第36話「爆破された結婚式」(1979年10月6日)
「バトルフィーバーJ」厳選再レビューの最後は、愛しのマリアが主役の第36話である。
しかし、細かいことだが、爆発が起きたのは結婚式の後、それも建物の外で爆発しているので、「爆破された結婚式」と言うサブタイトルは正しくないような気がする。
冒頭、エゴスに呼び出されたサロメは、当分ヘッダーが謹慎処分となったと告げられ、その間、自分が代わって指揮を取るよう命じられる。
エゴスは、スクリーンにマリアがショッピングをしている姿を映し出し、

エゴス「こやつを狙え」
サロメ「ミスアメリカ……」
エゴス「バトルフィーバーとは言え所詮、娘、隙が多い。こやつならサロメ、お前にも倒せる」
なにしろ代理指揮官なので、エゴスが具体的な標的を指示する。
ついで、今回の怪人が製造されることになるが、
エゴス「我が子、バクダン怪人よ、生まれいでよーっ! 我が子よーっ!」
怪人「……」
エゴス「我が子ぉーっ!」 サロメ「皇子、どうなされました?」
何故か、いつもと違ってなかなか怪人が製造機の中から出て来ず、エゴスは繰り返し絶叫し、サロメがそれを気遣うと言う、かつてない状況となる。

エゴス「我が子、バクダン怪人よ~、生まれいでよ~っ!」
怪人「……」
戦闘員たちも異変に気付いて、製造機を妊婦の腹でも撫でるように優しく撫でさすったり、機器の調節を行ったりする。
その挙句に、エゴスが一言、
「難産じゃ……」 管理人、のっけから爆笑させてもらったのは言うまでもない。それにしても良くこんなぶっ飛んだシーンを思いつけるものだと感心する。さすが脂の乗り切った頃の上原先生である。

怪人「バクダン怪人!」
もっとも、バクダン怪人は割りとあっさり製造機から出て来る。

サロメ「……」
ハラハラして見守っていたサロメも安堵の笑みを浮かべ、
エゴス「よかったぁ、五体満足に生まれてな……」 無事に怪人を産み落としたエゴスも、しみじみとつぶやくのだった。
最終的に、「一体我々は何を見させられているのだろうか?」と視聴者を戸惑わせずにいられない、摩訶不思議なシーンであった。
なお、これ以降のストーリーとは全く関係ありません!

それはそれとして、早速マリアのテニスルックが拝めて、管理人はすこぶる上機嫌である。

どうせならもっとローアングルで撮って欲しかったところだが、ミニスカから伸びるムチムチしたフトモモや、見えそうで見えないアンダースコートだけでも、十分美味しくご飯が頂ける気がする今日この頃。
で、マリアがテニスをしている相手と言うのが、イトコで近々結婚予定の汀美子と言う女性だった。
サロメはそんなマリアの様子を物陰からじっと窺っていた。

アクセサリーショップで、綺麗なオルゴールの箱を手にとって、内部から流れる音楽(エリーゼのために)を聞いているマリア。
あまりの可愛さに思わず三枚も貼ってしまったが、悔いはない。
マリア「はぁー、うん、これに決めた!」
マリア、うっとり聴き惚れていたが、やがて蓋を閉じて、レジに持って行く。
マリアは、結婚式にイトコに贈るプレゼントの品定めをしていたのだ。
サロメ、そのオルゴールを利用してマリアを窮地に追い込もうと、自分も同じオルゴールを手に入れる。
次のシーンでは、早くも秋山家と汀家の結婚披露宴が行われている。
新郎新婦によるキャンドルサービスと言う、一体何がサービスなのかさっぱり分からないイベントの後、

マリアと、同じくイトコにあたる久美と言う小さな女の子が、それぞれプレゼントを手渡すことになる。
久美は手作りの人形で、マリアは、当然、あのオルゴールであった。
なお、美子は特撮番組にちょくちょく出ていた里見和香さんで、新郎は、死んだ筈のブルース・リーでもなく、もう少しで眉毛つながり夫(註1)でもなく、ゴーグルブラックこと、春田純一さんなのだった。
註1……「もう少しで眉毛」が姓で、「つながり夫」が名前の人である。

美子「何かしら」
マリア「開けてみて」

美子はその場で箱を開け、オルゴールを取り出して蓋を開ける。オルゴールの側面には、「ハッピーな花嫁さんへ マリアより」と言う特注のメッセージが書かれていた。
美子「わー、素敵ぃ、素敵な曲ねえ。ありがとう、マリア」

久美「……」
だが、そのオルゴールを、久美が熱っぽい目でじっと見ていることに、誰も気付かなかった。
久美(あれ欲しいなぁ……)
その後、久美の心の声がわざわざそんなことを言うのだが、これは要らなかったと思う。
披露宴の後、

