ねえ、手伝ってよ!」
そこへ、空気の読めないマサルがやって来て声を掛けるが、すっかりタケシの……恋の虜になっているユキにとっては、存在しないも同じだった。
ユキ「ねえ、うちへ来ない?」
マサルには見向きもせず、タケシを誘う。

トモコと暮らしているバトルフィーバー隊員向けのマンションにタケシを招き、メロンを切っているユキ。
その間に、タケシは物珍しそうに部屋の中を見回していたが、鏡台の前に口紅があるのを見て、
タケシ「君、口紅使うの? 子供の癖に」
ユキ「それ、お姉ちゃんのものよ」
ユキ、振り向きもせずに答える。

タケシ「そうか、姉さんと二人暮しだったね」
ユキ「そうよ」
タケシ、さりげなく鏡台の前に行くと、素早く口紅の中に発信機を仕込む。
そう、タケシがユキに近付いたのは、それが目的だったのだ。
背後に、当時としてはかなりエッチなハイレグ水着のポスターが貼ってあるが、若い女性二人で住んでいる部屋にしては、やや違和感がある。
ユキ「どうぞ、メロン」
タケシ「ありがとう」
向かい合わせに座ってスプーンでメロンを食べる二人。
幼いユキにとっては、生まれてこの方味わったことのない甘美な体験であった。

タケシに描いてもらった自分の肖像画をとろんとした目で見ながら、

ユキ「うふふふ……」
タケシとの思い出に浸っているユキ。
その肩に手を置かれ、たちまち現実世界に引き戻される。

トモコ「ユキちゃん、この頃どうしたの、やけにぼんやりして……」
姉のトモコに注意されるが、
ユキ「お姉ちゃんだって何よ」
トモコ「何がー?」

ユキ「口紅忘れちゃったでしょ、女性はね、財布は忘れても化粧道具は忘れちゃいけないわ」
トモコ「生意気言っちゃって」
ユキ「うふふ」
口の立つユキは、逆に姉の失敗を持ち出して、こまっちゃくれたことを言うのだった。
が、実はそのトモコの「うっかり」が、エゴスの仕掛けた罠を一度空振りさせていたのである。

トモコ「行って来るね」
ユキ「行ってらっしゃい」
ケイコ「おはよう」
トモコ、妹に言われたので今度はしっかり口紅をバックに入れ、マンションを出て仕事に向かう。
同じく連絡員のケイコは、その隣の部屋に、マサルと一緒に住んでいるのだった。
今は夏休みなので、子供たちは部屋に残っている。
マンションの前に、サロメの運転する車が張り込んでおり、助手席にはタケシが乗っていた。
タケシ「今日は、口紅を忘れずに持ってきたな」
タケシの左手は、発信機に反応するレーダー地図になっていて、すぐにトモコが口紅を身につけていることが分かる。
サロメは車で二人を尾行するが、二人がスナック・ケニヤに入ったところで、レーダーの反応が消える。

タケシ「サロメ様、消えました」
サロメ「と言うことは、この店に秘密の抜け道が」
エゴスは、ショッカーなどと違ってアグレシッブかつ、実戦能力の高い「悪の組織」で、

黒仮面怪人率いる武装した戦闘員(特務軍団)が、店の中に乱入して、マシンガンを乱射する。
それは良いのだが、

サロメが迷わずトイレに行き、水を流す紐を引っ張って隠し扉を開くのは、ちょっとおかしい。
スナック・ケニヤがバトルフィーバー基地への中継点だと分かっても、秘密の通路の場所まで分かる筈がないからである。
レーダー地図も、ごく大雑把なもので、反応の消えた位置で、秘密の通路の場所を推測することも不可能だし。
ともあれ、特務軍団は、秘密の入り口を抜け、バトルフィーバー基地へ通じる複雑に折れ曲がった通路に侵入する。
直ちに警報ブザーが鳴り響き、正夫たちに侵入者の存在を知らせる。

ケニア「エゴスだ。秘密通路を見付けられてしまった」
正夫「自動発射装置のスイッチを入れろ」
ケイコ「はいっ」
モニターに映し出される侵入者たちの姿を見る正夫たち。
正夫の指示で、ケイコが途中にある自動射撃装置を作動させるが、さすがに特務軍団、それを掻い潜ってなおも奥に進んでいく。
ならばと、防御シャッターを何重にも下ろして食い止めようとするが、

彼らはバズーカ砲まで装備しており、その都度、シャッターを破壊して突き進む。
少なくとも、今回の戦力を見る限り、ショッカーとエゴスの戦闘員が戦ったと仮定すれば、エゴスの圧勝に終わるだろう。
エゴスの猛攻に、血気にはやって出撃しようとするケニアたちを制すると、正夫は防御システムを操作して、通路の一部の壁を動かして、ダミーの通路を作り出し、侵入者を別の場所へ誘導しようとする。

黒仮面怪人は気付かずにその道を進み、最後は海につながる岩場に出てしまう。
怪人「やっ、こんなところに出やがった」
もう一度引き返そうとするが、そこに変身済みのバトルフィーバーが立ちはだかり、ちょっと早いが、本格的なバトルシーンとなる。
今回はラス殺陣がないので、その代わりに、中盤でラス殺陣代わりの長尺アクションシーンが盛り込まれているのである。
黒仮面怪人たちを撃退した後、正夫たちは自分たちの所持品を調べ、あっさりトモコの口紅から発信機を発見する。

