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「青春オーロラスピン スワンの涙」 第13話「更衣室のワナ」

 第13話「更衣室のワナ」(1989年7月3日)

 前回のラストから引き続き、涼子の雇ったチンピラたちからミカを守ろうとして重傷を負い、病院のベッドに横たわっている翔子を、ミカが枕元で心配そうに見詰めている。

 
 翔子「ミカ」
 ミカ「……はいっ」
 翔子「無事だったのね」
 ミカ「はい、コーチ、私の為にすいませんでした」

 だが、ほどなく翔子が意識を取り戻したので、ミカもやっと安堵の笑みを浮かべる。

 知らせを聞いた草薙オーナーとその娘で今回の騒動の張本人である涼子も見舞いに駆けつける。

 
 順子「森谷先生、大変な目に遭われて……」
 翔子「大したことはありません。シンクロで鍛えた体ですもの」

 自信たっぷりに言い切る翔子であったが、今まで劇中で一度もシンクロをやったことがない人に言われても、説得力が悲しいほどにないのだった。

 人を疑うことを知らないミカは、全て涼子の陰険な企みから発したものだとは毛筋ほども疑わず、

 
 ミカ「涼子さん、バッグは無事でした。警察の方が保管してくれています」
 涼子「バッグなんてどうでもいいわ。私が頼んだ為に、ミカさんや森谷先生にとんでもない迷惑をかけてしまったわね。ほんとにごめんなさい」

 涼子は涼子で、自分が首謀者だとはおくびにも出さず、心にもない謝罪の言葉を白々しく並べる。

 涼子、シンクロ選手より、女優を目指した方が大成すると思う……。

 
 ミカ「いいえ」

 涼子の口先だけの謝罪に、一点の曇りもない笑顔で応じるミカ。

 翔子「犯人たちはミカのアキレス腱をナイフで切ろうとしたんです」
 順子「ミカさんのアキレス腱をですって?」
 翔子「ええ」

 
 涼子「……」

 さすがに気が咎めるのか、なんとなく翔子から目を反らしてしまう涼子。

 
 翔子は、そんな涼子の心底を見透かすような鋭い視線を投げる。

 今回の一件がすべて涼子の仕業ではないかと言う微かな疑惑が、その胸の中で疼く。

 無論、何の根拠もなかったが、ことあるごとにミカを目の仇にして追い出そうとしていた涼子の存在が、限りなく黒に近いグレーとして翔子の目には映るのだった。

 
 と、そこへ、騒々しく飛び込んできたのが、「お、まだいたのか?」と言う感じだが、健吾と稔の「肝心な時に役に立たない」コンビであった。

 健吾「ミカちゃん、森谷先生は?」
 翔子「残念でした。私なら無事よ」

 
 稔「なんだいギブスなんてしちゃってさぁ、森谷先生らしくないよ。カッコ悪いなぁ」
 翔子「うるさいわね、いっ、あっああ……」

 稔の軽口に上半身を起こしかけたが、さすがにまだ痛みが激しく、思わず呻き声を漏らすと、再び横になる翔子。

 ミカは、翔子の怪我に障るからと、二人のボンクラを病室から押し出してしまう。

 
 健吾「ミカちゃんのアキレス腱をかい?」
 稔「俺がその場にいれば、こてんこてんにのしてふんづかまえてやったのによぉ」
 健吾「ミカちゃん、犯人に心当たりは?」
 稔「ある訳ないだろ、そんなの引ったくり専門のチンピラに決まってるだろ」

 廊下で、事件について話している三人。

 こうして並んでいるのを見ると、なんだかんだで南淵さん、アイドルっぽいスタイルしてるよね。竹内さんより明らかに脚が長い。ま、実際、アイドルとして売り出していたんだと思うが。

 稔は水泳のやり過ぎで馬鹿になっちゃってるらしく、頭から単なる引ったくりだと決め付けて疑いもしなかったが、稔よりは頭の良い健吾は、「アキレス腱を狙うなんて変だよ」と、当然の疑問を口にする。

