第47話「柴田博士の正体!?」(1984年12月22日)
冒頭、富士山の綿帽子を被ったような白い山頂をバックに、なだらかな山の中腹でメカクローンたちが探知機を手にシルバ専用の巨大ロボ・バルジオンのありかを捜索している。
今まで描かれなかったが、ギアは……ドクターマンは、その存在を知って以来、ずっとバルジオンの行方を捜していたらしい。
そのメカクローンたちを、離れたところから密かに窺っているものたちがいた。
43話と44話に登場した、柴田博士と秀一の師弟コンビである。

柴田「来た、あいつを狙うんだ」
秀一「はい」
柴田「十分にひきつけるんだ、この銃はメカクローンを一発で気絶させてくれる」
銀色の特殊な銃のスコープで狙いを定め、引き金を引く秀一だったが、あっさり外れる。
柴田「このバカチンがぁっ!」 じゃなくて、
柴田「秀一君、落ち着くんだ」
秀一「はい」
が、二発目も外れ、二人はとっとと逃げ出す。
メカクローン、そしてメイスン、サイゴーンに取り囲まれ、絶体絶命のピンチに陥るが、そこへバイオマンが駆けつけ、二人を守る。

メイスン「バイオマン、何故ここへ?」
レッド「メイスン、お前たちがバルジオン探しに本腰を入れ始めたので、マークしていたんだ」
メイスン「おにょれ~、メンクローン、やれえ!」
レッドはピンクとイエローに博士たちを任せ、グリーン、ブルーと共にメカクローンを蹴散らす。

相変わらず、キレッキレのアクションを見せるブルースリー(笑)だが、そのスーツの退色はますます進行し、ヘルメットの鮮やかな青との落差が、まるでスーツを間違えて着ているように見えてしまう。
ちなみに、グリーンツーのスーツも似たり寄ったりなのだが、レッドとピンク、イエローのスーツだけは新品同様の色合いを保持している。
グリーンとブルーのスーツは、他のより色が落ちやすいものだったのだろうか?
一方、執念深い柴田博士は、今度は自ら銃を撃って、見事、メカクローンを生け捕ることに成功する。
博士は、そのメカクローンを、新しく作った改良型良心回路の実験台にしようとしていたのだ。
それを知ったドクターマンは、直ちにレンズメガスと言うネオメカジャイガンを出撃させる。

体に、イボのような、たくさんの目がついた、かなり気持ち悪い造型のレンズメガス。
それらの目はドローンのように本体から離れて飛び回り、広範囲を探査することが出来るのだ。

ドクターマン「サーチレンズで草の根分けても奴らの行方を突き止めてやる」

ドクターマン「バルジオン探しはひとまず置いて、なんとしても良心回路を破壊せよ!」

ドクターマン「柴田博士の正体を今度こそ暴いて見せる!」
ファラ(いちいちポーズつけんと喋れんのか、このおっさんは……) さて、バイオマンと柴田博士、秀一の一行は、捕虜にしたメカクローンを担いで、近くの洞窟の奥に作られた、博士の新たな隠れ家の中に入る。

柴田「これが良心回路の改良型だ。秀一君、良心回路にエネルギーをチャージしてくれ」
秀一「はい」
柴田博士は、直ちにメカクローンを手術台に寝かせ、改良型良心回路を埋め込み、エネルギーを注入しようとするが、良心回路が作動すると同時に、洞窟の中に黄色い閃光が降り注ぎ、史朗たち5人が頭を押さえて苦しみ出す。
柴田「しっかりしなさい!」
史朗「反バイオ粒子エネルギーだ」
柴田「反バイオ粒子エネルギー?」
光は、洞窟のある岩山全体から発光しており、それはバイオベースにいるピーボもキャッチしていた。
ピーボ「バルジオンの反バイオ粒子エネルギーと同じだ、バルジオンが近くにいるに違いない!」
そのうち、良心回路も反バイオ粒子エネルギーの影響でショートしてしまうが、それと同時に、不思議な光もパタッと消え、5人は苦痛から解放されてその場に崩れ落ちる。

柴田「良心回路を外したら、反バイオ粒子エネルギーも止まった……」
ついで、突然地面が揺れ始め、岩山に裂け目が入り、たくさんの大きな岩が落ちてきて、洞窟の入り口を塞いでいく。
なにはともあれ史朗たちは洞窟の外へ出ようとするが、あれこれやってるうちに、史朗と柴田博士だけ、洞窟の中に取り残されてしまう。
博士はピンピンしていたが、史朗はいくつもの岩がぶつかって、一時的に意識を失う。

