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「帰ってきたウルトラマン」傑作選 第4話「必殺!流星キック」



 第4話「必殺!流星キック」(1971年4月23日)

 冒頭から、怪獣出現の知らせを受けてMATに緊張が走る。

 
 加藤「この2キロ先には第一原子力発電所がある。なんとしても怪獣をやっつけるんだ。いいな?」
 上野「いいな? って言われましてもねえ……」
 岸田「我々、まだ独力で怪獣倒したことないですからねえ……」
 南「馬鹿っ、何を弱気なことを言ってるんだ? 隊長はな、ウルトラマンが出てくるまで尺を稼げと仰ってるんだ!」
 丘「そうよ、がむばるのよっ!」
 郷「……」

 ワシ、ほんとにMATに入ってよかったんやろうかと、一抹の不安を覚える郷であった。

 
 嘘はさておき、ただちに、マットアロー1号と2号とが出撃する。

 上野と共に1号に搭乗している加藤隊長が、並んで飛んでいる郷の2号を見ると、

 
 郷「……」

 視線に気付いた郷が、にったり笑いながらピースサインを向けてくるのだった。

 
 加藤(な、なんだ今のは……? ひょっとして、アイシテルのサインか?)

 思わずドキがムネムネする加藤隊長であった。

 嘘はさておき、二機はほどなく標的の頭上空域に到達する。

 
 今回のゲストは、一見ただの恐竜と大差のないキングザウルス三世であった。

 「一世と二世はどうしたの?」は禁句なのである。

 
 まず、郷の2号が、森の木々すれすれの低空飛行から攻撃を仕掛けるが、

 

 
 相変わらず、怪獣にはまったく効き目がない。

 ……と言うより、そもそも怪獣の体に当たっていない。

 すなわち、キングザウルス三世は、体の周りに目に見えないバリアのようなものを張り巡らせており、ミサイルにせよ銃弾にせよ、その体に触れることさえ出来ないのだ。

 こういうのを、CGにたよらずアナログ技術だけで表現してしまう、当時の特撮スタッフの手腕はほとんど人間業とは思えない。

 2号機は旋回したところを怪獣のビームに追い討たれ、

 

 

 

 

 
 尻から煙を出しながら怪獣の後ろの山の向こうに墜落し、炎上する。

 これまた、神業レベルの特撮である。

 と、炎の中から颯爽とウルトラマンが登場、怪獣の前に立ちはだかる。

 
 一発蹴りを入れてひっくり返してから、右手で頭に生えている角にチョップを叩き込むが、

 
 その角が存外に硬くて、あまりの痛さに思わず女子っぽい姿勢で座り込んでしまうウルトラマン。

 
 ウルトラマン(やっちまった……)

 さらに、怪獣が突進してくるのも目に入らず、ひたすら右手を開いたり閉じたりしているウルトラマン。

 ウルトラ戦士のこれだけ人間臭い仕草は、あまり他では見たことがない。

 
 怪獣が口から赤いビームを放つが、

 
 ウルトラマン、両手をクロスさせて受け止めると、

 
 エネルギーを弾き飛ばして、

 
 「ハイ終了!」とばかりにポージング。

 お返しのスペシウム光線、通称おスペを出すが、

 
 怪獣もバリアで防いでしまう。

 今回の光学作画、大変だったろうな……。

 

 
 接近する怪獣と距離をとって、今度は八つ裂き光輪を飛ばすが、これまた、カキーンと言う小気味よい音を立てて跳ね返される。

 

 
 さらに、ほとんどヤケになったように多種多様のビームを繰り出すものの、すべてバリアで遮られる。

 しかし、スペシウム光線が効かない時点で、その方向からのビーム攻撃はすべて通用しないことくらい分かりそうなものなのに、同じことを繰り返しウルトラマンが、いささかアホに見えてしまう。

