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「青春オーロラスピン スワンの涙」 第16話「水着に秘めた真実」 前編

 第16話「水着に秘めた真実」(1989年7月24日)

 引き続き、伊豆のペンションで働きながら、近くの温泉リハビリ施設で謎めいた老婦人・厚子から厳しいシンクロの特訓を受けているミカ。

 その厳しさは翔子以上であったが、つらいながらも充実した時間を過ごすミカであった。

 同時に、ミカのシンクロ技術がぐんぐん上達して行ったことは言うまでもない。

 
 ペンションの近くの清流で、ペンションの女性オーナーと一緒にわさび採りをしているミカ。

 
 ミカ「採れましたーっ!」

 うーむ、あまりに可愛いので二枚も貼ってしまった。

 

 
 ミカ「水がとても綺麗ですねー。冷たくてとても気持ちが良いわー」

 嬉しそうに、その清流を手で掬ってみる。

 水恐怖症は、最早跡形もなく消失してしまった様子である。

 オーナー「わさびはね、こういうところでしか育たないのよ。水が汚れていたり、温度が高かったりしたらもうそれだけで駄目」

 
 ミカ「人間も同じですね」

 
 オーナー「さー、どうかしら」

 
 ミカ「同じですよ」

 
 オーナー「ほんとにそうかしら?」
 ミカ「……」

 割と逆らうオーナーであった。(註・途中から嘘です)

 オーナー「そうね、少なくともミカちゃんの世代の人は清らかで冷たい水の中で育ってほしいわぁ」
 ミカ「私、わさびかしら?」
 オーナー「ええ、そうよ」(少し面倒臭くなった)

 
 その後、二人で河原に腰掛けてお弁当を食べるが、その間も、ミカの頭はシンクロのことで一杯で、おかずを箸でつまんだまま、厚子から課された新しい振り付けを考えるのに夢中であった。

 ミカ「閃いたーっ!」

 
 早速、美しい滝の前で、ラジカセから流れる軽快な音楽に合わせて、その振り付けを試してみるミカ。

 日本人離れしたスタイルが良さなので、同じ振り付けでも、ミカがやると実に絵になるのである。

 おまけに乳がゆさゆさ揺れるし……

 それをそばで見ていたオーナーは、ミカのはちきれんばかりの若さに嫉妬して、

 
 オーナー(帰りに滝壺に落としてやろうかしら?)

 ……と、思いません!

 OPタイトル後、

 
 先にプールに来て、新しい振り付けの練習に没頭しているミカの大きなお尻が管理人は大好きです。

 厚子は、ミカの振り付けをじっと見詰めていたが、ラジカセを止めると、

 
 厚子「軽やかで伸び伸びしてるのがあなたの特徴だから、それはそれで良いのよ。でもあなたは若いんだから、もっとエネルギッシュにダイナミックに、若さをど~ん! と前へ出さなきゃダメなの」

 身振り手振りを交えてアドバイスする厚子を見て、

 
 ミカ(似てる、森谷コーチにそっくり!)

 心の中で思わずつぶやくミカであったが、どこが?

 別に、「水の喜びを表現しろ」とか、「悲しみを水に溶かせ」とか、「神の水、1本5000円、買え」とか、訳のわからないことは言ってないと思うんだけどね。

 ま、アドバイスがめっちゃ抽象的と言う点では似てるかも。

 続いて、その翔子の姿が映し出される。まだ入院中の翔子の胸の中は、クラブを除名されたきり音信不通のミカのことで一杯だった。

 
 翔子(あなたを探しにいけない自分がもどかしくて、情けないわ。でもね。心配ばかりしてる訳じゃないのよ。ミカは神様に祝福されている子よ、どこかで良い人に出会ってしっかり生きてるんじゃないかとも思っているのよ)