メイド姿がちょっと可愛いサロメが、プレゼントが積まれたワゴンに近付き、あのオルゴールと、偽のオルゴールを取り替えようとするが、何故か、オルゴールだけが見当たらない。
ともかく、偽のオルゴールをその上に置いておく。
何も知らない係員が、ワゴンごと、それらを新郎新婦の元に運んでいくのを見届け、邪悪な笑みを浮かべるサロメ。
控え室で、親族たちと雑談している新郎新婦。

美子「私、これ気に入っちゃったわ」
飽かず、何度もオルゴールの蓋を開いてはその曲に聞き入っている美子。
でも、「エリーゼのために」って、めちゃくちゃポピュラーな曲だから、なんとなく違和感がある。
まぁ、マリアに対するリップサービスの意味もあったのだろう。
だが、マリア、さすがはバトルフィーバーの一員である。
その旋律の中に、微かな異音が混じっているのに気付き、

マリア「貸して!」
美子「どうしたの?」
真剣な顔でオルゴールに耳を当てていたが、いきなりそれを窓の外へ放り投げ、
マリア「爆弾よ、伏せて!」
その直後、部屋のすぐ外で大爆発が起きる。
さいわい、窓の外には誰もおらず、被害は皆無だったが、そのかわり、その場にいた人たちが、一様に疑いの眼差しをマリアに向けてくる。

五郎「マリアさん!」
マリア「あたしじゃない、あたしじゃない!」
美子「あなたって人は……ひどいわ、私たちの結婚式をめちゃくちゃにするつもりなの?」
マリア「あたしじゃない、あたしじゃないわ!」
家族同然の美子や、幼馴染の五郎にそんなことを言われ、頭を抱えて必死に無実を訴えるマリア。
でも、その威力を見たところ、結婚式をめちゃくちゃにするどころか、新郎新婦を殺す気マンマンなのは明らかで、しかもそれを爆発直前になって自ら投げ捨てるなどと言うのは、どう考えても不自然で、マリアが犯人でないことは分かりそうなものだけどね。
事件のことは、すぐ警察からバトルフィーバー隊に知らされる。

鉄山「そんなバカな、バトルフィーバーの隊員にそんな不心得者はおらんよ。確証はあるのかね? こりゃ何かの間違いだ、とにかく、汀マリアの身柄はワシが保証する」
が、特撮界の理想の上司ナンバー1に輝く鉄山将軍は、言下にその容疑を否定し、マリアへのゆるぎない信頼を示す。
後ろで聞いていたケイコが、思わず尊敬の眼差しを注いだのも当然であろう。
のみならず、警察庁長官に電話し、マリアの釈放を要求する。
と言っても、この時点ではまだマリアは逮捕されておらず、現場検証に立ち会っていた。

鬼塚「これはあんたがプレゼントしたオルゴールだろう」
マリア「あたしじゃない、あたしが仕掛けたんじゃないわ」
鬼塚「控え室にいらした皆さんが証言してるんだ」
マリア「どうして美子に爆弾を? 考えられないじゃない」
鬼塚「動機は嫉妬だ。あんたと花嫁はイトコ同士だし、花婿とは幼馴染だ。その二人が結婚する、めちゃめちゃにしたいと思う。だがいざ爆発と言う段になって急に良心が目覚めた」
マリア「そんな……」
鬼塚刑事を演じるのは、新マンの中の人、きくち英一さんである。
マリアは近くで見ていた美子たちに駆け寄り、改めて潔白を訴えるが、美子たちは視線を反らし、よそよそしい態度を崩さない。
鬼塚は、マリアに手錠をかけて連行しようとするが、

正夫「待ってください、汀マリアを釈放してもらいたい」
鬼塚「ふざけたことを抜かすな」
京介「長官命令だ、さ、良く見ろ!」
京介、長官の署名とハンコのある書類を見せる。
鬼塚「ふん、爆弾魔を圧力かけて釈放かっ」
正夫「マリアは犯人ではないっ」

鬼塚「この女は犯人だ。俺は……俺は20年刑事をやってるんだぞっ!」
ひとまずマリアは自由の身となるが、美子たちにしてみれば、鬼塚が言ったようにバトルフィーバー隊が「圧力をかけ」たようにしか見えず、その疑惑はますます募るのだった。

マリア「ありがとうございました」
本部に戻ったマリア、悲しそうな目で、鉄山将軍に礼を言う。

鉄山「オルゴールを摩り替えた奴がいる。マリア、君は狙われたんだよ」
マリア「狙われた?」
鉄山「君を爆弾魔に仕立て上げようとした奴がいる」
ケニア「エゴス」
鉄山「恐らくそうだろう、なんとしても、爆弾魔の汚名を晴らす必要がある」
正夫たちは、まず、披露宴に出席した全員の身許調べを開始する。

