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「光戦隊マスクマン」 第26話「熱砂に消えた命!」



 第26話「熱砂に消えた命!」(1987年8月22日)

 以前、ケンタの恋愛話がやたら多いと書いたが、あきれたことに、今回もそうなのである。

 たまには姿長官にもそういう話ふってやれよ。

 
 冒頭、海に面した砂丘にバイクを止め、その上に仰向けに寝ているケンタ。

 今なら、速攻で熱中症になるところだが、当時はまだそれほど気温が高くなかったのだろう。

 
 ともあれ、そんなケンタの前に蜃気楼のようにあらわれたのが、白いマキシスカートに白いハイネックのプルオーバー、そして白いパラソルと言う、白ずくめのいかにもお嬢様っぽい格好をした妙齢の美女と、それに召使のように従う三人の男子中学生と言う、奇妙な一団であった。

 あっけにとられるケンタであったが、美女の手から風がパラソルをもぎ取ったのを見て、反射的に追いかけて拾い、美女に手渡す。

 ケンタ「落し物です」
 セイラ「……」

 
 ケンタ「……」

 ニッコリ微笑む美女を見て、首を竦めて照れ臭そうな表情になるケンタ。

 どうやら、ゴリライモ2号、またしても発情期に突入した模様です。

 ケンタ「美しい……」

 だが、4人は再び歩き出すと、まるで空中に吸い込まれるように、フッと消えてしまう。

 ケンタ「夢? 夢なんかじゃない!」

 
 ケンタが叫んだとおり、4人は実在しており、消えたのではなく、チューブの地底世界に移動しただけであった。

 そこにはジルガドグラーと言う、昆虫の幼虫のような怪物がいて、無抵抗の三人の中学生に光線を当て、サボテンのような植物に変えてしまう。

 そして、透明な管を伸ばしてサボテンに突き刺すと、そのエネルギーを吸い取ってしまう。

 枯れてしまったサボテンには、赤いさくらんぼのような実がひとつ付いていた。

 
 が、次の場面では、その美女、セイラは、バラバに乱暴にゼーバの前に引き据えられる。

 バラバ「もう一度言ってみろ!」
 セイラ「ゼーバ様、私はもう人間を死に誘い込みたくありません、お願いです」

 
 バラバ「共生獣セイラ、お前はジルガドグラーの幼獣にエサを運んで育て、そのかわり、ジルガドグラーの作る赤い実をもらって生きながらえるのが運命」
 セイラ「ううっ」

 セイラを演じるのは、化粧は濃いけどなかなか美人の蜷川有紀さん。

 ゼーバ「運命にそむけば死あるのみ」

 ゼーバがそう言ってビームを放つと、セイラの姿は共生獣本来の姿に変わる。

 
 イガム「夏の日のカゲロウのように、短い命を少しでも長らえる為に人間の女となり、若い男を誘い込む、なんとも哀れな共生獣よ」

 息も絶え絶えのセイラを、蔑むように見下ろすイガムたち。

 ゼーバは、バラバに、さらにセイラに人間の男を誘惑させ、一刻も早くジルガドグラーを成獣に育てろと命じる。

 だが、セイラは自分の境遇がほとほと嫌になったのか、せっかく出来た赤い実を口にしようとしない。

 
 バラバ「見ろ、この実を食べろ、このままでは短い命も尽き果て、カゲロウ(陽炎?)となって死ぬ」
 セイラ「……」

 セイラは手を伸ばすが、次のシーンで小瓶に実を入れていることから、結局、最後まで食べなかったのだろう。

 セイラ、人間の姿になると、今度は一人でケンタの前にあらわれる。

 ケンタも思わず嬉しそうに会釈するが、不意にセイラは何かに気付いたように振り向き、砂丘の向こうへ行ってしまう。

 ケンタが慌てて追いかけると、セイラは岩場にしゃがみこんで、釣り針が引っ掛かって傷付いた小鳥から
針を外してやろうとしているところだった。

 
 セイラ「かわいそうに、今助けてあげるわよ、よしよし」
 ケンタ「ひどいなぁ、僕がやります」

 ゴリライモの分際でケンタは手先が器用で、釣り針をうまく外す。

 ケンタ「羽根がやられてる、飛べるかな?」

 
 セイラ「さ、よしよし……」

 心配するケンタだったが、セイラは小瓶の中の赤い実を取り出すと、惜し気もなく小鳥に与える。

 セイラ「たった一つの命、大切にするのよ」

 語りかけながら空に放つと、小鳥は元気に羽ばたいて飛んで行く。

 赤い実には、動物の体を瞬時に治す、特殊な力があるらしい。

 
 ケンタ「僕、ケンタって言います、あなたは?」
 セイラ「セイラ……」

 夏の青空を見上げながら爽やかな気持ちになるセイラであったが、遠くにオヨブーが立ち、喉を掻っ切る仕草をして、ケンタを誘惑しろと指図する。

 だが、セイラはそれに従わず、近くの洞窟の入り口に行き、倒れるように座り込む。

 
 ケンタ「セイラさん、急にどうしたんですか?」
 セイラ「私、病気なんです」
 ケンタ「病気? 今、薬は持っていますか?」
 セイラ「さっきの小鳥に上げてしまいました」
 ケンタ「ええっ?」

