第49話「危うしバイオロボ」(1985年1月12日)
モンスターとジュウオウの犠牲によって、遂に念願のバルジオンを我が物としたドクターマン。

ドクターマン「これがバルジオンか、はるか宇宙の彼方から、バイオロボとバイオマンを倒す為にやってきたバルジオン、今その使命を果たさせてやるぞ」
ネオメカジャイガンの格納庫に収まったバルジオンの雄姿にうっとりとした目で語りかける。
……
ふと思ったのだが、ギアが無理にバルジオンを強奪しなくても、ほっといてもシルバとバルジオンは遮二無二バイオマンとバイオロボを倒そうとしていただろうから、モンスターを死なせてまで、バルジオンを自分たちのものにする必要があったのだろうか?
シルバが勝てば(別に彼らがシルバと戦う必要はないのだから)それでギアの地球征服は成ったも同然だし、仮にシルバが負けても、その時はバイオマンも相当のダメージを受けているだろうから、そこを襲えば楽勝だったのではないか?
ともあれ、ドクターマンはファラに命じて、バイオロボ撃滅の大命を下す。
バイオロボ、シルバにしか動かせない訳ではなく、ファラが乗り込むと、普通に操縦できた。
あるいは、ドクターマンが操縦系統をいじって、誰にでも操作できるように改造したのかもしれないが。
早速、バイオロボとバルジオンの戦いとなるが、それは戦いと呼べるようなものではなく、バイオロボはバルジオンにはかすり傷ひとつ付けられず、前回は試さなかった「スーパーメーザーバイオ粒子斬り」すら、バルジオンには無効だった。
対バイオロボ兵器として作られたバルジオンには、バイオの力は一切通用しないらしい。
と、大地に倒れているバイオロボが、割りと人間臭い動作でスーパーメーザーを置くと、コックピットからレッドたちを掴み出し、地上に下ろす。
何故か、5人とも人間の姿に戻っている。

バルジオンに一方的にやくざキックで痛めつけられているバイオロボに駆け寄ろうとするが、
ピーボの声「待って、バイオマン、バイオロボは君たちを助けようとしたんだ。このままでは共倒れになると思って君たちを逃がしたんだ。早く逃げろ、そしてバルジオンに対抗する方法を考えるんだ」
バイオベースにいるピーボに制止され、やむなく一旦引き揚げようとする。

メッツラー「そうはさせんぞ、郷史朗、俺たちには郷紳一朗と言う人質がいることを忘れたんじゃないだろうな? もしお前たちの中の一人でもここから脱出しようとしたら、郷紳一朗は殺す。やれい!」
だが、そこへあらわれたメッツラーに脅され、身動きできなくなる。
それにしても、久しぶりに戦場に降臨したファラキャット様が、実に眩しく見える。
なんといっても、彼女の魅力はこの美しい立ちポーズだよね。
しかも今回は、一体何ヶ月ぶりだろうと言うぐらい、実に久しぶりに本格的なアクションを見せてくれる。

そして、彼女のもうひとつのチャームポイントは、この、キュッと引き締まった小さなお尻である。
管理人、基本的に女性のお尻はでかければでかいほどいいという、山本直純イズムの信奉者であるが、このファラキャットについては別である。
生身の体のまま、戦闘員たちと戦う5人だったが、

史朗(父さん!)
不意に、戦闘員の顔面にパンチを叩き込もうとした史朗の顔がつらそうに歪み、拳を寸前で止めてしまう。
自分たちが戦うことで、人質になっている父親に危害が加えられるのではないかと躊躇っているのだ。
まぁ、仮に5人が無抵抗で嬲り殺されたとしても、ドクターマンが紳一朗を生かす筈はなく、メッツラーも別に戦ったらダメと言ってる訳ではないので、ここは普通に戦うのが論理的に正しい道ではあったが、父親の身を案じる息子として、史朗の取った行動も理解できる。
真吾「郷!」
他の4人もそれを見て、史朗の気持ちを察し、一瞬戦うのをやめてしまう。
なんで変身しないのか分からないのだが、5人はほとんど一方的にギアにどつきまわされる。