ケニアと神は、その途中、町の掲示板に、マリアの私製の手配書が貼られているのを見掛ける。
それによって、マリアが19才で、身長158センチだと言うことが分かる。
貼ったのは、あの鬼塚刑事であった。

ケニア「おい、やめろ、なんてひどいことをするんだ」
鬼塚「俺は警察をクビになってもやるぞ、手配書は1万枚刷ってある、俺の貯金すべておろしてな!」
ま、心配しなくても、当時の日本では、公文書偽造してる時点で即刻クビになると思いますが……
しかし、こんなことをしてもマリアを有罪に出来るとは思えないし、鬼塚は別にマリアに私怨がある訳でもないのだから、一刑事が私費をつぎ込んでここまでやるというのは、いささか不自然な気もする。
鬼塚も、エゴスの怪人か戦闘員が化けたニセモノだったと言うのなら分かるんだけどね。

子供「この女の人、爆弾魔なんだって」
子供「怖い女の人だなぁ」
マサル「違うよ、マリアさんはそんな人じゃないよ」
手配書を見て、いい加減なことを言う友人を強くたしなめるマサル。
それにしても、二人とも、味のあり過ぎる顔だなぁ。
なお、真ん中の子供は、ダルビッシュ有さんですね(註・違います)
そこへケイコとトモコがやってきて、

トモコ「マリアがかわいそうよ」
ケイコ「そうよ、こんなもん!」
手配書を見るなり、剥がしてくしゃくしゃに丸めてしまう。
一方、サロメは、その手配書を見てほくそ笑んでいた。
サロメ「汀マリアは爆弾魔として抹殺されます、社会的に」
怪人「だが、例の消えたオルゴールを探し出す必要があるぞ。あれが出てくれば汀マリアの潔白が証明されてしまう」

マリア自身、その手配書を見て、くしゃくしゃに丸めながら悔し涙を流し、嗚咽を噛み殺していた。
トモコとケイコも、そんなマリアに掛ける言葉がなかった。
そこへ鉄山将軍が来て、

鉄山「泣いてる場合じゃない、その刑事は君を何処までも追い詰めるだろう、そうなればエゴスの思い通り……爆破したオルゴールには君が刻んだ文字がない。本物は何処かにある」

マリア「……本物」
鉄山の実際的なアドバイスに、漸く一筋の光明を見い出すマリアであった。
CM後、サロメとバクダン怪人が、式場の支配人をつかまえ、本物のオルゴールのゆくえについて訊問している。

怪人「食べたいか、爆弾を?」
サロメ「さあ、思い出しなさい」
支配人「ほんとに知らない!」
手榴弾を口の中に入れられるというえげつない脅しをかけられた支配人、なんとか記憶を絞り出し、親戚の女の子がオルゴールを見ていたことを思い出す。
つまり、式の後、ワゴンに乗せられたオルゴールを久美がそばで見ていたと言うことなのだろう。
そう、言うまでもなく、本物のオルゴールを盗んだのは久美だったのだ。

同じ頃、マリアがショートパンツからはちきれそうなフトモモを全開にして、式場を訪れていた。
ちょうどその前を、サロメたちから解放された支配人が慌てて走っていくのを見掛け、「支配人! ちょっとお尋ねしたいことがあるんです!」と大声で呼びかけながら追いかける。
が、恐慌状態の支配人はマリアの声など耳に入らず、一目散に自分の車に乗り込み、キーをまわす。

その瞬間、車が爆発して、たちまち炎に包まれる。
無論、手回しの良いエゴスの仕業であった。

マリア「はっ、支配人!」
ちなみにこの爆発シーン、今回わざわざ撮影したのか、それとも、ありもののフィルムを流用しているのか、良く分からない。
新撮なら、炎上している車とマリアが同じ画面に映るように撮るだろうから、バンクかなぁ?

鬼塚「はは、押さえたぞ、犯行現場!」
そして間の悪いことに、その瞬間を、しつこく付け回していた鬼塚に撮られてしまう。
疑惑を晴らすどころか、偶然が重なってますます悪い方向へ向かってしまうと言う、視聴者を否応なくヤキモキさせる、実に素晴らしいストーリーテーリングである。
それにしても、鬼塚刑事の、この人の良さそうな笑顔!
ま、別に彼は悪徳刑事ではなく、単に思い込みが激しく、職務に熱心過ぎるだけなのだが。

