第32話「轟け稲妻スパイク!~灼熱のビーチバレー殺人事件」(2006年8月5日)
江ノ島の見える赤坂のビーチで、海の家の場所取りの為に毎年行われているビーチバレー大会を中止しろとの脅迫状が、実行委員長の鈴本と言う男のもとに届き、雷と高村が捜査に赴く。
ちなみにタイトルには「灼熱」とあるが、画面上の空はどんよりと曇って寒々しく、海も思いっきり時化ているのだが、そこはそれ、カッと燃える真夏の太陽のもとでの出来事だと、各自で脳内変換して頂きたい。
鈴本は、警備の意味もかねて、自分の代わりに高村と雷にビーチバレー大会に出場してくれと言い出す。

雷「だけど、お店の場所を決める大事な試合に私たちなんかが出ちゃまずいですよ。それに私、出来ません」
鈴本「いや、お願いします。僕のパートナー、入院しちゃってて……それにあなたみたいな美しい方に出て頂ければ」
雷「美しい?」
雷、当然、断ろうとするが、鈴本の一言で、

雷「行きますよーっ!」
次のシーンでは、タンクトップに色気のない半パンと言う、あまり嬉しくない衣装に着替え、楽しそうにビーチバレーをしているのだった。
フットサンの時と全く同じパターンだが、雷、意外とお世辞に弱いタイプなのだ。
目下5年連続優勝と言う、鮎川こずえ(笑)と竹村透の優勝候補ペアを相手に有利に試合を進める高村&雷の即席コンビ。

相手コートに見事なアタックを決めて喜ぶ雷だったが、

レシーブしようとして飛び込んだはずみに、鮎川が腕を痛めてしまう。
医療係「大丈夫です。一応テーピング貼ります」
鮎川は大会専属の医療係の女性に連れられて、一旦コートを出て奥に引っ込む。

雷「だいじょぶですかねえ」
性格の良い雷は、相手チームの負傷を喜ぶどころか、本気で心配していた。

鈴本「だいじょうぶ、だいじょうぶ、それにしても絶好調ですね。ま、この調子でお願いします」
ビデオカメラで試合の様子を撮影していた鈴本、気軽に請け負うと、店の中に入っていく。

雷「あんまり脅迫状の心配をしてないみたいですね」
高村「うーん」
柴田「ほんとですねえ」
雷「うーん、うん? 柴田さん! なんでここにいるんですかっ」
高村の横に座って話していた雷、いつの間にか柴田が湧いているのに気付いてびっくりする。
柴田「ずるいですよ、私を置いてけぼりにして遊びに来るなんて」
雷「一応、潜入捜査なんですけど」
それにしても、雷、ビキニとまでは言わないが、もうちょっと露出度の高い衣装でプレーして欲しかった。
これじゃあ、小学生高学年か、親と一緒に来ている中学生みたいである。
まぁ、それはそれで雷らしくて可愛いんだけどね。
でも、良く考えたら「ケータイ刑事」のヒロインって、水着着用はまったくと言って良いほどないんだよね、確か。海がテーマになっている「銭形海」ですら、水着になることは一度もなかったのだから、これでも良しとせねばなるまい。

テーピングにしてはいささか時間が掛かりすぎの感じもしたが、やがて鮎川が腕にテープを巻いた姿でコートに戻ってきて、試合再開となる。
だが、試合再開後、急に相手チームの、特に鮎川の動きが良くなり、一気に形勢逆転となる。

鮎川の強烈なアタックを受け止められず、砂に腹這いになる雷。
ああ、これが、ビキニだったらなぁ……。
だが、天はまだ我々を見放してはいなかった。
雷「なんか、急に相手の動きが良くなりましたね」
高村「えー、やっとやる気になったか、ふふっ」
余裕を見せる高村だったが、その後も鮎川の猛攻に手も足も出ない二人。