 健吾「犯人はミカちゃんを知ってる奴かもしれないよ」
 ミカ「でも、私の全然知らない人たちだったわ。健吾さんの思い過ごしよ」
 健吾「それだったら良いけど……」

 もっとも健吾は、スイミングクラブの詳しい人間関係までは知らないので、誰かが指図してミカを襲わせた、などと言うことまでは推理できない。

 
 健吾「ミカちゃん、なんかあったらすぐ連絡くれよ、僕が真っ先に駆けつける」

 健吾、柄にもなくカッコイイ台詞を吐くが、すぐ稔に押しのけられ、

 
 稔「それを言うんだったら俺だな、ミカ、俺の方が頼りがいがあるぜ」
 健吾「なぁーに言ってんだよ……僕の方が」

 競ってナイト役を買って出る、翔子の1/10も頼りがいのなさそうな仲良しコンビを見て、

 
 ミカ「二人ともありがとう」

 ミカも心の底からホッとしたような笑顔を見せるのだった。

 そこへ草薙親子がやってきて、これから警察へ行ってバッグについて説明してくるとミカに告げる。

 
 順子「ミカさん、ほんとに無事で良かったわ」
 ミカ「はい」
 順子「森谷先生に感謝しないとね」
 ミカ「はい、今夜はずーっと森谷コーチのそばにいるつもりです」
 涼子「……」

 草薙オーナー、話しながらつい自然にミカの手をしっかり握り締める。

 ○○として当然の態度だったが、それがますます涼子のミカに対する敵愾心を煽るとも知らず……。

 草薙親子、凸凹コンビが帰った後、ミカは翔子の病室へ戻り、順子に言ったとおり、徹夜で付き添おうとするが、

 
 翔子「ありがと、でも、私はミカに練習で頑張ってくれた方が気が楽なのよ」
 ミカ「でもぉ」
 翔子「直接ミカの練習を見ることは出来ないけど、FAXで毎日練習カリキュラムを送るわ」
 ミカ「FAXでですかー?」

 ミカも、翔子の性格は知り抜いているのでそれ以上逆らわず、素直に病室を出て行く。

 
 翌日、クラブの更衣室で、涼子が冴子の頬をビンタして、激しく叱責していた。

 涼子「ナイフでアキレス腱切れなんて、あたし言ってないわよ? 私はミカが、バッグを取られてクラプに居辛くなるようにしてくれればそれで良かったの」

 
 冴子「ごめんなさい、私だって連中があそこまでやるなんて思ってみなかったんだもの」

 どうやら、アキレス腱のことは涼子の指図ではなく、冴子の独断によるものだったらしい。

 だが、涼子はそれで悔い改めるどころか、偶発的な翔子の不在を利用して、即座により悪辣・陰湿な謀略を練り上げ、実行に移すのだから、やってることは(アキレス腱うんぬんと)大して違わないんだけどね。

 それにしても、こうして同じフレームで横向きに並ぶと、それぞれの(人間としての)大きさの違いが良く分かるよね。

 
 涼子「ミカを追い出す絶好のチャンスよ」
 冴子「わかっています、ミカひとりなら私たちだけでどうにでもなりますよ」
 涼子「今度は失敗は許されないわ」
 冴子「はい」

 二人のやりとりは、ほとんど、「悪の組織」の首領と大幹部のやりとりであったが、邪悪系の笑みを浮かべていても、冴子はめっちゃ可愛いのだった。

 と、他のメンバーがぞろぞろ入ってきたので、二人は慌てて素知らぬふりを繕う。

 典子たちは当然翔子の怪我について話題にするが、

 
 涼子「今度の事件には私にも責任があるの。ミカさんにも森谷先生にも本当に悪いことしたと思ってるわ」
 千絵「ミカさんは無事だったんですか」
 涼子「ええ、ミカさんにまで怪我をさせてしまったら私、とてもシンクロの練習をする気になんてなれなかったわ。不幸中の幸いね」

 涼子はあくまでしおらしく、自分の非を認めて心にもない謝罪を口にし、ミカの無事を喜んでみせる。

 これは、自分が裏で糸を引いていると疑われない為と、今回の大掛かりな謀略を成功させる為の周到な布石なのである。

 さて、約束どおり、その日から毎日翔子からの練習カリキュラムが事務所のFAXに入り、ミカはそれをもとに他のメンバーとは別に、ひとりで練習に励むことになる。

 が、そんな際にも、涼子は自らミカのコーチ役を買って出て、傍目には親身になってミカに具体的で的確なアドバイスを送っている姿を見せ付ける。

 プールサイドでミカを見ていた草薙オーナーも、まさか自分の娘がほとんど二重人格者のような名女優とは露ほども思わず、そんな二人の様子にすっかり安心して帰っていくのだった。