柴田「史朗、史朗! 死なんでくれ、こんなことで死なんでくれ、史朗ーっ!」
柴田博士、いつになく取り乱した様子で、史朗の頬をピシャピシャ叩いたり、耳元でそのファーストネームを叫んだりして、必死に史朗の意識を取り戻させようとする。
さいわい、史朗はすぐに目を開く。

柴田「郷君、気がついてくれたか、良かった……」
史朗「博士? あなたが俺を?」
柴田「……」
史朗「ありがとうございます、でも、博士はなんともないんですか?」
柴田「いや、夢中だったから……運が良かったんだろう」
史朗の疑問を適当に受け流すと、史朗の視線から逃れるように立ち上がる柴田博士。
と、気を失っている間に聞こえた博士の懸命の呼び声を思い出した史朗、自分も立ち上がると、異様な目付きで食い入るように博士の横顔を凝視し、

史朗「博士、俺のことを……いいえ、何かの聞き間違いでしょう」
柴田「……」
さっきのことを確かめようとするが、自分を無理に納得させて口を噤む。
ほどなく、仲間の手によって二人は無事に救出される。
地震の震源地を調べていたピーボからバルジオンの推定位置を聞かされ、史朗たちの面に緊張が走る。

竜太「この近くにバルジオンがいるんだ」
柴田「バルジオンとはそんなに恐ろしいものなのかね」
史朗「バイオ粒子エネルギーを浴びたものをことごとく破壊する為に作られた巨大ロボだそうです」
真吾「シルバに使われたら、どんな恐ろしい力を発揮するか分かりません」
ジュン「ある意味では、新帝国ギアより恐ろしい敵かもしれません」
5人は柴田博士たちと別れ、バルジオンを探しに走り出すが、案の定、その途中でシルバに見付かり、攻撃される。

その際、両手をクロスさせて身構えるひかるの顔がとても凛々しいので貼っておきました。
生身の史朗たちにバイバスターを向けるシルバの体を勇敢にも突き飛ばしたものがいる。
柴田博士であった。
シルバは当然柴田博士を撃とうとするが、今度は史朗が柴田博士に飛びついて助ける。

シルバ「今はお前たちの相手をしている暇はぬわいっ」
史朗(お前から仕掛けてきたんだろうが……) が、幸い、シルバはバルジオン発見を優先させて、それ以上攻撃はせず、お星様になってぴょんぴょん飛んで行ってしまう。

史朗「だいじょぶですか? ……付け髭!」
今の衝撃でサングラスが割れ、さらにヒゲがニセモノだと判明する柴田博士。
もう隠し立ては無用だと考えたのか、柴田博士、自ら付け髭を毟り取り、その素顔をみんなに晒す。

史朗(一度ならず、二度三度と俺を助けてくれた……あれは空耳なんかじゃなかった)
考え込んでいた史朗、「あなたは、もしや?」と、その両肩に手を置くが、その素顔は、密かに追跡していたサーチレンズに捉えられ、ネオグラードのモニターに鮮明に映し出されていた。

ドクターマン「まさに、郷紳一朗! 貴様、生きていたのか?」
以前、心当たりがあるようなことを言っていたから、予測はついていたのだろう、一目見るなり、ドクターマンはそれが誰か気付く。
ドクターマン「郷史朗、そこにいるのはお前の父・郷紳一朗だ!」
そして、親切にもわざわざ史朗に教えてくれる。

史朗「おやじが生きていたなんて……俺が赤ん坊の頃、死んだと聞かされていたのに……一体どういうことなんですか?」
柴田「郷紳一朗は死んだ、私は君の父親ではない」
史朗「ええっ?」
柴田博士の意外な台詞に戸惑う史朗。
しかし、こうやって並んだところを見ると、二人が本当の親子に見えてくるから不思議である。
冷静に見ると、あまり似てないんだけどね。
だが、史朗が博士の言葉の真意を確かめる間もなく、メイスン、サイゴーンとの長い長いラス殺陣に突入、レンズメガスも撃破して、ひとまずの平穏が訪れる。

史朗(おやじが生きていたなんて……でも、何故、郷紳一朗は死んだ、父などいない、なんて言うんだ?)
父親らしき人物との再会に胸のときめきを覚えると同時に、その不可解な言動に動揺を隠せない史朗。
柴田博士は本当に史朗の父親なのか?
バルジオンは何処に眠っているのか?
良心回路と反バイオ粒子エネルギーとの関係は?
なんでグリーンとブルーのスーツだけ色が檄落ちしているのか?
あと、愛しのファラキャットがなんで出てこんのじゃーっ!
……等々、いくつもの疑問と私情をはらんだまま、さらなる波乱を予感させつつ、物語は48話へ続くのだった。
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