雷「あんっ」

雷「くっそぉ~」

彼女にしては珍しい呪いの言葉を吐きながら、相手チームを睨む雷。
そして我々は、この短いシーンにおいて、飛び込んだ拍子にずり下がった短パンとタンクトップの間から、スクール水着のようなネイビーの水着が覗いていることに気付き、大変嬉しくなるのだった。
ついでに、気前良く、その短パンを脱いでくれてたらなぁ……。
試合のほうは、あっという間に同点に追いつかれ、逆に大差をつけられてしまっていた。
そのうち、沖のほうへボールが飛んでいき、それを取りに柴田が海へ入っていく。

雷「高村さん、大差ついちゃいましたね」
高村「諦めたら終わりだ」
雷「はい……よしっ!」
などと話していると、沖へ出た柴田が彼らの眼前で溺れ、浜辺に引き揚げられるという事態となる。
なお、この一連のシーン、オフィシャルブックによると、柴田役の大堀さんが、シリーズ中でも一番きつい撮影だったと述懐しておられる印象深いシーンなのであるが、諸事情により、画像はすべてカットさせて頂きました。

雷「柴田さん、死んじゃいやっ!」
高村「医療係いないぞ」
意識のない柴田を取り囲んでおろおろしている雷と高村。
さっきの医療係の女性を目で探すが、何故かその姿が見えない。
雷「高村さん、人工呼吸を」
高村「よし……できないっ」
高村、柴田の顔に自分の顔を近付けるが、(そのあまりの醜さに)寸前で断念する。
雷「じゃあ私が……出来ませんっ」
高村「仕方ないか、諦めよう」
雷「はい……いいえっ、いいえっ、やりますっ」
一旦は(そのあまりの醜さに)自分も断念した雷だが、

雷「……」
覚悟を決めて、柴田の汚れ切った唇に、汚れのない瑞々しい唇を重ねようと屈み込むが、その体を押しのけて柴田の前に膝を突き、人工呼吸を始めたのが、意外にも、相手チームの鮎川であった。

雷「気道確保、鼻腔封鎖、呼気注入! おおーっ」
その、まるでプロの救助員のような見事な人工呼吸を、感嘆の声を上げて見守る雷たち。
やがて、口から海水を吐き出し、柴田は意識を(別に取り戻さなくても良いのに)取り戻す。

雷「柴田さん、良かったぁ。ありがとうございます!」
雷の感謝の言葉に、サムズアップで微笑んでみせる鮎川。
ある意味、スポーツマンシップ精神溢れる、なかなか爽やかな場面であったが、試合のほうはあっさり雷たちの敗北に終わってしまう。

雷「お店の場所とられちゃいました。ごめんなさいー」
店員「だいじょぶでーす」
雷、申し訳なさそうに鈴本に謝るが、鈴本の姿はなく、外国人の店員が代わりに答える。
高村「まあ、しょうがないか」
雷「はい」
だが、その時、その鈴本の死体が発見されたという知らせが雷のケータイに入る。
死体は、試合会場とは別の浜辺で、砂に体が埋まった状態で発見された。

高村「あれー、着替えちゃったの、もったいない」
雷「捜査に水着は不謹慎です」
雷が、いつもの制服に着替えているのをも見て、つまらなそうな声を出す高村。
雷「高村さん、これって?」
高村「例の脅迫状に関係があるのかもしれないね」

柴田「後頭部を角材で殴られたことによる脳挫傷、死亡推定時刻は11時ごろです」
雷「私たちの試合の真っ最中ですね」
柴田「第一発見者は若者のグループ、すいか割りをしようとしたとき、死体を発見したそうです」
高村は、すいか割りのスイカと間違えられて撲殺されたのだと言う珍推理を披露するが、寝ている人間の後頭部をどうやって殴れるのかと雷に一蹴される。
無論、これは殺人事件で、別の場所で殺されて、ここに埋められたものだと考えられた。
その後、関係者に事情を聞く雷たち。
と言っても、今回容疑者になりうるのは鮎川と竹村のライバルチームくらいしかいない。

