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「スケバン刑事」 第10話「狙われたアタッカー」



 第10話「狙われたアタッカー」(1985年7月4日)

 冒頭、「セーラー服と機関銃」的なBGMと、柔らかな朝の光のなか、スウェット姿のサキが腹筋や腕立てなどをしている、アイドルのイメージビデオ的なシーンが流れるが、ストーリーには全く関係ない。

 
 ひと汗流した後、タオルで顔を拭いてほっこりするサキだったが、背後のドアが開く音に素早く振り返ると、手にしたレモンを投げ付ける。

 
 神「……」
 サキ「神!」

 無論、サキの部屋に無断で入ってくるのは神恭一郎以外にいない。

 レモンをキャッチすると、

 
 とても嬉しそうな顔で入ってくる。

 神、やっぱり可愛い女子高生と一緒に仕事するのが、楽しくて楽しくて仕方なかったんだろうな。

 サキ「入る時はノックぐらいしてよー」
 神「失礼、すぐに着替えろ。新しい任務だ」
 サキ「ちょっと待ってよー、私まだ朝の食事もしてないのよー」

 と言う、ラブコメ風(どこがだ?)シーンで始まるこの第10話が、単発エピソードとしては最後の回となるのである。

 第11話から、いよいよ宿敵・海槌三姉妹とのバトルが開始されるのだ。

 
 OPタイトル後、鷹の羽学園の体育館で、女子バレー部員の練習風景が映し出される。

 コートのそばに座っているのは、後援会の人たちであろう。

 間近でおおっぴらに、ピチピチした女子高生のブルマに包まれた尻肉を鑑賞できると言う、金を払ってでもやりたい役である。

 
 また、コーチからマンツーマンでレシーブの特訓を受けている、今回のヒロイン水島直子が、倒れ込むようにレシーブする際、ユニフォームの胸元からブラが見えそうになるのにも、実に奥床しいエロティシズムである。

 ひたむきにバレーに打ち込んでる全国の女子高生の皆さ~ん、プレーを見ながら男(註1)が考えているのは、こんなことばっかりなんですよ~。

 註1……管理人の誤り。

 そこへ、サキが、イヤホンで暗闇指令からの命令を聞きながら入ってくる。

 
 暗闇指令の声「サキ、今回のお前の任務は、鷹の羽学園のバレーボール部に巣食う悪質なダニを退治することだ。キャプテンの水島直子は、超高校級のエースアタッカーとして全日本チームにも選抜され、ソウルオリンピックの星と期待されている金の卵だ。水島直子を獲得することに血眼になっている企業は既に10社を超えている。(中略)だがその実態は、サキ、お前にはとても信じられないだろうが、裏金として億を超える汚い金が乱れ飛んでるという黒い噂がある」
 サキ(噂かよ……)

 と言うのは嘘だが、噂だけでスケバン刑事の仕事に狩り出されたらたまったもんじゃないよね。

 暗闇指令の声「何者かが各企業を背後から操り、水島直子を食い物にして私服を肥やしている。そんな悪党は叩きのめせ!」

 最後に暗闇指令はそう言うのだが、直前に「噂」と言ってたくせに、今度は黒幕が存在していると明言しているのは、矛盾しているようにも聞こえる。

 それはそれとして、水島直子への大木監督の指導はとても厳しく、途中で直子がコートの上でへたりこんでしまうほどだった。

 
 大木「立ていっ! 立たんかーっ!」

 まるでバイアグラを初めて使ってみた初老の男性のように、鬼のような形相で吠える大木。

 直子「監督、お願いします!」

 直子も、その叱咤に応え、根性で立ち上がると、レシーブ体勢を取る。

 ……

 どうでもいいけど、直子ってアタッカーなんでしょ? そりゃそういう技術も必要なんだろうけど、そこまでムキになってレシーブの練習をしなくても……と言う気がする。

 まぁ、アタックの練習じゃあ、大木の鬼コーチぶりが表現できないからね。

 その厳しい練習を心底感心したように見ていたサキのそばに、いつの間にか沼先生が立っていた。

 
 沼「お前、バレー部に入らんか? お前がその気なら大木監督に頼んでやってもいいんだぞ」
 サキ「あ、ありがとうございます。でも、私にはバレーボールの才能ありませんから」

 赤と白のストライプと言う、およそカタギの人間とは思えない派手なネクタイを締めた沼先生がそう言ってくれるが、サキは如才なく断る。

 
 沼「バカモン!」
 サキ「……」

 沼先生に耳元で怒鳴られて、思わず身を竦めるサキが可愛いのである!

