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「気分は名探偵」傑作選 第25話「圭介VS新米女性記者」 前編



 第25話「圭介VS新米女性記者」(1985年3月23日)

 喫茶店マリーでは、あまりに暇なのか、マスターや荒木たちが、こともあろうにカウンターの上にドミノを並べて「ドミノ倒し」を行っていた。

 
 荒木「ひゃっはははははーっ!」

 ドミノをひとつ置いて、「北斗の拳」の悪党みたいな声を放つ荒木。

 後の「2時間サスペンスの帝王」(笑)も、まだまだ若い。

 
 明子「シーッ!」

 声の震動で倒してしまわないようにと、管理人の心のオアシス、明子とかおりが口に人差し指をあてて注意する。

 だが、荒木がおもむろに次のドミノを置こうとしたその瞬間、「荒木ーっ!」と、圭介が叫びながら転がり込んできて、その拍子に荒木はドミノを倒してしまう。

 
 荒木「あっ、あっ、あっ……」
 かおり「きゃーーーーーっ!」

 苦労して並べたドミノが文字通りあっという間に瓦解していくのを、手を束ねて茫然と見ているしかない荒木たち。

 かおり「ああ、もう少しだったのにぃ」
 明子「もったいなぁーっ、あはは」
 荒木「夢野さん!」

 さすがに荒木が声を荒げるが、当の圭介はドミノどころではなく、窓際の壁に張り付くようにして隠れていた。最近、誰かに付け狙われている気がするというのだ。

 圭介、少しくノイローゼ気味で、そのことを所長の聖子にも相談する。

 圭介「探偵なんて商売やってると、いつ何処で誰に恨まれてるかわかんないからなぁ」
 聖子「夢野君、とにかくさ、もうしばらくこのまま様子見てみようよ、誰が何の目的で夢野君のことを殺そうとしているか……」
 圭介「殺すぅ?」
 聖子「いや、いや、違う、違う、そうじゃないのよ」
 荒木「夢野さん、万が一の時は俺がいますから」
 夢野「お前まで芝居じみたこと言ってんじゃないよ!」

 実際、一度、仕事がらみで圭介に逆恨みをした男(座布団を運ぶ為にこの世に生を受けてきた山田隆夫)から、深刻な嫌がらせをされたことがあるので、心穏やかでいられないのだ。

 だが、圭介が事務所を出た途端、

 
 視界に、スカートをめくり上げて剥き出しになった、若い女性の脚が飛び込んできて思わずギョッとする。

 これはストッキングが伝線してないか調べていたのだろうが、実に良い景色(ながめ)ですなぁ。

 
 さらに、その持ち主が、いかにも上品な美女だったので、管理人のテンションは一気に跳ね上がるのだった。

 理恵「見ました?」
 圭介「はい……」
 理恵「いやっだぁ、もう!」

 美女、いきなり圭介の体を突き飛ばす。

 床に倒れた圭介と、その両側に滑り込む聖子と荒木の姿を美女がカメラに収めたところでOPとなる。

 
 理恵「清水理恵です、よろしくお願いします!」

 OP後、美女、清水理恵が元気にみんなに挨拶している。

 演じるのは、いかにもいいとこのお嬢さんと言う気品が漂う岡本舞さん。

 聖子「理恵さんはね、週刊レディースの記者さんよぉ」
 理恵「今度、うちの雑誌で名探偵24時と言う記事を書くことになりまして、で、今日一日夢野さんの助手として探偵業を実地体験させていただくことになりました」
 マスター「いやぁ、この若さで美しくて記者さんだなんてえらいねえ」
 聖子「そう言うことだからみんなよろしくね」

 フレッシュな美女を迎えて、マスターをはじめみんなウキウキした気分で理恵をもてなすが、ひとり圭介だけはブスッとしてそっぽを向いている。

 
 圭介「ちょっと待った、所長、俺、まだ、良いなんて言ってませんよ」
 聖子「夢野君、こんな良い話、何処にあると思うの? 当社が週刊雑誌に載っちゃうんだからね、しかも、タダだよ、タダ」
 圭介「あんな女の子連れてたら、足手まといで仕事になりませんよ。最初からどうして言ってくれないんですか、人を騙して……」

