第51回「急げコセイダー 恐竜絶滅を救え」(1979年6月22日)
いよいよ最終エピソード突入である。
と言っても、51話と52話の2話だけなんだけどね。
冒頭、夜の白亜紀の大地に(何の目的でやってきたのか不明だが)コセイドン号が着陸する。
間を置かず、船のセンサーが強力な電磁波をキャッチする。
ついで、まるで夜が明けたかのように、空がオレンジ色の光を帯びてくる。

テツ「まさか、まだ2時だ」
アルタシヤ「隊長、右上空に飛行物体を確認、高度4万5000」
バンノ「おおっ」

アルタシヤの声に頭上を見上げると、なんと、巨大な溶岩のかたまりのような球体が明滅を繰り返しながら、ゆっくりと降下してくるではないか。
ゴウ「隕石か」
モリィ「それにしちゃ、落下速度が遅過ぎる」
ゴウ「見ろ、炎が前方に噴き出してる」
テツ「逆噴射でブレーキをかけたんだ」
バンノ「宇宙船か」
少なくともそれは人工物のようであったが、今まで彼らが見てきた宇宙船とはまるでタイプが違っていた。
アルタシヤ「隊長、凄い熱です。摂氏50度を越しました」
バンノ「モリィ、推測落下点をキャッチしろ」
モリィ「了解」
それは逆噴射で制動をかけつつ、徐々に地表に近付いていたが、人工太陽とでも呼ぶべき凄まじい熱量を有し、その膨大な輻射熱で、一気にその一帯の気温が上昇し、空間ごとサウナの中に閉じ込められたような状態になる。
やがて森の一部から炎が吹き上げ、見る見る大規模な山火事に発展する。

海水も熱湯となって煮え滾り、水棲恐竜たちが苦しそうにのたうちまわる。
ゴウたちは外に出るが、茹だるような暑さに喘ぎつつ、突然灼熱地獄と化した白亜紀の世界を、ただ茫然と見ているしかなかった。

球体はやっと、コセイドン号の前方に着陸するが、着陸と同時に爆発を起こし、視界から消えてしまう。
落下の衝撃で爆発して四散したのではなく、そのまま地下に潜ったらしい。
もっとも、球体が地上から消えた為、気候もほどなく正常に戻り、再び清涼な夜のとばりに包まれる。
バンノ「どうもただの宇宙船とは思えんな。きっと何か起こるに違いない……」
無論、これだけで事態が収束するとは思えず、バンノは厳しい表情を崩さない。
翌朝、コセイドン号から4機のメカが出動し、あの球体の行方を空陸から捜索する。
その途中、ファイタス1号のテツは、森の中で人影のようなものを目撃したと言って、ゴウと二人で確かめに行くが、誰の姿もない。
その代わり、かなり深い四角いくぼみが人間の足跡のように交互に続いているのを発見する。

テツ「相当重いものの歩いた跡だな」
ゴウ「と言うことは、人間の足跡じゃないな。ロボットか?」
一方、ファイタス2号のモリィは、上空から球体の落下で生じたと思われるクレーターのような穴を発見するが、場所を報告しようとした途端、穴の中から激しい銃撃を浴びせられ、あえなく墜落する。
ファイタス2号がどうなったか不明だが、モリィは奇跡的に無傷で、機を捨てて森の中を徒歩で移動していた。
そのうち、ヘルメットのインカムを通して、モリィの声がコセイドン号のバンノの耳に入ってくる。
モリィ「二人いるな? 早く出て来い!」

モリィ「あははは、ビューティフル」
バンノ「なに、ビューティフル?」
森の中で誰かの気配を感じて威嚇の声を発していたモリィが、急にトンチンカンなことを言い出したので、バンノは首を傾げる。

果たして、モリィを前後から挟むように現れたのは、同じ制服を着た、二人の若い女性だった。
女にからっきし弱いモリィが、たちまち軟化したのも無理はない。
もっとも、モリィはビューティフルと言ってるが、実際はどちらもあまり美人ではないのが残念である。
モリィ「あんたたちなの、宇宙船に乗ってたのは?」
が、二人が無言で近付いてくるのを見て、漸くモリィも緊張感を取り戻し、銃を抜いて身構える。

モリィ「よるな、近寄ると撃つぞ!」
モリィ、やむなく二人の足元に威嚇射撃をするが、二人は全く動じることなく迫ってくる。
モリィ「来るな、よるなーっ!」

モリィ「こいつら人間じゃない」
バンノ「お、おい、どういう意味だ? おい、モリィ!」
ヘルメットを脱いで、インカムに口をくっつけんばかりにしてモリィを呼ぶバンノだったが、モリィのインカムは故障しているらしく、向こうの音声は入るが、こちらからの声は一切届かない。
ちなみにヘルメットを脱いだバンノの顔が、若い頃の
稲川淳二に似てるな、と思った管理人だった(知るか)。

モリィ、覚悟を決めて引き金を引こうとするが、女の一人がその銃を奪うと、素手でバキッと真っ二つに折ってしまう。
逃げ出したモリィを、二人はしつこく追いかけてくる。

モリィ「ねえ、やめて、こないで、私いじめないでよ、私、弱い人間なんだからぁ、もう、やめて、僕何もしてないじゃない、悪いこと、ゴメン、頼むからいじめないでよう! お母ちゃん、お母ちゃん助けて! ひいい」
逃げ場のところに追い詰められたモリィ、恥も外聞もなく、ありったけの弱音を吐いて怯えまくる。
最後の、幼児退行したような「お母ちゃん!」と言う言い方が、これも稲川淳二が、幼い子供が怖いものに遭遇してびびりまくってる時の語りに似ている(知るか)。
結局モリィはそこから落ち葉の積もった谷底に転落するが、起き上がらず死んだふりをしていると、二人はそれ以上深追いせず立ち去ったので、なんとか命拾いする。
が、四方にはとてもよじ登れそうにない崖がそそり立ち、どうやってコセイドン号まで戻れば良いのか見当もつかない。