 翔子、まるで台本を読んだかのように想像でミカの境遇を言い当ててしまう。

 しかし、これはドラマで、ミカが必ず無事に戻ってくると分かっているから翔子の独白もサマになるが、これが現実の出来事だったら、ひとさまから預かった巨乳の16才の女の子が行方不明だってのに、そのことを実の父親にすら伝えようとせず、何の手も打たずひたすらミカが戻ってくるのを待ってるだけの無責任な女のつぶやきにしか聞こえなかっただろう。

 (警察に捜索願を出すとか、探偵を雇うとか、尋ね人広告を出すとか)具体的な手立てを講じず、心を痛めている(だけな)のは草薙オーナーも一緒だったが、

 
 当のスイミングクラブの少女たちは割りと明るく談笑していた。

 もっとも彼らにはミカが行方不明などとは知らされていないのだろう。

 明子「ねえ、でもさあ、これからのデュエットの構成、どうすんのかなー? 冴子さんいないし」
 涼子「冴子さんから誰にも連絡がないの?」
 典子「私、昨日、冴子の家に行ってみたの。お母さん言い渋ってたんだけど、冴子、温泉リハビリに行ってるみたいなの」
 涼子「温泉リハビリ? そう言えば冴子のお父さん、交通事故で……」

 涼子、典子の言葉に何か思い当たることがある様子。

 再びリハビリ施設。

 
 ミカ「おはようございます」
 厚子「おはよう」
 ミカ「2時間ほど体が空いたので来てみました。何かお手伝いすることありませんか」
 厚子「別に何にもないわ」
 ミカ「洗濯とか」
 厚子「洗濯は自分でやるからいいわ。そんな暇があるんだったらその辺走って体鍛えてらっしゃい」

 ミカ、日頃のコーチのお礼にと、親切心で申し出たのだが、厚子はいつものように木で鼻をくくったような返事をする。

 
 ミカ「ふーん、だっ!」

 
 ミカ「人が折角来てあげたのに、人間的な触れ合いってモノが全然ないんだから」

 さすがにブスッとして文句を言うミカ。

 ミカにしては珍しい表情で、実に可愛いのだが、

 
 それに続けて、横を向いたときのタコのように尖がらせた口もめっちゃ可愛いのだった。

 と、そこを立ち去りかけたミカの後ろから、廊下を歩く男性職員の話し声が、「待ってました」とばかりに聞こえてくる。

 職員「16号室の椎葉冴子なんだけどさ、部屋に閉じこもったきりでリハビリを受けようとしないんだよ」
 ミカ「冴子さんが……?」

 ちなみに冴子のフルネームが出るのはこれが初めてだっけ?

 椎葉冴子、うーん、実に涼やかな名前だ。彼女の容姿にピッタリ。

 
 その冴子、部屋の真ん中で車椅子に座ったまま、じっとしていたが、ノックの音に「はい」と返事すると、ミカが入ってくる。

 
 冴子「ミカ……何の用なの?」

 ミカはずかずか部屋の奥に進み、勝手に窓のカーテンを開くと、

 
 ミカ「冴子さん、あなた、部屋に閉じこもったままでリハビリを受けてないそうね」
 冴子「あなたには何の関係もないでしょ」
 ミカ「関係あるわよ! あなたは私に意地悪をして私をクラブから追放した人なのよ」
 冴子「復讐すると言うの?」
 ミカ「そうねえ、今のあなたにだったらどんな仕返しでも出来るわ」

 ミカの開き直ったような言い方に、一瞬身構える冴子であったが、勿論、本気でそんなことを考えるようなミカではない。

 
 ミカ「それがイヤだったらリハビリを受けて元気になったらどうなの?」

 
 ミカ「さあ、リハビリを受けるのよ!」

 ドアを開けて、命令するように強い口調で促すミカ。

 
 冴子「……」

 だが、冴子、不安そうな視線を下げたまま、動こうとしない。

 従来の冴子の高慢ちきな態度と比較すると、こういう、うじうじした表情が実に萌えるのである!