 たちまちエネルギーを使い果たし、カラータイマーが赤に変わるウルトラマン。

 肉弾戦を挑もうとするが、怪獣も様々なビームを駆使して懐に入らせず、逆に、長い角をウルトラマンの左フトモモに深々と突き刺す。

 
 ウルトラマンの体にのしかかって、踏み踏みするキンちゃん。

 なんとなく、ウルトラマンがレ○プされてるようにも見えて、若干気持ち悪い。

 ウルトラマン、ついに力尽きたのか、大地をのた打ち回りながら姿を消す。

 上野「ウルトラマンが……」
 加藤「信じられん。無敵のウルトラマンがやられてしまうなんて」

 マットアロー1号の座上で愕然とする加藤隊長。

 ちなみにウルトラマンが戦ってる間、1号はまったく怪獣に攻撃してません。

 普段からMATが、「ウルトラマンが出てくるまでが我々の仕事です」と考えているのが丸分かりであった。

 さいわい、怪獣も戦い疲れたのか、それ以上進撃することなく、地中に潜ってしまったので、原子力発電所は無事だった。

 郷も死んではいなかったが、左足に深手を負い、担ぎ込まれた病院のベッドで悔し涙を滲ませていた。

 未舗装の山道をテクテク歩いて、郷の収容された国連病院へ向かっているアキと次郎。

 ちょうど道で出会った駐在から、歩いて20分かかると聞かされ、

 
 アキ「はぁ、あと20分も歩くんだって」

 
 次郎「ざまーみろ、郷さんに会うからって新しい靴買ったりするからだよ」
 アキ「あーあ、もう我慢できないわ」

 まさかこんな山の中にあるとは思ってなかったようで、アキはミニスカワンピにパンプスと言う、およそ山歩きにふさわしくない格好だった。

 アキ、靴を脱いで裸足になると再び歩き出すが、すぐに後方から来たMATビハイクルが一旦追い抜いてから停まり、

 
 丘「お乗りになりません?」

 運転していた丘ユリ子姫が親切にそう言ってくれたので、それ以上、足を動かさずに済む。

 
 次郎「郷さん」
 郷「よう、来てくれたのかい」
 アキ「思ったより元気そうだわ」
 郷「なぁに、これくらいの傷じゃへこたれんよ」

 郷、アキが作ったと言う、お見舞いのおはぎに目を輝かせ、早速かぶりつこうとするが、

 
 郷「あ、丘隊員、その後、怪獣の動きは?」
 丘「今のところ別に異常は……その後の調査結果、あ……」

 丘隊員、言い掛けて、ふとアキたちに気兼ねするような視線を向ける。

 郷も気付いて、「仕事の話なんだ、ちょっと外してくれないか」

 
 アキ、一瞬寂しそうな顔になるが、

 アキ「帰ります、あたしたち」
 郷「すまんがそうしてくれ」

 
 アキ「次郎、帰りましょう」
 丘「申し訳ありません」
 次郎「郷さん、このお姉ちゃんが好きになったんだろう?」

 恐れを知らない子供の次郎、いきなりとんでもないことを口にする。

 一瞬、三人とも固まるが、

 郷「なぁにを言うんだ、こいつー」
 次郎「そうに決まってらぁ」
 アキ「次郎、そんなこと言うもんじゃないの」

 なおもブツブツ言う次郎を促してにこやかに帰っていくアキだったが、

 
 丘隊員に向けたこの笑顔が、めっちゃ怖い……。

 生真面目な郷、丘隊員と二人きりになっても、ひたすら事務的な態度を崩さず、

 郷「怪獣について何か?」
 丘「その後の調査結果、放射能光線を吐くことが分かりました」
 郷「となると、次は第一発電所だ」
 丘「隊長もそれを心配なさっています」

 丘隊員も負けず劣らず真面目なので、狎れたような口は利かずに淡々と返答するのだった。

 が、繊細なアキは家に戻ってもぼんやりとギターを爪弾きながら、夕暮れ時まで物思いに耽っていた。

 
 坂田「どうしたんだ、アキ?」
 次郎「姉ちゃん、ショックなんだ、郷さんに振られたから」
 アキ「次郎!」
 坂田「アキ、そんなことを気にしてたのか、郷って奴はそんな薄っぺらな男じゃない。どうやって怪獣を倒せるか、そのことで頭が一杯なんだよ」

 
 アキ「わかってる」

 最高の理解者である兄のさりげない慰めに、たちまち笑顔になるアキであった。

 これが、アメリカの連続ドラマとかだったら、これに続いて郷と丘隊員が病室でエッチしてるシーンになりそうだが、無論、健全明朗な特撮ドラマでそんな展開になる筈もなく、坂田の推測どおり、郷はひとりで怪獣攻略法について考え込んでいた。

 翌日、郷が病院から姿を消す。

 加藤隊長から行き先に心当たりはないかと聞かれた坂田、やがて、平井峠にいるに違いないと言い出し、アキと次郎をそこへ向かわせる。

 果たして、

 
 郷は、平井峠なる場所に来て、丸太を肩に抱えて歩くという、シュワちゃんみたいなことをしていた。

 言うまでもなく、自らの体を鍛えてキングザウルス三世のバリアを飛び越せるだけの跳躍力を獲得しようとしているのである。

 ……

 えーっと、ウルトラマンって、空飛べるんじゃなかったっけ?