 
 千絵「良かったわねえ、ミカさん、涼子さんのアドバイスは凄く勉強になるわよ」
 ミカ「ええ、涼子さん、ありがとうございました」
 涼子「森谷先生が現場復帰するまで出来るだけのことはするつもりよ」

 涼子の本音が、「森谷先生が現場復帰するまでに、必ずあなたを追い出すつもりよ」であるとも知らず、ミカも千絵も、涼子の親切を無邪気に喜んでいた。

 だが、その後、ミカがひとりプールに残って熱心に練習している頃、ロッカールームでは、早くも涼子プロデュースによる「史上最大の作戦」が開始されていた。

 
 なんと、典子が財布の中の5000円札がなくなっていると言い出したのだ。

 典子「思い違いなんかじゃないわよ、今日は母の誕生日なのでプレゼントしようと思って用意してたんだもの」
 冴子「抜かれたんじゃないの?」
 典子「まさか」
 冴子「あたし、今まで黙ってたんだけど、これまでに何度かお金を盗まれたことがあるのよ」

 
 景子「私も一度あったわ、でも、自分の思い違いかもしれないし……」

 冴子の告白に、景子も同様の体験を打ち明ける。

 無論、5000円札を抜いたのは冴子自身であり、金を盗まれたと言うのも嘘なのだ。

 景子のケースについても、冴子の仕業だと思われるが、景子の口ぶりではだいぶ前の話のようなので、それこそただの「思い違い」だったのかも知れない。

 
 冴子「やっぱりね、こんなこと一度もなかったのに、ミカさんが来てからよ」

 冴子が露骨にミカの仕業だとほのめかすが、

 
 涼子「冴子さん、変なこと言うもんじゃないわ」
 冴子「だって本当なんだもの」

 すかさず涼子がやんわりたしなめる。師弟(?)の、息の合った名演技である。

 
 冴子「千絵さんは今までなかった?」
 千絵「私はそんなこと……あれえ?」

 
 冴子「どうしたの?」
 千絵「ネックレスがないわー!」

 言い掛けて、念の為、自分のポーチを改めてみた千絵、ネックレスが紛失しているのに気付いて素っ頓狂な声を上げる。

 それも「平成の枕さがし」の異名を取る冴子の仕業であったことは言うまでもない。

 メンバーは、泥棒の仕業に間違いないと警察に相談すべきだと言うが、涼子と冴子はさりげなく議論を誘導して、警察にもコーチにも告げず、自分たちだけで解決すべきだと言う結論に落とし込む。

 冴子「決定的な証拠がいるわね、現場を押さえるとかさ」
 明子「かわりばんこに張り込みしようか?」
 
 などと話していると、練習を終えたミカが入ってくる。

 ミカ「何かあったんですか」
 涼子「ううん、なんでもないの」

 涼子、何故かミカには盗難事件のことは話そうとせず、他のメンバーもつい言いそびれてしまう。

 涼子がミカにだけ言おうとしなかったのは、冴子にはあんなことを言いつつ、本当は自分もミカのことを疑っているのだと、他のメンバーにそれとなく印象付ける為だったのだろう……か?

 もっとも、その後、ミカは仲良しの千絵と景子と一緒にクラブから帰る途中、景子から盗難事件について聞かされる。

 
 ミカ「ほんとなの、千絵さん?」
 千絵「(ネックレスが)なくなってるのは事実なんだけど、私が何処かに落としたのかも知れないし……盗まれたなんて思いたくないわ」
 ミカ「嫌な事件ね」
 千絵「ミカさんが気にすることないわよ」

 まさかそれが涼子と冴子が自分の足元にせっせと掘っている深くて暗い落とし穴だとは知る由もないミカ、他人事のように眉をひそめる。

 一方、冴子と典子は二人で事務室を訪れ、盗難事件について報告していた。

 さっきはコーチにも言うなと言っていた涼子の方針と矛盾するようだが、ミカを罠に嵌める為には、事前に盗難事件のことをコーチたちの頭に刷り込んでおく必要があったのだろう。