 沼「才能より努力だ。水島を見てみろ、大木監督のシゴキに耐えて、努力に努力を重ねた結果、今では超一流の選手だっ」

 おいおい、教師がはっきり「シゴキ」って認めちゃったぞ。

 ま、何度も言うように、当時は今と違って教師が生徒を殴り放題のバイオレンスな時代だったからねえ。

 サキ「大木監督は高校バレーボール界じゃ有名なんですってね」
 沼「当たり前だ、一年前に事故さえ起こさなかったら……」

 バレー部について何も知らないサキ、少しでも情報を集めようと、煙たい沼先生から逃げずに水を向けると、早くも耳寄りな情報が得られる。

 サキ「事故? どんな事故を起こしたんですか」
 沼「いや、それがだな、大木……ううんっ」

 沼先生、サキの問いに、ヒソヒソ声で話しかけるが、急に我に返ったように咳払いをすると、

 
 沼「そんなことよりも、お前はバレー部に入って、そのひん曲がった根性を真っ直ぐにしろ!」
 サキ「……」

 再び始まった沼先生の説教に、うんざりした顔を背けるサキ。

 
 沼「大体お前と言う奴はだな、努力を!することが足らんのだよ、努力をするということが! ふんっ」
 サキ「……」

 また耳元で怒鳴られて、思わず顔をしかめるサキが可愛いのである!

 ちなみに沼先生は大木の事故のことを知ってるらしいのだが、後に、ある人物によってそれが表沙汰にならないよう隠蔽工作がなされたことが分かるのだが、隠蔽された筈なのに、なんでそれを沼先生は知っていたのだろう?

 それとも、完全な隠蔽は無理だから、あくまで内々で片付けられと言う意味なのか。だったら同僚の沼先生が知っていても不思議ではないが。

 ついでに、細かいことを言えば、沼先生は「事故さえ起こさなかったら……」と言いかけているのだが、その言い方だと、事故によって何らかのペナルティーを受けて、不本意な境遇に落ちたようにも聞こえるのだが、見たところ、大木監督は水を得た魚のようにバリバリ選手をしごいているので、この台詞もなんか変である。

 さて、漸く厳しい特訓も終わり、解散となるのだが、監督やコーチは勿論、後援会の人たちにまでいちいち「ありがとうございました」と最敬礼をするあたり、まるっきり軍隊である。

 コーチ「みんな、後援会長の黒田さんから、こんなに差し入れがあるぞ。部室に持っていって頂きなさい」

 で、コーチがそう言って披露した差し入れが、

 
 大量のグレープフルーツ(?)と言う、部員たちも、一瞬反応に困るような実に微妙なチョイスフーズなのが笑えるのだった。

 その後、サキが高木先生に呼び出されて成績のことでネチネチいびられるシーンとなるのだが、特に面白くないのでカット。

 正直、このシーン、要らなかったと思う。

 さらに、高木先生から解放されたサキを、美也子たちがからかうという余計なシーンまでついてくるが、こちらもカット。

 その後、待ち合わせでもしていたのか、サキは公園の池の前にいた三平と落ち合う。

 三平のそばには、意外な人物がいた。他ならぬ水島直子である。

 
 三平「紹介するよ」
 サキ「あ、私、知ってるわ、水島直子さんでしょ。私、麻宮サキ、よろしく」
 直子「水島直子です」
 三平「直ちゃんは学年は一年上だけど、子供の頃からの友達なんだ」

 サキは、憧れの人に会ったような眼差しを向けて、直子のバレーに対するひたむきな姿勢を絶賛する。

 直子は、子供の頃から入りたいと思っていた東南紡績と言う会社のバレーボールチームに入り、最終的にはオリンピックに出場するのが夢だとサキたちに語る。

 サキ「水島さんならきっとオリンピックの選手になれるわ」
 直子「ありがとう、サキさん、私はボールを打ってれば満足なの。ほかのことは何も考えずに頑張れるだけ頑張ってみるわ」
 サキ「そうよ、水島さん、あなたには燃え尽きるまでバレーボールに打ち込んで欲しいわ」
 直子「ええ、約束するわ」

 そこへ自転車に乗った大木監督が来たので、直子は監督について走り出す。

 
 三平「サキ、大木監督は直ちゃんが中学時代から目をかけていて、鷹の羽に引っ張ってきた恩師なんだ。直ちゃんのたった一人の味方だよ

 いや、たった一人って、お前は味方ちゃうんかい。

 と言うか、今をときめくエースアタッカーなのに、監督以外、全員敵って、設定がおかしいだろ?