雷「あなた方は鈴本さんと折り合いが悪かったようですね」
鮎川「あっは、私たちを疑ってるの?」
雷「あ、いいえ、確認をしているだけです」
鮎川「だいたいね、あの人が殺された時、私たちは試合をやってたでしょう? あなたが一番良く分かってる筈じゃない」
高村「そうだよ、銭形君、僕らがアリバイの証人だよ」
雷「ええ、そうですね……」
だが、聞くまでもなく、犯行時刻、雷たちと試合を行っていた彼らには鉄壁のアリバイがあった。

高村「良くないよ、さっきの態度、犯人扱いじゃない? 彼らはコートにいた。犯行は不可能だよ」
雷「でも、こずえさんは一度コートを離れましたよね、その後、すぐに鈴本さんもコートを離れました」
死んだ鈴本の「海の家」で、カキ氷を食べながら話している二人。
背景に見える荒れ模様の海と灰色の空の下では、ちっとも美味しそうに見えないのだった。
そこへ柴田が来て、鈴本の家のゴミ箱から、文字を切り抜いた新聞を発見したと報告する。
高村「これってまさか?」
雷「脅迫状を作る為に使ったんですね」
高村「じゃあ脅迫状を作ったのは鈴本自身ってこと?」

高村「でも、何故さぁ、鈴本さんは脅迫状なんか作ったんだろう?」
雷「私たちを呼ぶ口実だったのかも知れませんね」

雷「一度整理してみましょう。試合です。まわりにはギャラリーがいて、その中に鈴本さんもいました。途中、こずえさんが腕を痛めて、医療係と一緒にコートを離れます。その直後、鈴本さんもその場を離れました。そして一、二分後、こずえさんはコートへ戻ってきた」
高村「あ、医療係だ!」
コートの模式図を見ながら、関係者の行動を整理して見ると、俄然、医療係が怪しく思えてきた。
早速医療係から話を聞くが、鮎川のテーピングをした後、医療用の備品をひとりで整理していたと言うことで、明確なアリバイはなかった。
続いて、もう一度、今度は鮎川こずえひとりを呼んで話を聞こうとするが、

柴田「あの、先ほどはありがとうございました。お陰で助かりました!」
さっきはいなかった柴田が、命の恩人である彼女に最敬礼で頭を下げる。

鮎川「えっ? あっ、ちょっ……あーっ、ああっ」
ところが、それに対し、鮎川は明らかに戸惑ったような顔をする。が、すぐ、それを誤魔化すように大して暑くもないのにサンバイザーをうちわ代わりにして、しきりに自分の顔をあおぐのだった。

その様子を不審そうに見詰める雷。
本来なら、その時点で真相に気付いてもおかしくない雷だったが、尺の都合で、ヒントに気付いたことを示す「よどむ、悪の天気」と言うフレーズを口にするにとどめる。
CM後、暇なので、双眼鏡で、足止めされているギャラリーの女の子のビキニ姿を覗き見ながらヒソヒソ品定めをしているスケベな高村と柴田。
と、高村の後頭部に衝撃が走り、その画面が激しく揺れる。

高村「いてーっ!」

驚いて振り向けば、お盆を持った雷が、噛み付くような顔で立っていた。
雷「もうっ、なにしてるんですか、二人とも」
高村「なにって……」

雷「の・ぞ・き・ま!」
雷が、スケベな中年おやじたちに正義の鉄槌を下そうとお盆を思いっきり振り上げた時、シャツの下にかなりはっきりとブラが透けて見えて、ちょっと嬉しくなるスケベな中年おやじの管理人であった。