 報告を受けた順子やコーチたちも前代未聞の不祥事の出来に困惑の色を隠せない。

 藤木「困った問題が持ち上がりましたね」
 遠藤「関係者以外の人間が更衣室に入るなんて考えられないわ」
 順子「うちの生徒がそんなことする筈ないわ。これは、私の確信です!」

 まさかその仕掛け人が自分の娘だとは知らず、きっぱり断言する草薙オーナー。

 しかし、遠藤コーチは、関係者以外の人間の関与を否定しているが、若い女の子がたくさんいる出入りしているスイミングクラブなんだから、それこそ、けしからぬ目的で忍び込むヤカラがいてもおかしくないと思うんだけどね。どう見てもセキュリティー甘そうな施設だし。

 と、報告を終えて事務室から出て来た典子にミカが話し掛け、5000円を貸してあげると申し出る。母親への誕生日プレゼントをどうしても買いたかった典子は快くお金を借りる。

 だが、ミカが去った後、稲造の顔を見ているうちに、漠然とした疑惑が典子の胸の中に芽生えるのだった。

 一方、遠藤コーチは翔子の見舞いに行ったついでに、盗難事件のことを話す。

 
 遠藤「犯人は仲間内にいるんじゃないか、なんて言う子がいたりして困ってるんです」
 翔子「誰がそんなこと言ってんの」
 遠藤「誰ってんじゃなくて、みんな疑心暗鬼に駆られてるんですよ」
 翔子「ミカはどうしてるのかしら……」

 翔子がひとりごとのようにつぶやくと、遠藤コーチは晴れやかな笑顔になり、


 遠藤「ミカさんはほんとに良くやってますよー。涼子さんが森谷先生に代わっていろいろアドバイスしたり、何かと面倒見てますから心配ないですわ」

 
 翔子「涼子さんが?」

 遠藤コーチの言葉に思わず聞き返す翔子だったが、遠藤コーチは気に留めずに帰って行く。

 
 ひとりになった翔子、即座に「涼子さんに気を付けなさい」とミカへのメッセージをメモ用紙に書くが、すぐ握り潰してしまう。

 翔子(涼子さんはミカに敵意を持っている。でも、それをミカにどうやって伝えたら良いんだろう?)

 スマホのない当時では、病院のベッドからミカにそれを伝えるすべがないのだ。

 ……いや、毎朝送っているFAXの端にでも書けば良いのでは?

 いずれにしても、人を疑うことを知らないミカにそんなことを言ってもあまり意味はなかったと思われる。

 その後、花屋でバイトしている健吾が、ミカに頼まれた花を届けに来る。

 
 それにしても、最近妙に健吾の出番が多いなぁ。

 ひっょとして、そろそろ死ぬの?(註・死にません)

 翔子「これをミカが?」
 健吾「ミカちゃん、もっと高い花を贈りたかったらしいんだけど……」
 翔子「これで十分よ。ミカに何か、変わったところはなかった?」
 健吾「なんとなく暗い感じがしたけど……僕の思い過ごしかもしれない」
 翔子「……」

 で、それこそ健吾にさっきのメモを託せば良いと思うのだが、翔子、一切そう言う素振りは見せない。彼女の目には、健吾がよほど頼りない奴に映っているのだろう。

 だが、結局、翔子が有効な手を打つ前に、ミカは、遂に涼子の仕掛けた卑劣な罠に嵌まってしまう。

 クラブで涼子が、クリーニング屋から衣服を受け取っているところに、ミカが通りがかり、

 
 涼子「ミカさん、悪いんだけど、5000円ほど持ってたら貸して貰えないかしら」
 ミカ「ごめんなさい、私、今持ち合わせなくて」

 
 涼子「弱ったな、私たち、もう練習始まってるのよ。お金はバッグの中にあるんだけど」
 ミカ「私、バッグ取って来ましょうか」
 涼子「それだったらミカさん、私の財布から払っておいて」