 ま、いいか。

 
 その重さに耐え切れず、思わず下に落としてしまう郷。

 だが、その脳裏に、かつて今と同じ平井峠で、F1レーサーになる為、坂田に死ぬほど厳しく鍛えられたときのつらく苦しい記憶が蘇り、郷は自分を奮い立たせて特訓を続けるのだった。

 その後、アキと次郎がやってきて、郷を発見するが、アキはあえて郷に気付かれないよう、身を隠しながらその特訓を見守る。

 苦難の末、遂に郷は、バリアに見立てた広い谷を飛び越すことに成功する。

 汗だくになりながら天を仰ぎ、「やった、やったぞーっ!」と叫ぶ郷。

 
 それを見届けて、アキも我がことのように嬉しそうであった。

 そして、最後まで郷には声を掛けずに来た道を引き返す。

 次郎「なんで郷さん、あんなことするんだ?」
 アキ「怪獣に勝つために、自分を鍛えなおしてるのよ」

 アキはこともなげに言うが、だとすれば、ウルトラマンの正体が郷だと言うことにも気付きそうなもんだけどね。

 その後、第一原子力発電所を狙って再びキンちゃんが出現する。

 MATも、バリアに干渉されずに攻撃するため、真上からの急降下爆撃を行うが、まったく効き目なし。

 MATが、郷と同じく、その為に血の滲むような特訓まで行っていたかと思うと、あまりの情けなさに涙が出てくる管理人であった。

 結局、最後はウルトラマンが駆けつけ、

 

 
 会心の跳躍でバリアを飛び越してその角をへし折る。

 バリアの源である角を失ったキングザウルス三世はたちまちただのザコになり、スペシウム光線でサクッと倒されて一件落着となる。

 ラスト、地面に横たわっていた郷のまわりに加藤隊長たちが駆けつけ、その奮闘を称える。

 
 上野「でも、ウルトラマンが来なかったらやばかったぞ」
 加藤「いやぁ、今日はウルトラマンだけの活躍ではない。我々が心をひとつにして戦ったお陰だ。上野、いわば君もヒーローのひとりだよ」
 上野「俺もですか?」
 加藤「ウルトラマンと我々MATのチームワークの勝利だ」

 ……

 管理人、特撮ドラマにおいて、これほど手前勝手で傲慢な台詞は聞いたことがない。

 贔屓目に見ても、今回の戦いでMATがクソの役にも立たなかったことは明々白々だからである。

 だが、それに続く、

 
 隊員たちが淡い琥珀色の夕陽の中を、背中を向けて雄々しく進んでいくショットは、鳥肌が立つほどにカッコイイ。

 以上、深みはないが、特撮、ドラマともに充実した、なかなかの力作であった。
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コメント

ドラマ

今回は特撮の領域を超えたドラマのようですね😅何気に岡隊員とアキ姉さんの冷たい冷戦があったようですね

早くも4話で!

>隊長はな、ウルトラマンが出てくるまで尺を稼げと仰ってるんだ!
「レオ」のダンって基本、それしか頭になかったような?

>しかし、スペシウム光線が効かない時点で、その方向からのビーム攻撃はすべて通用しないことくらい分かりそうなものなのに、同じことを繰り返しウルトラマンが、いささかアホに見えてしまう。
メンタル弱すぎですよね。この辺りが初代やセブンより格下に見えてしまいます。

>ちなみにウルトラマンが戦ってる間、1号はまったく怪獣に攻撃してません。
37話でも、「ウルトラマン死ぬ」になってから、慌ててMATガンで攻撃する体たらく。

>郷、アキが作ったと言う、お見舞いのおはぎに目を輝かせ
「エース」10話では星人が化けてたので、食べれませんでしたね。
正体を暴くのが本物の郷で、星人&超獣VS2ウルトラマンなら燃えるのにね。

>えーっと、ウルトラマンって、空飛べるんじゃなかったっけ?
この4話では必ず話題になりますね。

>管理人、特撮ドラマにおいて、これほど手前勝手で傲慢な台詞は聞いたことがない。
僕もまったく同じですね。せめて「ウルトラマンを見習って」ぐらいにすべきでは?

「ちと安易に「柔道一直線」(本作と同じ橋本P、上原氏が参加)やっちまったよなぁ」
と子供の頃から感じている回ですね。
「特訓してリベンジ」は「仮面ライダー」13話の方が「魂が燃える」です。

榊原ルミさん、おみ足いいなぁ!