 サキ(水島さんは本物のスポーツウーマンだわ、バレーボールが好きで、真剣に取り組んでる。彼女を食い物にする奴は許さない!)

 その直子、池のそばの歩道を走っていたが、

 
 柳の木陰に入ると、体操服の下に、ブラの形が割りとくっきり浮かび上がるのがちょっとオツである。

 直子、不意に立ち止まると、自分はほんとに東南紡績に入れるのかと大木に疑問をぶつける。

 
 大木「なんでそんなことを聞くんだ?」
 直子「父と母が、私の就職のことはある人に任せてあると言うんです。父はそのひとからもうお金まで貰ってるみたいなんです。監督、私、不安なんです」
 大木「心配するな、お前のことは俺が責任を持つ。お前の望みを叶えて見せるよ」

 監督は、頼もしいことを言ってくれるが、直子の顔は晴れない。

 一方、サキと神は、路上から後援会長の黒田と言う男が、広い庭先で孫と戯れているのを見詰めていた。

 
 神「この街有数の資産家で、昔からバレーボール好きで有名な男だ。黒田はバレー部の選手たちを自宅に招待して、セクハラご馳走することを大の楽しみにしているらしい」
 サキ「そんな男が水島さんを食い物にして金を儲けようとするかしら?」

 しかし、家のまん前にポルシェが停まってたら、黒田に怪しまれるのでは?

 切り替えしの映像には、カメラの手前に、ある筈のない植え込みが映っていて、彼らが目立たない場所からこっそり見ているような小細工がされている。

 それはともかく、サキの疑問はもっともで、事件の黒幕は、もっと意外な人物かと思われたが……

 神は、監督の大木も調べろとサキに命じるが、

 
 大木は、両足の不自由な妻に付きっ切りで、病院のリハビリルームで歩行訓練を行わせていた。

 物陰から見ていたサキ、思い切って大木に話しかけると、大木はあっさり、一年前、自動車事故を起こしたことを話してくれる。

 その最中、院内放送で大木が事務局へ呼び出される。

 事務局で電話を受け、改めて別の場所から同じ相手に電話を掛けている大木。

 
 大木「今月中にどうしても200万必要なんです、お願いします。なんですって? いや、待ってください、水島の就職と私の問題は切り離して考え下さい……今日契約? いやちょっと……」

 その会話は、曲がり角の陰に佇み、聞き耳を立てているサキに筒抜けであった。

 しかし、外聞を憚るような話を、これだけ離れたところにいるサキにクリアに聞こえるほど大きな声で話す奴がいるだろうか?

 一方的に電話を切られた大木は慌てて病院を出て行くと、その足でとあるホテルへ入っていく。

 だが、大木がその一室に入った時には、既に何もかも終わったあとだった。

 すなわち、黒田が、直子が卒業後、ローヤル紡績に入社すると言う念書をローヤル紡績の関係者に渡し、代わりに1億円分の札束の詰まったジュラルミンケースを受け取ったところだった。

 ローヤル紡績の人間は、ただのエキストラなので、速攻で消える。

 
 大木「こりゃどういうことなんですか」
 黒田「水島君の就職先はローヤル紡績と決定した」
 大木「そんな」
 黒田「ここに1億円ある。まぁ、このうち仲介した我々が手数料を頂くことになるがね。水島の家族には奨学金として500万と言ってあるから、その辺で納得するだろう。ま、こういうことだよ」

 そう、こういうことだったのである!

 サキの疑問もへったくれもない、黒田が黒幕だったのである!