 涼子、舌なめずりでもしそうな顔で、ロッカーの鍵を渡す。

 ミカ、気が進まなかったが、なにしろ最近涼子に何かと世話になっているので断れず、ひとりでロッカールームへ行く。

 
 ミカ「いやだなぁ」

 ここでミカが用心して、コーチや友人に立ち会って貰えば何の問題もなかったのだが、誰も見ていないところでロッカーの鍵を開け、バッグから財布を取り出す。

 
 そこへ絶妙のタイミングで入ってきたのが、冴子たちであった。

 無論、冴子は前もってミカの動きを涼子から知らされていたのだろう。

 
 ミカ、ギョッとして財布を床に落としてしまう。

 ま、大映ドラマでは良くあるシーンである。

 「スクール☆ウォーズ」の24話で、平山がスパイクを発見したシーンとかね。

 
 冴子「ミカさん、何してるの、これは涼子さんの財布じゃない。どういうことなの」
 典子「私たちの財布からお金を抜き取っていたのはあなただったのね?」
 ミカ「違うわ、違うの!」

 
 典子「何が違うの? 私に5000円貸してくれたのは、後ろめたいから返そうとしたんじゃないの?」

 嵩にかかってミカを糾弾し、犯人扱いする冴子たち。

 しかし、盗んだ奴がわざわざそんな仏心だすかね? 典子の決め付けは的外れである。

 そこへゾロゾロと他のメンバーも入ってくる。

 明子はすかさず「ミカが財布から金を抜こうとしていた」と、見てもいないことを言い触らす。

 こういう、悪意もなくそんな話を広めるやつを見ると、管理人、とりあえずバズーカ砲を撃ちたくなる。

 ミカが急いで事情を説明していると、涼子と藤木コーチも姿を見せる。

 ミカ「私は涼子さんに頼まれたんです、涼子さん、そうですよね」

 
 てっきり、「そんなこと知らないわ」と切り捨てるのかと思いきや、涼子は「ええそうよ、私がミカさんに頼んだの」とあっさり事実だと認めてくれる。

 
 涼子「ミカさん、嫌な思いさせちゃってごめんなさいね」
 ミカ「いいえ、誤解が解けたんですから」

 涼子の言葉を聞いて、ミカは心の底からホッとして鍵を返してロッカールームを出て行く。

 これでは何の意味もない、と思いきや、涼子の罠は実はここからが本番だったのだ。

 
 涼子「藤木先生、ほんとは違うんです。私、ミカさんに何も頼んでないんです。常識で考えて私の財布からお金を取って支払いしてなんて他の人に頼める訳がないわ」
 冴子「だったらやっぱりミカが」
 涼子「あんまり可哀想なんで庇って上げてたんだけど、彼女、両親もいないし、生活的にもお小遣いにも困ってるんじゃないかと思って……藤木先生、ミカさんの為にも穏便に取り計らって貰えませんか」

 と、さっきは咄嗟にミカを庇ったまでで、実はミカが犯人なのだとぶちまけてしまうのであった。

 しかし、だったら涼子の言葉を聞いたミカの態度が自然過ぎて逆に不自然だし、ミカの為に口裏を合わせたのなら、何故直後にそれを暴露してしまったのか、その場に明智小五郎の弟子だった翔子がいれば鋭く矛盾点を突くところだが、そこにはシンクロのやり過ぎで馬鹿になった女の子たちしかいなかったので、誰もその点を疑問に思わない。

 と言うか、さっきのクリーニング屋さんが、涼子がミカに頼むのをしっかり聞いてるから、彼に確認すれば一発なんだけどね。

 お金も受け取ってないから、まだクラブにいた筈だし。

 藤木「それはダメよ、ミカさんが犯人と分かった以上、私たちのクラブにおいとく訳には行かないわ」

 それはともかく、藤木コーチは涼子の願いを蹴って、涼子の予想通りの反応を示す。

 さらに「ミカさんの部屋を調べてみたら?」と言う冴子の提案にもあっさり乗ってくれる。

 
 冴子、ミカの部屋に入ると、迷うことなくミカの財布の入っている抽斗を開け、財布の中を見て、「すっごい、10万円くらい入ってるわ」と、さっき自分で入れた数枚の高額紙幣にわざとらしく驚いてみせる。