甲子園球児の様な連戦連投お疲れ様です(^^)d
ルパンも三世がいるから、怪獣もきっと・・・・
なんて当時は思ってました(笑)

私は生まれも育ちもド田舎でしたので、
UHF 局の電波の届かない地域の小生は、
放映日の夜には隣町の親戚の家迄
見に行ってました(泣)
帰りにはレコード屋さんで「怪獣音戸」が
B面の主題歌を購入。「MAT の歌」
基地は海底~♪より印象に残ってますね。

スルッと(ズルッと?)出てきた怪獣は
知恵の働く悪い奴 キングザウルス三世だぁ
それでどうした悪い奴 ウランを食べて大暴れ
ついでにバリアで身を守る?

とかいう歌詞だったかな?
本当に光線と必殺技の無駄遣いは止めてね、郷さん。
くどいですが、アキ(榊原ルミ)さん、おみ足綺麗!

Re: ドラマ

三角関係に発展したら面白かったでしょうね。

Re: 早くも4話で!

> 「レオ」のダンって基本、それしか頭になかったような?

ギャグで書いたんですが、我ながら真実を言い当ててるなぁと思いました。

> 37話でも、「ウルトラマン死ぬ」になってから、慌ててMATガンで攻撃する体たらく。

ウルトラマンが戦ってる間、MATが何もしないのは、撮影が煩雑になると言うスタッフの事情もあるんでしょうか。

> 僕もまったく同じですね。せめて「ウルトラマンを見習って」ぐらいにすべきでは?

ひょっとしたら、脚本段階ではもうちょっと活躍する予定だったのかも?

> 「ちと安易に「柔道一直線」(本作と同じ橋本P、上原氏が参加)やっちまったよなぁ」
> と子供の頃から感じている回ですね。

それに、足を怪我してる状態で特訓しても、あまり意味ないですよね。

Re: 榊原ルミさん、おみ足いいなぁ!

> 甲子園球児の様な連戦連投お疲れ様です(^^)d

ありがとうございます。

> 放映日の夜には隣町の親戚の家迄
> 見に行ってました(泣)

凄い熱意ですね。

> スルッと(ズルッと?)出てきた怪獣は
> 知恵の働く悪い奴 キングザウルス三世だぁ
> それでどうした悪い奴 ウランを食べて大暴れ
> ついでにバリアで身を守る?
>
> とかいう歌詞だったかな?

細かいところまでよく覚えておられますね。

> くどいですが、アキ(榊原ルミ)さん、おみ足綺麗!

ユリ子姫と一緒に水着姿とか披露してくれてたらなぁ……と思います。

スペシウム光線があの形なのは?

「プラスとマイナスのエネルギーをスパークさせるため」
(これは「劇中での理由」)と僕は半世紀信じていましたが・・・

NHK「チコちゃんに𠮟られる」によると
「光線の合成が大変になるので、手が動かないようにするため」
これって「撮影技術上の理由」じゃね?と思いましたが、まぁいいや。

しかし、光学作画って「手描き」の地味な作業だったんですね・・・

アキ

>丘隊員に向けたこの笑顔が、めっちゃ怖い……。
しかし、こう郷さんが男前過ぎると、心が休まりませんなぁ・・・
そのアキの幸せがようやく確かなものになる矢先での・・・

37話って子供の頃は「ウルトラマンが負ける見たくない話」「逆転する次回の前振り」
と感じていましたが

「真面目に生きている」市井の人の「ささやかな幸せ」が
「己の欲望のためだけ」に「目的のためなら手段を選ばない」外道に踏みにじられる
お話だったんだと思う今日この頃です。

不可あるも可もあり

怪獣との戦いの部分はかなりツッコミどころ満載で,全体として残念な出来ですが,それでも郷とアキの関係を描くところが良く,好きなエピソードです。丘隊員とのダブルヒロイン感が(あっけなくこの1回きりだったので余計に)最高です。郷の見舞いに行くアキが靴を脱いでしまうところ,可愛かったですね。それにしても郷の入院した病院,どうしてあんな不便な場所にあるんでしょう。

ロングヘアー丘隊員最終回

 キングザウルス3世、地球怪獣なんですよね。
飛行状態では破れないバリアーなのかと考えたりもします。

Re: スペシウム光線があの形なのは?

> NHK「チコちゃんに𠮟られる」によると
> 「光線の合成が大変になるので、手が動かないようにするため」
> これって「撮影技術上の理由」じゃね?と思いましたが、まぁいいや。

ああ、どっかで聞いたことありますね。

確かにそれじゃ答えにはなってないですよね。

Re: アキ

別に死なせなくても良いのにと思います。

Re: 不可あるも可もあり

> 丘隊員とのダブルヒロイン感が(あっけなくこの1回きりだったので余計に)最高です。

なんかドキドキしますよねえ。そこをもっと広げれば面白かったのに。

Re: ロングヘアー丘隊員最終回

> 飛行状態では破れないバリアーなのかと考えたりもします。

そうかもしれませんね。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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