 それにしても、今回に限ったことじゃないが、「スケバン刑事」の単発エピソードって、謎解き……要するに犯人の意外性があまりになさ過ぎる回が多い。

 意外な犯人といえるのは、せいぜい6話のマネージャーくらいか。

 まぁ、別に黒田が黒幕でも良いんだけど、サキが疑問を呈していたように、愛している筈のバレーボールを利用して金儲け、しかも1億円のほとんどを自分の懐に入れようなどと、そこまで強欲なことをするだろうか?

 せめて、(神の調べで)実際は事業の失敗で家計は火の車で、黒田が金に困ってたとか、そういう新事実を提示した上で、この暴露につなげて欲しかったところだ。そうすれば、視聴者も少しは納得できただろうに。

 
 同じ頃、大木の後をつけてきたサキは、屋上に上がり、ロープを結んでそこにぶらさがって、ホテルの外壁を降りると言う、無茶なことをしていた。

 しかし、これで彼らのいる部屋まで降りてきて、窓がきっちり閉めてあって、おまけにカーテンがひかれていたら、サキ、どうするつもりだったのだろう?

 人に聞かれたくない密談を交わしているのだから、その可能性も十分あっただろう。

 
 もっとも、実際には、親切にも窓はちょうどサキの降りたところが開いていたので、またしても部屋の中のやりとりはサキに筒抜けになる。

 毎回、サキの捜査があまりにトントン拍子に運ぶのも、単発エピソードのつまらなさの原因だと思う。

 黒田「東南紡績が提示した金は5000万、ローヤル紡績は一億だ。どちらが誠意があるか、君にも分かる筈だ」

 
 大木「黒田さん、お願いします、この通りです。水島の希望通り、東南紡績に行かしてやってください、私は水島の夢を叶えてやりたいんです」

 大木、その場に座り込むと、頭を絨毯にこすり付けて嘆願するが、

 黒田「君がそんなこと言える人間か? 一年前に交通事故を起こした時のことを忘れたのか?」
 大木「忘れました」

 じゃなくて、黒田の厳しい指摘に、大木の脳裏にありありと一年前の事故の情景がフラッシュバックする。

 助手席に妻を乗せた大木が、対向車と正面衝突したらしいことしか分からず、詳しい事故内容は不明だが、たぶん、大木側に責任があると判断されたのだろう。

 
 黒田「ある筋の友人に頼んで、事件が新聞沙汰にならぬように揉み消してやったのはこの私だ」
 大木「あの時のことは本当に感謝しています。ですが、水島のことは彼女の夢だけは叶えてやって下さい。お願いします!」
 黒田「のぼせるなっ!」

 それでもひたすらお願いする大木だったが、黒田は杖の先で大木の肩を突いて起こし、その体を押しのける。

 黒田「あれだけの事件を起こし、君が免職にもならずに高校バレーボール界で監督でいられるのは、すべて私が事件を揉み消したからだっ」
 大木「くぅ~」

 それを言われると子犬のように唸ることしか出来ない大木だったが、実際は唸ってません。

 しかし、前述したように、いくら新聞沙汰にならなかったからって、警察沙汰にはなった筈で、それで学校からも咎められなかったと言うのは、なんか変である。

 それに「あれだけの事件」と言うからには、相手側に死人でも出たのか、とにかくかなりひどい事故だったらしいのだが、それさえも揉み消したとすれば、黒田のおっさん、一体何者やねんと言う別の疑惑が湧いてくるのだった。