秀一「このままじゃ本当に殺されてしまう、ピーボ、なんとかできないのかい? こんなに凄い基地があるのに」
バイオベースからそれを見ていた秀一、たまらなくなってピーボに縋るが、
ピーボ「そりゃ助けに行きたいよ、だけど人質を取られてちゃ、どうしようもないじゃないか」
こういう時にはまるっきり役に立たないピーボであった。
でも、ストーリー上仕方ないとは言え、ここは、心を鬼にして戦うよう、訓示するのがピーボの役目であるように思う。
ひとりのおやじを助けたいばかりに彼らが無抵抗のまま殺されたら、おやじは勿論、今度は地球そのものがギアに蹂躙されてしまうことになるのだから。
秀一、何か考え込んでいたが、やがてひとりでバイオベースから飛び出してしまう。
その紳一朗、シルバと背中合わせの格好で十字架に縛り付けられ、ネオグラードの一室に監禁されていた。

シルバ「こうなったら非常手段だ」
と、シルバ、自分の左腕をわざとショートさせ、拘束を解く。
戦闘員を蹴散らすと、紳一朗には目もくれず逃亡するが、戦闘員の銃撃によって、運良く紳一朗の拘束も壊れていた。
シルバはメラージュ戦闘機を強奪すると、ネオグラードから二回目の脱出を成功させる。
一方、ファラたちの猛攻に成すすべもなく、ずるずる後退するばかりの史朗たちだったが、

最前列にいたメカクローンが、突然動きをやめて棒立ちになり、そのスピーカーから紳一朗の声が聞こえてくる。
紳一朗「史朗、私だ」
史朗「父さん!」
ここで、何故かファラが攻撃を中断させ、二人に自由に会話をさせてやるのが、冷静に考えると物凄い不自然なのだが、まぁ、その辺が大幹部の雅量と言うものなのだろう。

紳一朗「私は蔭山秀夫、ドクターマンとは学生時代からのライバルだった。蔭山秀夫が自らメカ人間となり、世界征服の野望を持ったのを知り、ドクターマンの科学に対抗するには、私も自らメカ人間にならざるを得なかったのだ」
ネオグラードの通信システムをジャックし、メカクローンを通じて、史朗に切々と語る紳一朗。
紳一朗「そしてその時、自分には子供はいないと言い聞かせたのだ。お前たちがバイオマンとして選ばれて戦うのもさだめなら、私が自らメカ人間とならざるを得なかったのもさだめ……史朗、お前も戦士なら、戦うもののさだめを知っている筈だ」
史朗「さだめ……」
ドクターマン「むんっ」
と、ここでドクターマンたちに発見され、ドクターマンに思いっきりぶん殴られる紳一朗。

ひかる「あっ」
紳一朗の呻き声に、相変わらず良い顔でびっくりするひかる。

史朗「父さん!」
ドクターマン「郷史朗、直ちに降伏せよ、さもなくば、本当に郷紳一朗を殺す」
紳一朗に代わって降伏を呼びかけるが、再び紳一朗がマイクを奪い、

紳一朗「史朗は戦う、私たちは離れていても、たとえ親子として手を取り合うことが出来なくても、ともにひとつの気高い目的の為に戦うもの同士、お互いの気持ちはどんな親子よりも分かり合っている」
ドクターマン「黙れ!」
しつこく語り倒す紳一朗を、杖でしばくドクターマン。
きっと学生時代にも、カラオケスナックで、マイクの壮絶な奪い合いをしていたのだろう。
紳一朗「蔭山秀夫、お前もかって息子の秀一君と共にひとつの夢を見ようとして果たせなかった」
ドクターマン「……」
紳一朗のぐさりと胸に刺さる言葉に、思わず目を逸らすドクターマン。
やはりまだドクターマンの中には、人間としての弱さが僅かに残っているようだ。
紳一朗「だから分かる筈だ、今の私は幸せだ。素晴らしい息子を持って……」
ドクターマン「黙らんかっ」
もう一度杖でしばかれるが、紳一朗はなおもマイクに齧り付き、
紳一朗「史朗、戦うんだ、史朗ーっ!」
父の命懸けの叫びを聞いていた史朗、体をぶるぶる震わせていたが、何かを決意したように目を見開き、傷だらけの右手を強く握り締め、
史朗「ううう、ううにゃああーっ!」 雄叫びを上げながら立ち上がり、全身から凄まじいバイオ粒子エネルギーを放つと、
史朗「うう、ぬあああーっ!」 いささか気張り過ぎの感じもするが、渾身の右ストレートを目の前のメカクローンに向かって叩きつける。
郷の過激な行動に、敵も味方も思わず目を見開く。
史朗(父さん、見ていてくれ、俺は戦う!)