 
 さらに、「あら、これ千絵さんのネックレスじゃない?」と、これまた自分で盗んで仕込んでおきながら、ぬけぬけと驚いてみせる。

 冴子さんも、シンクロなんかやめて女優になったら良いと思うよ。

 
 千絵「……」

 信じがたい展開に、思わず口をぽかんと開ける千絵。可愛い。

 
 藤木「どうなの、千絵さん?」
 千絵「はい、私のです。でも、信じられない。ミカさんがこんなことするなんて私には信じられない!」

 激しく動揺する千絵だったが、それでもミカに対する信頼は崩れない。

 その後、練習中のミカは、いつになく厳しい口調で遠藤コーチにオーナーのところへ来るよう言われ、プールから上がる。

 事務室(ミーティングルーム?)では、順子と藤木コーチが重苦しい表情でミカを待っていた。

 
 とりあえず、藤木コーチの顔を見るミカが綺麗なので貼っておく。

 藤木コーチはミカの財布と千絵のネックレスをテーブルの上に置き、

 
 藤木「これが誰のものか分かりますね?」
 ミカ「はい、千絵さんのネックレスと私の財布です。千絵さんのネックレス、見付かったんですね」
 藤木「千絵さんのネックレスはあなたの部屋にあったわ」
 ミカ「なんですって」
 藤木「千絵さんのネックレスを盗んだのはミカさん、あなたなのね」

 藤木コーチは「証拠品」を示すと、仮借なくミカを糾弾する。

 
 ミカ「盗んだなんて、私、人の物を盗んだりなんかしません。私がどうして千絵さんのネックレスを盗まなければならないんですか?」
 藤木「ミカさん、私たちはあなたを警察に突き出すとか言ってるんじゃないの。もっと素直になって自分のやったことを認めたらどうなの?」

 ミカも必死に抗弁するが、藤木コーチは頭からミカを犯人だと決めてそんな言葉になど耳を貸さない。

 
 ミカ「……認めるとか認めないとか、私は何もやってない。私は人のものなんて盗んでません!」

 正面から泥棒だと決め付けられた10代の少女としては無理からぬことであったが、ミカは悔しさと悲しさで目に涙一杯ためながら、なおも無実を訴え続ける。

 
 頬に美しい涙を一筋垂らして、唇を噛んでいるミカのアップを映しつつ、14話へ続く。

 しかし、まだ1クールしかやってないが、宮沢りえさん、最初の頃と比べると、格段に演技力が上がってるよね。さすがである。
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コメント

涼子と冴子、悪の枢軸だ・・・(´;ω;`)

早めに更新していただきかたじけないです(泣)

サブタイトルだけでさらにミカに追い打ちをかける出来事の回なんだなぁ~と感じますね。

ま~た前回と同様、涼子は今度はどんな謀略を仕掛けてくるのだと、スクロールしながらのワクワク感。
翔子はずっとベッドの上なので気が気ではないでしょうね。

> 稔「それを言うんだったら俺だな、ミカ、俺の方が頼りがいがあるぜ」

爽やか稔、やはり、存在があるのとないのとではミカにとっても視聴者にとっても精神的な心強さを感じるなぁ~。
健吾は・・・。

しかし、さすがの今回は、更衣室でのデリケートな場所だけに、真の稔でも解決は難しそうですねぇ。涼子と冴子のみが仕組んだので、他にも典子たちも共謀なら切り崩せそうなんだけどなぁ。

遠藤コーチの関係者以外の部分は致し方ないと思うんですよ、目撃者もおらず、被害が限定すぎて(財布の中身を抜き取ったとかネックレス)、内部犯行説に自然と流れが向かってしまう。もっと荒らされていれば外部の犯行に向かい、警察沙汰に発展するところでしょうが、前回の反省からなのかミカだけを焦点に問題を最小限にとどめた、そこが涼子たちの計算高く感じさせたところ。涼子と冴子、悪いヤツよのぉ~。とくに冴子、前回も含めたら、いぢわる冴子のあざなは生易しいので、半グレ冴子のほうがしっくりきますね。泥棒までやってしまった。

いつも前向きで笑顔な遠藤コーチ、心を癒してくれて胸キュンになりますね。この感情はなんなのだろう?
しかし、
>いつになく厳しい口調で遠藤コーチにオーナーのところへ来るよう言われ、プールから上がる。