 前述したように、揉み消した筈なのに、同僚の沼先生が知っていたというのもおかしいし。

 ここは、変に話を複雑化せず、単に自損事故を起こして妻が歩けない体になり、それを金銭的に援助して貰っている……で、良かったんじゃないかと思う。

 
 ま、それはそれとして、彼らのやりとりを、かなりの至近距離からがっつり見ているサキ。

 ……

 いや、さすがにそんな派手な服を着て、思いっきり窓の前にぶら下がってたら、正面にいる大木にあっという間に気付かれるだろう。

 黒田、散々大木を叱り付けた後、それでも200万円分の札束を放り投げて寄越す。

 黒田「奥さんの治療費に必要なんじゃないのかね?」
 大木「……」
 黒田「ローヤル紡績では君を監督として迎えても良いと言ってる。ま、私に任せておきなさい」

 妻のことを持ち出されると、大木はその札束を掴むしかないのだった。

 大人の汚さをかぶりつきで見せられてハラワタを煮えくり返らせていたサキ、感情の乱れからか、壁面を支えていた足を滑らせ、

 
 空中であたふたして、嫁入り前の娘がはしたない、カメラに向かって大開脚を演じてしまう。

 ま、言うまでもなく、これはスタントなのだが。

 で、鈍感な黒田もやっとサキの存在に気付き、

 
 黒田「なんだ貴様は?」
 サキ「……」

 サキがスケバン刑事になってから、いや、この世に生を受けてから、一番恥ずかしい瞬間であった。

 黒田「こんなところで何をしとるか?」
 サキ「あんたのきったない正体見届けに来たのさっ」

 こんな場面で、「あ、すいません、ロッククライミングの練習です」とか、「窓拭きしてたら道具を落っことしちゃいました」とか言って誤魔化そうとせず、言わずもがなの悪態をついてしまうのが、刑事としてのサキの未熟さであり、同時に若者らしい向こう見ずであった。

 黒田は、杖で無防備なサキの体をバシバシ叩き、最後はロープを持っている手をぎりぎり痛めつけて、とうとうサキをそこから突き落とす。

 でも、これ、いくら相手が盗み見してたからって、突き落とせば確実に人殺しになる訳で、それなのに、黒田はサキがどうなったかを確認もせず、マッハの速度で窓を閉めてしまう。おまけにこの後、黒田がそのことを気にしている素振りが全くないと言うのは、明らかに(頭が)おかしい。

 まぁ、かと言って、スネに傷のある黒田としては、ホテルの人や警察を呼ぶ訳にも行かず、よって、この場合の最良の行動は、サキを無視して窓ガラスを閉めて、そのまま部屋を出て行くことではなかっただろうか?

 
 もっとも、実際にはサキは非常階段の一番下の手摺にチェーンを巻きつけ、それにぶらさがって、ぎりぎりで墜落死を免れていた。

 サキ(これくらいでくたばってたまるか……)

 て言うか、こんなことで死んだら、情けなくて死んでも死に切れませんよね。

 ついで、ヨーヨーからチェーンを外し、

 
 ホテルの裏手の狭い路地に着地するのだが、立ち上がって右手を広げると、

 
 そこにヨーヨーが落ちてくるのが、実にカッコイイ。

 結局、今回、サキが捜査したと呼べるのは、このぶら下がり運動だけだったんじゃないかと言う気もするが、事件の全容は向こうの方で勝手に解明されてしまい、後は悪人を退治するだけとなる。

 体育館で、自らの不安を払いのけようと、直子が一人でボールを打ち続けていると、大木と黒田があらわれる。

 
 直子「監督」

 ……

 良いよね、長めのユニフォームの裾に隠れて、見えるか見えないかの絶妙なラインを見せるお尻!

 大木「お前の入社する会社が決定した。ショッカーだ」
 直子「ええっ?」

 じゃなくて、

 大木「お前の入社する会社が決定した。ゲルショッカーだ」
 直子「ええっ?」

 でもなくて、

 大木「お前の入社する会社が決定した。デストロンだ」
 直子「ええっ?」

 でもなくて……え、いい加減にしろ? 分かりました。

 大木「お前の入社する会社が決定した。ローヤル紡績だ」
 直子「監督、東南紡績じゃないんですか」
 大木「ローヤル紡績はな、お前が入社してくれれば俺に監督をやって欲しいといってるんだ、また一緒にできるじゃないか」
 直子「監督……」
 黒田「水島君、君の両親も喜んでるぞ。君のその腕によって奨学金も保証されたんだよ」
 直子「奨学金? そんなもの私は望んでません! 私はローヤル紡績なんてイヤです!」

 だが、直子の反発は二人の予想を超えて激しく、大木への不信を吐露すると、ボールを床に叩きつけ、

 直子「私は、○○○○○○(なんて言ってるか分からない)にされるのが嫌いなんです!」
 大木「お前は俺の言うことが聞けんのかっ」(バシッ)

 監督に引っ叩かれ、床に倒れ込む直子。

 直子「監督ぅー」
 大木「……」

 げにも信頼関係と言うのは壊れやすいもの。

 そして苦悩する二人を、冷ややかな目で眺めている黒田のクソおやじぶりが素敵です。

 それにしても、直子が東南紡績にそんなにこだわるというのも、いまひとつ納得できない管理人であった。一応、子供の頃に東南紡績の試合を見て、それでバレーを始めたと劇中では語っているのだが、別に尊敬する監督や選手が在籍しているからとかではないのだから、何もそこまでムキにならなくても……と言う感じがしなくもない。