史朗「みんな、行くぞ」
真吾「おうっ」
竜太「おおっ」
ジュン「うんっ」
ひかる「オッケイ!」
闘志漲る史朗の横顔を見上げていた4人も、史朗の呼びかけに、改めて気合を入れて立ち上がる。
5人「バイオマン!」 うーん、シリーズでも一番燃える変身シーンかもしれない。
ここでやっと本格的なバトル開始となる。
5人はあっという間に戦闘員たちを全滅させる。
ファラ「ファラキャット、メッツラー!」
ファラ、口から火炎弾を放ってから、二人に攻撃を命じる。

ファラキャット「ふっ」
と言う訳で、ここからしばし、ファラキャット様の画像を貼るだけのコーナーとなります。
苦情は一切受け付けません。

まずは空中で回転して、メッツラーと共にバイオマンの前に着地するファラキャット。
……
やっぱ、このコスチューム最高だよね。
これだけ露出度と、ボディラインの醸し出すエロさが反比例しているキャラは、ちょっと他では思い当たらない。
とりあえず、メッツラーは男三人と、ファラキャットは女子二人と戦う。

ファラキャット「やーっ!」
ピンクの剣を得意のヌンチャクで受け止め、その体を地面に転がすファラキャット。

ついで、飛び上がって頭上から斬りかかるイエローを見上げるファラキャット。

咄嗟に自分もジャンプして、空中で交差する。
ファラキャット、もう、その動き一つ一つが実に美しい。
ライバルとも言うべき初代イエローフォーの交替がなければ、その後もイエローフォーとの数々の戦いが繰り広げられ、ファラキャットの見せ場ももっと増えていただろうに、その辺も不運である。

ファラキャット「ううっ」
今度はイエローに一本取られ、傷付いた右腕を押さえて珍しく呻くファラキャット。

それでも振り向きざまに短剣を投げてイエローの腕に突き立て、別の短剣を手にイエローに迫る。
と、ピンクが「ピンクフラッシュ」を浴びせ、その目を眩ます。

ファラキャット「あっ、ううっ」
まともに閃光を浴びて、怯むファラキャット。

ファラキャット「ああっ」
怯んだところにピンクとイエローに同時にビームを撃たれる。
……
今更だが、ヒーローが常に敵より多い人数で戦うって、卑怯だよね。
と、そこへシルバの乗ったメラージュ戦闘機が飛来し、シルバはお星様となって機外へ出て、メラージュ戦闘機はそのまま墜落する。
ファラはメッツラーにシルバを足止めするように命じ、一転してシルバとメッツラーの戦いとなる。
結局、ギアはシルバと共闘することが出来なかった訳だが、ドクターマンが最初から下手に出ていたとしても、一匹狼のシルバがギアと手を組むことはなかっただろう。
ま、そこが所詮メカに過ぎないシルバの限界で、最終的に敗れたのも当然の帰結かもしれない。
ここでバイオマンがスーパーエレクトロンを出すが、

迷わず両手を広げてご主人様を守ろうとするファラキャットが健気で可愛いのである!
個人的には、ここであっさり倒されていた方が彼女らしい死に様だった気もするが、

ファラキャットの前にメッツラーが立ち、自分が盾になろうとする。
メッツラー「おわーっ!」
で、スーパーエレクトロンをまともに受けたメッツラーは吹っ飛び、そのまま爆死する。
爆発ショットは、前回モンスターが死んだ時のショットの使い回しのようである。
しかし、今まで何度もスーパーエレクトロンを浴びても、吹っ飛ばされるだけだったのに、ここではあっけなく爆発しているのは、いささか解せない。