 そう、聖子も荒木も、あらかじめ理恵の取材のことは知っていて、素知らぬ顔をして圭介の相談に乗っていたのだ。

 渋る圭介だったが、結局所長命令には逆らえず、理恵と行動を共にするハメになる。

 
 理恵「あの男ですねえ~ホステスと浮気してるのって!」

 物陰から、興味津々と言う顔で身を乗り出している理恵。

 
 猫でも捕まえるようにその肩を掴み、

 圭介「あんまり身を乗り出さないようにね」

 その日の最初の仕事は、浮気の調査と言う、夢もロマンもない仕事だった。

 二人は、路上で人待ち顔で立っているターゲットの中年男性を見張っているのだ。

 理恵「許せないな、あんな普通の顔して」
 圭介「お、いい男なら許せるのか?」
 理恵「ええ、なんとなく……だけど、浮気ってのはもっとこうコソコソするものじゃないんですか」
 圭介「白昼の死角だよ、堂々とやってれば浮気に見えないだろ?」
 理恵「はぁー、なるほど」

 やがて、浮気相手と思しき女性がいそいそとやってきて、腕を組んで歩き出す。

 圭介と理恵は、道路を挟んだ反対側の歩道を歩くカップルを尾行する。

 
 ヤモリのように塀にへばりつきながら進む理恵が可愛いのである!

 
 圭介「余計目立つだろう、そんなカニの横這いみたいな歩き方したら」
 理恵「でも、尾行してますから」
 圭介「普通に歩けばいいんだよ……冗談じゃないよ」

 圭介、早くもお守りつきの仕事にうんざりした様子である。

 理恵「なんかつまんないんですね、せっかく探偵やってんのに」
 圭介「探偵ゴッコやってるんじゃないんだよ、今度こんな真似したら、取材断るよ」
 理恵「ああーっ!」
 圭介「ええ?」
 理恵「いない!」

 ふと、前方を見た理恵が、素っ頓狂な声を上げる。

 圭介が説教しているうちに、肝心のターゲットを見失ってしまったのだ。

 その先の三叉路まで走るが、二人の姿は見えない。

 理恵「夢野さん、あっち、私、こっち行きます」
 圭介「なんで俺が指図されるんだよ?」

 二手に別れた途端、再び理恵のけたたましい悲鳴が聞こえてくる。

 
 圭介「どうしたーっ?」
 理恵「いま、そこ、蛙が……」
 圭介「蛙?」
 理恵「ぴょん、ぴょんて……」
 圭介「……」

 小さな蛙を見たと言っては大騒ぎする理恵が可愛いのである!

 圭介、もうこれ以上は耐えられないとばかり「所長に言って断ってもらおう」と、もと来た方へ歩き出すが、またまた背後から理恵の絶叫が響き渡る。

 理恵「夢野さん! いた、いました!」
 圭介「何がぁ?」
 理恵「ああ、ああーっ!」
 圭介「……」

 偶然、理恵がカップルを発見したので、二人は引き続き尾行を行う。

 カップルは、尾行には全く気付かず、とあるラブホテルの中に消える。

 
 理恵「どうするんですか」
 圭介「ここで待つ」
 理恵「中で何してるか調べなくて……」
 圭介「……」

 
 理恵「良いんですよね、うふふ、やだもうっ」
 
 言いかけるが、途中で愚問であることに気付き、ついニヤニヤしてしまう理恵。

 時代劇での上品な武家娘や公家娘の役、「櫻の園」の謹厳な女性教師役などを思い浮かべながら、このコミカルな演技を見ると、岡本舞さんのキュートさがますます引き立つのである。

 
 圭介「2時間だな」
 理恵「やぁだぁっ!」

 腕時計を見ながら淡々とつぶやく圭介の背中を思いっきりどやしつける理恵であった。

 圭介「しょうがないだろう、延長されなきゃラッキーだよ」

 なんとか浮気調査の仕事を終え、事務所に戻ってきた圭介と理恵。

 
 聖子「どうだった、尾行は上手く行った?」
 理恵「はい、意外と簡単でした」
 聖子「あらぁーっ、そうーっ」
 理恵「あの二人見失った時、夢野さんより先に私が見付けたんです」
 聖子&荒木「ほぉおおおおーっ!」
 理恵「夢野さん一人だったら、もしかしたら見失ってたかも知れません」
 聖子「あらー、凄いじゃなの」