高村「あーっ、ちょっと待って」
雷「……」
高村「いやぁ、華やかな水着に誤魔化されることなくさ、中身の人間を見つけることが刑事に必要なんだから」
なおももっともらしい言い訳をする高村に、
雷「うにゅっ!」
高村「あっと!」
可愛らしい唸り声を上げてお盆を振り下ろそうとした雷だったが、高村の何気ない一言からヒントを掴み、動きを止める。
雷「うん? そうか、そう言うことか。外見より中身!」
高村「でしょー?」
雷「謎は解けたよ、ワトソン君」
その後、柴田や高村、ギャラリーのバカたちにも協力してもらって、高波に襲われて溺れたふりをしてもらった上で、鮎川にもう一度人工呼吸をしてくれと頼む雷。
鮎川「無理よ、したことないもの」
雷「嘘、こずえさん、あるじゃないですか」
鮎川「ないわよぉ」
雷「ないんですか?」
雷、鮎川の言葉を聞くと、ここでいつものお仕置きが炸裂する。

鮎川「ちょっと、なにすんのよ?」
雷「こずえさん、あなたが鈴本さんを殺した犯人ですね」
鮎川「言ったでしょう、私はずっと試合をしてた」
雷「じゃあ、どうして柴田さんに人工呼吸をしたことを覚えてないんですか?」
鮎川「……」
それは、鮎川が、その忌まわしい記憶を封印していたからではなく、
雷「あの時、コートに立っていたのがあなたじゃなかったからです」
鮎川はなおも知らぬ存ぜぬで通そうとするが、

医療係「ごめん、しゃべっちゃった」
高村「同じ水着だねえ」
既に彼らは「共犯者」である医療係の口を割らせていたのだ。

雷「ご存知ですよね、こちら、もと全日本のエースアタッカー、中林素子さんです。怪我の手当てをしてこずえさんが戻ってから試合の形勢が逆転しました。あれは入れ替わった素子さんがコートに立ったからです」
雷の説明に合わせて、入れ替わりの様子が再現される。

雷「ビーチバレーでは帽子やサングラスをするのが当たり前です。こずえさんと素子さんの背格好は似ているし、注意して見ないと誰も入れ替わったことに気付きません」
それにしても、女性のお尻は良いですなぁ。
雷は、その入れ替わりを知った鈴本を鮎川が殺したのだと推理する。

竹村「待ってください、確かに我々は反則をしました。どうしても一等地が欲しかったんです。でも、それで人を殺すなんて」
鮎川「もういいわよっ、確かに鈴本は私が殺しました」
パートナーの竹村が来て鮎川を弁護するが、鮎川はヤケになったように自分で罪を認める。
雷「でも、今回の事件は鈴本さんにも罪があります」
高村「どういうこと?」
雷「彼はあなたを脅迫したんじゃありませんか?」
鮎川「ええ、そうです」
再び回想シーン。

二人が物陰で入れ替わった直後(女性のお尻画像は極力たくさん貼っていくのがこのブログの基本理念なのです)、

鈴本「あーあ、撮っちゃった、プロと入れ替わってるところ」
鮎川「鈴本さん!」
鈴本「連続優勝の秘訣」
鮎川「あんたこそ、何企んでるの? あの二人警察でしょ?」
ビデオカメラ片手に現れたのが、鈴本だったのだ。

鈴本「これって詐欺罪だよねえ、あの刑事にこれ見せたらどうなるかなぁ? あらぁ、良いケツしちゃってんねえ」
嫌がる彼女のボディをねちっこく撮りながら、やんわりと鮎川を脅す鈴本。
……
……
……
てめえに尻フェチを名乗る資格はねえっ!! ……あ、別に名乗ってなかったか。
すいません、女性のお尻のことになるとつい我を忘れてしまう性分でして。
鮎川、その代償としてお金を要求され、カッとなって角材でぶん殴ったら死んじゃったのだと言う。
鮎川「人を呼ぼうかと思ったんだけど、良く考えたら試合をしてることになってる。アリバイもある……」
こうして、偶然にも鉄壁のアリバイを手に入れた鮎川は、死体を砂の中に埋めて、素知らぬ顔をしていたのだった。
ラスト、いかにも寒そうな海の中に入る雷だったが、結局最後まで水着は見せてくれず、男性視聴者をがっかりさせるのだった。
以上、ストーリーはシンプルだが、久しぶりにすっきりしたトリックが使われていた力作であった。
これで雷の水着があればなぁ……(しつこい)
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