想像がつかないなぁ~。

>てっきり、「そんなこと知らないわ」と切り捨てるのかと思いきや、涼子は「ええそうよ、私がミカさんに頼んだの」とあっさり事実だと認めてくれる。

私も「あれっ」と足かっくんと思ったら、その後に地獄に落とされた~。

ただ、涼子は墓穴を掘ったな、これでこの更衣室泥棒事件の黒幕は涼子だったとミカ本人に露呈されてしまった。問題はどうやって証明するかだなぁ~。千絵ちゃんまで誤解されたら辛いなぁ。

藤木コーチにはがっかりだ。オーナーの順子は複雑な心境なのだろう。

> 頬に美しい涙を一筋垂らして、唇を噛んでいるミカのアップを映しつつ、14話へ続く。

また、非常に続きが気になる終わり方。実際にTVドラマを見ている感覚と同じですね。
明日くらいにもう最終回まで公開しちゃいましょう(笑)

予想に反して、涼子たちは翔子のケガは感情任せにミカに責任転嫁しませんでしたね。涼子のバッグが発端になってますからね、それにしても、名演技が際立つ回でしたね。役者の役者ですなぁ。
今後の解決はやはり、翔子がキーパーソンになりそうですねぇ。どのように解決していくのか楽しみです。
いつもながら、画像が多く、わかりやすい解説ありがとうございます。この回も夢中になれた回でした。
繰り返しになりますが、早めに更新していただきありがとうございました。(どうか、管理人様のペースで無理のないようよろしくお願いします(汗)他のドラマのレビュー達が(泣))

しかし、まぁ、ミカも初回からここまでされて、凡人なら和解とかもう無理ですねぇ。ミカは菩薩のような心ですなぁ。
まさか、まだミカに苦難の道が?

Re: 涼子と冴子、悪の枢軸だ・・・(´;ω;`)

いつもながらの長文コメントありがとうございます。

> 早めに更新していただきかたじけないです(泣)

はい、今回は特別に予定を繰り上げました。

> 爽やか稔、やはり、存在があるのとないのとではミカにとっても視聴者にとっても精神的な心強さを感じるなぁ~。

数少ないオアシス的なキャラですよね。稔には、もうちょっと見せ場を作ってあげて欲しかったなぁと思います。

稔も健吾も、ミカが一度姿を消して戻ってきてからは、ほとんど出なくなるんじゃなかったかな?

> 遠藤コーチの関係者以外の部分は致し方ないと思うんですよ、目撃者もおらず、被害が限定すぎて(財布の中身を抜き取ったとかネックレス)、内部犯行説に自然と流れが向かってしまう。もっと荒らされていれば外部の犯行に向かい、警察沙汰に発展するところでしょうが、前回の反省からなのかミカだけを焦点に問題を最小限にとどめた、そこが涼子たちの計算高く感じさせたところ。

確かにそうですね。トーサツとかなら別ですが、盗みだけですもんね。

> 想像がつかないなぁ~。

13話、14話で見られますが、なんと言うか、普段は優しい小学校の女性教師が、生徒を叱る時のような顔と言った感じでしょうか。

> ただ、涼子は墓穴を掘ったな、これでこの更衣室泥棒事件の黒幕は涼子だったとミカ本人に露呈されてしまった。

ところが、涼子が事前にせっせとミカに親切にしてたので、ミカは他の人からそれを聞いても、涼子がそんなことを言う筈がないと信じようとしないんですよね~。

> 明日くらいにもう最終回まで公開しちゃいましょう(笑)

いや、そうしても良いんですが、一気に見ちゃうと楽しみがなくなりますから。

> いつもながら、画像が多く、わかりやすい解説ありがとうございます。この回も夢中になれた回でした。

楽しんでいただけて何よりです。

> 繰り返しになりますが、早めに更新していただきありがとうございました。(どうか、管理人様のペースで無理のないようよろしくお願いします(汗)他のドラマのレビュー達が(泣))

いえいえ、私めのような者にお気遣い頂いて、涙が出るほど嬉しいです。

朗報

全国1千万人の南淵くんファンの皆様に嬉しいお知らせです。
怪作「ブラックボード」が新文芸坐で上映されますヨ!
8月4日日曜日、朝9:30開場10:00開映です。

Re: 朗報

情報ありがとうございます。

「ブラックボード」と言えば、スカート巾着ですね。

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zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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