 ここで黒田が、東南紡績も、金で選手を獲得しようとしている点ではローヤル紡績と同じ穴の狢だと教えてやれば、直子の態度も変わったかもしれない。

 いや、と言うより、直子は何よりも人に勝手に進路を決められることが我慢ならなかったのだろう。

 聞き取れなかった○○○○○○も、それに類する台詞だったのかもしれない。操り人形とか。

 ところがここで、直子が意外な行動に出る。体育館の壁際に置いてある長テーブルの上のハサミを見るや、立ち上がってそれを掴むと、

 
 自分の左腕にブスッと突き刺してしまったのである。

 これにはさすがの黒田もびっくり仰天。

 続いてサキが入ってきて、慌てて直子に駆け寄る。

 サキ「何をするの?」
 直子「私は、もうバレーボールなんかやりたくない。私のこの腕が、みんなの心を醜くしてしまうの……お父さんやお母さんや、監督の心まで醜く変えてしまうなんて……私には耐えられない!」
 サキ「何言ってるのよ、バレーボールはあなたの青春でしょう? 燃え尽きるまでバレーに打ち込むんだって、あたしに約束した筈よ!」
 直子「サキさん……」

 ここでやっと大木も自分の非を悟り、

 
 大木「お前がそれほど思い詰めているとは……許してくれ」
 サキ「バカヤロウ! 今更何言ってんだよぉ、いくら弱みがあるとはいえ、自分の教え子を食い物にする監督が何処にいるんだよぉっ?」
 大木(ここにいます……)

 遅蒔きながら謝罪する大木を、横から思いっきり罵倒するサキ。

 
 大木「すまなかった!」
 サキ「どさくさ紛れに抱きつくんじゃねえ!」
 大木(ばれたか……)

 じゃなくて、

 サキ「いいから、早く水島さん、病院に運んでいきなよ!」
 大木「水島……」

 サキにどやしつけられて、大木は泣いている直子を立たせて連れて行く。

 

 
 それを見届けたサキ、ギョロッと物凄い目付きで黒田を見遣る。

 
 黒田「……」

 それに対し、黒田が首の筋肉がよじれるほど素早く目を逸らすのが、かなりのツボである。

 厚かましくも、素知らぬ顔でその場から立ち去ろうとする黒田だったが、サキが見逃す筈もなく、

 サキ「待ちな!」

 相手の前に回り込み、ヨーヨーを投げて威嚇する。

 黒田「貴様、何者なんだ?」

 
 サキ「2年B組麻宮サキ、またの名は、スケバン刑事!」

 蓋を開いて「桜の代紋」を見せ付けてから、

 サキ「スケバンまで張ったこの麻宮サキが何の因果かマッポの手先、だがな、てめえみてえに、善人ヅラして少女を食い物にする小悪党は許せねえんだ!」

 一応ラス殺陣となるが、今回は相手が相手なので、殺陣と言うほどのアクションはなく、直子が自分の腕を刺したのと同じ場所に一撃見舞うと、

 

 
 お馴染みのポーズから反動をつけてヨーヨーを投げ、チェーンで黒田の手首をぐるぐる巻きにする。

 が、それだけではあまりに地味だとスタッフが考えたのか、

 
 今回は、サキがチェーンを両手の親指に引っ掛けてたぐり、

 
 振り向きざまに思いっきり引っ張り、黒田の体が勢い良く引っ張り上げられると言う、まるで「三味線の勇次」みたいな技が追加される。

 で、黒田の図体が床に落ちる音と、チェーンの外れる音がして、

 
 さっきと同じく、サキの広げた手の中に、見事にヨーヨーが落ちてくる。

 ところが、

 
 カメラが切り替わると、黒田は座っているどころか、チェーンと杖によって壁際に吊り下げられた状態で、かろうじて立っているのだった。

 これは明らかにSEと矛盾する。

 ともあれ、こうして事件は解決するのだが、監督の責任や、ローヤル紡績や東南紡績の裏金の件、直子の両親の受け取った奨学金の行方、そして監督の奥さんは今後どうなってしまうのかなどと言う「些細な」問題は、気持ちが良いくらいにスルーされてエピローグとなる。