 ケンタ、セイラを背中に担いででも病院に連れて行こうとするが、そこへオヨブーと戦闘員たちが攻撃を仕掛けてくる。

 ケンタ、セイラの目の前でブラックマスクに変身し、他の仲間も駆けつけて乱戦となるが、セイラは戦闘員たちに連れ去られてしまう。

 地底に戻ったセイラは、当然ながら、バラバたちから折檻される。

 
 バラバ「何故ケンタを誘わなかった? 奴はマスクマンだ」

 
 バラパ「エサにすれば一石二鳥だったものを!」
 セイラ「ううっ」

 その太い指で、セイラの繊細な顔を鷲掴みにするバラバ。

 これじゃあ、モテんわなぁ。

 ところで、今気付いたのだが、別にジルガドグラーにエサを与えるのに、無理にセイラの力を借りなくても良いのではないだろうか? セイラが超能力で人間をサボテンに変えているわけじゃなく、その役割は単に人間を誘惑して連れてくるだけなのだから、戦闘員が人間を攫ってジルガドグラーの前に連れてくれば済む話ではないのか?

 一方、姿長官は、セイラの正体とチューブの作戦を暴くよう5人に命じる。

 ケンタ(まさか、セイラさんが、チューブと関係があるなんて……信じられない)

 ひとりバイクを飛ばし、とある海岸にやってきたケンタの前に、法事か結婚式の帰りらしい三人のスーツ姿の男性を引き連れたセイラがあらわれる。

 
 ケンタ「その人たちをどうする気です?」

 
 セイラ「……」
 ケンタ「今までの行方不明事件、あなたがやったんですか?」
 セイラ「許してください」
 ケンタ「何故です? 自分の薬を使ってまで小鳥を助けた(優しい)あなたが、何故なんです?」

 セイラは、自分の忌まわしい宿命を包み隠さずケンタに明かすが、それだけで体力を使い果たしたように、岩棚の縁にしがみつくようにもたれると、つらそうに息を喘がせる。

 ケンタ「セイラさん……」
 バラバ「軟弱者!」(註・言ってません)

 近寄ろうとしたケンタを、岩棚の上に立ったバラバが殴り飛ばす。

 
 バラバ「これが共生獣セイラの運命だ」
 ケンタ「セイラさんが共生獣?」
 バラバ「セイラ、ケンタに術をかけ、ジルガドグラーのエサにしろ! 今更悔やんでも人間を殺してきた罪は消えはしない!」
 セイラ「……」

 今まで散々殺戮を重ねてきたバラバに、そんなこと言われてもねえ……

 
 だが、その言葉が逆にセイラにふんぎりをつけさせたようで、セイラは静かに立ち上がると、

 
 ケンタのほうを見遣る。

 なんだかんだで、蜷川さんは綺麗だ。

 特に、このシーンでは、強い海風が実に良い感じに黒髪を乱して、その美しさにえもいわれぬ彩りを添えている。

 ケンタ「悲しい、運命だね……」

 ケンタも、つらそうにつぶやくと、目を伏せる。

 
 セイラ「ケンタ……」

 うーん、今回のエピソード、蜷川さんのフィルモグラフィーの中でも、一、ニを争うくらい綺麗に撮れているような気がする。

 セイラ、バラバを見上げると、首を横に振って不服従の意志を示し、ケンタに駆け寄ろうとするが、ここでオヨブーがケンタに襲い掛かり、ついで、戦闘員が三人の男性を地下に引き摺り込もうとする。

 ……

 やっぱり、セイラじゃなくてもエサにすることが出来てるじゃないか!

 そこへタケルたちが駆けつけ、なんとか三人のうち二人は助けるが、残る不運な一人は地下に落とされ、ジルガドグラーにサボテンにされ、エネルギーを吸われてしまう。

 これで遂にジルガドグラーが成獣になり、すぐに地上に飛び出てくる。

 バラバは、用済みとなったセイラをジルガドグラーに始末させようとする。ケンタが身を挺してセイラを守ろうとするが、逆にジルガドグラーに殺されそうになり、

 
 セイラ「ああーっ!」

 それを助けようと横から突き飛ばしたセイラが、ジルガドクラーの攻撃をまともに浴びてしまう。

 ケンタ「セイラさん!」

 
 髪の毛を顔に張り付かせながら、ゆっくり倒れていくセイラ。

 
 ケンタ「セイラさーん!」

 スローモーションで、泥臭くセイラ駆け寄るケンタ。

 考えたら、今回コミカルなシーンがひとつもないなぁ。

 
 ケンタ「セイラさん、しっかりしろ」
 セイラ「今まで、何人もの人を死に誘い込んで、許してください……ケンタ、あなたに会えて良かった」
 
 セイラ、最後に幸せそうな笑みを浮かべてケンタを見上げ、その胸に顔を埋めるようにして息絶える。

 ケンタ「セイラさん!」

 セイラの体は一瞬、共生獣本来の姿になり、ついで、文字通りカゲロウのように儚く消えてしまう。

 
 ケンタ「セイラさん……地帝獣、尊い命をもてあそぶとは、許さん!」

 怒りに燃えるイモゴリラ2号の前では、鳴り物入りで登場したジルガドグラーもただのザコに過ぎず、ボコボコにされて海へ投げ入れられ、最後はショットボンバーで倒される。

 巨大ロボットバトルの後、海辺に立ってセイラとの短くも美しい思い出に浸っているケンタをタケルたちが海に蹴落とし……じゃなくて、慰め励まし、幕となる。

 以上、極めてシンプルなプロットで、捻りも何もないのが物足りないが、こういうエピソードはヒロイン役の女優さんさえ綺麗に撮れていればOKなのである。
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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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