と、近くに小さな洞窟が口を開けているのを発見して、そこから別の場所に抜けられるのではないかと考え、その入り口に立つモリィ。

ちなみにここは、こないだやった「帰ってきたウルトラマン」36話にも出てきた洞窟で、丘隊員が立ってたのとほぼ同じ場所だと思われる。
丘隊員はそこで吸血鬼の女性に襲われたが、モリィは足元が崩れて、得体の知れない闇の中に吸い込まれていくのだった。
CM後、いささか芸がないが、ビックラジィーのハクアス2号も、クレーターを発見した直後に撃ち落されてしまう。
ついで、ハクアス1号のアルタシヤの前に、

あの女たちがあらわれる。

間に割り込んできたプテラノドンを、腕に仕込まれた銃で撃ち、木っ端微塵にする冷酷な戦士たち。
アルタシヤ、ゴウたちに連絡してから、ハクアスの武器で攻撃するが、

その爆発と共に、女たちは本来の恐ろしげな姿に変わる。
二体のロボットは今まで戦ってきた地球のサイボーグ戦士たちとは桁外れの火力を有し、その切れ目のない凄まじい砲火の前に、ハクアス1号は反撃すら出来ず、アルタシヤは思わず「ゴウ、助けてっ!」と悲鳴を上げる。
近くまで来ていたファイタス1号から、ゴウ、コセイダーに変身して飛び出すが、さしものコセイダーも、ロボットたちの砲撃をかわすのが精一杯で、彼らに近付くことさえままならなかった。
ま、そもそもコセイダーはロングレンジの攻撃手段を持っていないので、こういう相手が一番苦手なのだった。

それでも、なんとか攻撃をかいくぐって懐に入り、接近戦に持ち込むと、

最後はレーザーサーベルで二人を斬り、なんとか撃破することが出来たのだった。
だが、彼らは敵の尖兵に過ぎず、

続いて、あの球体が地中から浮上を始め、ある程度の高度まで上がると静止し、

今度は直接、コセイダー目掛けて激しい攻撃を加えてくる。
ファイタス1号、ハクアス1号、コセイドン号が一斉に援護射撃をするが、球体はあらゆる攻撃のエネルギーを吸収してしまうらしく、全く効き目がない。
さらに、青白いビームを放ち、コセイダーのエネルギーまでも貪欲に奪い取ろうとする。
コセイダー「なんと言う敵だ、私のエネルギーを残らず搾り取ろうと言うのか……」 今更だけど、「コセイドン」の残念なところは、ゴウがコセイダーに変身すると、声ばかりではなく、そのキャラクターまで別人になってしまうことである。
初期の頃は、変身後もゴウが喋ってたんだけどね。
やがて、球体が満足したのか、ビームを引き揚げて上昇を開始する。

コセイダー「待て、貴様は何者だ? 地球を襲った訳は何だ? 答えろ!」
コセイダー、なんとか起き上がると、球体に向かって叫ぶ。
まさか答えは返ってこないだろうと思いきや、

声「攻撃の理由は何もない」
コセイダー「なんだとっ」
球体が、コンピューターっぽい声で、しかも、日本語で答えてくれるのだった。
声「私は戦う為に作られた兵器、ノヴァーだ。到着した星に住む生命体を残らず滅ぼすようプログラムされている。ノヴァーは、その指示に従うのみだ」
ノヴァーは、地球から遠く離れた別の星系で作られたが、戦いの最中に軌道が外れ、それから15万年もの間、宇宙を彷徨い続けてきたのだった。
声「あのロボットは私が旅のつれづれに作ったものだ。しかしロボットの報告ではこの星には私の軌道を修正するほどのエネルギーがないことが分かった。この星は無用だ。この星のマグマを吸収した私は、これからあの光り輝く星に向かって旅を続ける」
そう説明しながらも、ノヴァーは天空に煌く星、ほかならぬ太陽に向かって飛び続ける。
また、マグマのエネルギーなどを吸収したせいか、地表から遠ざかっていくのに、その体から放射される熱はさっきよりさらに過酷なもので、

恐竜たちは、あるものは地獄の釜のごとき炎暑に炙られて悶え苦しみ、

またあるものは、大規模な山火事に巻き込まれて、生きながら火に焼かれ、白亜紀はそれまでの静けさが嘘のような、悪夢のような様相を呈すのだった。
そして、あまりに突然の事態に、なすすべもなく立ち尽くすコセイダーの姿を映しつつ、次回へ続くのだった。
と言う訳で、最終エピソードにふさわしい恐ろしい敵の出現に、久しぶりにテンションが上がる「コセイドン」であったが、肝心の球体の正体を、台詞だけで一気に説明してしまったのは勿体無かった。
どうせなら、第4クール全部を使って、この最終兵器ノヴァーのエピソードをじっくり描いて欲しかったところだが、まぁ、いまさら言ってもしょうがない。
引き続き、最終回へ行くぜ!
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