 エピローグと言っても、病院から出てきた直子にサキと三平が駆け寄り、

 
 三平「どうだった?」
 直子「うん、秋の全国大会までには完全に治るって」
 サキ「良かったわねえ」
 直子「ありがとう」

 超ロングで、三人の簡単な台詞が交わされたと思ったら、一気にエンディングに雪崩れ込む、例によって、余韻もへったくれもないクロージングなのだった。

 以上、ストーリーが退屈な割りに台詞が多く、突っ込みどころも満載で、なおかつヒロインもさして可愛くないと言う、三重苦のようなレビューであったが、これを、日曜を丸一日費やして書いた自分を心からねぎらってやりたいと思う。
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コメント

ハングマンなら

黒田のやっていることがみみっちいこともあり、正直カタルシスが感じられない話ですね。ハングマンなら希望の就職先を世話する代わりに食いものにするなんて展開になりそうでカタルシスもありそうなんですが。
あと就職先がショッカー、ゲルショッカー、デストロンの嘘ですが、ショッカーだけはやめておけと言いたくなりました。何せ戦闘員が女の子に負けるくらいだから将来性0です。デストロンならいいかもしれませんが、ノコギリトカゲに改造されるかもしれませんねぇ(笑)。

朝倉陽子さん

東映特撮に子役時代から常連ゲストだった朝倉陽子さんが今回のヒロインですね。
このころは本名の茂野幸子名義です。当時の茂野さんが野暮ったいことと自分が当時小学生であったこともありあまりエロくなかったですね。メタルダーのマドンナはエロかったですが。(宇宙刑事を含めたメタルヒーローシリーズの水着の見せ方がいかにエロかったかブログの写真で思い知りました)


朝倉陽子さんは機動刑事ジバンの悪役レギュラーで有名です。

第一部のレビュー、お疲れ様でした。

サキはロッククライミングでもなんでもできそうですね。

>とても嬉しそうな顔で入ってくる。

確かになかなか見れない(気づかなかった)嬉しそうな神サマ。朝の清々しいシーンも絵になりますね。サキも神サマも。

>と言う、ラブコメ風(どこがだ?)シーンで始まるこの第10話が、単発エピソードとしては最後の回となるのである。

流れとしては銭形雷と同じですね。

>第11話から、いよいよ宿敵・海槌三姉妹とのバトルが開始されるのだ。

いよいよですか。管理人様のモチベーションが第一部よりは上がりそうですね。イッちゃてるあゆみちゃんにワガママくみちゃん、冷酷レミ様。

>ユニフォームの胸元からブラが見えそうになるのにも、実に奥床しいエロティシズムである。

いつもながらよく見てますね(笑)全く気づきませんでした。管理人様の必殺‟超コマ送り画像”発動、恐るべし執念(笑)

>沼「バカモン!」

いかにも体育会系の教師ですね。

>なんでそれを沼先生は知っていたのだろう?

想像するに、沼先生と大木先生は馬が合って、飲んでるときにポロっと言いそうではありますよね。事故さえ起こさなかったら、どうなってたのかは気になりますが、現役でって年でもなさそうですし。プロ育成の監督の就任が妥当でしょうか。

>その後、サキが高木先生に呼び出されて成績のことでネチネチいびられるシーンとなるのだが、特に面白くないのでカット。

カットされちまった。高圧的な沼先生と高木先生がぶつかる場面はどこかほっこりするんですけどね。
高木先生は眼鏡かけてて、男を寄せつけないオーラがあるので、お嫁にいけましぇん。

>しかし、家のまん前にポルシェが停まってたら、黒田に怪しまれるのでは?

またしても神サマはポルシェのご自慢ですね。なんだか、前回の張り合うためのポルシェが条件付けにされてしまいました(笑)

>同じ頃、大木の後をつけてきたサキは、屋上に上がり、ロープを結んでそこにぶらさがって、ホテルの外壁を降りると言う、無茶なことをしていた。

母親のためとはいえ、体を張って、軍人なみのラペリング、なかなかできないことですよね。足がすくんでしまいそう。

>て言うか、こんなことで死んだら、情けなくて死んでも死に切れませんよね。

スケバン刑事”完”ですね(悲)あの催眠術の回の屋上からの飛び降りも同様の方法だと推測。

>そこにヨーヨーが落ちてくるのが、実にカッコイイ。

決まってますね。

> サキ「バカヤロウ!