 
 ミカ「割とグズなのねえ、私をいじめる時しか積極的になれないのぉ?」

 ミカ、わざと挑発するようにずけずけ言うと、

 
 冴子の後ろに回って、力尽くで車椅子を押し出そうとする。

 冴子「やめて、ミカ、やめて、ミカーっ!」

 
 冴子「やめて、ミカ、お願い!」
 ミカ「リハビリに来た筈よ、だったら心を前に向けて、元気になることを考えたらどうなの?」

 普段のミカとは別人のような強引さであったが、それが、冴子をあえて奮起させるためのものであることは言うまでもない。

 また、その手法(?)は、自分が受けた翔子の強引な指導方法をお手本にしているのだろう。

 そもそも、ミカだって、最初、アキレス腱を痛めて冴子と同じように家の中に閉じ篭っていたのを、翔子に強引に引っ張り出されてるんだもんね。

 
 冴子「ミカ、やめて」
 ミカ「シンクロの選手がじめじめしてどうするのー?」

 冴子もなかなか強情で、リハビリ室の入り口を両手で押さえて、子供っぽく抵抗していたが、

 
 ミカ「体は鍛えてあるんだもの、その気になったらすぐ治るわよ、シンクロは命のきらめき、冴子さんもどんどんきらめいてくれなくっちゃ! さっ!」

 ミカに、翔子譲りの「訳の分からないこと」を言われながら一気に押し込まれる。

 その騒ぎを、ちょうど通り掛かった厚子も、微笑みながら見詰めていた。

 
 冴子「うぎゃーーーっ!」(ドンガラガッタン!)
 ミカ「あ、ごっめーん、ここ下り階段だった。てへっ」
 厚子「……」

 こうして今度こそ本当に冴子を突き落としたミカは、晴れてケーサツの厄介になったそうです。

 「スワンの涙」 完

 ……え、いいから真面目にやれ? わかりました。

 
 
 強引にリハビリ室に連れて来られた冴子、療法士の指導の元、早速リハビリが行われるが、

 ミカ「さあ、勇気を出して、人に意地悪するだけが能じゃないのよ!」
 冴子「ミカ、やめて」

 辺りも憚らぬ大声でミカがそんなことを言うものだから、恥ずかしくてたまらない。

 ミカ「どんどん歩くの……気持ちを前に前に」

 
 冴子「……」

 
 冴子「いっ……」

 負けん気の強い冴子、それでも恐る恐る一歩を踏み出し、ゆっくり歩き始めるが、少し足首を捻っただけで、泣きたくなるほどの激痛に襲われ、顔をしかめて立ち止まる。

 
 ミカ「少しくらい痛いのがなんなの? 骨が折れてるわけじゃないのよ!」
 職員「あんた、少し黙っててくれないかな」
 ミカ「すいません」
 
 自分の仕事を取られそうになった男性職員、たまりかねてミカに注意する。

 職員「でもね、この人の言うとおりだよ」
 ミカ「さあ、頑張って」

 励まされて、再び歩き出す冴子。

 
 歩いているうちに、冴子の目からポロポロ涙が零れ落ちる。

 これは、足の痛みよりも、ミカの優しさに感動しての涙だろう。

 いやー、ほんと、越智静香さん、タイプやわー。画像貼るだけで幸せな気分になれる。

 その後も療法士そこのけの熱心さで、冴子のリハビリに付き合うミカ。

 
 ミカ「だいじょぶ?」
 冴子「ありがと」

 汗だくで訓練する冴子に、すかさず水分補給してやる。

 冴子、可愛すぎるやろ!