トモコ「どうして私の口紅に?」
正夫「誰かが仕掛けたんだ」
ま、そりゃそうだろうな……。
作戦の失敗を受けて、ヘッダーはサロメを叱り飛ばすが、
サロメ「ご心配なく、次なる作戦があります。バトルフィーバー基地、爆破作戦!」
さて、トモコは家に帰ると、ユキを厳しく問い質す。

ユキ「誰も来なかったわ、誰も入れないわ」
トモコ「嘘おっしゃい、ちゃんと証人がいるのよ」
ユキ「タケシ君は、そんな人じゃないわ!」
ユキ、当然、タケシを庇おうとするが、ケニアたちも疑いの目を向けざるを得ない。
京介「ねえ、ユキちゃん、誰かが姉さんの口紅に発信機を仕掛けた。そいつがエゴスのスパイだ」
ユキは、周りの大人たちに何を言われても、頑なにタケシの潔白を信じ続ける。
もっとも、ユキがタケシに貰ったペンダントはただの貝殻に過ぎず、この段階で、京介たちがタケシをスパイだと決め込むのも変なんだけどね。
トモコが、出先で口紅に細工されたという可能性だってない訳じゃないのだし。
その後、タケシがマンションの下にやってきて、貝笛でユキを外へ連れ出す。
京介たちも、タケシが誘い出すのを待っていたので、抜かりなく二人を追跡する。
団地を見下ろす小高い丘に立っているユキとタケシ。

タケシ「僕が上げたペンダントは?」
ユキ「いつも持ってるわ」
ユキ、貝のペンダントを外すと、タケシの手に握らせる。
タケシ「そう、大事にしてくれてるんだね」

ユキ「勿論よ、言ったでしょ、私の宝物だって」
タケシに背中を向けて、風景を眺めるユキ。
タケシ「いつまでも大事にして欲しい」
タケシ、ペンダントをもう一度ユキの首にかけてやる。
そこへ正夫たちが駆けつけ、タケシがエゴスのスパイだと糾弾する。

ユキ「やめて、やめてよ、タケシ君はエゴスじゃないわよ!」
ユキ、必死に声を振り絞り、身を挺してタケシを守ろうとするが、

ここで突如本性を顕わしたタケシ、手から鋭い爪を生やして、ユキの体を押さえつける。

タケシ「この娘の命が惜しければ、バトルフィーバーの秘密基地の地図をもってこい」
ユキ「タ、タケシ君!」
タケシ「うるさいっ」
恋心を踏みにじられた上、命まで奪われそうになるユキだったが、そこへバトルフランスが飛び込んできて、電光石火の一撃をタケシの体に叩き込む。

所詮は非戦闘用のアンドロイドであるタケシは、その一撃でぶっ倒れ、あえなく壊れて無残な正体を晒け出す。
ユキ「キャーッ!」
悲鳴を上げ、そのまま失神してしまうユキ。

その体をすかさず抱きとめるバトルフランス。
と、同時に、今まで親兄弟から白い目で見られてつらかったけど、ロリコンやってて良かったー! と心の中で叫ぶのだった(註・管理人の妄想です)。
一見、サロメの作戦は再び失敗に終わったようであったが……。

サロメ「娘はバトルフィーバー隊基地へ保護された模様です。計画通りです、すべて」
怪人「爆破装置のスイッチは?」
サロメ「大丈夫です」
黒仮面怪人に、自信たっぷりに告げるサロメ。
ここで、さっきのシーンが繰り返され、タケシが、ユキが目を離した僅かの隙に、貝殻のペンダントを、爆弾入りのペンダントに摩り替える様子が映し出される。
一度バトルフィーバー隊が調べて、容疑の免疫を受けているペンダントに爆弾を仕込むという、実に巧妙な作戦であった。
ま、結局、爆弾は爆発寸前で謙作に見付かって処理されてしまい、作戦はあと一歩のところで潰れてしまうのだが、謀略にかけても、エゴスはショッカーなどより数段上と見るべきだろう。
ま、別にいちいちショッカーと比べる必要はないんだけどね。
さっきも言ったように、今回はラス殺陣がなく、ヤケになって攻めてきた黒仮面怪人たちに、いきなり必殺技ペンタフォースが飛んできて、彼らを消滅させるのだった。
そして、定番の巨大ロボットバトルも省略という、異例の構成。
その分、ドラマ部分がいつも以上に充実していた訳である。
ラスト、再び海へ来ているユキ。
初恋が最悪の形で破れたユキ、タケシと出会った思い出の岩場に立ち、悲しそうな瞳で海の彼方を見詰めている。

京介「おーい、ユキちゃん、上げるよ、君に」
ユキ「ほんと?」
京介「よく似合うよ」
ユキ「ありがとう」
京介「やっと笑ったね」
そこへ京介がやってきて、新しい貝のペンダントをユキにプレゼントする。
京介とトモコ、ユキの三人が、まるで家族のように仲良く手をつないで海へ向かって走り出すところで幕となる。
以上、ユキの可愛らしさを存分に味わえると同時に、エゴスの狡猾さがあますところなく活写された、密度の濃いエピソードであった。
これで、マリアやトモコの水着姿をもっとたっぷり見せてくれたら、完璧だったのだが。
それにしても、「バトルフィーバーJ」ほど、レギュラーの女の子のレベルが高い特撮ヒーロー番組は、ちょっと他に思い当たらないなぁ。
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