きました、バカヤロウ!強調されるとついつい笑ってしまいます。

>ともあれ、こうして事件は解決するのだが、監督の責任や、ローヤル紡績や東南紡績の裏金の件、直子の両親の受け取った奨学金の行方、そして監督の奥さんは今後どうなってしまうのかなどと言う「些細な」問題は、気持ちが良いくらいにスルーされてエピローグとなる。

そういえばそうですね。ついつい黒幕の黒田が成敗されて、大木先生の目が覚めて、めでたしめでたしで終わってましたが。
やはり、その後は、流れ的には直子は東南紡績へ、奨学金はチャラ、監督の奥さんは変わらずですかね。、医療費の問題は社会保障(高額療養費他)があるので、なんとかなると思うのですが、当の大木先生が教師を辞めそうですね。いや、心を入れ替えて、真の監督になっていることと思います。ただ、事故の内容がわからないのでなんとも、、、償いながらと付け加えましょう。

>これを、日曜を丸一日費やして書いた自分を心からねぎらってやりたいと思う。

レビューを読ませて頂くと、ツッコミどころが多く、改めてみると、とってつけたかのような内容でしたね。
第一部のレビューお疲れさまでした。これまた年末に向かう絶妙なタイミングでしたね。
引き続き、第二部を楽しみにしています。

Re: ハングマンなら

> 黒田のやっていることがみみっちいこともあり、正直カタルシスが感じられない話ですね。ハングマンなら希望の就職先を世話する代わりに食いものにするなんて展開になりそうでカタルシスもありそうなんですが。

物凄くエロい話になったでしょうね。

> あと就職先がショッカー、ゲルショッカー、デストロンの嘘ですが、ショッカーだけはやめておけと言いたくなりました。何せ戦闘員が女の子に負けるくらいだから将来性0です。デストロンならいいかもしれませんが、ノコギリトカゲに改造されるかもしれませんねぇ(笑)。

管理人のしょうもないギャグを拾っていただき、ありがとうございます。

ゲルショッカーも、ゲルパー液がありますからねえ。

Re: 朝倉陽子さん

> 東映特撮に子役時代から常連ゲストだった朝倉陽子さんが今回のヒロインですね。
> このころは本名の茂野幸子名義です。当時の茂野さんが野暮ったいことと自分が当時小学生であったこともありあまりエロくなかったですね。

結構有名な方なんですね。

ブラが見えたとか言って喜んでますが、確かに色気ゼロですね。

Re: 第一部のレビュー、お疲れ様でした。

> いつもながらよく見てますね(笑)全く気づきませんでした。管理人様の必殺‟超コマ送り画像”発動、恐るべし執念(笑)

いい年こいて何やってんだか……

> 想像するに、沼先生と大木先生は馬が合って、飲んでるときにポロっと言いそうではありますよね。

ま、新聞には載らなかったけど、周りには知られたということですかね。

> カットされちまった。

美也子とサキのやりとりは、実は下書きでは書いてたんですけど、長くなり過ぎるので公開時にカットしたんです。

> スケバン刑事”完”ですね(悲)あの催眠術の回の屋上からの飛び降りも同様の方法だと推測。

ま、あの高さから落ちた体重を、チェーンで支えるのは絶対無理なんですけどね。

> やはり、その後は、流れ的には直子は東南紡績へ、奨学金はチャラ、監督の奥さんは変わらずですかね。、医療費の問題は社会保障(高額療養費他)があるので、なんとかなると思うのですが、当の大木先生が教師を辞めそうですね。いや、心を入れ替えて、真の監督になっていることと思います。ただ、事故の内容がわからないのでなんとも、、、償いながらと付け加えましょう。

どんなに想像を巡らせても、単純なハッピーエンドには辿り着けない感じですね。

> 第一部のレビューお疲れさまでした。これまた年末に向かう絶妙なタイミングでしたね。
> 引き続き、第二部を楽しみにしています。

ありがとうございます。

そう言えば、年末の企画をまだ何もやってない……まずい……

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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