 撮影終了後、冴子がちゅうちゅう吸ったストローの所有権をめぐって、男性スタッフ全員による、血みどろの死闘が演じられたそうです。

 冴子、元々大して重傷でもなかったのか、次には早くも補助なしで廊下を歩いている。

 
 ミカ「私のところまで歩くのよ。顔をしかめない、元気な顔して」
 冴子「ふっ、ミカ、ムチャ言わないでよぉ」

 つらく苦しいリハビリであったが、徐々に冴子の心にも余裕が生まれ、そんな冗談が口から飛び出るまでになる。

 
 ミカ「やったわ、凄い回復力よ」

 自分のところまで辿り着いた冴子の頑張りを、曇りのない笑顔で称えるミカ。

 つまるところ、涼子に欠けているのは、この笑顔なのだろう。

 後編に続く。
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コメント

始まりましたか

私と翔子との静かなる闘いが始まりましたか(えっ、まだやってたの(笑))ミカと翔子が再会したときが私の負けなのである。

まず「水着に秘めた真実」ってなんですの?とつっこみたくなりますね。

うむぅ~、完全にミカに水恐怖症ってあったのって感じさせますね。翔子との渓谷の旅が懐かしい。

>そのことを実の父親にすら伝えようとせず、何の手も打たずひたすらミカが戻ってくるのを待ってるだけの無責任な女のつぶやきにしか聞こえなかっただろう。
 (警察に捜索願を出すとか、探偵を雇うとか、尋ね人広告を出すとか)具体的な手立てを講じず、心を痛めている(だけな)のは草薙オーナーも一緒だったが

その通り、至極当然なのです。もしかすると、犯罪に巻き込まれてることも考えられますし。早く、父、節也に連絡を!

> ちなみに冴子のフルネームが出るのはこれが初めてだっけ?

初めて聞きましたなぁ、確かに涼しげなフルネーム。

冴子は何かリハビリができない重大な理由があったのかと思えば、ただ単に、リハビリ自体を拒んでただけだったのか、ちょっと、今までの威勢の割には小心者で意外でした。

> 従来の冴子の高慢ちきな態度と比較すると、こういう、うじうじした表情が実に萌えるのである!

確かにいつも敵対心丸出しの表情から一転、弱い部分を見せられるとコロっといっちゃいますね。

>こうして今度こそ本当に冴子を突き落としたミカは、晴れてケーサツの厄介になったそうです。
 「スワンの涙」 完

一瞬、期待した私であった。ケーサツからミカの身元が割れて、節也に連絡が入り、そのまま”完”で。未成年者を親の許可なく雇っていた、温泉施設が問題となり、ミカは釈放、バレリーナに復帰して、父と元の生活にハッピーエンド。
が、現実はどこも厳しい・・・。

そして、、、
>ミカ「体は鍛えてあるんだもの、その気になったらすぐ治るわよ、シンクロは命のきらめき、冴子さんもどんどんきらめいてくれなくっちゃ! さっ!」

完全に翔子に洗脳されてるやないかい。

>撮影終了後、冴子がちゅうちゅう吸ったストローの所有権をめぐって、男性スタッフ全員による、血みどろの死闘が演じられたそうです。

私もその中に(笑)

ついに、いぢわる冴子からやさしい冴子へ。殺気がなく穏やかな表情。キュンキュンですねぇ。

おっと、まだまだ後編だ、私の闘いはまだ終わっていないのである。

Re: 始まりましたか

> 私と翔子との静かなる闘いが始まりましたか(えっ、まだやってたの(笑))ミカと翔子が再会したときが私の負けなのである。

次回、フツーに再会しますが……

> その通り、至極当然なのです。もしかすると、犯罪に巻き込まれてることも考えられますし。早く、父、節也に連絡を!

ミカが手紙や電話でもしていればまだ分かるんですけどね。

> 一瞬、期待した私であった。ケーサツからミカの身元が割れて、節也に連絡が入り、そのまま”完”で。未成年者を親の許可なく雇っていた、温泉施設が問題となり、ミカは釈放、バレリーナに復帰して、父と元の生活にハッピーエンド。

そんなに終わらせたいんですか(笑)

> ついに、いぢわる冴子からやさしい冴子へ。殺気がなく穏やかな表情。キュンキュンですねぇ。

クラブを退会した後も、結構出番があるのが嬉しいのです。

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