ハッとして振り向くマリアの横顔を、意味もなく二枚も貼る管理人。
これぞ、キャプ職人冥利に尽きると言うものである。

鬼塚「撮ったぞ、はははは、撮った撮った」
会心の笑みを浮かべつつ、カメラを手にマリアに迫る鬼塚。
傍から見ると、ただのスケベな盗撮魔である。
マリア「あたしじゃないわ」
鬼塚「俺は見た。貴様が支配人を追い詰めるのをな」
マリア「私はオルゴールを探しに来ただけよ!」
鬼塚、その場でマリアに手錠をかけようとするが、そこへ現れた神に邪魔される。

神のバイクの尻にむっちりしたお尻を乗せてその場から逃走するマリア。
神「久美ちゃんが狙われるぞ」
マリア「えっ?」
バイクを走らせながら神が言うのだが、何故、神がサロメが久美を狙っていることを知っているのか、その説明がないのがちょっと惜しい。
二人が久美の家に行くと、部屋がめちゃくちゃに荒らされ、久美の母親が気絶して倒れていた。
既にサロメに連れ去られた後だったのだ。

サロメ「言うこと聞かない子だね、さ、オルゴールは何処へ隠したの?」
久美「忘れちゃった」
サロメ「思い出さないと、ママが死ぬことになるわよ」
久美「私、しらなーい」
サロメ、公園の池のほとりに久美を連れて行き、脅して口を割らせようとするが、久美もなかなか吐こうとしない。
……いや、あんた、母親の命よりオルゴールの方が大事なの?
見境なくオルゴールを盗んだことと言い、マリアが爆弾魔にされていることを知りながら、本物のオルゴールを出さなかったことと言い、こいつ、ただのクソガキじゃないかと言う疑念に駆られる管理人であった。
もっとも、久美がサロメに先んじてオルゴールを盗んでおいたからこそ、マリアの潔白を証明できる余地が生まれたんだけどね。
一方、マリア、公園の中を久美を探して走り回っていたが、しつこい鬼塚が再びその前にあらわれ、

鬼塚「とうとう見つけたぞ、逃がさんぞ、爆弾魔!」
今度はあろうことか、拳銃を取り出して向けてくる。

マリア「……」
さすがのマリアも銃を突きつけられては容易に動けず、その顔に緊張が走るが、

マリア「えいっ!」
豪快にお股をおっぴろげて拳銃を蹴り上げると、

マリア「とおっ!」
その腹にパンチを打ち込んで悶絶させ、再び走り出す。
ショートパンツも良いけど、ここは是非、ミニスカでトライして欲しかったアクションである。
サロメ、久美から首尾よく本物のオルゴールを取り上げるが、そこへ駆けつけたマリアに奪い返されてしまう。
マリアに助けられた久美は、
久美「お姉ちゃん、ごめんなさーい」
マリア「そんだけかいっ!」 
マリア「エゴスにすりかえられたオルゴールよ」
鬼塚「え?」
マリア、ちょうど出会った鬼塚に、証拠のオルゴールを渡す。
やっと自分の間違いに気付いた鬼塚、

鬼塚「ああ、そうだったのか……」
マリア「そんだけかいっ!」 さて、こうなればもう書くことはない。
長くて長くて、途中で頭を丸めて仏門に入りたくなるほど長いラス殺陣を経て、事件は解決する。

ラスト、ショーウィンドーの中のウェディングドレスを、久美と一緒にうっとり眺めているマリア。
マリア「わぁ、素敵ねえ……美子、今頃スイスかな? それともギリシャかしら」
肝心の、美子たちとマリアの和解シーンがないのが物足りないが、マリアの台詞で、二人が既に新婚旅行に旅立ったことが分かる。
久美「お姉ちゃん、早くオルゴール買ってよー」
マリア「素敵ねー」
図々しい久美、自分のやったことも省みず、改めてマリアにあのオルゴールを買ってもらうつもりらしい。

京介「おい、マリア」
ケニア「何見てんだよ、お前にはまだ早いんだよ」
マリア「まっ!」
京介「さあ、久美ちゃん、オルゴール買いに行こう」
そこへ正夫たちがあらわれ、久美を連れて歩き出す。

珍しく5人揃って街中を歩くバトルフィーバーの面々。
ナレ「エゴスと激しい戦闘を繰り広げるマリアも、ウェディングドレスに憧れる、平凡な、ひとりの娘なのである」 ナレーターが最後に締めるのだが、この美味しそうなフトモモの持ち主の、どこが「平凡」なのか、今度じっくり酒でも飲みながら話し合ってみたい管理人であった。
それにしても、このシーンを見てると、やっぱり京介ってロリ……いえ、なんでもありません。
とにかく、これを持ちまして、「バトルフィーバーJ」の再レビューもおしまいとなります。
最後にマリアの画像をたくさん貼れて、大満足の管理人でした。
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