 仕事の顛末を自分の手柄のように吹聴する理恵を、聖子は手放しで褒めちぎっていたが、その後、仏頂面の圭介を別室へ連れて行き、

 
 聖子「夢野君、素人の女の子に負けてちゃ駄目じゃないか」
 圭介「冗談じゃないですよ、彼女が勝手にそう思ってるだけですよ」
 聖子「おんなじことじゃないか、探偵の仕事がねえ、簡単だなんて週刊雑誌に出てごらんよ、商売上がったりじゃないか、しっかりしろよな、君ぃ」
 圭介「所長、彼女断ってくださいよ、仕事になりませんから」

 相当ストレスが溜まっている様子の圭介であったが、結局コブ付きのまま仕事を続けることにする。

 次の仕事は、お蕎麦屋さんのツケの回収と言う、あまり現実味のない仕事だった。

 ツケより、探偵への支払いのほうが高くつくだろ!

 調子に乗った理恵は、「今度、私に主役やらせてもらえません?」と、目的地へ向かう途中で言い出す。

 意気揚々と、とある雑居ビルのオフィスのドアを叩く理恵であったが、

 
 出て来たのは、どう見てもカタギとは思えない山西道弘さんであった。

 そう、よりによって、そこは暴力団の事務所だったのだ。

 
 理恵「……」

 強気だった理恵だが、たちまち彫像のように固まってしまう。

 
 道弘「なんや」
 理恵「あ、あのあのあの……」
 道弘「はっきり言わんかい!」
 理恵「はぁい、はいっ」

 もっとも、組事務所とは圭介も知らなかったようで、すぐ後ろを向いて知らん顔をしている。

 ブルブル震えて用件も切り出せない理恵を道弘お兄さんが気に入って、圭介ともども無理矢理事務所の中に引っ張り込む。

 部屋には、他にタコ八郎(本物)や、恐ろしげなスキンヘッドもいて、二人はますますビビりまくる。

 道弘「秋田はん、カワイコちゃんが面会ですぜ」
 秋田「おう」

 
 道弘お兄さんに呼ばれて奥から出て来た組長が、よりによって荒勢だったので、管理人、思わず大笑い。

 荒勢「おうおう、お目目ぱっちりで可愛い女やがな」(棒読み)

 理恵がなかなか用件を言い出せずにいると、道弘兄さんたちが「五反田のキャバレーでホステス募集してた」と、そのまま理恵を売り飛ばそうなどと言い出す。

 スキンヘッド「ええ考えや、ケツなんか結構発達しとるしのう」
 理恵「ああああーっ!」

 背後から理恵の汚れなきヒップを触りまくるスキンヘッド。うらやま……いや、けしからん。

 
 理恵、悲鳴を上げて思わずスキンヘッドの頭を引っ叩いてしまう。

 スキンヘッド「なにさらすんじゃお前、おう?」
 理恵「あ……」

 恐怖のあまり部屋から逃げ出してしまう理恵だったが、どさくさ紛れに自分も逃げようとする圭介が、かなり情けない。

 圭介、腕っ節はそれなりにあるほうだが、基本的にあまり暴力沙汰は得意ではないのだ。

 今回は、何故か警察関係のレギュラーはお休みで、都合よく助けに来てくれるという展開にもならない。

 逃げ遅れた圭介が、やっと蕎麦代のことを切り出すが、当然、道弘たちが素直に払う筈がなく、あっさり追い返されそうになるが、圭介も理恵の見ている手前、何とか勇気を振り絞って踏みとどまり、

 
 圭介「あんたら……善良な一般市民に迷惑をかけないというのが義理と人情の男の世界のしきたりでしょう」
 道弘「アホ抜かせ、はたかれたのこいつやど、こっちのほうが慰謝料欲しいぐらいじゃ、帰れ、帰れ」
 圭介「……おい、三流ヤクザが蕎麦代踏み倒したぐらいで、いきがってんじゃないよーっ!」
 理恵「そうだ、そうだ」

 後ろから掛け声を飛ばしてすぐ引っ込む理恵が可愛いのである!

 下手をすればボコボコにされかねない状況だったが、さいわい、組長の秋田が意外と話の分かる人物だったので、部下が蕎麦代を踏み倒したと聞くと、激怒して、その部下を叱って圭介に金を払ってやるよう命じるのだった。

 その後、秋田と軽口を叩き合う余裕まで見せる圭介だったが、内心ドキドキだったのは言うまでもなく、最後に大きく息を吐き出すのだった。

 後編に続く。
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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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