ファラ「メッツラー!」
ファラキャット「……」
同僚がやられてさすがにショックを受ける二人。

ファラキャット「ファラ様!」
それでも元気な女の子のファラキャットはすぐ立ち直り、自らを犠牲にしてバイオマンに突っ込んでいく。
もっとも、それより先にファラが再びバルジオンに搭乗し、

ファラ「ファラキャット、後は私に任せろ」
ファラキャット「はっ」
ファラキャットに逃げるよう指示したので、ファラキャットは今回は死なずに済む。

バルジオンの反バイオ粒子砲で、5人の周りで大爆発が起こる。
だが、ここでシルバがバルジオンに念波(?)を送った為、急にバルジオンが動かなくなる。
これも、ドクターマンが自分たちでバルジオンを所有したいと言う欲が招いたミスと言えよう。
シルバにバルジオンを譲ってやれば、確実にバイオロボを倒せていたであろうに。
バイオマンも、すぐにバルジオンの異変に気付き、バイオロボに乗り込んで、再度の「スーパーメーザー・バイオ粒子斬り」を放つ。
無防備なまま必殺技を食らったバルジオン、機体そのものは無傷だったが、防御装置が働かず、操縦席のファラがまともにその衝撃を受けてしまう。
いくら間接的なダメージとは言え、ネオメカジャイガンをも粉砕する「バイオ粒子斬り」の威力は凄まじく、ファラは瀕死の重傷を負ってしまう。
それでも、ど根性でシルバに火炎弾を浴びせると、漸くコントロールが戻ったバルジオンを飛行させて、ネオグラードへ帰還しようとする。

ファラ、ネオグラードの格納庫にバルジオンを下ろすと、ドクターマンたちのいる司令室の階段の下まで必死に辿り着く。

ファラキャット「ファラ様!」
既に戻っていたファラキャットが、思わず床に手を付いてご主人様の名を呼ぶ。
だが、既にファラにはその階段を登りきるだけの力はなく、階段を這いずりながら、

ファラ「ドクターマン様、も、申し訳ございません……バルジオンは無事です……う、うわーっ!」
ファラキャット「ファラ様!」
ファラキャットが慌てて階段を降りようとするが手遅れで、ファラはまっさかさまに階段から落ちて行き、床に激突して爆死する。

ファラキャット「ファラ様ーっ!」
目の前でご主人様に先立たれたファラキャットが不憫でならない。
ドクターマン「……」
が、モンスターのときと違って、ドクターマンはねぎらいの言葉も掛けず、冷たくファラの死に様を見下ろすのみだった。
モンスターは命懸けでバルジオンを奪取すると言う勲功を上げたが、ファラはバルジオンを与えられながら任務に失敗したからだろう。
立て続けに同僚が4人も死に、さすがのメイスンの表情も曇る。

メイスン「遂に俺とお前だけになってしまったか……」
サイゴーン「交換日記でもしますか?」 メイスン「いや、いい……」
じゃなくて、
サイゴーン「……」
メイスン「だが今度こそ、バイオマンとバイオロボは必ず倒して見せるぞ!」
要するに、次はこの二人が死ぬ訳である。
もっとも、ドクターマンなら、倒された端からドンドン新しい大幹部を作り出せたと思うが、そんなことしてたらきりがないからね。
ラスト、何か武器を探しに行ったのだろう、秀一が紳一朗こと柴田博士の第二のアジトに行くと、そこにシルバがいて、自らの腕を修復した上、他ならぬ秀一のアンドロイド……正確にはプリンスの姿をしたアンドロイドを組み立てているところだった。
シルバはプリンスを使って一体何をしようとしているのかと言う謎をはらみつつ、物語は第50話へ続くのだった。
以上、完全に趣味に走ってファラキャット祭りと化してしまったが、悔いはない。
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